ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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日刊三位 今見たら四位を記念し急いで仕上げました 応援ありがとうございました


……いや、ほんとスイマセンでした

目の前の物体が何か分からない。ただ一つ言える事は、うざい。サイラオーグの心中はそのような考えで埋め尽くされていた。目の前の物体は漬物と名乗った。確かに匂いは漬物のそれだが、とても食べられる様に見えないし、食べたくもない。

 

「貴様は一体何なんだ? どこかを探せばお前の様な謎生物が居るんだ?」

 

「オイラは沢庵です。それと、オイラの仲間は漬物王国にいるぶぅ~」

 

「……よし、殴らせろ」

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」

 

サイラオーグはとりあえず目の前の物体を殴り続け、数秒で倒した。最後のあがきで食らった体当たりが結構痛かったのは彼だけの秘密だ。気絶した漬物が消えると、その場に宝箱が現れた。サイラオーグが箱を開けると、中に入っていたのは

 

「ステッキ? それも、レヴィアタン様が持ってそうな……」

 

そう、箱の中に入っていたのは、所謂、魔女っ子のステッキだった。それを手にとった彼がハズレかと落胆したその時、異変に気づく。このステッキを握っただけで全く無いはずの魔力が漲ってきたのだ。彼がそのことに驚愕する中、突然、アナウンスが流れる。

 

『おめでとうございます。悪魔勢力所属、サイラオーグ・バアル様が賞品獲得第一号です。なお、今から商品のご説明をさせていただきます。そのステッキの名は、ドリームバトン。持つだけで魔力を大幅に高める、当たりの賞品です』

 

「これがかっ!? いや、確かに凄いが……」

 

『なお、そのステッキの真の力を使う際は、……ラブリー♥マジカル♪ソサェティー✩、とお叫びください。なお、楽しそうに言わないと発動致しません』

 

「グレイフィア様!? お、お気を確かに! っというか、何なんですか、その拷問!?」

 

『最後に注意事項です。当たりの賞品はテロリストに渡った時の事を考え、薬以外は獲得者のみが使える様になっております。では、サイラオーグ様は賞品獲得の為、転移致します』

 

「ちょっと待てぇぇぇぇっ!! 俺は納得いかんぞぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

サイラオーグがそう叫ぶ姿を見ていた観客達は、彼を嫌っている者達すら彼に同情の眼差しを送っていた……。もちろん、その同情は彼にだけでなく、いい年してあんなセリフを言わされたグレイフィアにも向けられていたが。

 

 

 

 

 

 

「やぁ、君と一緒になるなんてね。君の事はアザゼルから聞いているよ」

 

「……あんま、話しかけんな」

 

興味本位から参加したサーゼクスだったが、ペアとなった相手は思わぬ相手だった。

 

「そんな邪見にしなくても良いじゃないか。我々は同盟を結んだ訳だし、このイベントではペアだろ? フリードくん」

 

サーゼクスにそう言われ、面倒くさそうに振り返ったのはフリードだった。コカビエルの罪の軽減の為に手柄が欲しい彼は手っ取り早く力を手に入れる為に豪華賞品を狙ったのだが、組みたくない相手と組む事になり、だいぶ不機嫌のようだ。

 

「……チッ。今話しかけないでくれ。あの賞品の事で今までの人生がなんだったんだと思ってんだ。にしても、なんなんだ? この何処かの城みたいな廊下は」

 

「冥界の建造物に似ているね。! 止まれ!」

 

サーゼクスの言葉に反応したフリードが立ち止まった瞬間、彼の数歩先の場所に岩が落ちてきた。もし、止まらなかったら潰され、彼はリタイアしていただろう。フリードはサーゼクスの方を見て何か言おうとしたが、舌打ちをして再び歩き出し、サーゼクスはにこやかな表情を崩さず、その後を追う。だが、そのまま少々歩いた時、フリードが聞き取れるか、取れないか程度の小声を発した。

 

「……サンキュ」

 

「いやいや、気にしなくて良いよ。おや、漸くたどり着いた様だね」

 

二人の目の前には宝と書かれた大きな扉。開けて中に入ると、謁見の間の様な造りの大部屋で、玉座の上に宝箱が置かれていた。フリードは部屋中を見渡し、右端の柱に向かって叫ぶ。

 

「……隠れてないで出てきやがれ!」

 

そうすると、柱の影から一人の男が出てきた。青い長髪に気障っぽい顔つき。胸を大きくはだけた服装。そして、悪魔の羽。男は格好をつけながら二人に近づいて来る。

 

「ハッーハッハッハッハッハッハッハッハ! 私の部屋までようこそいらっしゃいました。私の名はバイアス。なんなら、ビューティ男しゃ」

 

「なぁ、彼奴見てると、なんか、中ボスって感じがしねえ?」

 

フリードが何気なく発した言葉にその場の空気が固まり、それを聞いたバイアスの肩がプルプルと震えだした。

 

「こら、中ボスだって立派なボスなんだ。そんな事を言ってはいけないよ」

 

その言葉がトドメだったのだろう。中ボスの体から莫大な魔力が溢れ出す。

 

「ちゅ、中ボスですとぉぉぉぉぉぉぉっ!? 言ってはいけない事を言いましたね、もう、許しません。許しませんよぉぉぉぉぉ!! 私を少し楽しませてくれたらエクスカリバーをあげようと思っていましたが、もう、絶対にあげませんっ!!」

 

その言葉を聞いたフリードの表情が固まり、次第に歓喜の表情となっていく。

 

「ここにエクスカリバーがあるのかよ! よっしゃぁぁぁぁっ!! おい、アイツは俺がぶっ倒すから俺がもらって良いな!?」

 

「彼は強いよ? おそらく私よりもね」

 

「構わねぇ! 相手が強いっからって逃げてばっかじゃ俺は何時まで経っても強くなれねえからな! それに、アザゼルから貰った、新しい力を試させてもらうぜ、中ボスゥゥゥゥゥッ!!」

 

フリードはそう言うと、聖剣を出現させ、中ボスへと向かって行く。その光景をみて、その場にいた父親達は微かに微笑んでいた。

 

「「……やはり、子を持つ身とすれば、若者の成長は喜ばしいモノだな(ですね)」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかしラッキーね。まさかライザーとペアになるなんて」

 

「まぁ、俺達に対してだけサービスしてくれたのかもな。おっ! 宝部屋だ」

 

二人は石造りの廊下を抜け、何やら騒がしい声のする宝部屋へと入っていった。入った先はコロシアムのような場所で観客席は異様な熱気に包まれている。二人が入ってきた事に気付いたのか、観客の歓声はより一層大きくなった。すると、コロシアムの中央に突然一人の少女が出現し、観客達の熱気は更に上昇する。

 

 

『アーサーギ! アーサーギ! アーサーギ!』

 

「はぁーい! 皆、お待たせ! 皆のアイドル、アサギよー!」

 

『ワァァァァァァァァァァァァァァァッ!!』

 

コロシアムの中央に現れた少女は黒髪の日本人っぽい顔立ちで、拳銃を二丁携えている。その少女は観客に向かってポーズをとっていたが、リアスの顔を見た途端、不機嫌そうな表情となった。

 

「……臭う。メインヒロイン臭がプンプン臭う。別の世界でメインヒロインやっている奴っぽいわね。全く、こっちの柳は何を考えてこんな奴を寄越したのかしら?」

 

「なにか変な言いがかりを付けられている気がするわね。そういう貴女は隠しキャラっぽいわね」

 

リアスが発したそのセリフは何か考えての物ではなかった。しかし、その言葉を聞いた途端、アサギの表情が固まり、次第に怒りで震えだす。

 

「隠しキャラって言うなぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

怒りに狂ったアサギは、リアスに向かって拳銃の引き金を引いた。

 

 




意見 感想 誤字指摘お待ちしています

アサギが怒った理由は次回説明します 知ってる方教えないでね(笑)

今回戦ったラスボス

ボボボーボ・ボーボボ 奥義87・5 炸裂鼻毛真拳 つけもの

死んで、一話しか出てなかったにかかわらず、再登場するまでの人気投票で10位以内に入り続けたすごいやつ

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