ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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後少しで終わります


今回はバトル回


アニメのフェンリル、弱体化しすぎじゃね? ドライグ達と同格じゃ それと見た目。一回だけ挿絵で出たけど別犬だろ

まあ、強さそのままだと志願したからって未熟なのをそんなのとって事に

やはりアニメは原作で多かったツッコミどころというかアンチされる所を変えてますね


空気にすらなれていません

 フェンリルは北欧神話最強の魔獣であり、その強さは二天龍に匹敵するほどだ。さて、その二天龍だが単純な強さだけでなく、ドラゴン特有のブレスや神器などで使える特殊能力を持っての評価だ。だが、フェンリルには特殊な力など強いていうならば神殺しの牙程度。つまり、単純な力だけならばドライグやアルビオンさえも上回るということになる・・・・・・。

 

「ぐっ! やは厳しいか」

 

 コカビエルは易々と砕かれた光の槍を見て呟く。元々最上級悪魔でも正面から倒せる実力者だが、更に龍の手によって更に倍の力を手にしている。それでもフェンリルにまともに攻撃を当てる事すら出来ないでいた。

 

「なら、これならどうだっ!!」

 

 アザゼルは空に強大な槍を無数に出現させると豪雨の様に降り注がせる。それを体を回転させて弾いたフェンリルはそのままアザゼルの体を切り裂くが、すぐにアナスタシアが放り投げたフェニックスの涙によって回復した。

 

「お祖父ちゃん達、無理しないで! その体で負った傷は本体にできないけど、痛みは解除後にフィードバックするのよぅ!」

 

アナスタシアはコカビエルに振り下ろされそうになった爪を横から殴りつけて逸らす。そして彼女の背中を踏み台にして飛び上がったジークフリートが計六本の剣を振り下ろした。

 

「やっぱり堅いね。僕の剣でも表面を斬るのがやっとだ」

 

 ジークフリートの禁手は背中から四本の龍の手を生やし、その本数だけ力を倍化するというもの。本来ならば龍殺しであるグラムの力をフルに使え無いが、この時の彼女はグラムのオーラを全開にしていた。

 

「全く、本当にチート能力だよね! 神器や装備品を含めて分身を作り出すなんてさ! おかげで全力バリバリで戦えるよ!」

 

 ジークフリートは嬉しそうに好戦的な笑みを浮かべる。傷を付けられたフェンリルは牙をむき出しにして襲いかかるが、正面から飛んできた無数の光の槍に反応して咄嗟に飛び退いた。それを見たコカビエルの目が輝き、籠手のオーラが増大した。

 

「やはりな・・・・・・覇龍!」

 

「んじゃ、俺も! 禁手化(バランス・ブレイク)!」

 

 瞬時に巨大な怪物へと変身するコカビエル。だが、掴み掛かったその腕にフェンリルの牙が深々と突き刺さる。苦痛に顔を歪ませながらもその瞳は勝利を確信していた。

 

「どれほど毛皮が堅かろうと、内部まではそうはいくまい!」

 

 コカビエルの光の槍はフェンリルの軟口蓋に突き刺さる。それでも完全に突き破れないのが流石最強の魔獣といった所だろう。だが、そのダメージはコカビエルが牙から抜け出すに十分な隙を作り出し、其れが勝機を呼び寄せる切っ掛けとなった。

 

「アナ!」

 

「任せといて! おらぁっ!」

 

「アナ、流石に年頃の娘がその様なかけ声を出すのは・・・・・・」

 

 ジークフリートは先程付けた傷口目掛け、六本の腕全てで掴んだグラムを突き刺す。コカビエルに受けた傷も合わさってフェンリルは怯み、腹の下に潜り込んだアナスタシアはハンマーを振り上げフェンリルの巨体を宙に叩き上げる。

 

「俺の孫を蹴っ飛ばした礼だ。存分に受け取りやがれ糞犬がっ!!」

 

 黄金の鎧を纏ったアザゼルは巨大な槍を作り出すと其れを凝縮し、限界まで光力が高められた光の槍をフェンリルの脇腹目掛けて叩きつけた。流石に回避できなかったフェンリルは真横に殴り飛ばされ、

 

 

 

『今だ、ヴァーリ!!』

 

 そして、其処には準備を終えたヴァーリが待機していた。

 

「これで、最後だぁあああああっ!!」

 

 今まで耐えに耐え、力を貯め続けたヴァーリの全力を込めた力が炸裂する。たった一撃にすべての力が込められており、其れは勝利を決定付けるものとなった。フェンリルは地面にたたき落とされると同時に意識を失い、その体を魔法陣が包み込む。そして、それと同時にアナスタシアは空に信号弾を放った。

 

「アナ?」

 

「ごっめ~ん。これが目的だったのよぉ。じゃあね、お祖父ちゃん達とヴァーリ」

 

「……何か企んでいる顔だとは分かっていたが」

 

「テメッ! やっぱり何か企んでやがったか。……所でコカビエルと俺、どっちが格好良かっ……」

 

 全く悪びれた様子のないアナスタシアは禁手を解除してアザゼル達の分身を消すと、ヴァーリに投げキッスをしてフェンリルと共に何処かへと消えていった。

 

 

 

 

「まあ、一緒に戦えたから良しとするか」

 

 恋する男は単純である。もし彼が犬ならば尻尾を盛大に振っていただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前達、怪我はないか……?」

 

「旦那っ!」

 

 ロキが放った魔術の光が晴れた時、其処には仁王立ちになって朱乃とフリードを庇ったバラキエルの姿があった。彼は既に満身創痍であり、今にも倒れそうだ。にも関わらず彼は娘達の無事な姿を見て安堵の表情を浮かべた。

 

「そんな、どうして……?」

 

 バラキエルはそのまま前のめりに倒れ、フリードは朱乃にフェニックスの涙を投げ渡すとロキに銃口を向けて威嚇する。朱乃はバラキエルにフェニックスの涙を使いながら茫然自失といった様子で呟いた

 

「分からんか? 小娘」

 

 なぜ自分を守ったのか、その問い掛けに応えたのは意外にもロキであった。

 

「決まっているだろう。その男が”父親”だからだ。世の中には親とは呼べぬ親も居るが、それでも親子の絆とは何よりも硬い。たとえ相手に拒絶されていようがな。……くだらん話をしたな。さあ、互いの信念を掛けた戦いを続けようじゃないか」

 

 ロキは首を数度振ると体からオーラを溢れ出す。その姿から感じるオーラは悪神である彼の本気の力を感じさせるものだ。そして、フリードもまたエクスカリバーをその手に握り締めていた。溢れ出すオーラは彼自身を傷付け、周囲にも余波を放つが決して後ろには向かわない。後方の朱乃達に向かうオーラは全てフリードが押し止めていた。

 

「……俺が間違ってたぜ。旦那は命を掛けて俺達を守ってくれた。ならっ! 俺は命を超えて二人を守る力を得るっ!」

 

 フリードの叫びと共に溢れ出すオーラは全て収まり、エクスカリバーから放たれる力は穏やかながら力の質を先程までとは別格な物へと変化させる。この時、エクスカリバーがフリードを主と認めた瞬間であった。

 

 

「……おい、朱乃。俺はテメェが好きだ」

 

「……は、はいっ!?」

 

 この状況で告白したフリードは振り返らないがその顔は耳まで赤い。そして朱乃の顔も同様だ。

 

「だからお前は俺が守る。……だからよ、バラキエルの旦那にさ、も少し素直になってくれや。俺っちはもう地が全部死んでいるから身内を嫌っている奴を見るのが嫌なんだよ。……待たせたな、ロキィィィッ!!」

 

 フリードは叫びながらロキへと向かって行き、ロキは背後に出現させた魔法陣から無数の魔術による弾幕を放ち、フリードは最小限の物だけを弾きながら突き進んでいった。

 

 

「っ!」

 

「とったっ!!」

 

 だが、弾きそこねた一撃がフリードの足を掠め、フリードの体勢を崩す。そこ目掛けロキは全ての魔術を凝縮させた一撃を放った。

 

「……ありゃ、やっぱ死亡フラグになっちまったか?」

 

 

 

「諦めないで下さいっ! 行きますわよ、父様(・・)

 

「……ああっ!!」

 

 だがフリードが諦めかけた瞬間、完全に息を合わせて放たれた雷光がロキの魔術とぶつかり合い拮抗する。そして。その瞬間、フリードはロキ目掛けて跳躍し、エクスカリバーを振り下ろした。

 

「さっさと寝やがれ糞神野郎ぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

「ぐっ! うぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

 

 ロキも防御魔法陣を出現させてエクスカリバーを防ぐ。だが、徐々に押され始め、気が逸れた事で制御がおろそかになった魔術を打ち砕いた雷光がその体を打ち抜く。そして、それと同意にエクスカリバーがロキの体を切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

「フリードさんっ!」

 

「フリード!」

 

 ロキを倒すと同時にフリードは倒れこみ、朱乃達は慌てて駆け寄る。するとフリードは二人に顔を見て歯を見せて笑った。

 

 

 

「良かったな。やっと素直になれたじゃねぇか。分かってたんだろ? 旦那は悪くないってさ」

 

 フリードの言葉に朱乃は涙を流しながら無言で頷く。こうしてロキの襲撃は阻止された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、彼の予想通りですね。……行きますよ、レオナルド」

 

「……はい」

 

 そして、その様子を遠くから見ていたカトレアが戦場に降り立った。

 

 




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最近、評価で明らかに違反の侮辱コメントが来て落ち込みました。

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