ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

52 / 87
ラスボスの壁は厚いです

アザゼルの傍で柳とディオドラの戦いを見守っていたアーシアの方は震えていた。表情は暗く、顔は下を向いている。まるで、当たって欲しくなかった予想が当たったかの様だ。

 

「……アザゼル総督、やはり、アナさんの予想通り、私は……」

 

「あ~、なんだ。まだそうと決まった訳じゃないしよ、欲しかったダチだって出来ただろ? まぁ、ゆっくり考えろや」

 

そんなアーシアを励ますつもりなのか、アザゼルは気まずそうにそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……こんなものか、小僧?」

 

「くっ! まだまだぁっ!」

 

「面白い! お前の力を見せてみろっ!」

 

一誠とよっちゃんの戦いは一誠の圧倒的不利で進んでいた。彼が身に纏った赤龍帝の鎧はよっちゃんの拳の一撃で砕け、反対に一誠の拳は命中してもよっちゃんは微動だにしない。直ぐにカウンターを入れられ、鎧の胸部を完全に砕かれる。そして、遠距離からの攻撃は……

 

「ドラゴンショット!!」

 

一誠は限界まで倍加した力を全て注ぎ込んだ魔力弾を放つ。極太の波動と化した魔力はよっちゃんにまっすぐ向かって行くが、よっちゃんはそれを避けようともせず、腰を落とし、拳を構え、

 

「はぁっ!!」

 

ただの拳で上級悪魔クラスの魔力を弾いた。彼の拳からは煙が上がり、手にはめた手袋は破れているがかれ自身に怪我をおった様子は無かった。

 

「……中々だ。だが、私に本気を出させるには足りないな」

 

「こ、拳で防いだ!? 俺の渾身の一撃を……。くそっ!ドラゴンショット!  ドラゴンショット!ドラゴンショットォォォォォ!! 」

 

「ふんっ! ふんっ! ふぅぅぅぅぅんっ!!」

 

一誠はヤケになったかの様にドラゴンショットを連発し、よっちゃんはそれを全て拳で弾く。余波によって部屋が崩壊寸前になる中、一誠はさらにドラゴンショットを放った。よっちゃんはそれも拳で弾こうとするが、彼の拳が届く寸前に突如、軌道が変わり、彼の背後から襲いかかった。

 

「ぬっ! ぬぅぅぅぅぅぅぅんっ!!」

 

不意をつかれたよっちゃんだったが、すぐに体を反転。拳で弾く事はできなかったが、両手で受け止める事には成功した。だが、その衝撃でコートは吹き飛び、彼の姿が顕になる。兜に無数の角がある金色の鎧と額の部分に、世、の文字。その姿は、まるで

 

「……ヒーロー?」

 

「……ああ、私は元ヒーローだ。元々居た世界では宇宙の平和を守っていた。最も、力に溺れ、仲間からの信頼を失ってたがな。さぁ、約束通り名乗ってやろう。私の名は、世直しマンだ。さて、今度は此方から行くぞ? よ、な」

 

世直しマンはそう言うと、指を四本伸ばした状態で左手を突き出し、今度は右手の指を二本だけ伸ばしす。その瞬間、部屋にドライクの声が響いた。

 

『相棒! あれは不味い気がする! さっさと逃げろ!!』

 

「おしーーーーーーーー!!!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

だが、世直しマンは素早く両手を突き出し、その途端、一誠は部屋の壁ごと吹き飛ばされ、近くの星に激突する。その衝撃で鎧が完全に砕け、禁手状態も解除された。

 

「ほぅ、まだ戦う気か。見上げた根性だな」

 

世直しマンが感心した目を向ける先では、まだ立ち上がろうとする一誠の姿があった。それを見た世直しマンは困ったように辺りを見回す。先ほどの戦闘で彼の部屋は完全に崩壊していた。

 

「……仕方ない。他の奴の部屋を借りるか。おい、一誠。俺の体に掴まれ。場所を移す。……行くぞ。アッチからコッチ、瞬間移動!」

 

一誠が自分の体に捕まったのを確認すると、世直しマンは両腕を左右に振る。その瞬間、二人の姿は掻き消えた。

 

 

 

 

 

「下らん! その様な要件で我の元に来るでないわ、雑種!」

 

「ヤハハハハハハ! 嫌だ」

 

「ぶるあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 断るぅ!!」

 

「嫌だ! そいつの神器の色はあの憎き配管工を思い出すからな!」

 

その後、他の従者の部屋を回った二人であったが、何度も断られ、部屋を周り続ける羽目になった。そして、十回目の部屋にて漸く許可が下りた。

 

 

 

 

 

 

「部屋を貸して欲しい? ホッホッホッ、良いですよ。私の部屋をお使いなさい」

 

「すまんな、フリーザ」

 

「いえいえ、お気になさらずに。世直しマンさん」

 

二人を快く迎えてくれたのは、フリーザと言う名の謎の怪物。彼の部屋もまた、宇宙船のような造りになっていた。そこで二人は殴り合いの戦いを始め、一誠は必死に食らいつくも力及ばず消えていった。

 

『悪魔勢力 一誠様 リタイア』

 

 

 

 

「貴方がこの部屋の番人ね?」

 

シーグヴァイラはそう言って目の前の人物を睨みつける。性別は男。色黒で頭にパンダナを巻いており、魔力を感じない事から、どうやら人間のようだ、と彼女は判断した。目の前の男はシーグヴァイラのことなど気にした様子もなくヨーヨーで遊びだした。今やっている技は、犬の散歩、と呼ばれる技だ。ただ、普通の技と違っている点が一つ。その回転速度だ。あまりの速度に接している床から火花が散っている。そして、

 

「……お預けだ。待てよ? 待て、待てだぞ? ……良し! 狂犬の散歩(ウォーク・ザ・クレイジー・ドック)!!」

 

「貴方! 私を馬鹿にしてますの!? !」

 

自分を無視する相手に対し、怒鳴った彼女であったが、危険を察知し、その場から飛び退く。その瞬間m先程まで彼女がいた場所がヨーヨーによって削られていた。

 

 

「クルクル、クルクル。おいおい、よく避けれたな。摂取したカロリーのおかげか? 俺の名はノフィックス。回転王ノフィックスだ。俺はあらゆる回転を操る。こんな風にな!」

 

ノフィックスがそう叫び、壁に手を当てた瞬間、シーグヴァイラの頭上から機械の部品が大量に降り注いできた。どうやら部品を固定していたネジを回転させて外したようだ。

 

「おいおい、おいおい、これも避けるのかよ。お前さぁ、一回死んでみねぇ? おすすめ、おすすめ。クルクル、クルクル」

 

「誰が死ぬものですか!!」

 

シーグヴァイラはそう叫びながら魔力を放つ。既に誰も居ない場所へと。そして、彼女の背後から大きな音がし、振り返った時、巨大なロボが迫って来ていた。ロボから、ノフィックスの笑い声が響く。

 

「ひゃひゃひゃひゃひゃ! 最後にお前に使った力を教えてやるよ。お前に使った力は、視覚の回転。お前が見ていた俺は数秒前の映像だったて訳だ! そして、このロボの名は、恐怖ロボだ。……じゃあな」

 

恐怖ロボの拳がシーグヴァイラに振り落とされ、彼女は転移していった。

 

『悪魔勢力所属 シーグヴァイラ様 リタイア』

 

これで若手悪魔の関係者で残ったのは、朱乃ただ一人。だが、その戦いの様子はゼノンによって観客席からは見えなくなっていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……どうした? リアス・グレモリーの女王とはこの程度か?」

 

「まだですわっ!」

 

朱乃は全身全霊を込め、雷をゼノンに向かって放つ。ゼノンはそれを避けようともせず、雷は彼女に直撃した。だが、ゼノンはまるでそよ風でも吹いたのかの様な顔をしている。朱乃の雷は毛ほども効いていなかった。既に息を切らし、疲労困憊といった様子の朱乃に対し、先程から椅子から立ち上げる事すらしていないゼノンは、路傍に捨てられたゴミを見るかの様な目で朱乃を見つめ、口を開く。

 

「なぜ雷光を使わない? まぁ、たとえ使っても、我には効かんがな。しかし、貴様の今までの戦いを見ていて思ったのだ。使えば仲間が傷つかなくてよかった場面でも貴様は使わなかった。貴様には雷光のバラキエルの血が流れているのだろう? ならば、使えたはずだ。なのに、なぜ使わん?」

 

「……あの男は関係ありません」

 

「そうか。貴様は仲間が傷ついても平気なのだな。下らん女だ。やはり、貴様のような奴が柳に近付くべきではない」

 

「私は仲間が傷つく事が平気なんかじゃありません!」

 

「コカビエルと戦った時、雷光ならば楽に倒せたはずだ。それに、ライザーとの戦いの時も、あの頃はやつが昔のままだと思っていたのだろう? なのに、お前は手を抜いた。負ければ友人が最低な男と結婚するというのにな。今までも。貴様が雷光を使えば避けれた仲間の怪我があったのではないか?」

 

ゼノンの言葉に朱乃は言い返せなかったのか下を向き、絞り出すような声を発した。

 

「……それでも、私はあの男の力なんて……。母様が死んだのもあの男のせいだから」

 

その言葉を聞いた時、ゼノンの瞳から朱乃への興味が完全に失われ、彼女は大きな溜息をついた。

 

「やれやれ、仲間を犠牲にするほどあの男が憎いか。……ならば、あの時に殺しておけば良かったな」

 

「……え? どういう事ですか?」

 

「ふんっ! 貴様に話したくはないが、まぁ、良いだろう。我らが柳と出会い、請負業を始めた頃、奴が現れた。会うなり土下座してきたぞ。君の家族が死んだのは私のせいだ、とな。それを聞き、すぐに殺してやろうと思ったわ。だが、我らが奴を殺そうとした時、柳が言ったのだ。大切な友達のお前が悲しむから、殺さないで、とな。……どうやら無駄だったようだがな。よく聞け、小娘。貴様が自分の中に流れる力を受け入れぬ限り、貴様に柳の友たる資格はない! 何時までも過去を見つめ、足を踏み出そうとしない貴様などを友としていては、新しい歩みを進めようとしている柳の足手まといだっ! カルマリバレート!!」

 

ゼノンが叫んだその瞬間、その背中からエネルギー状の羽が現れ、周囲全てを吹き飛ばした……




とりあえず従者組み合わせと賞品と出典

その一

アサギ(携帯電話)ソウルクレイドル

妲己(イージスの盾)封神演義(アニメ)

つけもの(ドリームバトン)ボボボーボ・ボーボボボ 奥義87・5


その二

世直しマン(筋肉ビクトリー)ラッキーマン(アニメ)

フリーザ(魔王の宝玉)ドラゴンボールZ超サイヤ人伝説

ハオ(ただの飴 一番のハズレ賞品) シャーマンキング


その三

DIO(冷やし中華)ジョジョシリーズ

面影真心(プリニーステッキ)戯言シリーズ

中ボス(エクスカリバー)ディスガイアシリーズ


その四

エネル(雷神拳)ワンピースグランドバトル3

ギルガメッシュ(フェンリル)フェイト

バルバトス(メイド服)リメイク版テイルズオブデスティニー


その五

クリア・ノート (アルアジフ)金色のガッシュ

ヨマ(ミャオのネコ耳・肉球グローブ)マテリアル・パズル

ノフィックス(運動靴)B壱

その六
 
クッパ大王(インペリアル)スーパーマリオ

フレイ(プリン)ヴァルキリープロファイル

シドー(きのこ汁(これが秘薬 ラピュセルの設定を少しだけ変更))ドラクエ2

その七

羽衣狐(お酒)ぬらりひょんの孫(アニメ)

ミラボレアス(超合金ロボスーツ)モンスターハンター2G

ゼノン(全知全能の杖)魔界戦記ディスガイア2(バットエンドルート)

その八 1名は未登場

最終防衛システム(普通のガム×49 加速装置×1)サガ2 秘宝伝説

セフィロス(うさぎさん絵日記)FF7

炎(地球勇者認定書)ジバクくん

次回、ヴァーリの戦い描いて終幕です


意見 感想 誤字指摘お待ちしています


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。