多分今迄で一番長いです。
ちょっと原作より梅子先生が乙女してます。あと主人公もはっちゃけてます。
さあみんな、砂糖を吐くんだ!
翌日。約束どおり川神市の隣である七浜市のチャイナタウンの関羽象の前で、梅子先生の連絡を待った。
格好としては正直どういった物がいいのか分からなかったので、薄い空色のワイシャツを着て上に明るめの黒のジャケットにスウェット、そして六月の終わりでも夜は冷えるので、茶色の薄手のコートも持ってきた。
一応この格好で問題ないか梅子先生に写メを送って確認をして貰うと、『問題ない』というメールの返事が来たので、多分大丈夫だろう。
正直、一番の難関は今日の事を義経達や小雪達にばれないように出掛ける事だった。
流石に恋人の振りをしてくる。とは言い難かったので、朝一でヒュームさんとクラウディオさん、そしてあずみさんに連絡を取って梅子先生の名前は伝えずに、事情を説明して協力を頼み込んだ。
ヒュームさんとクラウディオさんを選んだのは、口が堅く、女性関係の問題は厳粛に対応してくれるから。
あずみさんにも連絡を取ったのは、ステイシーさんと李さんの事があるからだ。
最近二人に誘われてバーに飲みに行く事が増えたので、二人に今日は無理だとそれとなく伝えておいて欲しいと頼んだ。まぁ、自分だけお酒じゃなくてジュースなんだけどね。
ヒュームさん、クラウディオさん、そして意外な事にあずみさんもすぐに了承してくれた。理由を聞こうかとも思ったが、それで協力が反故されても困るので黙っておいた。
強力なメンバーを仲間に引き込めたので、安心していつもどおりに登校した。
放課後は一子と義経と一緒に河川敷で修行する約束をして、他の約束を断った。心苦しかったが仕方ない。
特に小雪と百代は物凄いがっかりしていたからなぁ。明日はおやつを作って持って行こう。
一子はだいぶ強くなっていた。義経が積極的に協力している事もあるのか、だいぶ見切りや集中力の切り替えが上手くなってきている。
気に関してはまだ身体に纏って留める事は出来ていないが、気その物は感じているみたいだから時間の問題だろう。
そして夜になって今の服に着替え終えた自分を、ヒュームさんが瞬間移動で川神駅まで一瞬で連れて行ってくれた。そして別れ際にいつもの厳しい表情でこちらを見据え、
『女性に恥をかかせるような真似はするなよ』
そう言ってこちらを激励するように肩を一度叩いて去って行った。
自分もあんな大人になりたいなぁ。
父を含め、自分の周りにいる出来る大人の男達を思い出しながら、それに近づけるように頑張ろうと拳を握る。
「それにしても、遅いな……」
駅前で待つことかれこれ一時間。もう約束の時間は疾うに過ぎている。
まぁ、家族と一緒なんだから話が弾んでいるのだろう。
そんな事を考えながら屋台で二個目の肉まんを買い、時間潰しの為に持って来たライトノベルを読む。もちろん与一から借りているものだ。
◆
『状況は?』
『ターゲットは未だ動かず』
「……何してるんですか二人して?」
無線から聞こえる大の大人のおふざけに、優季の監視の為に近場のチャイナ喫茶に待機していた私服のあずみが、呆れ顔でツッコんだ。
『ノリが悪いなあずみ。それでも序列1位か』
『そうですよ。こういうのは楽しみながらやるのがコツです』
「……色々言いたいですが、一つだけ……なんでコイツらに情報漏らしたんですか!」
「やっべーよ李、優季ロック過ぎる」
「ええ。普段バーに行く時から思っていましたが、ああいう大人っぽい格好だと本当に違和感無く大人に見えますね」
あずみは私服の優季に興奮している同席している同僚兼友人の二人を指差して、この状況を作り出した元凶であるヒュームとクラウディオに声を荒げながら説明を求めた。
『ほほ、まあ私の場合は親心のようなものですよ。二人が優季に好意を抱いているのは明白でしたからね。お見合い破談の為とはいえ、人を騙したことに多少の引け目は感じるでしょうから、そこを優しくすればポイントは高いと思います』
「ファック、ばれてたのか。そして流石はクラウディオ様、ロックな作戦だぜ!」
「流石です」
「いや、バレバレだから。なんであたいの周りにはこういう連中しかいないんだよ」
あずみは目頭を押さえて唸った。
「それでヒュームさんは?」
『ふっ、俺は純粋な興味だ。あの恋愛に疎い優季が、ちゃんと恋人の振りが出来るのかどうかというな。まぁついでにお前らが優季を落せば、あいつが九鬼に就職する可能性も高くなる』
『やれやれ、あなたはさっさと優季を弟子にしてしまえばいいのに』
『黙れ。あいつにはまだ足りない物が多すぎる』
ツンデレ乙。と、あずみは心の中で呟きながら優季に同情の視線を送った。
「それにしても、相手が年上の女性とは聞いていたけど、一体誰なんですかね?」
『そういう意味では逆に優季に何かある可能性もある。あいつも武士道プランの関係者だからな。いくら恋愛に鈍感とは言え、ハニートラップにかからないとも限らない』
「ないな」
「ないない」
「ないでしょう」
『ないでしょうね』
『……まぁ、言った俺もそう思う』
そんな甲斐性があるなら好意を寄せる相手の何人かに手を出しているはずだと、全員が思った。
「つうか優季の奴って妙に恋愛に関して堅物な所あるよな」
「ですね。一歩引いている気がします」
「ふむ……」
実際に優季に恋し、そういう目で見ている二人が言うのなら、そうなのか?
あずみ自身、別に二人の恋を応援していない訳じゃない。むしろ最近は三人でお互いに意中の相手をどう落とせばいいのかと、以前よりも友人として距離が縮まり、飲む回数も増えたので、優季には少なからず感謝していた。だからこそ今回の件を引き受けたのだ。
「まあとりあえず見守りましょうか」
あずみがそう纏めて改めて全員が監視に戻った。
◇
更に一時間が経った。
流石に何かあったのではないかと思い始め、携帯に連絡を入れようとしたとき、
「お~い鉄!」
そう言って大声で名前を呼ばれたのでそちらに振り返ると……なんか顔を赤くし、普段では考えられないくらい緩い笑顔な上機嫌の梅子先生が、こちらに向かって歩いていた。
……もしかしなくても、酒飲んでる?
「長い時間律儀に待っていたのか~う~ん偉い! 偉いぞ鉄~」
あっ、飲んでるの確定だ。しかもなんか悪い酔い方してる気がする。
「あ、あの梅子さん、ご両親と何かあったんですか? お見合いの話は?」
「あ~そのことなんだが……断られた」
「……へ?」
笑顔のまま梅子先生が吐き出すように呟いた。
「相手の男が私の年齢を聞いて、『28? ありえね~』とか言って写真も見ずに断ったらしい。ははは、私は何時の間にか選ぶ側ではなく、選ばれる側だったんだよ」
投げやりな感じで笑いながら事情を説明する梅子先生、その後はと聞けば、両親には彼氏の事を伝えたので『じゃあ彼氏と帰りなさい』という流れになってしまったらしい。
そしてあまりにも悔しくてつい自棄酒をってことかな。
「はあぁ。どう断るかで悩んでみれば……うぅ情けない……」
「そんなことないですよ。そもそも年齢聞いただけで断るとか失礼です!」
相手がどういった人かも分からないのに断るとか失礼だろ! その程度の気持ちなら軽々しくお見合いすんな馬鹿!!
心の中で憤りながら、梅子先生をなんとか励まそうとするが、先生は更に溜息を吐いて俯いてしまう。
「28年間、真面目に生きて来た結果がこれだ。確かに恋愛経験なんて無い。でもな、私だって女だ。そういう事を考えたことが無い訳じゃない……だが、私はもう、女として終わっていたらしい。はあぁ。私はこれから枯れて朽ちていくだけなのか……」
……何故だろうか。一瞬マープルさんが二人並んだ姿が浮んだ。
い、いかん! いかんですよ!
今の梅子先生は自棄になっている。このままではいけない。
「……梅子先生は素敵な人です。その男に見る目が無かったんですよ」
「世辞はいい。お前は優しいからな」
どこか物憂げに笑う梅子先生。ダメだな。言葉だけではきっと信じてくれない。というかお酒のせいか浮き沈みが激しい。
いや、だったら……それを利用しよう。激しく沈むのであれば、激しく浮く事も可能なはず!
「分かりました。ではデートしましょう」
「……は?」
自分の言葉に、梅子先生が呆けた表情で振り返る。
「今日の自分は『梅子さん』の恋人です。ですから、デートしましょう。そして証明して見せます。梅子先生が女性として魅力的だって事を」
そう言って多少強引に梅子先生の手を取り、彼女の指の間に自分の指を絡め、お互いの腕を交わらせる。所謂恋人繋ぎと言う手の繋ぎ方だ。同時に腕も組んでいるから更に恋人っぽい感じになっているはずだ。
正直かなり恥かしい。恥かしいが、尊敬している人が落ち込んでいるなら、助けてあげたい。
「鉄……」
「優季です」
「……ははは、恋人にするとここまで強引なのか優季は?」
「そうだよ。普段は流され体質でも、自分を曝け出す相手には遠慮しない」
苦笑気味に笑った梅子先生に、笑顔で微笑み返す。
「それじゃあまずは七浜公園にでも行きましょう。夜景が綺麗らしいですから」
手を繋いだまま、彼女の歩幅に合わせて歩く。
梅子先生に絶対に女性としての自信を取り戻して貰う!
◆
『まずいな』
『まずいですね』
「どういうことですか? こっちからは普通に恋人らしく歩き始めただけにしか見えませんが? 恋人の振りが始まったんじゃないんですか? というか、どっちか一人来てください。切実に」
危ない目で優季と梅子を見詰める二人の友人の殺気に、あずみはやばいと判断して救援を求める。
『……そうだな。クラウディオ、事情説明のついでに二人が暴走しないように見張れ』
「そうなると思って既におりますよ」
「「うお?!」」
にこやかな笑顔で現れたクラウディオに驚いて三人が立ち上がる。
「では移動しながら説明します。あ、お支払いは済ませておきましたよ」
クラウディオに促されて喫茶店から出た三人は、遠巻きに優季を監視しながら、クラウディオが読唇術で得た現在の二人の状況を説明される。
「……つまり、小島先生が年齢で見合いを断られて自暴自棄になってしまい、優季が女性としての自信を取り戻させるためにデートを始めた。と?」
『……ああそうだ。辛い現実だな』
「そうですね。人は老いるものだというのに」
「やべー、ちょっと同情する」
「そうですね。特に我々は……」
全員が一呼吸置いてから、あずみを見た。
『「自分を強く持て」』
「お前ら覚えておけよ」
マジギレ寸前のあずみであったが、しかし否定もできなかった。明日は我が身かもしれないのだから。
はぁ、あたいも英雄様に慰めて貰いてぇよ。
「で、何がまずいんです? そんな理由ならデートくらい許してあげてもいいんじゃないですか?」
『分かってないな。酔った女、夜の街、良い雰囲気、とくれば』
「っホテルか!!」
ヒュームの言葉にステイシーが驚愕の表情を浮かべる。
『そうだ。いいか、優季は身持ちが硬い。そんな男が女性と関係を持ったら、辿り着く結果は一つ』
「っ結婚!!」
今度は李が戦慄の表情を浮かべて愕然とする。
「まず間違いないでしょう。よって、これからの任務内容は『二人がホテルに行くのを阻止する』です」
「「了解!」」
帰りてぇ。
あずみは心の底からそう思った。しかし元々面倒見の良い性格なうえ、梅子の気持ちを一番理解できてしまっているため、溜息を吐きながらも、周りが暴走しないようにしぶしぶついて行った。
◇
「はい。梅子さん、あ~ん」
「あ~ん」
私は公園のベンチに座ってこちらに肉まんの欠片を摘んで寄越す優季を見詰めながら、その欠片を口に含む。その時、彼の指が少しだけ唇に触れ、酒で熱くなった体温が更に上がった気がした。
「うむ。では今度は私がしてやろう。あ~ん」
「あ~ん」
私はお返しとばかりに自分が食べている餡まんをちぎって優季の口に運ぶ。彼が口を閉じたときに自分の指先が彼の唇に触れてまた身体熱くなる。
……な、なんだこれは? これではまるで本当に、こ、こ、恋人のようではないか!!
しかし驚きながらも嬉々として『恋人らしい』行動を取る自分もいる。
元々お酒が進むと良い意味でも悪い意味でも感情に素直なタイプなのは自覚していたが、今回ばかりは自分でも素直すぎる気がした。
ダメだ。酒のせいでイマイチ思考と心が一致しない。
頭では恥かしいと思いながらも、心がこの幸福感を求めて仕方が無い。
「なあ優季、喉が渇いた」
「ん。はい」
彼はそう言って肉まんを膝の上に置いてストローが一本差されたお茶のペットボトルを私の前に差し出す。私はストローを口に咥えてお茶を飲み下す。このお茶は先程彼が飲んでいたものだ。
「ん~。っはぁ。ありがとう」
間接キス。その事実に気付いている。気付いているが、止められない。
しかし冷たい飲み物を飲む度に徐々に酒の勢いが薄れて行くのも事実で、私は恥かしさと同時に不安を感じていた。
いい年してこんな、世間的に言うならバカップルのような周りを気にしない行動をしていて、果たして周りはどんな目でこちらを見ているのだろうか。
私は周りに視線を巡らし、気付く。
周りは自分達と同じ男女連ればかりであり、こちらを微笑ましく眺める者もいれば、私達の行動に中てられたのか、同じ様な事をしている者もいる。
そして通り過ぎる一人身の男性の幾人かは、小さな声で『羨ましい』と呟く。
私を恋人にした優季を羨ましいと言う。それはつまり、優季の言うとおり私が女性として魅力的ということ。そして周りから嘲笑も軽蔑の視線も無いと言う事は、私達はちゃんと『恋人同士』に見えているということだ。
年甲斐も無くその事実が嬉しく、そして誇らしくて心臓が高鳴り、その事実を証明してくれた優季の方へと振り返り……その横顔に見惚れてしまった。
教師と言う立場で見ていた時は、年の割には落ち着いているが、顔立ちはまだ幼いと思っていた。
だがどうだ。今横にいる男は、本当に自分の知る優季か?
こちらを気遣い、ずっと握ってくれている力強く大きな手。
優しく落ち着いた眼差し。
寄り掛かればしっかりと受け止めてくれる逞しい鍛えられた体。
少なくとも学生には纏えない『一人前の男の頼もしさ』が、確かに彼から感じられる。
今、そんな男を自分が独り占めしている事実に、身体が熱くなった。
ああ、これが、優越感か。
今なら分かる。これは夢中になる。歴史上の人物達が恋愛で失敗したのも頷ける。
「どうかした?」
私がずっと見詰めている事に気付くと、優季は首を傾げながら微笑んでみせる。
「いや。なあ優季、私はいい女か?」
「ええもちろん。厳しいけど生徒想いで、自分の事に関しては少し不器用だけど、人の悩みは真摯に向き合ってくれる。そんな梅子さんが俺は大好きですよ」
「そうか。誑しのお前が言うのなら、少しは自信を持ってもいいか」
私の言葉に、酷いな。と苦笑しながら優季は否定したが、多分人誑しというのは間違いないだろう。
なんせ経った一日で人一人をここまで誑しこんだのだから。
彼の言葉と行動に感謝し、晴れやかな気持ちで顔を上げる。
「大丈夫ですか?」
「ああ。自信もな。ありがとう、優季」
優季の問いに力強く頷いてみせる。
「それじゃあ帰ろうか梅子さん」
「ああ。っくしゅ」
酔いが冷めて少し身体が冷えたのか、急に身体に寒気が走る。
しまったな。上着を持ってくるべきだった。
そんな風に考えていると、優季が手に持っていたコートを私に手渡してくれた。
「持ってきて良かったです。どうぞ使ってください」
「あ、ああ。ありがとう」
受け取ったコートを羽織りながら一緒に立ち上がって駅前へと向かう。
酔いも醒めて思考と気持ちが一致するようになった。もう恋人の振りは必要ない。だが、私は今日一日だけの恋人の感触を忘れないように、駅前に着くまで彼に寄り添って、ゆっくりと歩いた。
今日だけは私のものだから構わないだろう。
◆
「……なあ李、中国の暗殺術に『嫉妬で相手を殺す術』とかないのかよ?」
「私は知りませんが……今度調べておきます」
「どう始末をつけるおつもりですか、御二人とも?」
優季達が去った後、ベンチでちょっとヤバイ目で黄昏ながら物騒なことを呟くステイシーと李を、あずみは青筋立てながら親指で指差し、珍しく焦りによって汗をかくヒュームとクラウディオを問い詰める。
「う、うむ。これは少し予想外だったな」
「そうですね。優季の紳士力を見誤りました」
二人は若い優季なら『据え膳食わねば状態』になったらホテルに行くと考えていた。
何故なら異性としての自信を取り戻す一番効率のいい手段は『異性として求めること』だからだ。
もしくは梅子の方が誘うという可能性もあった。彼女はそれくらい自棄になっていたのは間違いなかったから。
後はホテルに行く直前で止めて、梅子を含めみんなで傷の舐め合いでもしつつ、頃合で優季とステイシーと李を三人きりにして返す予定だった。
「……はぁ、思えばお二人も恋愛成就、していませんでしたね」
「「…………」」
恋愛下手な人間が積極的に協力した結果がこれだよ!
というこの状況に、三人は無言のまま溜息を吐いた。
「飲みに行きますか」
「ああ。俺は優季を送ってから合流する。俺とクラウディオが奢ってやるから、好きなだけ飲み食いしろ」
「そうですね。偶には皆で騒ぐと致しましょう」
ヒュームが瞬間移動で姿を消した後、あずみとクラウディオは不吉な笑みを浮かべる二人を連れたって、居酒屋へと向かった
◇
何故か疲れた顔で現れたヒュームさんにさっさと自室に送られ、お礼を伝える間もなくヒュームさんはすぐに消えてしまった。
仕方なくベッドに横になりそして、顔を手で覆い隠した。
や、やっちゃったああ~~!!
自分がした行動の恥かしさに悶絶する。
だってしょうがないじゃない! デートなんて桜と過ごしたあの日々や、セイバーやキャスターがしたいと言っていた内容くらいしか参考に出来ないんだから!!
自分自身に言い訳して多少落ち着きを取り戻し、顔の熱もある程度下がったところで、溜息を吐いて今回分かった事を考えながら呟く。
「はあ。結局、自分は自分って、ことなのかな」
結局恋人の振りをしても、梅子先生に抱いたのは『愛情』という想いだけだった。
それはつまり、自分が特定の誰かと恋人になっても、相手への接し方は変わらないし、他の人達への接し方も変わらないと言う事だ。
そんな男に付いて行く女性は間違いなく不幸だろう。何故なら恋人以外の女性に対しても『愛している』と『大切だ』と叫ぶのだから。
なら結局、自分が出来る事は『進む』か『引く』か、それか『奪われる』かの三つ。
「……もう少し、我侭になってもいいのかな……桜、みんな……」
ゆっくりと目蓋を閉じて、かつて愛した人達との思い出に浸りながら、その日は眠りについた。
ふっ、書いている最中ブラックコーヒーが甘いのなんのって……書いててマジ恥かしかった。
という訳で、主人公が恋愛に悩み始めましたとさ。
まあ当初から主人公が恋と愛について悩むという流れには持っていくつもりでした。
さて、次回は未定です。挟めそうなイベントが無ければ水上体育祭のイベントに行くと思います。