ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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今回、とある原作キャラが退場します


友人達と会いました

「……オーディン様の護衛任務ですか? アレが居るからお断りしますよ」

 

「そ、そこを何とか!」

 

その日、柳は非常に不愉快だった。友人であるリゼヴィムや曹操と会っている時にオーディンからの使いが訪ねて来た為に二人が来てすぐに帰っていったのだ。もう力ずくで黙らせれば良いのでは? と思うようになった柳だったが、

 

「駄目だよ~? 柳ちゃんはもう直ぐこの世界から出て行くんだろ~? なら、日常は大切にするべきっしょ」

 

「……平穏が欲しいのに手に入らない者は多くいる。できるだけ大切にするべきだ」

 

と言われてしまい、大人しく従う事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「(うぅ、胃が痛い)」

 

どうしてこんな事になったのか。ロスヴァイセは胃がキリキリ痛むのに耐えながら必死に愛想笑いを浮かべる。目の前にはニコニコしながら依頼を断る柳と彼の膝の上に座って龍が獲物を見る目で彼女を見ているミラ。椅子に座って睨みをきかす羽衣とオンラインゲームに夢中で会話に入ってこないゼノン。どうやらゲーム内で何かあったらしく、溢れ出すオーラで壁にヒビが入りだした。

 

「くっ! 物欲センサーめっ! もうコレは要らんというのに! なぜ確率が十倍以上の素材が出んでコレが出る!?」

 

「……あのゲーム廃人は無視してください。それで、なぜ私の所に依頼を? 護衛は三勢力から出てるでしょうに」

 

実際、日本の神との会談の為に日本を訪れたオーディンはリアスやバラキエルを連れて豪遊している。護衛の中にはヴァーリも居るので護衛としては十分なはずだ。

 

「オーディン様が仰るには、せっかく日本に来たのじゃから顔見知りと話がしたい、だそうです」

 

「まぁ、あの方には色々と美味しい仕事を頂きましたし……」

 

三勢力以外にも常連を多く持つ柳達は当然のように北欧神話にも顔見知りが多い。中には親子揃って柳と仲の良い神もいる程だ。だから本当なら依頼を断る理由などないだろう。

 

「……バラキエルを護衛から外す事が最低条件です」

 

そう、バラキエルの事さえなければ。幼い柳がゼノン達と少しは仲良くなり出した頃、グリゴリからの接触があった。当時から請負人をしていた四人に興味を持ったアザゼルが彼らを本部に招待し、その時にバラキエルに再開したのだ。当時既にゼノンは壊れた心が少し治ったのか殺してしまった家来と同じくらいの柳を可愛がっており、バラキエルを殺そうとした。だが柳は大切な友人の親だからと彼女を説得。なんとか彼は一命を取り留めた。もっとも、柳は彼を許した訳ではなく見逃したに過ぎなかったが……。

 

「柳さん、甘いですよ! 何なら私が奴ら全員を今すぐ食い殺して……」

 

「はいはい、止めておいて下さいね。……それで返答は?」

 

柳の出した条件に不満そうに頬を膨らませて足をバタバタさせながら物騒な事を言うミラの頭を撫でた後、柳は再び威圧感を感じる笑顔でロスヴァイセの方を向く。さらにキリキリと痛み出す胃に耐えながらロスヴァイセは一枚の書類を取り出した。

 

「そ、それでしたらグリゴリの方は既に了承済みです。後、今回は護衛といっても主にオーディン様の話し相手になって下されば宜しいですし、襲撃の際も他の護衛がやられるまで戦う必要はございません。それと、期限は書類に書いている通りで報酬額は何時もの五倍に加え、前金代わりにコレを……」

 

ロスヴァイセはそう言うと空間を歪め酒瓶を何本も取り出す。すると従者三人の目の色が変わった。

 

「そ、それは詩の蜜酒ではないか!」

 

「……良いだろう。その依頼、柳とミラが引き受けた!」

 

詩の蜜酒とは北欧神話に登場する蜂蜜酒でオーディンの所有物の一つだ。飲むと詩人や学者になってあらゆる情報を物語れるという物だ。もっとも、この二人にはそんな事などどうでも良く、ただ旨い酒であるという認識しかない。だが飲んだくれにはそれで十分だった。だが、甘いのが嫌いな柳は

 

「えぇ~! 私が甘いの嫌いって知っているでしょう? お二人が引き受けてくださ……いえ、私が行きます。あのセクハラ爺の前にお二人を出す訳にはいきませんから」

 

「ほぅ、嬉しい事を言ってくれるな」

 

「其れでこそ柳じゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……どうせ私は子供ですよ。ウィ~ヒック!」

 

「あ、あの~、一気飲みは止めておいた方が……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っという訳で、私とミラがバラキエルの代わりに護衛に付く事になりました」

 

「ヴァーリさんは兎も角、貴方方とは馴れ合う気はないので話しかけないでくださいね」

 

ミラは満面の笑みとゴミを見る目をリアス達に向けてそう言った後、移動用の場車に乗り込む。柳も苦笑しながら場車に乗り込みミラが彼の膝に座ろうとしたその時、既に彼の膝にはオーフィスが座っていた。

 

「二人共、久しい」

 

オーフィスはそう言いながら柳が用意したお弁当を口にする。ミラの大好物である蒼雷龍の竜田揚げ(ミラが憂さ晴らしに使い魔の森に行った際に捕まえて来た)をパクパクと口に運ぶ。瞬く間に竜田揚げはオーフィスの胃袋に消えていった。

 

「……表に出ろ。いい加減決着を着けてやる」

 

何時もの見た目通りの口調も忘れたミラのストレートがオーフィスに叩き込まれる。オーフィスはヴァーリとギャスパーを巻き込んで吹き飛ばされていった。

 

「……ふぅ。うん、美味しい♪」

 

ミラはゼノンから借りた最強の拳装備であるアルムテン(レベル百)を仕舞うと、残ったお弁当を口に運ぶ。実に至福そうな可愛らしい笑顔を柳は愛おしそうに見つめ、そっと頭を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なぁ、アイツってやっぱロリコ……」

 

「しっ! 殺されるぞ、フリード! 前にアザゼルが言って殺戮舞荒拳を全て金的に……くっ!」

 

もう慣れたのか直ぐに復活したヴァーリは迂闊な事を言おうとしたフリードの口を塞ぐ。なんとか彼の命は助かった。もしそのまま禁句を言っていれば彼は今頃……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……退け、オーフィス」

 

「断る。柳の膝、座り心地が良い」

 

オーディンの移動用の馬車の中で柳の膝に座りながらミラとオーフィスは互いの脇腹に肘打ちをし合う。一見すると仲の悪い姉妹にも見え、子や孫のいる者から見れば微笑ましい姿に見えるだろう。その一撃一撃が最上級悪魔を瞬殺する威力でなければの話だが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「の、のぅ、ロスヴァイセ。なんでオーフィスまで乗っとるんじゃ?」

 

「し、知りませんよ! オーディン様が聞いてください!」

 

結局、誰も怖くて聞けないままオーフィスもオーディンの日本観光に同行する事となった。最初はキャバクラやおっぱいパブに行こうとするも連れに幼女二人が居るので入りにくく、一行は仕方なしに遊園地や回転寿司を回るなどして楽しむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「店長! もう皿がありません!」

 

「ば、馬鹿なっ!? 回転寿司が回らなくなるだとっ!?」

 

回転寿司屋ではレーンの上の皿をオーフィスとミラと小猫が食べ尽くし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バァァァァァァァァッ!!」

 

「……」

 

「バ、バァァァァァァァァ」

 

「……」

 

遊園地で入ったお化け屋敷ではお化け役のスタッフが驚かせようとするもオーフィスは無言無表情を貫き気不味い空気が流れる。そんなこんなで観光は続き、柳とミラが護衛につく期間の最終日がやって来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふむ。最初は驚いたが無限龍と話すのも貴重な体験で面白かったの」

 

オーディンは満足気に笑いながら髭を撫でる。どうやらオーフィスの同行がお気に召した様だ。その時、急に馬車が止まった。

 

「何事だ!?」

 

慌てて馬車の外に飛び出すと前方にはオーディンの物によく似たローブを着た男が浮かんでいた。

 

「はじめまして、諸君!我こそは北欧の悪神!ロキだ!」

 

「これは、ロキ殿。一体何用ですかな? この馬車には北欧の主神オーディン様が乗っておられるのをご存知でないので?」

 

「無論承知だ! 我らが主神が我らが神話体系を抜け出し、他の神話体系年と接触していると聞き、苦言を呈しに来たのだよ」

 

「堂々と言ってくれるじゃねぇか、ロキ」

 

アザゼルの声は怒気を含んでいるが、それを聞いたロキは楽しそうに笑っている。

 

「ロキ様!これは越権行為です! 主神に牙をむくなど正気ですか!? とても許される事ではありません!」

 

スーツから鎧へと着替えたロスヴァイセはそう抗議するが、ロキは聞く耳を持とうとせず、鬱陶しげに答える。

 

「一介の戦乙女ごときが我が邪魔をしないでくれないか? オーディン、まだこのような北欧神話を超えたおこないを続けるおつもりなのか?」

 

「そうじゃよ。こっちのほうが何倍も楽しいのでな。和議を果たしたらお互い大使を招き、異文化交流しようかと思っただけじゃよ」

 

それを聞き、ロキは苦笑した。

 

「……貴方の考えはよく分かった。なんと愚かなことか。では、ここで黄昏を行おうではないか!」

 

ロキから放たれた威圧感にヴァーリ達は身構えた。

 

「それは、抗戦の宣言と受け取っていいんだな?」

 

アザゼルの確認にロキは不敵に笑い、ヴァーリ達を繁繁と見つめる。

 

「いかようにも。……それにしても豪華な事だ。元堕天使総督、天使が一匹、悪魔がたくさん、白龍皇も居るか。これは少々分が悪い。。……出てこいっ!我が愛しき息子よっ!」

 

ロキの叫びに宙に歪みが生じる。空間の歪みから姿を現したのは灰色の狼だった

 

突如現れた巨大な灰色の狼から放たれる重圧に全員が固まる中、アザゼルは大声で叫んだ。

 

「お前等、あのデカイ狼には手を出すなっ! アイツはヤバイ!」

 

ロキが呼び出した狼の正体。それは『フェンリル』。神喰狼(フェンリル)とはロキが生み出した最悪の魔獣であり、その牙は確実に神を死に至らしめるという。

 

「グルルルル……。 !」

 

「む? どうした? 息子よ」

 

 

ヴァーリ達を見て唸り声を上げるフェンリルは突如何かに反応し、嬉しそうに尻尾を振る。ヴァーリ達だけでなくロキさえも訝しそうにフェンリルを見つめたその時、馬車から柳とミラが顔を見せた。

 

「あれ? まだ戦ってなかったんですか?」

 

「お、お前は!」

 

ロキは柳の顔を見た途端に驚いたような顔をし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しいな我が友よ!」

 

「あっ、お久しぶりです。フェンリルも久しぶり」

 

「ガウッ!」

 

ロキとフェンリルは先程までの敵意を消し、心底嬉しそうな顔を柳とミラに向けた。




ラッセーはオーフィスの胃袋へと消えました

意見 感想 誤字指摘お待ちしています


ゼロ魔であるルイズが別の世界で成長して元の世界で冒険するって奴

ハイスクールddで悪魔になって孫も生まれ成長し、子に領地任せて隠居している時に昔の服を見つけ、原作時の年齢に戻って服着たら原作世界に戻っていた 召喚したら孫が来た とか思いついた ゼロは原作持ってないから絶対書けない(笑)

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