ミスとんとキルやんに連れられて、鬼岩城(建設中)にやって来た。大規模工事ってテンション上がるよね。
二人にひょいひょい着いて来たら、薄布越しに大魔王バーン様と面接を行う事になった。展開早すぎ。もうちょい細かい描写色々しろと言いたい。
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面接は短かった。多分、いや間違いなくめっちゃ怪しまれた。なんでかなー。姿見えてないのに「うるせえ爺」ってつい言ったからかなぁ。その後、「あっいやいや何千年生きてるなら人間から見たら爺だし」って言ったら「……何故人間が余の生年を知っている?」とか言われた。焦って「そ、そりゃあプロレスやってた時に小耳に挟んでさ。あ、あー見た目実はめっちゃ若いとかかな? あはははははは」って言ったら全員黙り込んでやんの。無事誤魔化せたね。ふっ、勇者アバンの使徒にして大魔道士マトリフと拳聖ブロキーナの弟子は伊達じゃない事を口車でも証明してしまったぜ。
まぁなんやかんの問答した結果、「余の下ではたら「よっしゃ! 仕方ないなあ好き放題やるでえ!」……ああそう頑張って」みたいな感じでお許しを頂きました。いやー熟考だったわ。悩んだ悩んだ。これで俺も魔王軍入りだわ。立場は後で決めるってさ。
さっそく、「鬼岩城の設計図見せてー」と頼んだら現場監督やってるオークさんのとこに案内された。んで設計図見せて貰ったんだけど。物足りない。せっかくデカイのに。デカイだけやんけ。つまらん。しょうがねえなと現場監督連れて設計図持ってザボエラの爺の居場所を聞き出してザボエラの研究室に乗り込んだ。これでもかと言わんばかりの怪しい施設にテンション上がってきた。「人間……? ああ、KOPか」と割りとすんなり皆受け入れてくれる現実に笑えるね。サインくれとも良く言われるよ。で、ザボエラの爺に設計図広げて熱く語る訳よ。
まず、外装岩のままとかダサいからパージ機能着けよう。こいつはクロガネの城になるんだ、スーパーロボットなんだ、コックピットは脳の位置にあるべきなんだと。
ロケットパンチは男のロマンなんだと、外部装置としてジェットスクランダーを用意して空を飛ぶべきだと、やはり光子力ビームやブレストファイヤーを搭載すべきだと。
は? 動力? そんなもん爆弾岩でも積めてドッカンドッカンさせとけよ。メガンテエネルギーだよ。この巨体に搭載する浮かす設備どうすんだって? 大丈夫だよベタンの術式をあんたが研究すれば反重力だって出来るって。そんな必殺技どうやって武装するのかって? 大丈夫だよ魔法力を蓄積する技術(ようはあんたのマホプラスと実はアバン先生から一発パクった魔弾銃の弾)を研究すればメラゾーマ1000発分くらい貯めるって。んでそれをぶっ放そう。イケるって。大丈夫だって。あんたの超頭脳ならイケるって。よ、天才! あ、そうそうオリハルコンの剣持った奴が襲ってくる想定で真っ二つにされてもすぐにくっついて再生出来る仕様にしよう。はあ? 無理? どうせ超魔生物とか研究してんだろ。それなんとか応用してよ。何故知ってるって? そそそそそれはあれだよ。勘だよ勘。細かい事気にすんなって! 俺とザボエラの仲じゃない。え? 初対面? 一度会ったら友達で毎日会ったら兄弟らしいからへーきへーき。よし、さっそくやろうぜ!
とまあ素晴らしいプレゼン能力を発揮し、マジンガー鬼岩城の開発が始まった。バーン様に許可取りに行ったら、なんか呆れてた気がする。
このマジンガー鬼岩城が量産された暁には人間なぞあっという間に叩いてくれる。フハハハハハハハハ!
とりあえず初日はそういう事になった。