ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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今回やっと禁手の内容が判明

フェイト エンディングが味気ない 一枚絵くらいあると思ってたのに cccに期待

モンハンもやりたいが、二週目も楽しみだ


罠を考えたのは私ではありませんよ?

煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)は13種ある神滅具の中でも二番目に強いと言われている。その力は地上の天候を操り、あらゆる属性を支配する。そう、操れるのは地上(・・)の天候だけなのだ。

 

「太陽から放たれる高濃度の放射能 太陽面爆発(フレア)。星の進化の最終段階、銀河に及ぶ大爆発 超新星(スーパーノヴァ)。 ガスと氷からなる凶兆のほうき星 彗星(コメット)

 

「えっ!? ちょっ……」

 

ハオの扱う力、G.S(グレートスピリッツ)とは、この世の始まりからあらゆる霊が生まれる源であり、あらゆる霊が還る、無数の魂の集合体。ハオはこの力によって、地球で観測されたあらゆる出来事を再現できる。故に、彼と戦うという事は、宇宙其の物を相手にするのと同じであった。

 

地上の天候VS全宇宙。これでは勝てると思う方がどうかしている。ハオの容赦ない攻撃により、デュリオはあっけなく負け、転移していった。ハオはその様子を見て、退屈そうにアクビをすると再び本に目を移し、お決まりの言葉を呟く。

 

「ちっちぇえな」

 

ハオはそう言うと、自分が守っていた宝箱を開け、中に入っていたキャンディーを口にした。

 

 

『天界勢力所属 デュリオ様 リタイア』

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ!」

 

「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

番人が宝を守る部屋に拳と剣がぶつかり合う音が響き渡る。拳を振るった大男はサーゼクスの『戦車』スルト・セカンド。北欧神話に出てくる炎の巨人のコピー体である。本来の大きさに戻った彼は目の前の青年目掛け、炎を吹きかけるが、青年が手を前に翳すとバリアが現れ、その炎を防ぐ。その様子を見て、スルトは豪快に笑い出した。

 

「ガッハッハッハハッハッハ! 俺様の炎を防ぐたぁ、中々やるかねぇか! なぁ、おい、(えん)よぉ!」

 

「お前もな。やれやれ、こんな存在が居るのに、零式兵だけで全宇宙最強の軍団を作った気でいたのか……」

 

炎と呼ばれたのは真っ赤な髪を持つ青年。手には二本の剣を持っている。先程からスルトと戦っている彼は、昔の自分を恥じるかの様に静かに首を横に振った。

 

「……まぁ、反省はこの辺にして、さぁ、そろそろ、勝負を付けるぞ、スルト! ……超技」

 

「おぅ! 全力で来いやぁ!!」

 

その言葉と同時にスルトは息を深く吸い込み、炎は両手の剣の柄を合わせた。すると、二本の剣が鎖で繋がる。

 

「これで、燃え尽きやがれぇぇぇぇぇっ!!」

 

「秒斬り!!」

 

スルトが残った全ての炎を炎に向かって吹きかけ、炎は剣を構えてスルトに突撃する。あまりの炎に映像が乱れ、数秒後に戻った時には勝負がついていた。

 

 

「はは……、お前……、強いなぁ……」

 

スルトは胸部に横一線の深い傷を刻まれながらも笑いながら炎を褒め称え、仰向けに倒れて消えていった。

 

 

『悪魔勢力所属 スルト様 リタイア』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零と雫の霧雪(セルシウス・クロス・トリガー)!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

セラフォルーの氷とミカエルの光の槍がシドーを同時に襲い、その体に深い傷を付ける。既に右の羽は凍りついた上で砕け、片目は潰れている。だが、二人も無事では済んではいなかった。ミカエルの光り輝く羽は彼自身の血で赤く染まり、右手は力なく垂れ下がっている。セラフォルーの体にも切り裂かれた事によって出来た深い傷や、酷い火傷が出来ていた。

 

「はぁはぁ、あとひと押しだね。ミカエルちゃん✩」

 

「……ええ、ここまで来たら意地でも負けられませんよ」

 

「……虫けらめ! 調子に乗るな!!」

 

「「今だ!!」」

 

怒り狂ったシドーは二人に向かって激しい炎を吐く。だが、二人はその瞬間、かすかに笑う。ふたりはシドーが大口を開けるのを待っていたのだ。セラフォルーの氷が炎を一瞬抑え、その隙にミカエルは無数の光の槍をシドーの口内に投げ入れる。先程から二人を悩ませていたのは、シドーの体表面にある強固な鱗。故に、二人は鱗に守られていない内部を狙ったのだ。そして、その作戦は成功した。

 

「が、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

ミカエルの槍は喉を貫通するまでには至らなかったが、シドーの喉の中に深く刺さり、苦しめる。セラフォルーの氷でも防ぎきれなかった炎が二人を焼くも、まだトドメを刺すだけの力は残っていた。そして、二人は最後の一撃の為に力を貯める。そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ベホマ」

 

シドーの傷が一瞬で消え去った事に言葉さえ失い、動揺した二人は迫って来るシドーの爪を避ける事すら出来ず、その体を貫かれる。シドーがその体をゴミの様に放り捨てると二人は壁に激突し、力なく倒れたまま消えていった……。

 

『悪魔勢力所属 セラフォルー様 リタイア。セラフ所属 ミカエル様 リタイア』

 

 

 

 

 

 

 

「ひゃっはっはっはっはっはっはっは! 大した事ねぇな」

 

「ぐっ! 厄介な力だな……」

 

ヴァーリは白銀の(エンピレオ)(・ジャガーノート・)覇龍(オーバードライブ)を既に纏っているにも関わらず、ヨマに押されていた。戦闘力自体はヴァーリが圧倒的に上、戦闘技術も基礎能力も彼が確実に勝っている。ただ、一つだけヨマが優っている物があった。

 

「だから、満月の夜の俺は無敵だって言ってんだろ? どんだけ破壊されても俺は直ぐに再生する。無限にな」

 

そう。彼の使う魔法の名は『ムーンアデルバ』 月の光を吸収し、自分の力に変える魔法だ。満月下にて彼の再生能力は無限。倒すには欠片も残さず一気に消し去る必要がある。だが、ヴァーリにはその為の決定力が欠けていた。連続で半減させ、存在を消し去ろうとしても、僅かなタイムラグで回復され、幾らヴァーリが優っているとは言え彼自身の力も大きく、一撃で破壊するにはパワーが足りない。まさに、手詰まりであった。

 

「ヴァーリ様! 一旦、退きましょう!」

 

「レイヴェル!」

 

ヴァーリの戦いの邪魔にならない為と、森に隠れていたレイヴェルだったが、ヨマが話している隙を狙い、分厚い炎の壁を作り、その視界を遮る。ヨマならその程度の炎など簡単に抜けられるが、先程まで失念していた存在の思わぬ奇襲によって隙を作ってしまい、気づいた時には二人を見失っていた。

 

 

 

 

 

「……ヴァーリ様、大丈夫ですか?」

 

「ああ、なんとかね。しかし、さっきはすまなかった。本当にわざとじゃないんだ」

 

「彼との戦闘で、貴方の人柄はよくわかりました。あのフェニックスを超える回復能力は厄介ですが、あれだけ苦戦したのは、私に被害が行かないように立ち回ったからでしょう? もう、お気になさらなくて結構ですわ。さ、これをどうぞ。フェニックスの涙ですわ」

 

「ああ、ありが……待てよ? あの回復力は魔法によるもの。ならば……。レイヴェル! フェニックスの涙はまだあるかい!? 奴を倒す手を思いついた!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? 来るな、来るな、来るなァァァァァ!!」

 

ディオドラは先程までの余裕など何処かに行き、みっともなく叫び声を上げながら這いずり回って逃げる。柳の放ったジェノサイドブレイバーは彼の張った障壁を軽く吹き飛ばし、彼の体スレスレを通り過ぎていった。そのことに戦意喪失したディオドラは必死で逃げ周り、柳は剣を手に下げ、ゆっくりと近づいていく。

 

「さて、そろそろ終幕としましょう。貴方の様な方は見ているだけでイライラしてくる。私の家族はねぇ、貴方の様な悪魔に殺されたのですよ」

 

そして、威嚇の為に剣を振り下ろすが、ディオドラの苦し紛れに張った全力の障壁によって弾かれ、それによってディオドラは余裕を取り戻した。

 

「は、はは、やっぱり下等な人間が上級悪魔のこの僕に……ひぃ!?」

 

だが、障壁を軽く睨むと、突きを放つ。すると、障壁はガラス細工の様に砕け散り、剣の切っ先は尻餅をついたディオドラの太股に突き刺ささる。柳は剣をグリグリと動かし、その傷を大きくしていく。

 

「が、がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! な、なんで!? さっきは僕の障壁で、お前の攻撃を防げたのにっ!」

 

「ああ、そんな事ですか? 簡単です。極目(きわめ)という技を使っただけですよ。莫大な集中力によって物体の力の基点を見極め、其処をつく事により、どんな物体だろうが破壊する、そういう技ですよ。平行世界の私が従者である炎さんに教えて頂きました」

 

柳はそう言うとディオドラの太股に刺した剣を乱暴に引き抜き、振り上げ、

 

「ああ、どうせ予想されている方もいらっしゃるでしょうから、私の禁手の能力を教えて差し上げますよ。自在に操作できる空間の作成と、その空間への対象の取り込み。そして、空間内への並行世界の従者の分身の召喚と、その世界の私との同化です。では、さようなら」

 

そのまま、ディオドラに目掛けて振り下ろした……。

 

 

 

 

『悪魔勢力所属 ディオドラ様 リタイア』

 

 

 

 

 

その頃、アガレス大公家の次期当主であるシーグヴァイラは自分だけ宝の部屋にたどり着けていない事に焦っていた。先程から何度も罠に掛かり、何度も足止めされていたのだ。そして、今も罠に掛かっていた。

 

『君さぁ~、罠に引っかかりすぎじゃない? 知能派気取っといて罠に掛かりまくるって…ぷっ』

 

『ねぇ、どんな気持ち? 今どんな気持ち?』

 

通路を歩いていると何処からともなく、心底ムカつく声で罵倒する声が聞こえてくる。だが、彼女にはそんな声を気にする余裕すらなかった。

 

「くっ! この私がこんな所でリタイアしてたまるもんですか!」

 

今、彼女が走っている通路は進む方向と逆方向に流れるベルトコンベアになっており、後ろからは刺のついた壁がゆっくり迫って来ている。そして、トドメとばかりに壁にこんな事が書いてあった。

 

 

『この通路を抜けるまでに消費するはずのカロリーは十倍にして逆に摂取されます。なお、このフロアで飛んだら一分ごとに一キロ太ります』

 

女として耐え難い罠に耐えつつ彼女が必死に走っていると、向こう側からダンボールが流れて来る。そして、その中には子猫達が入っていてこう書かれていた。

 

『拾ってください』

 

 

 

「この状況で誰が拾えるかぁ!!」

 

 

 

「にゃ~」

 

子猫達を無視した彼女の耳に聞こえてきたのは悲しそうな子猫の鳴き声と、迫りくる壁の音……。

 

 

 

 

 

「お、重い! この子達、何キロあるのよ!?」

 

子猫の入ったダンボールを抱え、彼女は必死に走る。すると、ようやく通路の終わりが見えてきた。

 

「だっ、しゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

既に恥も外聞も捨て去った彼女は子猫達を落とさないように跳躍し、通路から脱出した。ようやく一息付くことの出来た彼女は子猫達の入ったダンボールを下ろし、屈んでその姿を見つめ、僅かに微笑むとそっと手を伸ばした。すると、子猫たちは彼女の手をペロペロと舐め出す。

 

「……お礼のつもり? まぁ、それで勘弁してあげるわ。あれ? 何処行くの?」

 

彼女の手を舐め終わった子猫達は一斉にダンボールから出ると、なぜか部屋の隅にあった水たまりへと駆けていく。その時、ダンボールか倒れ、中から大量の重りが出てきた。

 

「……は?」

 

その事に彼女が呆然とする中、子猫達は水たまりで彼女の手を舐めた口を濯ぎ出し、振り返って言葉を発した。それも、通路で彼女を罵倒してきた声で……。

 

 

『貴方が摂取したカロリーは約10000キロカロリー。なお、この罠はバラキエル次期副総督にアイディアを提供して頂きました』

 

「ふ、ふふ、ふざけんなぁ!!」

 

彼女が叫ぶ中、とあるドMの武人も叫んでいた。俺は知らんぞ!?、っと。

 

 

 

 

彼女が怒りを顕にしたまま、見つけた部屋に入るとどこかの工場のような内装になっており、どこからか声が聞こえてきた。

 

 

「クルクル、クルクル。おすすめ、おすすめ」




次回あたりで終わる予定 なお、終わったらラスボス表と宝の内容を書きます 三人の組み合わせも


最後の誰かわかるかな?

意見 感想 誤字指摘お待ちしています




魔法使いの方のオマケ、微妙に変更しました 適正レベル+8だったので楽勝だったなぁ

セイヴァーは動きが四個見えたし、エリクサー一個で足りた 6個無駄に……

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