第一話
side レイ
「お…」
「お?」
「お前は誰だ?」
俺は、そう銀髪の美少女に尋ねた。いや、なんとなく予想はついてるけどね…
「お前こそ誰だ?って、レイのやつどこ行ったんだ?あれ?俺の声ってこんなに高かったけ?」
「レイは俺だけど?…もしかして、リクか?」
「え…?レイ、お前女になっているのか?」
「いや、お前こそどうしたんだその姿…」
「ん?」
そう言い、リクは自分の体を見る。少しの間自分の胸を見て、その後慌ててあの場所を探った。はたから見ると何とも言えない光景だな…
「な、ない…」
「そらそうだろうな、女になってんだから…」
「神様って言ってたやつの仕業か…」
ここで、一応今のリクの容姿を確認しておこう…かなり長いきれいな銀髪(恐らく膝の辺りまである)で、目の色は赤と青のオッドアイだ。目は少し吊り上がっていて、顔は前よりも少し丸みを帯びている。ぶっちゃけると10人中9人は美少女と言うレベルの容姿だ。俺は鏡見てないからわからんがな…
そう思い、鏡をさがそうととベッドに手を置いたときガサっという音と紙を触った時の感触が掌に伝わった。何かと思い、拾い上げてみるとどうやら手紙のようだった。
「ん?手紙?」
「なんだそれは?」
そういい、リクが近いてくる。近くで見るとさらにかわいく見えるな…って、いかん俺としたことが…相手はリクだぞ、俺はそっち系の趣味はないはずだ…話が逸れた…俺は少し慌てて手紙を開いた。えーと…何々?
「『無事に転生が出来たら、お主達は学園都市第七学区のマンションにいるはずじゃ。それと、一つ謝らねばならんことがある。もう気づいておると思うがお主達を間違って女に転生させてしもうたんじゃ…本当にすまん。それのお詫びと言ってはなんじゃが能力のほかにもう一つ特典を付けたから許してはくれんか…そのもう一つの特典は二人を≪聖人≫にすることじゃ。お主等はその世界に数十人しかいない聖人になったのじゃ。後、それとは別に生活必需品やら金はこちらで手配してから心配せんでいいぞ。他には、二人の名じゃな。レイは、そっちの世界で【煌レイナ】、リクはそっちの世界では【天使リンネ】となっておる。さて、二人の能力じゃがレイナのほうは『危険殺し(デンジャラスブレイカー)』じゃ。この能力はありとあらゆる危険または害悪のあるものを排除できる能力じゃ。使用時間は無制限じゃから無双でもなんでもできるぞ。そして、リンネのほうじゃがこっちのほうは『逆転世界(アンチ・ザ・ワールド)』じゃ。ありとあらゆる事柄や結果、現象など全てを反対にできる能力じゃ。ただし、自分以外の生物の生死や自分の性別は変えられないから注意が必要じゃ。ワシからの説明は以上じゃ。頑張って生きるんじゃぞ。 by神』だってさ…」
「つまり、俺たちが女になったのはミスでお詫びに聖人の力をくれたって訳か…神なら性別ミスんなよ…」
「『危険殺し(デンジャラスブレイカー)』ねぇ…」
「ほんとに性別変えられねぇのかな、この『逆転世界(アンチ・ザ・ワールド)』で………無理っぽいな…」
俺達はお互いに向き合って、深いため息をついた。
なんでこうなったんだ?
・・・・
・・・
・・
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side out
side 御坂紅葉
「ったく、なんだこいつらは…」
「てめぇ、ここが俺らスキルアウトの縄張りだと知って入ってきたのか?あぁ!?」
「てめぇ、みねぇやつだなぁおい…」
「めんどくせぇな…わりぃがどいてもらうぞ…」
俺は、まだ慣れてない能力『幻影光剣(ファントムブレイド)』を使い不良…もとい、スキルアウトの連中を潰した。まぁ、殺してはいない。だって、元日本人だからどうしてもグロイのには耐性がないんだよ…
「まだ、制御が完璧じゃねぇな…まっ気長に訓練してみるか…そういや、美琴は常盤台中学に行ってんのか…ちょっと、行ってみるか…」
そういい、俺は常盤台中学を目指し歩いて行った。因みに俺は学校に行ってない。なぜかって?今日転生したばかりだからだよ…そういや、常盤台中学の場所知らねぇな…まぁ、誰かに聞けばわかるだろう…
・・・・
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side out
side 煌レイナ
俺は、部屋の中にあった姿見を見て愕然としていた。その姿見に写っていたのは俺とはかけ離れた容姿の美少女だったからだ。まず、目につくのは腰の辺りまである白髪だ。一方通行(アクセラレータ)とは、少し違いくせっ毛はなく指通しのいい髪だ。次に目につくのは赤い目だ。…って、これ絶対一方通行がモデルだよねぇ…顔は少し丸みを帯びていて、目は吊り上がっている。はたから見れば目つきの悪い美少女だ。リク…じゃなかった、リンネに負けてないほど美少女っぷりだ。ほんと、神様なんでこんな容姿にしたんだよ…
…絶対ナンパとかされるじゃねぇか
そこかよ!というツコッミは受け付けますw