ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース   作:宇宙刑事ブルーノア

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エピローグ『愛里寿・ウォーです!(中編)』

『劇場版 ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース ~炎のさだめ~』

 

エピローグ『愛里寿・ウォーです!(中編)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなありつつ、遂に島田 愛里寿が大洗学園艦を訪れる日となった。

 

来航した連絡船から昇降口に降りて来るのを、垂れ幕を下げて待つみほ、弘樹、杏、柚子、桃。

 

「来た来た来たぞーっ!!」

 

そして、いよいよタラップが掛けられる。

 

「「「「ようこそーっ!!」」」」

 

元気良くハッキリと歓迎の言葉を口にするみほ、杏、柚子、桃。

 

「………様子がおかしいぞ」

 

しかしそこで、何やら様子が怪しい事に弘樹が気づく。

 

「「「「えっ?」」」」

 

みほ達が首を傾げた瞬間………

 

ストレッチャーに寝かされ、タラップ上のワイヤーで吊り下げて運搬される形で、愛里寿が降りて来た。

 

「う、うう………」

 

その顔色は明らかに悪い………

 

「! 弘樹くん!」

 

「ああ………」

 

すぐに弘樹は、愛里寿を抱き抱えてストレッチャーから降ろすと、昇降口に在った休憩用の椅子に座らせる。

 

「たたたた、大変だぁっ!! 救急車! 医者っ! いや、病院持って来いっ!!」

 

「桃ちゃん、落ち着いて………」

 

「…………」

 

大騒ぎする桃を柚子が宥める中、弘樹は愛里寿の症状を観察する。

 

「………船酔いだな」

 

「ありゃりゃ………」

 

そして愛里寿に出ている症状が船酔いによるものだと判断すると、杏が声を挙げる。

 

「愛里寿ちゃん、大丈夫?」

 

「申し訳無い………うっぷ………」

 

みほが心配そうに声を掛けると、愛里寿は吐き気を堪えながら返事を返す。

 

「学園艦は中高からだもんね」

 

「飛び級して大学まで一気に行ってしまったから、学園艦への乗艦経験が無い故か………」

 

柚子の言葉に、弘樹は顎に手を当てながらそう言う。

 

「船酔いは、目を瞑ったり、小声で歌ったり、梅干しをおへそに張ったりすると治ると聞いた事がある!」

 

「ココは1つ、大洗の言い伝えでやってみよう」

 

と、落ち着きを取り戻した桃がそう言うと、杏がそう言っていつも食べている干し芋を1つ取り出した。

 

「会長?」

 

(嫌な予感しかしないが………)

 

何をする気だと首を傾げるみほと、内心で嫌な予感を感じている弘樹。

 

「ほい」

 

すると杏は、その干し芋を徐に愛里寿の額に貼り付けた。

 

「ええ………」

 

「…………」

 

みほは困惑し、弘樹は無言になる。

 

「………治った」

 

「!? ええっ!?」

 

しかし、愛里寿からそんな声が挙がると、みほは驚く。

 

「額の干し芋が気になって、船酔いしている事が気にならなくなった………」

 

(一種のプラシーボ効果か………?)

 

愛里寿の言葉に、内心でそうツッコミを入れる弘樹。

 

「流石会長です!」

 

「いや~」

 

「じゃあ、何はともあれ、早速大洗女子学園に向かいましょうか」

 

柚子の言葉で、一同は漸く大洗女子学園へと向かい始める。

 

「………?」

 

とそこで、弘樹が何かの視線を感じて振り返ったが、そこには誰も居なかった。

 

「弘樹くん? 如何したの?」

 

「いや………気のせいだ」

 

みほが声を掛けると、弘樹は疑念を振り払って再び歩き出した。

 

………その後をコッソリと着ける、人影がある事に気づかず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗女子学園正門への道………

 

弘樹が運転するSd Kfz 254で、大洗女子学園の正門へと向かう一同。

 

「そう言えば、愛里寿ちゃん。大学選抜チームの皆さんは?」

 

「皆元気だよ。この前の試合での負けが堪えたみたいで、皆一層練習に励む様になったんだ」

 

「大学生が高校生に負けてそのままじゃカッコ悪いもんね~」

 

ふとみほが尋ねると、愛里寿がそう返して、杏がそう口を挟んで来る。

 

「メグミとアズミ、ルミなんかは最近タンカスロンの試合にも足を運んでるみたい」

 

「タンカスロンに?」

 

「あの時、メガフロート艦が沈みそうになって、メグミ達は逃げ遅れそうになったんだけど、大洗連合に参加していたタンカスロンの歩兵の人達に助けられて、その縁でって」

 

「へえ~、一体誰?」

 

「確か………戦闘服の右肩を赤く染めてた3人組だったよ」

 

(………まさか)

 

その愛里寿とみほの会話を聞いていた弘樹の脳裏に、『あの3人』の姿が過った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本州・某所でのタンカスロンの試合会場………

 

ムカデさんチームの陣地………

 

「ねえ~、グレゴルーくんって、ホントに高校生~? そうは思えないくらい渋くてカッコイイわね~」

 

「へへ、実を言うとちょいと留年しててな………」

 

後ろから抱き付いて来ているアズミにそう返しながら、葉巻を吹かすグレゴルー。

 

「………オイ」

 

「ん~? な~に~?」

 

「ベタベタくっ付くじゃねえ、うっとおしい」

 

「いや~ん、そんな媚びない態度も素敵~」

 

「ったく………」

 

メグミに纏わりつかれてうっとおしそうにしながらも無理に振り払おうとはしない根が優しいムーザ。

 

「おたくもああ言うのがお望みで?」

 

「い、いや、私は別に………」

 

「フフフ、照れてる顔もイカすじゃねえか」

 

「なっ! か、からかうなよっ!!」

 

そしてバイマンにからかわれ、良い様に弄られているルミ。

 

「何時の間にかグレゴルーさん達、モテモテだね………」

 

「………色恋沙汰は我には分からん」

 

そしてそんなレッドショルダー3人衆の姿に、微妙に疎外感を感じている鈴としずかだった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ココが我が大洗女子学園だ」

 

と、桃が言った瞬間に、Sd Kfz 254は正門へと到着する。

 

「美味しい美味しいピザ、如何っすかー?」

 

「パスタもありまーす!」

 

「リゾットにビステッカ・アッラ・フィオレンティーナもあるぞー!」

 

そこでは、アンツィオ&ピッツァの面々が、盛大に屋台を開いていた。

 

女子学園の生徒だけでなく、近隣の住民まで集まっている。

 

「アンツィオにピッツァの皆さん?」

 

「何で居る………」

 

みほがそう言うと、桃が身体を小刻みに震わせながらそう呟く。

 

「ようこそ! アンツィオ高校へ! 我々は君を歓迎する!」

 

とそこで、アンチョビがSd Kfz 254の上に攀じ登って来て、姿を見せていた愛里寿に擦り寄る。

 

「どうだ? このトマトソースとオリーブオイルとアンチョビとチーズの香り。我が校に入学すれば毎日食べられるぞ!」

 

「お前達、卑怯だぞ!」

 

如何やら、自校に愛里寿を引き入れる積りで来たらしい。

 

「う………」

 

「ああ、まだ船酔い?」

 

すると、愛里寿の顔色が悪くなり、みほが心配する。

 

「トマトもオリーブオイルもアンチョビもチーズも苦手………」

 

しかし、如何やらアンツィオ&ピッツァ自慢の料理の匂いがキツかった様だ。

 

「お子様かぁーっ!?」

 

(あの位の歳の子なら子供と言えるがな………)

 

アンチョビの声に、運転席の弘樹は心の中でツッコミを入れる。

 

「じゃあ、ウチに転校するのは無理っすね」

 

「そもそも食べ物で釣ると言うのがなぁ………」

 

あっけらかんとそう言うペパロニと、苦言を呈するフォルゴーレ。

 

「では、薔薇の香りは如何かな?」

 

とそこで、何時の間にか薔薇の花束を手にしていたロマーノが、愛里寿に詰め寄った。

 

「えっ?」

 

「君の様な可憐な乙女にはこの薔薇が似合う。如何だい? 宜しければこの後一緒にカプチーノでも飲みながら楽しく語り合わないかい?」

 

何とロマーノは愛里寿をナンパして引き込む腹積りらしい。

 

………犯罪である。

 

「え、えっと………」

 

「カプチーノはお嫌いかな? ならばカフェ・ラッテでも………」

 

戸惑う愛里寿に、ロマーノが更に詰め寄った瞬間………

 

「!? タコスッ!?」

 

突如飛来して来た煉瓦が、ロマーノの横っ面に直撃!

 

ロマーノはSd Kfz 254の上から落ちて、地面に叩き付けられる。

 

(! 今のは………!?)

 

弘樹はすぐに、煉瓦が飛んで来た方向を確認する。

 

そこには誰も居ない………

 

(…………)

 

しかし弘樹は、確信を抱いていた。

 

「イテテテ………何だぁ?」

 

とそこで、倒れていたロマーノが起き上がる。

 

曲りなりにもピッツァ歩兵部隊の隊長。

 

タフさは並み外れている。

 

「ロ~マ~ノ~」

 

「!?」

 

そんなロマーノの前に、怒りの形相を浮かべたアンチョビが立つ。

 

「13歳をナンパするとは、お前そこまで堕ちたのか! この! この! このぉっ!!」

 

何時もの様に愛用の鞭で、ロマーノをしばき始めるアンチョビ。

 

「ありがとうございます! ありがとうございます! ありがとうございます!!」

 

そして鞭で叩かれる度に笑顔でお礼を言うロマーノ。

 

ドM具合もかなり進行している………

 

「ど、如何してあの人、叩かれて嬉しそうにしてるの?」

 

そんなロマーノの姿に、若干引きながら尋ねる愛里寿。

 

「愛里寿ちゃん………愛里寿ちゃんはそんな事は知らなくて良いんだよ」

 

「一生分からない方が幸せだね」

 

「??」

 

しかし、みほと杏は優しい笑顔を浮かべてそう言うだけで、愛里寿は首を傾げるしかなかった。

 

結局、アンツィオ&ピッツァの面々は、歓迎会から切り替えた残念会を終えると退散して行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何やかんや有りつつも、大洗女子学園の制服に着替えた愛里寿は、早速大洗機甲部隊員達の待っている戦車格納庫前へと訪れた。

 

「え~、前に言った通り、島田 愛里寿さんが見学にいらっしゃった」

 

「「「「「「「「「「おお~~っ!!」」」」」」」」」」

 

大洗女子学園の制服姿で居る愛里寿の姿を見て、大洗機甲部隊員達からは歓声が挙がる。

 

「静かに! 自由に見学して下さい。質問が有れば何なりとどうぞ」

 

「うん………」

 

桃が制すると、愛里寿は大洗機甲部隊員達の輪の中へと入って行った。

 

「バレーボールを如何思いますか!?」

 

「ようこそ、オクシュアルテス」

 

「ようこそ、愛里寿!」

 

「これが生徒手帳よ。校則は全部ココに書かれてるから」

 

「コレは我々がレストアした車なんだけど」

 

「この力こぶ、触ってみるにゃ?」

 

「スクールアイドルやろうよ!!」

 

早速戦車チームの面々が纏わりつき、口々に話し掛けて行く。

 

「大人気だなぁ」

 

「愛くるしい子ですからね………皆さん、妹みたいに思ってるんでしょう」

 

「実際、大学選抜チームでもマスコットキャラクターにされている側面があった様だ」

 

流石に割って入れず、その様子を少し離れて見ていた歩兵部隊員達の中で、地市、飛彗、煌人がそう言い合う。

 

「フフフ、人気者だね………」

 

開いた扇子で口元を隠して笑う迫信。

 

「! あ………ちょっとゴメンナサイ」

 

とそこで、愛里寿が戦車チームの輪の中から抜け出したかと思うと、迫信の前にやって来た。

 

「おや?」

 

「神大さん、ありがとうございます。ボコミュージアムのスポンサーになってくれて」

 

迫信が反応すると、愛里寿は迫信に深々と頭を下げてお礼を言う。

 

実は迫信………

 

潰れかけていたボコミュージアムのスポンサーとなり、ミュージアムを再建していたのだ。

 

当初愛里寿は、母・千代にお願いする積りであったが、例の騒動でそれどころでなくなってしまい、途方に暮れていたところに迫信が名乗り出てくれたのである。

 

尚、コレは神大コーポ―レーションの事業の一環ではなく………

 

迫信の完全なる善意で行われており、資金は全て彼自身が株取引で稼いだ金から出されている。

 

因みに資金量は大企業を10年間運営出来る程の予算並みだったとか………

 

「ああ、その事かね。気にしないでくれたまえ。私が勝手にやった事だからね」

 

「いえ、ボコの恩人にはちゃんとお礼しないと………」

 

そう言って愛里寿は再度深々と頭を下げた。

 

「流石は島田流戦車道の後継者、礼儀正しいね」

 

そんな愛里寿の姿に、迫信も高評価である。

 

「あ………」

 

「うん?」

 

と、顔を上げた愛里寿の視線が、今度は弘樹と合った。

 

「舩坂さんもゴメンナサイ。あの時、お兄ちゃんが………」

 

今度は弘樹に、ボコミュージアムでの事を謝罪する愛里寿。

 

「………子供が自分の事で無い事に頭を下げて謝る必要は無い」

 

弘樹は愛里寿から謝罪を受ける様な事は無いと返す。

 

「そうだぜ、愛里寿ちゃん」

 

「ワイ等は勝負を挑まれたから戦った………それだけや」

 

地市と大河が割り込んで来てそう言う。

 

それを皮切りに、今度は歩兵隊員達が愛里寿の前に集まり出す。

 

「好きな音楽のジャンルは何だ? 演奏してやるよ」

 

「ドーモ、島田 愛里寿=サン。葉隠 小太郎です」

 

「今日からお前も俺達のダチだぜ!」

 

「貴女は神を信じますか?」

 

「救い料100憶万円、ローンも化」

 

「アクション映画は好きかい?」

 

「あ、コレ、僕の作ったキャンディー。良かったらどうぞ」

 

「絶・好・調であるっ!!」

 

磐渡、小太郎、弦一朗、竜作、ハンター、鋼賀、弁慶、月人が愛里寿に口々に言う。

 

「オーイ! 俺にも話させてくれよぉっ!!」

 

とそんな中、他の歩兵隊員達の人垣が邪魔をして愛里寿に近づけないで居る了平。

 

「!? ぐはっ!?………ぐえっ?!」

 

すると了平は転倒し、更に踏まれてしまう。

 

「………もうやだ、こんな役」

 

「あ、あの? 大丈夫?」

 

惨めな自分に涙していると、そんな了平に気づいた愛里寿が近づいて来る。

 

「立てる?」

 

そう言って了平に手を指し伸べる愛里寿。

 

「…………」

 

その時、了平の目には、愛里寿の背に天使の翼が生え、後光が差している様に見えた。

 

そしてその瞬間………

 

了平は思った………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺………もうロリコンで良いや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「愛里寿ちゅわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーんっ!!」

 

気持ち悪い叫びと共に、了平は倒れたままの姿勢が数メートルの高さまで跳躍!

 

「!?!?」

 

驚愕する愛里寿に向かって、ルパンダイブで飛び掛かった!

 

「了平! 貴方とうとう一線を越えてしまったのですかっ!?」

 

「!!」

 

楓の悲鳴の様な叫びが木霊する中、弘樹が英霊を抜き放とうとする。

 

………が、その瞬間!!

 

突如現れた影が、了平に飛び掛かり、そのまま地面に叩き付けた!

 

「!!」

 

「!? アレはッ!?」

 

「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」

 

大洗機甲部隊員達が驚愕する。

 

「貴様ぁっ! 愛里寿に何をする積りだったぁっ!! この異常性癖者めっ!!」

 

「ぐえっ!? あばっ!? おぼっ!?」

 

了平に圧し掛かり、マウントポジションを取った状態で顔面を何度も殴打している影………

 

 

 

 

 

それは紛れも無く、イプシロンだった。

 

 

 

 

 

「お兄ちゃんっ!?」

 

「イプシロンさんっ!?」

 

「やはり貴様だったのか………」

 

驚きの声を挙げる愛里寿とみほとは対照的に、知っていたかの様な反応を見せる弘樹。

 

「このロリコンめっ! カスめ! ゴミがっ!!」

 

しかし、そんな一同の様子など知ったこっちゃないとばかりに、イプシロンは了平をボコボコにし続ける。

 

「チョッ! 待っ………」

 

とうとう了平が反応しなくなり、ピクピクと痙攣するだけの状態になり始める。

 

「………そこまでだ」

 

そこで弘樹が、イプシロンを了平から引き剥がす。

 

「離せっ! 離さんかっ!!」

 

「正直始末して欲しい気持ちは有るが、それは罷り通らんのが世の中というものだ」

 

暴れるイプシロンを押さえる弘樹だが、台詞には当然かも知れないが了平へのフォローは一切無い。

 

「保健室へ連れて行け。治療が済んだら、学内停学用の営倉に入れておけ」

 

「「ハッ!!」」

 

一方既に虫の息な了平は、紫朗の命を受けた男子校風紀委員の手により、運ばれて行ったのだった。

 

「お兄ちゃん! 如何して此処にっ!?」

 

「ひょっとして………ズッと付いて来ていたんですか?」

 

とそこで、愛里寿とみほがそう尋ねる。

 

「当たり前だ! 1度は戦った相手の場所なぞに、愛里寿を1人で行かせられるものかぁっ!! 私の可愛い妹である愛里寿に何かあったら如何するっ!!」

 

それに対し、さも当然の様にそう吠えるイプシロン。

 

「アイツ、相当なシスコンだったみたいだな………」

 

「ギャップが有り過ぎるな………」

 

そんなイプシロンの姿を見て、シメオンと大詔が呆れた様にそう呟く。

 

「お兄ちゃん………」

 

愛里寿も思わず頭を抱える。

 

「それにっ!!」

 

「むっ………?」

 

だが、イプシロンはそれに気づかず、押さえつけていた弘樹を振り解き、向き合う。

 

「舩坂 弘樹! 貴様に再戦を挑むチャンスをみすみす見逃すものか! 今度こそ私が勝つっ!!」

 

弘樹の事をビシッと指差しながら、そう宣言するイプシロン。

 

「…………」

 

しかし、先程のシスコン発言が頭に残っている弘樹は、物凄く微妙な顔を浮かべていた。

 

(うわぁ………弘樹くんが見た事も無い顔してる………)

 

みほも今までに見た事の無い弘樹の表情を見て、思わず冷や汗を流す。

 

「勝負しろ! 舩坂 弘樹っ!!」

 

だが、イプシロンはお構い無しに再戦を挑んで来る。

 

「………良いだろう。そこまで言うならやってやる」

 

そこで弘樹は、彼にしては珍しく、嫌そうな様子でそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

斯くして、舩坂 弘樹とイプシロンの再戦が開始されるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させていただきました。

事前に予告はしていたかも知れませんが、やはり中編を挟んで後編へという展開になってしまいました。
申し訳ありません。

いよいよ転校してきた愛里寿ですが、イプシロンがコッソリと付いて来た。
キャラ崩壊の予告通りに、シスコンぶりを発揮しています。
そんな中でも弘樹との再戦に臨む。
しかし、今回の話は基本ギャグ………
真面な戦いは行われませんので、予めご了承下さい。

そしてロリに目覚めてしまった了平の末路は?(爆)

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

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