装甲正義!織斑 一夏   作:nasigorenn

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今回はそこまで甘くないですよ・・・・・・たぶん


プールに行こう その3

あれから何とか鼻血を止め、俺達はまた遊び始めた。

またウォータースライダーに乗りたいと言われたときは必死に止めようとしたが・・・・・・

悲しいことに俺は真耶さんのお願いは断れない。

どうも後ろから抱き締められるのがいいらしい。

しかし、さっきのこともあって俺は妥協案として俺の後ろに真耶さんを座って貰うようにした。

一度した失敗を二度も起こす気は無いが、念には念を押した。

少しばかり不満そうな真耶さんだったが、いざ滑るとなって俺を後ろから抱き締めると、

 

「これはこれでいいですね・・・・・・一夏君の背中って大きくて逞しい」

 

と言ってくっつく。

さっきと違い係員の人が若い女性だったため、その光景を見て真っ赤になっていた。

流石に気まずいので俺は係員の人に押される前に自分から発進した。

先程とは違い前なのでよりスピードを感じる。

といっても叫ぶほどではない・・・・・・と言うよりも・・・・・・それどころではなかった。

スピードが上がっていくと、当然と言って良いくらい真耶さんが叫び出し、俺の背中によりくっついてくる。

そうすると、俺の背中にマシュマロよりも柔らかい巨大な二つの膨らみが背中に密着するわけで・・・・・・

気が気では無くなる。

意識がそちらに向いてしまうため、スピードを楽しむとか、そんな余力なんてものはなかった。

そしてプールに着水。

真耶さんが楽しそうな笑顔で此方を振り向いたのちに、俺の顔が赤くなっていることに心配してきたが、俺は何でも無いと答えるのに必死だった。

 

 

 

その後も流れるプールや波が出るプールなど、色々なプールをまわった。

その度に楽しそうな真耶さんを見ると、此方も嬉しい気持ちで一杯になってくる。

た・だ・し、流れるプールで楽しそうにはしゃぐ真耶さんを邪な目で見てくる輩には殺気を放ち沈黙させていくことも忘れない。

よく巨乳の人が水に入ると胸が浮かぶというわけで・・・・・・真耶さんほどの立派なものを持っている人も当然そうなるわけだ

本人は俺とのプールが楽しくて仕方ないと、彼氏冥利に尽きる様子なので気付いていない。

その水に浮かぶ見事なものを鼻の下を伸ばした他の男共が見てくるのだ。

恋人としてこれ程面白くないことはない。

なので死合い並の濃い殺気を真耶さんに気付かれないようにしつつ、周りの男達へと放っていく。

俺の殺気に気付いた者達は顔が真っ青に変わり、此方から目を背ける。中には泡を吹きながら気絶した者もいた。

それをしている間に時間は過ぎ、放送で『人が結構倒れているので体調には気を付けましょう』と連絡が入る。

 

「何か倒れる人が多いみたいですね。一夏君も気を付けて下さいね」

 

と優しく真耶さんが俺に言う。

その姿が可愛くて、ついつい笑いながらも素直に頷く。

しかしその原因が自分だと言うのだから何とも言いがたい。

だからといって人の恋人をイヤらしい目で見た者達に謝罪する気などない。

当然の末路である。

 

 

 

そしてお昼になり、昼食を一緒に食べることに。

これくらい大きな施設となるとレストランの一つや二つは当たり前にある。

俺達はその一つに入って昼食を取ることにした。

そこで出された料理はまぁまぁだったが、真耶さんと一緒ということもあって悪くはなかった。

その際に、

 

「一夏君のお料理の方がもっと美味しいですけどね~」

 

と笑顔で俺にそう言ってくれた真耶さん。

嬉しくて頬が緩んでしまった。

今度はもっと美味しい料理を作ってもっと真耶さんを笑顔にさせたいなぁ。

そう思わせる笑顔だった。

 

 

 

楽しい食事もそこそこに、俺達は午後もまた遊ぶ。

そして午後から急にあるイベントが行われた。

 

『ドキドキハラハラッ! 水着で運動会』

 

と題したイベントであり、誰でも参加できるらしい。

少し古いネーミングセンスに開催者の歳が窺える。

優勝賞品は何と『沖縄旅行三泊四日』のチケット。

会場はかなりの盛り上がりを見せていた。

司会の女性がハイテイションで飛び跳ねると、その大きな胸も大きく揺れ、より男達が白熱していた。

真耶さんはそれを見て、

 

「一夏君は見ちゃ駄目です!!」

 

と急いで俺の目を塞ぐ。

しかし俺は興味がない、というよりも真耶さんしか目に入らないので周りの男達のように盛り上がったりはしない。

 

「俺は真耶さんしか見てませんから」

 

そう笑顔で答えると真耶さんは顔を真っ赤にしていた。衆人観衆の中で無ければ抱き締めたくなるほど可愛かった。

熱狂もそこそこに、さっそく参加者を募集していくイベント。

男が参加しようとすると、周りの男達から無言の殺意を叩き付けられ参加を断念させられるという現象が起こっていた。皆、やはりこういうのは水着の女性のほうがいいと思っているらしい。

俺が出ても良かったが、せっかくの雰囲気を壊すのも忍びない。

そこまで空気が読めない人間ではないのだ。

すると真耶さんが意気揚々に参加すると言ってきた。

ここまで生き生きされては俺では断れない。

真耶さんは嬉しそうに会場に上がっていった。

 

 

 

そして会場では水着を着た様々な女性たちが色々な競技を競い合っていた。

その度に周りの男達からは熱狂した声が上がり、辺りは妙な熱気で包まれていた・・・・・・一部を除いて。

いつもは少しのんびりしている真耶さんだが、さすがはIS学園の教師で元日本代表候補性。

運動神経は結構良かった。

なので彼女は直ぐに決勝戦まですすんだ。

彼女が活躍する度に歓声が上がるが、その殆どは彼女の能力を褒めるよりも、彼女の大きな胸が揺れることによる歓声ばかりだ。

彼女のお願い故に断れなかったとはいえ、こうして男達の注目を集めているのは彼氏として面白くない。俺は無意識の内に殺気を放出しまくってしまい、俺の周りだけは静かになっていた。

周りは何事かと俺の方に目を向けるが、俺はいつもとは違う真耶さんから目が離せなくなっていた。

 

そして決勝戦。

真耶さんと相手の一騎打ち。

種目は簡単で、水の上を浮く浮島を渡って旗を取るものだ。

相手への妨害もありとなっている。

そして開始が宣言されると同時に二人は飛び出した。

好調なスタートを切って前に出る真耶さん。それに対抗しようとして張り合うグラマラスな女性。

会場はその二人に白熱していく。

真耶さんは追いつかれると判断し、真ん中で浮かぶ浮島で女性と戦うことを決意した。

さっそく女性と取っ組み合いなった。

水に落とそうと真耶さんは頑張るが、中々落ちない。

そして相手の女性はニヤリ、と笑うと・・・・・・

 

真耶さんの水着のひもに手をかけようとした。

 

俺はそれがわかり急いで会場に飛び込む。

失格になるって? だからどうした。恋人が衆人観衆の前ではずかしめを受けるのを黙っていられるわけがない!

俺は真耶さんの前に飛び込む手前で競技に使われたビート板を取ると、飛び込みながら上段に構える。

劔冑も刀も無いが、それでもこの程度なら行ける。

そう判断して技を放つ。

 

『吉野御流合戦礼法、雪崩』

 

女性がひもを引っ張るのとほぼ同時にビート板が水面に叩き付けられる。

結果・・・・・・とてつもない水柱が起きて、観客席からは何も見えない状態になった。

真耶さんは取れてしまった水着のブラに悲鳴を上げるが、水柱の前にはその声も周りには聞こえない。

俺はその場で真耶さんを急いで抱き締める。

 

「真耶さん、急いで付けて下さい! 俺が隠してますから」

「は、はい!」

 

俺だと分かると、真耶さんはいそいで水着を着け直した。

その際にお互い真っ赤になってしまった。

 

(もしかして一夏君に見られちゃったっ!?)

(俺は何も見てない俺は何も見てない。真耶さんの大きな胸なんて・・・・・・っぅ)

 

水柱が収まると同時に俺はプールに潜り姿を隠した。

その間に相手の女性は旗を取ったらしく、試合終了のブザーが鳴り響いた。

観客はというと、突然のことに何が起こったのかわからなかったようだ。

 

 

 

そしてイベント終了。

壇上では優勝した女性が皆から脚光を浴びていた。

俺達はと言うと、帰り支度をしていた。

 

「でもちょっと、あんまりです」

 

真耶さんはさっきの結果に不満だった。

 

「そうですね。さすがにアレは卑怯ですよね」

 

俺もその気持ちは同じであり、不満だった。

同じ女性とはいえ、衆人観衆の前で恥を搔かせるような真似をしていいわけがない。

なのでちょっとばかりお仕置きをしたくなった。

俺は落っこちていた、多分焼き鳥の串だと思われるものを拾う。

 

「どうしたんですか、それ」

 

真耶さんが不思議そうに聞くと、俺は意味ありげな笑顔で答えた。

 

「ちょっとしたことですよ」

 

そして串を刀に見立てて壇上の女性、その水着のひもを狙い放った。

 

『吉野御流合戦礼法、飛蝙』

 

そして見もせずに振り返ると真耶さんと手をつなぎながら出口へと向かう。

後ろから女性の凄い悲鳴と男達からの凄い歓声が聞こえたが俺は気にせず、真耶さんにも気にしないようにと言いながら後にした。

 

壇上では女性の水着のブラが急にほどけ、生の乳を衆人観衆の前で晒したとか。

 

 

 

 

そして駅に着いて別れる前に言う。

 

「俺は真耶さんと一緒ならどこでも行きますから安心してください。沖縄でも北海道でもどこでもね」

 

そう言ったら真耶さんは嬉しさのあまり抱きついてきた。

そのままキスまでしていちゃついてしまったのは言うまでも無い話だった。

 

 


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