装甲正義!織斑 一夏   作:nasigorenn

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今回は、やっぱり甘いです!


妹よりも恋人

 さて、朝の騒動から現在は昼休みとなった。

その間にあった事を手短に話させてもらおうか。

皆が歓迎ムードに包まれている中、まったく歓迎していない五人とどうして良いのか分からない真耶さん。俺は今にも喰ってかかりそうな五人に事情を説明し、頭を下げて仲良くして貰えるようお願いし、また前回の件について謝罪をした。急な事とは言え、マドカは俺の妹となったのだ。ならば、兄として動くのは当然のことである。妹の責任は兄にも一端がある。

まぁ、鈴やラウラも似たようなものだから、自然とそういう立ち振る舞いは身に付いていたのだが。

俺が頭を下げて頼み込むと、皆少し困惑した。しかし、最初にラウラが許してくれた。

最近疎遠になりがちな五人の中でも、ラウラと一番話していた気がする。

ラウラが許すと、皆それに続くように許してくれた。よかった、と内心安心する。やはりクラスメイトとはわだかまりを持ったままでは良くない。

しかし、マドカは反省が薄いのか、

 

「まぁ、昔のことだ。水に流して許してくれ」

 

と気楽に言っていたものだから、その場で軽く頭を叩くと、さっそく叱った。

どうも常識と礼節がなっていない。今日から教え込まなくては、と兄心が沸いた。

叱られた本人は・・・・・・

 

「兄さんに叱られてしまった。でも、初お仕置き・・・・・・えへへ・・・」

 

 にへらっと笑っていた。まったく・・・・・・反省する気があるのだろうか・・・

 

 

 

 そして昼休み・・・・・・

 

「兄さん、一緒に昼ご飯を食べよう!」

 

 真耶さんと一緒に食堂に行こうとしたところを捕まり、一緒に食堂に引きずられてしまった。

そして料理を席に運び着くなり、

 

「えい」

「えぇっ!?」

 

 俺の膝の上に座ってきた。

真耶さんは急な事態に驚き、声を上げてしまう。

俺は何というか・・・・・・予想していた。今日会ってから少ししか経っていないが、それでも充分に分かったことがある。

 マドカは凄い甘えん坊だ。

今まで甘えるなんてことが出来ない、もしかしたらそういうことを知らない環境にいたためか、その反動で凄く甘えてくるのだ。

まぁ、分からなくもないので仕方ないと千冬姉共々諦めた。これも今日から出来た可愛い妹のためだ。

 

「うん、兄さんの座り心地は良いな。実に良い」

 

 そうご満悦に俺の膝に座りながら料理を食べようとするマドカ。

 

「流石に行儀が悪い。ちゃんと席に座って食べなさい」

 

 甘やかすのと教育は別物。叱るときは叱るのが俺の教育理論である。

そう言うと、マドカは、えぇ~、と不満を顕わにするも渋々膝から降りた。

すると・・・・・・

 

「真耶義姉さん、兄さんがケチだ。だから今度は真耶義姉さんに座らせてくれ」

「えっ!?」

 

 俺に叱られたからなのか、今度は真耶さんの甘え始めた。

困惑している真耶さんの膝の上に素早く座った。

 

「おぉ~、これはこれで良いな。しかも・・・・・・低反発枕もついてる」

 

 そう言って頭を後ろに倒し、真耶さんの大きな胸に頭を乗せていた。その頭が大きな胸に深く沈んでいる。

途端に真っ赤になる真耶さん。

 

「凄く大きいな! 姉さんよりもでかいぞ。どうしたらそんな大きくなるのか教えてくれないか、真耶義姉さん!」

 

 おねだりをするような視線で真耶さんに聞くマドカ。真耶さんは聞かれたことに恥ずかしいのもあったが、義姉と言われ、初めて出来た妹にお願いされて嬉しさのあまりにもあわあわしていた。

 

「うぅ~、は、恥ずかしいですけど、でも、い、義妹からのお願いなんだから、お姉さんとして応えたいし・・・・・・」

 

 と顔が真っ赤なまま百面相していた。

実はその顔が可愛いものだからもうちょっと見ていたい気もする・・・・・・が、そんなことをしていたら昼休みが終わってしまう。

 

「これ、マドカ。いい加減になさい。真耶さんが困ってる」

「は~い」

 

俺にやんわりと叱られ、マドカは仕方ないといった感じに真耶さんの膝から退いた。

 その後も昼食では度々マドカが騒ぎを起こした。

俺にはい、あーんを要求したりやったり、同じことを真耶さんにしたり。何回か真耶さんに抱きついたりなど。

真耶さんは俺がはい、あーんをされたりしたときは目が笑っていなかった気がして冷や汗を掻いた。真耶さん自身もマドカのことは気に入ったらしく、甘えられるのは嬉しいようだ。前からお姉さんぶりたかったので、義妹が出来て嬉しいのだろう。

 

 

 

 そして放課後。

流石に生徒会の仕事にまでついて来てもらっては困るので、千冬姉に任せた。

マドカは何というか・・・・・・幼い。肉体と精神の年齢がかみ合っていない。まぁ、仕方ないと言えば仕方ないことなのだろう。

この後マドカは千冬姉に連れられて寮の部屋へと案内される予定になっている。何か問題を起こさないかと、心配になってくるものだ。

 

「織斑君、聞いたわよ。妹さんが出来たんですってね」

 

 さっそく会長からからかうように言われた。

暗部用暗部であるこの人なら、すべて知っているはずだ。故に包み隠さずに言う。

 

「ええ、急に出来たので戸惑ってます。でも、大切な家族ですから」

「そう。まぁ、これで私の苦労も身に染みて分かることになるわね」

 

 そう胸を張って言う会長。

そのような苦労をしていただろうか、この人は?

 

「苦労?」

「そう! 妹を持つ者の苦労は妹を持つ者でしか分からないの」

 

 自信満々に言うと、会長は妹を持つ者の苦労について語り出した。

俺は仕方なく聞くことに。無論書類を処理する手は止めない。

そして会長が語り終わった感想を言う。

 

「別に今更な感じですが・・・・・・一応はそういったものも知ってはいますよ。妹のようなものはいましたしね」

 

 会長にそう言った途端に会長の顔が固まった。

 

「織斑君に妹は今までいなかったはず・・・・・・何故!?」

「ラウラや鈴も似たようなものでしたから」

 

 そう言うと、会長はショックを受けていた。

何だろうか・・・この人は?

その後は手が止まっている会長を叱りながら仕事を進めた。

 

 

 

 そして今は・・・・・・・・・

 

「むぅ~~~~~~~~~~」

 

 俺の目の前には凄いふくれた顔をした真耶さんがいた。

今俺がいるのは寮の自室。そしてベットで座っているわけなのだが、真耶さんがいかにも『怒ってます』オーラを発しながら仁王立ちしていた。

どうしてこうなってるのかは、嫌と言うほど分かっている。

 

十中八九マドカのことだろう。

 

今日一日べったりと付いていたから、それに焼き餅を焼いているのは充分にわかりきっていた。

 

「あ、あの~、真耶さん。取りあえず落ち着いては・・・・・・」

 

 そう言うが、ふん、と拗ねられてしまった。

心が痛い・・・・・・

 

「今日マドカさんにくっつかれてて一夏君、嬉しそうでしたよね~」

「そんなことないですよ」

「嘘です! あんなにべったりくっついてるのを許して言い逃れ出来ると思わないで下さい」

 

 そう言い、真耶さんが俺をジト目で睨んでくる。

これが俗に言う、浮気がばれた夫の気持ちというやつか? そんなことは絶対にない!

 

「マドカはただ甘えたがりなだけですよ。そ、それに・・・・・・ああいう風にくっつっかれたって、俺がドキドキするのは真耶さんだけなんですから」

 

 言った途端に真耶さんが真っ赤になった。

 

「・・・・・・本当ですか?」

「本当ですよ。武者の魂と刀にかけて誓います」

 

 そう誓いを立てると、真耶さんが俺に抱きついてきた。

俺もそれに応じて抱きしめ返す。

 

「だったら許してあげます。でも、私は焼き餅焼きですから、これからもああされる度に焼くかもしれません。だから気を付けて下さいね」

「それはそれで嬉しいですが、怒った真耶さんより笑っている真耶さんの方が俺は好きです。だから気を付けますよ」

 

 そう言ってお互い見つめ合い、どちらからともなくキスをした。

もう何回もしているはずなのに、飽きることが絶対に無い。いつも俺に幸せと感動を与えてくれる。

 そのまましばらくした後に離れようとしたら・・・・・・

 

「えい!」

「なっ!?」

 

 ベットに押し倒されてしまった。

俺が下で真耶さんが上。俺の目の前には真耶さんの顔があった。

その顔は真っ赤になりつつも笑顔だった。少しいたずらっ子のような笑みを浮かべている。

 

「今日の件は許しましたけど、でもやっぱりちょっと怒っちゃいます。だって、一夏君は私だけの旦那様なんですから。今日我慢した分、一杯くっついちゃいます」

 

 そう言うとキスをされた。それも深いの。

 

「んちゅ・・・ふぅ・・・ん・・・ちゅぱ・・・・・・れろっ・・・・・・んふぅ・・・」

 

 舌が俺の口の中でせわしなく動き廻る。

急な事に動転してどうして良いかわからなくなった。

分かるのは、それがとても気持ちよくて頭の中が真っ白になっていくことだけ。

次第と意識もふやけてくる。

しばらく俺の口の中を蹂躙すると、満足したのか唇を離した。

その時の顔はとても艶っぽい。

 

「そもそも、一夏君が私の旦那様だって、みんなに分かるようにしなかったのがいけなかったのかもしれませんね」

 

 そうおかしなことを言い出していたが。頭がふやけている俺はそこまで聞き取れない。

真耶さんはそう言うと、俺の胸に頭を埋めてきた。

そして・・・・・・

 

「つぅ!?」

 

 首元にチクッとした痛みが走った。

見ると真耶さんが首元にキスをして吸い付いていた。

それがまた艶っぽくて仕方ない。

そして唇を離すと、キスをされていた場所は真っ赤になっていた。所謂『キスマーク』である。

それを確認して、うふ、と妖艶に笑う真耶さん。

 

「これで誰が見ても一夏君が私の旦那様だって分かりますね」

 

 そう笑いながら言うが・・・・・・流石にやりずぎだ。

俺は急に起き上がると、真耶さんの唇にキスをした。珍しく深い方で。

俺の急なキスに驚く真耶さん。しかし、次第に顔がとろけていった。

唇を離すと、真耶さんは息も絶え絶えになり、ぼんやりとしていた。

 

「さっきのはやりすぎですよ。だから・・・・・・お仕置きです」

「え?・・・・・・・・・キャーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

 

 そう言うと同時に、今度は俺が真耶さんをベットに押し倒した。

そのまま思いっきり抱きしめ、美味しそうな唇を堪能すべく深いキスを一杯した。

 

それは真耶さんが腰砕けになるまで続いた。

 

 

 尚・・・・・・兄に甘えようと、部屋を訪ねたマドカはこれに遭遇。

二人は夢中で気付いていない。その光景に真っ赤になってマドカは部屋の前から飛び出して言った。

後日、二人を見てマドカは顔を赤くしていた。

 

 

 


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