綺麗に纏まったままで良かった方は見ないで下さい。
あと飯時に読んではいけません。
──バーン戦にて
「フレイザードちゃん、俺に手がある。……バーンよ、凍れる時間の秘宝。俺も使えるとしたらどうよ?」
「……何? だからどうだと言うのだ」
「ポップ、それ皆既日食の時しか使えないって奴じゃ……」
フレイザードちゃんはポップに言う。今日は皆既日食では無いのだから。
「まぁ見ててくれって。……行くぞバーン!」
「……ッ!!!」
ブリブリブリブリブリブリブリブリブリブリブリュッブブブブッブッ
………
………
………
時が、止まった。
「猛虎破砕拳!」
ポップが壮大にうんこを漏らした事で、場の空気が完全に凍り付いた。その一瞬の隙を見逃さず、ポップの渾身の一撃がバーンの腹を捉えバーンが吹き飛び壁に勢い良く叩きつけられる。
「ぐっ……なぁ!? カイザーフェニックス!!!」
壁に叩きつけられたバーンは信じがたいものを目撃した。瞬時にズボンとパンツを脱ぎ捨てたポップは汚物がこびりついたそれを全身の筋肉を最大限に膨張させながら渾身の力を込めてバーンに投げつける。汚物付きのそれを喰らった所で、勿論肉体にダメージなど無い。ただ大魔王としてそんな屈辱を許せない。大魔王の最高の一手の一つであるカイザーフェニックスにて汚物を空中で迎撃したバーン。あんな物の為に自慢の呪文を使わされた事に憤りを感じても仕方ないと言える。
「はっはっはっはっは! どうだバーン! 時は凍っただろう!」
「くっ、なんて奴……」
「ポップ、それ凍れる時間の秘宝というよりメガンテだよぉ……」
フレイザードちゃんが赤面し両手で目を覆いながら言う。
「バーン! 俺の話を聞け!」
「……なんだというのだ。お前は一体なんなんだ」
「地上が崩壊すれば魔界も瓦礫で埋まり誰もが住めなくなる! ならば地上の一部のみに穴を開け、魔界に光を届け両方を支配すればお前の望みも叶うであろう!」
ポップはビシッとバーンを指差しながら叫ぶ。フルチンで言う台詞ではないと思う。
「ふん、ならば今すぐに開けてみろ。貴様に出来るというのか?」
「お、言ったな? ま、多分もうすぐ……」
ドオオオオオオオオオオオ
激しく爆発音と共に世界が揺れる。
「な、何!?」
「ポップ!?」
「いやー多分メルルがそろそろやるんじゃないかなぁーって思ってたけど、タイミングばっちりだね」
「一体何をしたというのだ」
「黒の核晶で死の大地を吹き飛ばしましたー。てへぺろ」
ちなみにポップとメルルはまったく打ち合わせなんてしていない。ポップは多分メルルならやると思ってただけだし、メルルはそろそろポップが望んでいると確信しやった。ただそれだけである。
「何故貴様が黒の核晶を……」
「だってキルバーンの中にあったから……もったいないよね?」
「そうか……ヴェルザーめ……!?」
「チェックメイトだよ、バーン」
バーンの意識は完全にポップに向いていた。フレイザードちゃんから意識が離れていた。その隙を見逃さずフレイザードちゃんは気配を消し移動、バーンの側頭部に光の矢が突き付けられる。
「魔界では力こそが正義……だって言ったよね? 今日、今だけはその流儀でいかせてもらうよ。お願い。降参して。……チェス、一緒にやるの私の楽しみなんだよ」
「……ふ、ふははははは!!!」
バーンは笑った。この男の奇行は神ですら見破れぬだろうと。
「……ポップ、フレイザード、二人の好きにするが良い」
「んじゃ、バーンこれからも宜しくな!」
ポップはバーンに歩み寄り右手を差し出した。バーンは一瞬躊躇ったが握手した。実に感動的である。フルチンで無ければ。
「ポップ、そろそろ何か履いてよぉ……」
フレイザードちゃんの視線は常にポップから外れている。恥ずかしがってるフレイザード可愛い。
こうして歴史から抹消された闘いの幕が閉じた。ポップの物語は幾つもの本となって後世に伝わっているが、この闘いの事実を知るものは三人と占いの玉で見ていたメルル以外いない。
勢い余って書いてた。投稿するか迷って放置してたけどやっぱり投稿する事にした。反省してない。
皆様、最後まで読んで頂きありがとうございました。