ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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黒歌は魔法使いで味方にしてるから敵として書くの大変だった こっちで綺麗にした曹操を駅として書くのが今から辛い


ランサーって扱い悪すぎません? ステイナイトでは序盤からしばらく出番なく、ZEROでも不遇。カーニバルに至っては……www


確かにそれが手っ取り早いです

「……全く、大概にして欲しいですね」

 

柳は悪魔達の行動に辟易としていた。勧誘は禁止とされているので間接的な方法で彼を取り込もうと、あの手この手を使って柳に近づいてきているのだ。先ほどなど部屋をとっているので話さないか等、明らかな誘惑をしてきた。っと言うより殆どが色仕掛けだった。どうやら従者三人が美女美少女ばかりなので、色仕掛けが有効だと思われているらしい。

 

「……私ってどういう目で見られているんでしょうか? おや、アーシアさんですね」

 

「あ、あの、柳さん。一緒に踊りませんか?」

 

「はい、喜んで」

 

アーシアの誘いに柳はニッコリと笑い、手を差し出す。アーシアの踊りは拙いものであったが、ゼノンからしっかりと仕込まれた柳のリードによって周囲の者達と遜色無いものとなっている。なお、二人が華やかな雰囲気を出している間、従者三人は未だにジャンケンを続けていた。

 

「「「じゃんけん、ぽん! じゃんけん、ぽん!」」」

 

相手の心理を読み切る羽衣、驚異的な野生の勘を働かせるミラ、圧倒的な動体視力と身体能力で後出しを出すゼノン。勝負はまだまだつきそうにない……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……黒歌姉さま」

 

小猫はパーティ会場で見かけた黒猫が姉の黒歌の使い魔である事を察し、そのあとを追って森へたどり着いた。たどり着いた先に居たのは黒い着物を着崩した猫耳の美女と腰に六本の剣を携えた白髪の剣士。そして、中国の鎧を身に纏った男だった。

 

「会場に忍び込ませた猫一匹で此処まで来れちゃうんなんて。お姉ちゃん嬉しいにゃ!……美猴」

 

「へいへい、任せときな。おい! そこに隠れている奴ら出てきやがれぃ!」

 

黒歌に名を呼ばれた中国鎧の男…美猴は木に向かって叫んで手に持った棒を向ける。すると、木陰から二つの人影が出てきた。出てきたのは朱乃とフリード。フリードの姿を見た途端に白髪の剣士の表情が変わり、フリードも驚いた様に剣士を見ていた。

 

「やぁ、久しぶりだねフリード。会いたかったよ」

 

「……よう、やっぱりお前は裏切ったかジーク。っと、今はこんな事話してる場合じゃねえな。おい! そこの奴ら。何しに来やがった。テロか?」

 

フリードの言葉にジークは残念そうにため息をつき、黒歌は愉快そうにニヤニヤ笑いながら口を開く。一目見ただけなら妖艶に見える笑もフリードと朱乃からすれば得体の知れない不気味さを感じ、小猫にいたっては恐怖で身を竦ませていた。

 

「ちょっと冥界での待機に飽きちゃって、パーティの見物に来ただけよ? ……やばいのに目をつけられたっポイから今すぐ退散するけどね。まぁ、そのついでに白音を連れて行こうと思ってにゃ♪」

 

そう言って黒歌は目を細めて小猫を見る。それに対して小猫が身をすくませたのを見た朱乃は両者の間に入り、手の平に雷を発生させながら立ちふさがった。

 

「させませんわ! 小猫ちゃんは私達の大切な仲間ですもの。一度この子を捨てた貴女なんかに渡したりいたしません!」

 

「……面倒ね。殺しちゃえ」

 

にらみ合っていた二人であったが黒歌は突如睨むのを辞め、ニコリと笑う。その瞬間、辺りの空気が一変した。

 

「これは……空間を操る術!? 仙術や妖術、魔力以外にこんな術まで……」

 

「まぁね~♪ 時間を操る術は覚えられないけど、空間はある程度出来るようになったわ。結界術の応用でここら辺一体を覆ったから派手に暴れてもバレないし、助けも来ない。さぁ、さっさと死んでくれる? ……ジーク、何のつもり?」

 

その瞬間黒歌から殺気と共に邪悪なオーラが放たれる。あまりの重圧に三人が身をすくませた時、ジークフリートが黒歌の前に進み出た。

 

「なぁに、フリードは僕に殺らせてくれない? どうせ殺すなら僕の手で殺したいんだ。一応友達だったからさ……」

 

「……勝手にすれば? じゃあ、美猴は黒髪をお願い。私は白音と遊んでるわ」

 

「メンドイねぃ。まぁ、任せときな。ってな訳だ。楽しませてくれよ、美人のお姉ちゃん。おっと、名乗りが遅れたな。俺の名は美猴。孫悟空の子孫だ」

 

美猴はそう言って棒を振り回しながら朱乃に飛びかかる。ジークも腰の剣を抜いてフリードに斬りかかった。

 

 

 

 

 

 

「あはははははは! 教会を裏切って良かった! ずっと君とこうしたかったんだ!」

 

「あ~、くそ! この戦闘狂がっ! ……俺っちが言えねえか。ってか、それ魔剣かよ!?」

 

フリードが創り出した聖剣は簡単に折られ、斧や盾は簡単に砕かれていく。後ろに飛んで放ったボウガンの矢は剣から放たれる邪悪なオーラによって防がれてしまった。ジークは笑いながら剣を見せびらかす様にかざす。

 

「これ? この剣の名は魔帝剣グラム。龍殺しの力を持つ最強の魔剣さ。君のそれは聖剣創造の禁手の亜種だだね? 見た所、聖なるオーラを持つ武器防具を自由に作り出すって所かな? ……でも、まだ使い慣れていないと見た。だいぶ疲労してるんだろ?」

 

「……」

 

フリードはジークの言葉に無言で返すが玉のような汗を流し、息も荒くなっている。フリードの顔に焦りの色が浮き出る中、二人の間に雷撃が放たれた。

 

「っく! ちょこまかと! いい加減当たって下さいません?」

 

「当たってたまるかよ! 伸びろ、如意棒!」

 

「きゃあっ!?」

 

美猴は如意棒を伸ばして朱乃に叩きつける。何とか直撃は避けた朱乃だったが飛び散った土砂が飛び散って彼女に襲いかかる。そして、土砂が襲いかかったのは朱乃だけではない。フリードにも、そしてジークにも土砂は襲いかかっていた。全身土まみれになった彼女はプルプルと震え、肩から龍の腕を生やす。

 

「……美~猴~? なぁ~にやってるのかな~? そんな雑魚と遊んで僕とフリードの殺し合いの邪魔してさぁ。……ああ、猿の脳みそって体に良いんだよねぇ。……最後に言い残すことある?」

 

「ジ、ジーク!? お、落ち着け! おい、そこのアンタ! コイツって昔からこうなのか!? 俺っちは最近入ったばかりだから良く知らねえんだよ」

 

ゆっくりと剣を構えながら近づいてくるジークから後ずさりをして逃げつつ、美猴はフリードに問いかける。フリードは吹き飛ばされた朱乃を介抱しつつ疲れたような目で答えた。

 

「……ああ、うん。オレッチに何度も模擬戦仕掛けてきて、教官が止めに入ったらそうなってた。……まぁ、頑張れや。こっちとしたら敵が潰しあってくれたら助かるし」

 

「さぁ~て、フリードも待ってるしさっさと殺さないとね。フリード~。ちょっと待てって。すぐに此奴殺すから~」

 

「……ガンバ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何やってるのよ、あの馬鹿共。まぁ、良いわ。さぁ、白音。私と一緒に行きましょう? 私は優秀な手駒になりそうな貴女が欲しいの。私なら貴女の力を理解してあげれるわ」

 

「……行きたくありません。私は塔城小猫。私を守ってくれる仲間と生きる! 私が守りたい仲間と前に進むの! だから、貴女とは一緒に行かない!」

 

そう言って黒音は笑顔で小猫に手を差し出す。だが、小猫は怯えながらもその手を振り払い、拒絶の意思を示す。すると、黒歌の顔から笑が消えた。

 

「……そう。じゃあ、死ねば? お姉ちゃんが妖術仙術ミックスの一撃で楽に殺してあげる」

 

「ッ!」

 

黒歌は小猫を殺そうと両手に魔力と妖術を漲らせ、振り上げる。咄嗟に逃れようとした小猫であったが恐怖から足がすくみ、その場から動けない。そして、両手が振り下ろされようとしたその時、黒歌の右腕が切り飛ばされ、左腕が消し飛ぶ。そして、その攻撃の衝撃で結界まで吹き飛んでいた。

 

驚愕した黒歌はその場を咄嗟に飛びのき、激痛に耐えながら自分の腕を奪った二人を睨めつける。彼女の目に映ったのは圧倒的な聖なる青色のオーラを纏った聖剣を握り締めるフリードと白龍皇の鎧を纏ったヴァーリだった。二人は小猫を守る様に黒歌の前に立ちふさがり、強い怒気を放っている。

 

「……おい、テメェ。今、何言いやがった? 姉貴が妹に向かって殺してあげるだぁ? ……ざけんなぁ! 姉貴や兄貴が先に産まれんのは後から産まれる妹や弟を守る為だろうが! それを自分の思い通りにならないから殺す? いい加減にしやがれ!!」

 

フリードが姉と過ごした時間は幼少期の時のほんの少しの間である。それでも姉が幼い自分を守ってくれていた事を彼は確かに覚えている。故に黒歌の発言はフリードにとって姉に対する侮辱に他ならなかった。

 

 

黒歌を倒そうと構えるフリードとは対照にヴァーリは意識を小猫に向けている。そして、彼の怒りは小猫にも向けられていた。

 

「……どうして一人で会場を出ていった?」

 

「……え?」

 

突如向けられた問いに小猫が困惑して聞き返すと、辺にヴァーリの怒鳴り声が響き渡る。

 

「どうして一人で出ていたと聞いているんだ! 危ないだろう! ……怪我はないかい?」

 

「は、はい。何とか……」

 

「そうかい。なら、一つ訊かせてくれ。君は今の冥界が好きかい? 今の冥界を守りたいと思うかい?」

 

「……はい。守りたいです。大好きな皆が居る今の冥界を守りたいです」

 

小猫の答えに満足げに笑ったヴァーリは黒歌に向き直って言った。

 

「なら、君がその気持ちを忘れない間は……守りたい物が一緒の間は俺達は仲間だ。だから、俺が君をずっと守ってやる。……もちろん君も俺を守ってくれよ?」

 

「……はい!」

 

ヴァーリに対してそう答えた小猫の顔からは恐怖も迷いも消え、その目には決意がみなぎっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふと思ったのだが、我らが柳を連れて三人で行ったら良いのではないか?」

 

「「それだ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~おまけ~ 従者が性格破綻者(その五)ばかりだったら

 

 

三勢力会談へのテロの襲撃は佳境を迎えようとしていた。ギャスパーを捉えた魔術師たちは撃退され、残るはカテレアとヴァーリのみ。カテレアはアザゼルが、ヴァーリは一誠が相手をし、他の者達は戦いを見守っていたその時、空から降ってきた魔力によって部屋にいた天使達ごと結界と校舎の一部が消え去った。

 

「なっ!? 一体何が!?」

 

驚愕するミカエルの目の前では次々に降ってくる魔力によって天使達が次々に消滅させられていく。そんな中、一人の悪魔が空中を指差す。校庭の上空には見慣れぬ男が浮かんでおり、

 

 

「ディスパイア・レイ!」

 

男から放たれた無数の光の矢に悪魔達は次々と息の根を止められていく。そして、今度は堕天使達の首が突如ねじ切れ床に落ちた時、見慣れぬ青年と少年が部屋に入っていた。

 

「さて三勢力の皆さま。初めまして。私は禍の団のメンバーの一人の柳と申します。どうか、末短きお付き合いを」

 

 

 

 




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ジークをTSした上にヤンデレのボクッ娘にしちゃいました 反省してる

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