空を見上げればまだまだ太陽が元気に活動中であるがもう6月に突入である。
傘を持つのは邪魔くさいからエニグマ大活躍だな!
と思いながら教室に入ると二人の男がブツブツと独り言を口ずさんでいた。
クラスのみんなに聞こえるぐらいのボリュームで、
…だからだろうか?教室の人口密度が低い。
ちなみに独り言の内容は
「mずいマズイ不味い拙い…はやての誕生日って確か6月だよ…巻き込まれるじゃないか」
「はやての誕生日は6月4日!それまでにフラグを立てて
どちらが吉良か早乙女か、お分り頂けただろうか?多分頂けただろう。
「なるほど、そっかー…もうA'Sの季節か………
…ん?闇の書って確か
「それだーー!!!」
「待てい!!」
俺がそうボソっと言った瞬間吉良と早乙女が勢いよく迫って来た。
教室にいた数少ないクラスメイトがそそくさと退散
人口密度がさらに減ってしまった。ナンテコッタイ
「どきたまえ早乙女君、これがどう考えてもハッピーエンドじゃないか」
「やかましい!そんなあっさり事件解決されたらフラグの立ちようが無いじゃねえか!」
「もう君のフラグが立つことは不可能に近いだろうがこの犯罪者予備軍!」
「なんだとゴルァ!」
「お前らとりあえず落ち着け」
こいつ等二人が騒いでいるのでとうとうこの教室の人口はこの3人だけとなってしまった。
みんなどこに行ったし
「とりあえずだ、漢ならっ!こういうのは勝負で決めるべきだとぼかぁ思うんですよ!」
「乗ったよ」
「乗った!」
「じゃあ屋上行ってら」
2人が教室から出た瞬間中に活気が戻った。みんなに軽く英雄視されたぜ
「ぐおっ、何故だ!俺の魔力の方が圧倒的に上なのに…何故こんなにも押されている!」
「五月蠅い!君が犯罪者っぽくなければあんなフラグも立たなかったのに!
…君はもうこの件から手を引くんだ!」
一方、屋上で結界を張り、吉良と早乙女が戦闘中である。
元々吉良の魔力はAAA+早乙女はS+であり3ランクの差だ、普通ならば到底敵うまい。
しかし吉良は早乙女を圧倒していた。何故か?その答えは簡単だ。
「くっ…だがな、だがなァ!
知れば誰もが望むだろう、はやてにフラグを立てたいと!ヴィータの夫のようで在りたいと!」
「そんな事…」
「故に許してほしい。私という存在を!」
「それでも…それでも!守らなきゃならない法律があるんだ!」
「ごもっともです!だけどな…お前が言うなァーッ!」
自分の言い訳を論破された早乙女は割と大人しく吉良の
「と言う訳で僕が勝ったからはやてちゃんを救ってくれたまえ」
長い話になるのかもしれないので昼休みに話し合うのは止めて放課後
珍しく転生者3人組みが一堂に集まった。何気に初めてである。
「やっぱり吉良が勝ったんだー流石はやての夫候補は一味違うNE☆」
「へェ、夫候補ってどういう意味だァ?テメェがはやてにフラグ立てたのかよ?」
「…話をややこしくしないでくれ、と言うか遠藤君は何を言ってるんだい?」
「いや、下の名前で呼んでるから仲良くなってるんだな〜って思っただけ
吉良って普段さ、女の子の名前はなのは以外名字で呼ぶだろ?」
「うぐ…」
「吉良よォ…屋上行こうぜ…久々にキレちまったよ…」
「今は闇の書事件について話し合う為に集まったんだろう!
その話は後回しだ、あ と ま わ し !」
とりあえずその場は落ち着いた。
闇の書事件についての話し合いの終了と同時に吉良と早乙女の喧嘩が再度勃発するだろうが
「君のクレイジーダイヤモンドで直す事が出来れば楽なんだけどね
無理だったらどうしようか?」
「パールジャム入りの『特製クラムチャウダー』を闇の書に食わせたらいいんじゃね?」
「…いや、本に食わせるってどういう意味だい?」
「本に直接
パールジャムの効果で健康的、つまりは正常化させるって寸法よ!」
「魔力回復アイテムでページが埋まるかは微妙だが、アリ…なのか?」
「さらに!白くてドロドロの液体に汚れた闇の書から出てくるヴォルケンズは…おっとここまでだ」
「遠藤ォ…お前天才だな!それはヨーグルト?」
「いいえ、ケフィアです」
「やかましいわ」
何故か関西弁で突っ込む吉良だった。