でもきついと作者のライフがゼロになっちゃうんで注意ですよ。
挨拶もそこそこに邦氏様を見送った後、俺達は学園祭をまわることにした。
「どこ行きましょうか、一夏君」
「そうですね、どこに行きましょうか」
真耶さんと笑い合いながらどこに遊びに行こうかと話し合う。
何だか良い感じだ、楽しい。
そう思っていると真耶さんが少し悲しそうな笑顔でしみじみ言う。
「こうしてると学生にもどった感じがしますね・・・・・・でも、出来れば一夏君と一緒に学校に通いたかったなぁ・・・・・・」
「そうですね・・・・・・だからその分、今日は楽しみましょう!」
「はい!」
元気づけるように声をかけると、真耶さんは『一杯楽しんじゃいますよ~』と笑顔になった。
せっかくの学園祭なのだから、そんな悲しそうな顔はさせたくない。
俺は少し強引に真耶さんの手を強く握り身体をより密着させると、真耶さんが真っ赤になった顔を此方に向ける。
「今日は『学生』なんですから。学生の恋人同士なんだからこれくらいいいかなって・・・・・・お祭りですし・・・・・・」
実は結構恥ずかしかったりしたが、こうすれば少しでも真耶さんが安心するかと思い実行した。
「ふふふ・・・今日の一夏君はいつもより大胆ですね」
「お祭りですから」
此方に暖かな笑顔を向ける真耶さんに俺も笑顔で答える。
その笑顔はいつもと違った年上の人の笑顔と言った感じだった。制服とのギャップのせいもあってか、俺はその笑顔にドキドキしてしまう。
俺はドキドキしながらもさっそく真耶さんと校内をまわることにした。
一番最初に来たところは・・・・・・1-2の飲茶喫茶だった。
丁度昼食も食べていなかったのでちょうどいい。鈴の様子も見ようと思っていた。
さっそく入ってみるときわどいチャイナドレスを着た女性徒が声をかけてきた。
「「「いらっしゃいませ~!」」」
「一夏君、見ちゃ駄目~!!」
声をかけられるとほぼ同時に後ろから目をふさがれた。
「ま、真耶さん! あたってる、当たってますよ」
後ろから抱きつかれて目を塞がれたために、背中に真耶さんの胸が思いっきり押しつけられた。
制服越しでも分かる圧倒的な大きさと柔らかさに、俺の顔は一瞬にして湯沸かし器みたいに沸騰した。
「きゃっ!? ご、ごめんなさい!」
自分が何をしているのかわかり、真耶さんは急いで俺から離れる。
顔がポストよりも真っ赤になっていた。
「ご、ごめんなさい、一夏君・・・私・・・」
「い、いえ、真耶さんのせいじゃないですよ」
そしてお互い真っ赤になりつつも見つめ合ってしまう。
何度だって思うことだが、真っ赤になっている真耶さんはかなり可愛い。
そしてそうしてしまっているときに悲鳴が上がる。
「きゃぁあああああ! 鳳さんが吐血しながら気絶したわ!」
「衛生兵! 衛生兵ぇえええええええええええええええええ!」
「まさに破壊兵器・・・これが一組の秘密兵器か・・・」
どうやら鈴が倒れたらしい。
「大丈夫かな、鈴のやつ」
「心配ですね」
心配になったが、どうやらそこまで大事には至ってないらしい。よかった。
「きっと学園祭で忙しくて無理したんでしょう。あいつは結構無理しがちですから」
「そうなんですか。すぐに元気になってくれれば良いんですけど」
((((この二人、まったく気付いてねぇえええええええええええええええええええ!?))))
何故か周りの人達が驚愕の顔をしていたが、なんでだろう? 何か驚くようなことでもあったんだろうか。
しかしいつまでも立っているわけにも行かないので席に俺達は着く。
さっそく飲茶セットを二つ頼み食べてみたが、中々に本格的だった。
その味に舌鼓を打っていると、店員の生徒が真耶さんの方に来た。その後何かを小声で話すと、真耶さんは真っ赤になりながら連れて行かれてしまった。
俺には少し待っているよう他の店員に言われ、待つこと五分。
「なっ・・・・・・・・・」
「あ、あまり見ないで下さい・・・・・・一夏君のエッチ・・・」
俺の目の前にかなりきわどいチャイナドレスを着た真耶さんが現れた。
炎のような真っ赤な色に金糸で刺繍が施されており、とてもきらびやかな感じだ。
そして・・・かなり深いスリット。あまりの深さに下着がほんの少し見えていた。ちなみに薄いライトグリーン だった。
そして胸元がかなり開いており、肌が露出するとともに深い谷間が出来上がっていた。
真耶さんは恥ずかしそうに両腕で身体を隠そうとするが、身体のラインがはっきり出ている衣装でそんな胸を強調するような動きをされてはどうすればいいのか分からなくなってしまう。
特に動く度にその大きな胸も揺れるのだから、本当に目も当てられない。
「どう、織斑君? せっかくだから着せてみたかったんだ~。でもここまで似合うとは・・・・・・ちょっと犯罪かも」
「まさに悩殺って感じ!」
「あぁ、織斑君、真っ赤になってる~」
あまりの恰好に俺は目をそらす。
しかしながら、内心はみたい気持ちで一杯だった。
「ど、どうですか・・・一夏君・・・あまり見ないんだったら、みてもいいですよ」
羞恥のあまりゆでだこみたいに真っ赤になりながらも潤んだ瞳で上目使いに此方を伺ってきた。
「そ、その・・・かなり似合ってます・・・ただ、出来れば、その・・・こういう派手なのは人前ではちょっと・・・・・・」
そう答えるだけで精一杯だった。
「織斑君! それって、二人っきりのときはOKってこと」
「キャーーーーー! 織斑君ったら大胆」
そう囃されてしまい、お互い真っ赤になってしまう。
「そ、そうなんですか、一夏君・・・二人っきりのときならこういう恰好も・・・」
「そ、その・・・・・・はい・・・」
否定したら泣きそうな位切羽詰まった顔で訊かれたうえに、俺としてもこういう恰好の真耶さんも見たいと思ってしまい素直に答えてしまった。
実は周りにいる男性客への警戒も少し込めてしまった。我ながら嫉妬深さに少し呆れる。
「「「「「キャーーーーーーーーーーーーーーー!!」」」」」
さらにヒートアップして騒ぐ周り。
その後せっかくだからと言われ写真撮影が行われてしまった。
俺は真耶さんとかなり身体を密着させられ、唇が触れるんじゃないかと思われるくらい顔を近づけさせられたりして写真を撮られた。
その際にチャイナドレスきた状態であの胸をあっちこっちに押しつけられたりするなど、俺と真耶さんは病人もビックリするくらい真っ赤になった。本当に恥ずかしかったし、身体を近づける度に感じる真耶さんの香りに心臓が鳴りっぱなしだった。目と目が合うと此方はさらに真っ赤なってしまう。もう提灯にだって勝てるだろう。
撮影が終わった頃には俺と真耶さんはお互い目を合わせられないくらい真っ赤になって下を向いてしまっていた。
すぐ真耶さんが着替えに行ってしまったが、その間に店員にお願いして撮影した写真のデータと写真をもらった。当然これは真耶さんには内緒だ。
真耶さんが戻り次第、俺達はすぐに1-2を出た。あまりの気恥ずかしさにいてもたってもいられなくなったからだ。
「「「「ありがとうございました~!」」」」
そう笑顔で言われたが、顔がニヤニヤと笑っていた。
真耶さんがその顔を見るとまた真っ赤になってしまう。
俺達は逃げるようにその場を後にした。
「はぁ~、さっきは酷い目に遭いましたね」
「そ、そうですね・・・」
そう感想を洩らすと、真耶さんは真っ赤になりながらも返してくれた。
きっとさっきのことを思い出しているのだろう。俺も思い出してしまい、頬が熱くなってくるのを感じる。
(さっきの真耶さん・・・・・・いつもと違って綺麗だったなぁ・・・・・・)
さっきのチャイナドレスはいつもと違って子供っぽい感じが無く、艶っぽい大人って感じでいつも以上にドキドキしてしまった。
また新しい発見をして、俺はさらに真耶さんを好きになってしまう。本当に歯止めが効かないと思ったが、嫌じゃない。胸がさらに温かい感じがする。
「どうしたんですか、一夏君? なんか嬉しそうな顔してますよ」
「何でもないですよ。ただ・・・真耶さんといられて幸せだなって・・・・・・思っただけですから」
「そ、そんな・・・私もです・・・」
真っ赤になりながらもそう言ってくれる真耶さんが嬉しくて、俺はまたさっきみたいに腕を絡ませる。
「それじゃ次に行きましょうか。真耶さんとの学園祭は始まったばかりですから」
「はい!」
心底嬉しそうな笑顔を浮かべて答える真耶さんに俺も笑顔でで返す。
まだ俺達の学園祭は始まったばかりだ。
真耶さんとめい一杯楽しもう、そう心に決めた。