ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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Fateエクストラ 五回戦が楽だった そりゃ今まで勝手に勘違いして、回復一回とか縛りプレイしてたのをやめたら楽だわな 目標レベル+七だったし だが、六回戦では二層に新しい敵がゴーレムしか増えなかったからレベル上げがきつい 一層で三レベ上げたので限界 ザコ敵の行動全開示の目標がなければあげにくい ゴーレム系は中々復活しないし……



あ、おまけにヒロイン候補登場です 思いつきで出した 後悔はしている


……もう、出番とかどうでもいいです

ギャスパー・ブランドーにとって、期待されるという事は恐怖を伴う事である。家族から虐待される毎日が、偉大なる祖先の能力と似通った力を持つ神器の発覚により、暖かい日常へと変わった。だが、失望された後に待っていたのは、昔以上の地獄。彼への待遇の悪化の巻添えをくらい、更に処遇が悪化した同じ半吸血鬼からも凄惨なイジメを受けた。

 

期待されてもすぐに失望されるなら、初めから期待なんてされたくない。その様に思い、殻に閉じこもっていた彼だったが、最近出会ったライザーの言葉や、仲間からの特訓を受け、自分も頑張れば役に立てる。そう思っていた……。

 

 

「しかし、つまらないわね。こんなガキの見張りだなんて」

 

(……なんで、なんで僕は役立たずなんだっ! 先輩達が僕の為に協力してくれたのにっ! あんなに頑張ったのにっ! やっぱり、僕なんか努力しても無駄なんだっ!)

 

能力の制御の問題から一人、旧校舎に残っていたギャスパーは魔術師達の強襲を受け、あっさりと捕縛。今は椅子に縛り付けられ、敵の神器により強制的による禁手化によって、和平の為の会談の妨害に使われてしまった。つまらない役目の憂さ晴らしとばかりに受けた暴行により、体中が痛む中、ギャスパーは何より心の痛みを感じていた。その時……。

 

『……何をやっている。我が血を引く者よっ!』

 

「……え?」

 

突如聞こえた声にギャスパーは周囲を見渡すが、魔術師達はギャスパーの呟きに気づいた様子もなく、話をしている。空耳かと思ったギャスパーだったが

 

『貴様はそれでも、このDIOの子孫かっ!』

 

「……DIO様?」

 

再びギャスパーは誰かの声を感じ取り、今度こそ気づいた。声は自分の頭に直接流れ込んでいる事に。

 

『敵に捕らえられ、己の無力を嘆き、泣くだけとは、ブランドーの恥さらしめっ! せめてこれ以上生き恥を晒さぬよう、今すぐ自害するがよいっ!』

 

「……だ。嫌だっ! 僕はまだ死にたくない! 役立たずのまま死んでたまるかっ!」

 

「なんだ、このガキ? 行き成り叫びだして。恐怖で気でも狂ったか? おら、大人しくしとけっ!」

 

突然叫んだギャスパーに対し、魔術師の一人がその腹部に蹴りを入れる。先程は悲鳴を上げたギャスパーだったが、今度は一言も漏らさず、魔術師を睨みつける。それに激昂した魔術師が何度も彼の顔を蹴り上げても……。

 

 

『フンっ! 貧弱な恥さらしと思っていたが、少しは見込みがあるようだな。ならばっ! このDIOが少し力を貸してやろう。俺に続けっ!』

 

「『WRYYYYYYY(ウリィィィィィィィ)ッ!!!』」

 

ギャスパーが叫んだ途端、椅子に縛り付けられていた体が消え、天井に無数のコウモリが現れる。それをぎゃスパーが変化したものだと気づいた魔術師達はコウモリ達を撃ち落とそうと魔術を放つが……

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァ!! そんな物! このギャスパーには通用しないっ!」

 

「くっ! 想定外の出来事だっ! 一旦、退くぞ!」

 

コウモリ達の目が一斉に光り、魔術師が放った魔術の時を停める。ギャスパーの変化に警戒した魔術師達はギャスパーから距離を取ろうとするが、自分達の影から出現した手によってその場に縫い付けられる。その隙にコウモリ達は魔術師達に纏わりつき、その血液と共に魔力を吸い上げる。急速に血液を失った魔術師達は一人、また一人と倒れていった……。

 

「この程度で倒れるとはっ! 貧弱貧弱ぅ!」

 

『ふんっ! 出来損ないにしては上出来だっ! 無様な姿を晒して、俺の名を汚すなよっ!』

 

「……はい。有難うございました、DIO様……」

 

DIOは最後に鼻を鳴らし、その声は聞こえなくなった。ギャスパーはDIOに感謝の念を送り、勝利の余韻を噛み締める。

 

「僕も皆の役に立てるんだ。これから頑張らないとっ!」

 

部屋の中にギャスパーの決意に満ちた声が響き……

 

 

 

 

 

 

 

 

「「DD(ダブルドラゴン)キィィィィィィィィィィィィィクッ!!! ……へ?」」

 

「ギャスパーっ! 助けに……あれ?」

 

壁を蹴り破って一誠とヴァーリが部屋に突入しリアスが室内に転移してきた。魔術師達との戦いを予測していた三人は既に倒されている魔術師達の姿を見て呆気にとられる。室内に何とも言えない気まずい空気が流れた……

 

 

 

 

 

 

黒龍ミラボレアス。柳の従者ミラの正体にして、逃れられない死を意味する名を持つドラゴンである。とある異世界では山の様に巨大な龍すら恐れ慄いて逃げ出し、世界を数日で焦土に変えると言われている。かって、この龍を討伐しようと、英雄とまで呼ばれた者達が数多く挑み、殆どの者が帰ってこなかった。数少ない生還者も口を閉ざし、中には狂死した者までいるという。そして、天と地を覆い尽くすと伝えられる龍にはもう一つ伝説がある。その怒りが頂点に達し、その身が紅く染まった時、伝説以上の厄災が訪れるという……。そして、その黒龍は校庭に現れた魔術師達に襲い掛かり、全てを殺し尽くした後……

 

 

 

 

 

 

「柳さ~ん♪ 此処で良いですか?」

 

「あ~、もっと右。もう少し強めにお願いします」

 

少女の姿に戻り、柳の肩を叩いていた。その姿からは先程まで感じた邪悪さも、龍の威厳も感じさせず、見た目相応の無邪気な少女に見えた。柳も先程まで魔術師の大虐殺を行っていた龍に対しての態度とは思えない態度で接している。二人が楽しそうに談笑する中、ゼノヴィアは愉快そうにミラの吐いた炎が燃え盛る校庭を見つめ、祐斗は柳におずおずと話し掛けた。

 

「や、やぁ、神田くん。まさか君が指揮者(コンダクター)だったなんてね。驚いたよ。……その子は何者だい?」

 

「五月蝿いぞ、塵芥が。マスターが正体を隠していたのは、貴様らに力を知られる事によって起きるであろう面倒事を避けるためだ。本来なら我らの手に掛かれば、貴様ら三勢力など直ぐに皆殺しに出来る所を、マスターの温情によって堪えてやっていたのだ。理解できたなら我の至福の時間を邪魔するでないっ!」

 

「ミラ~。猫被りを忘れていますよ。口調、口調」

 

「あ、そうでした。今、私が柳さんの肩を叩いていますので、邪魔しないでください。食い殺しますよ?」

 

「も~、ダメですよ。折角可愛らしい話し方を覚えたのですから~。まぁ、私はどっちの話し方も好きですが。でも、マスターじゃなくて名前で呼んでくださいね。私達は家族なのですから。……おや、停止が終わったようですね。アザゼル総督の戦いも……」

 

柳の目の前ではボロボロになって地に落ちていくアザゼルと、無傷のアナスタシアの姿があった……。

 

 

 

 

 

 

―――――時間は数年前まで巻き戻る。グリシアが悪魔に殺されたとの知らせを受けたアザゼルは職務を放棄し、アナスタシアの部屋まで向かった。扉には鍵かかけられ、ノックしても返事がない。アザゼルが扉を無理やり開けて中に入ると、真っ暗な部屋の隅で膝を抱え、うずくまっているアナスタシアの姿があった。

 

「……お祖父ちゃん?」

 

「ああ、そうだ。お祖父ちゃんだ。アナ、大丈夫か?」

 

アザゼルの目に映った孫娘の顔は泣きはらした跡が有り、髪はボサボサ。瞳からは光が失われていたアザゼルの姿を見たアナスタシアは呟く。何処とも知れぬ方向を見ながら、虚ろな目で……。

 

「私……、あの子を守れなかった……。私はお姉ちゃんなのに……。私が守ってあげまきゃいけなかったのに……。お祖父ちゃん、私憎い……。お父さんを殺した天使が憎いっ! 弟を殺した悪魔が憎いっ! 一人だけ生き残った私が一番憎いっ!」

 

「……アナ……」

 

アザゼルはアナスタシアをそっと抱きしめる。二人の目から、大粒の涙がこぼれ落ちる……

 

「……これからは俺がお前を守ってやる。お前が罪を犯しても俺がそれを背負ってやるっ!。お前の憎しみも悲しみも俺が背負うっ! だから、お前は誰も憎むなっ!」

 

やがて、アナスタシアは徐々に回復し、事件前の様に笑顔を見せる様になった。アザゼルもそれに安心し、孫娘が立ち直って来たと思っていた。

 

 

 

その孫娘に腕を切り飛ばされる瞬間まで……。

 

 

 

「ちぃ!」

 

アザゼルは手にした光の槍でアナスタシアの放った光の槍を防ぐ。だが、その槍はあっさりと砕かれ、軌道がそれたアナスタシアの槍はアザゼルの纏った鎧を掠め、校庭に突き刺さる。

 

 

 

 

アザゼルの纏っている鎧は彼お手製の人工神器、墮天龍の閃光槍(ダウン・フォール・ドラゴン・スピア)の禁手墮天龍(ダウン・フォール・ドラゴン)の鎧(アナザー・アーマー)だ。五大龍王の一角、黄金龍君(ファーブニル)を宿したその神器は……。

 

 

 

「なっ!?」

 

 

アナスタシアの放った槍が掠っただけで大きくひび割れた……。

 

 

「……お祖父ちゃん、忘れたの? コレ(・・)を私にくれたのはお祖父ちゃんじゃない」

 

そう言ってアナスタシアが掲げた右手には装飾のされた腕輪が嵌められており、その中心には強い力を持つ宝玉が嵌められていた。

 

「……忘れちゃいねえよ。その腕輪の名前は戦神の腕輪(ルドラ・リング)。使うたびに体力を削る代わりに攻撃の威力を大幅に底上げする神器だ。それだけなら恐かねぇが……」

 

アザゼルの視線はアナスタシアの首から下げられた首飾りに注がれていた。

 

「そう、それだけならリスクが多くて使いこなせないわね。でも、この神器があれば話は変わるわ。熾天使の祝福(セラフィック・ヒーリング)。対象の体力を回復させる力を持つ神器よ」

 

「……知ってるよ。お前が本来持っていた神器以外は全部俺がやったもんだ。……お前が自分の身を守れるようにな。まさか、その神器で俺を攻撃するとは思っちゃいなかったぜ。……曹操と協力して俺を殺す気か?」

 

アザゼルはアナスタシアを警戒しながら、後ろにいた曹操をジロリと睨みつけるが、曹操は首を横に振るだけだった。

 

「……見損なうな。仲間に愛している身内を殺せなんて言わないし、その目の前で殺す気なんてないさ。彼女は三勢力の和平に反対し、貴方を裏切ったが、身内を殺すほど腐っちゃいない。貴方を攻撃したのは……」

 

「曹操。それから先は自分で言うわ。……私がお祖父ちゃんの腕を切り落としたのは、これ以上戦えない様にする為よ。アーシアの神器じゃ、傷は防げても腕の欠損は直せない。そうなったら、お祖父ちゃんはもう戦えないでしょ? 私達が起こした戦いとは言え、その戦いでお祖父ちゃんに死んで欲しくないのよぅ……」

 

「アナ……」

 

アザゼルは泣きそうな顔で心の内を話す孫娘の顔を見つめていた。光の槍を握りしめていた手から力が抜け、槍はゆっくりと地に落ちていく。その隙に放たれた無数の光の槍がアザゼルの翼を貫き、その体を地へと墜落させていった。

 

「……お祖父ちゃん、ゴメンなさい」

 

アナスタシアはアザゼルに一気に接近すると光の槍を残った腕へと振り下ろす。その矛先は真直ぐに腕へと向かって行き……

 

 

 

 

「何やっているんだ、アナ!!!」

 

「ヴァーリ……」

 

二人の間に入ったヴァーリによって防がれた。アナスタシアは掴まれた腕を簡単に振り払い、ヴァーリを睨みつける。

 

「邪魔よ、ヴァーリっ! そこを退いてっ!」

 

「……嫌だ。君がアザゼルを傷つける所なんて俺は見たくない。……一つ質問させてもらうよ。柳の情報を漏らしたのは君かい?」

 

「違うわ。コカビエルお祖父ちゃんの部下よ。私も協力しようとしたけど、関わらせて貰えなかったわ。危険だからって……」

 

アナスタシアの言葉を聞き、ヴァーリはホッと胸をなでおろす。もしバラしたのがアナスタシアだったら、友人である自分の言葉でも庇いきれないと思っていたからだ。ヴァーリはアナスタシアに決心の篭った目を向ける。

 

「アナ、もう、やめてくれ。今、降伏すれば間に合う」

 

「……間に合うわけ無いじゃないっ! 私は会談を妨害したっ! 何よりお祖父ちゃんを傷つけたっ! もう、何もかも手遅れなのよっ!」

 

「手遅れなんかじゃないっ! 君は俺が守るっ! 誰がなんと言おうと守り通してみせるっ! だから、大人しく投降してくれっ!」

 

「……無理に決まってるじゃない。アンタが私を守る? 何時も泣いてばかりで、私の後ろからついて歩いていたアンタが? ヴァーリのくせに生意気よっ!」

 

アナスタシアが叫んだ途端、その腕には大きな戦鎚が現れ、その体は黒いマントに覆われていた。

 

「……確かに俺は弱かった。だがっ! 君を守る為に強くなったんだっ! だから、俺は君を止めてみせる。君を守る為に鍛えた、この力でっ!」

 

ヴァーリの拳とアナスタシアの鎚がぶつかり合い、火花を散らしていた時、もう片方の戦いも終盤へと向かっていた。

 

 

 

「偽りの魔王よっ! 覚悟せいっ!」

 

「キャァァァァァァァァっ!!」

 

「お姉さまぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

始終、戦況を有利に進めていたセラフォルーだったが、グレンが黒い蛇の様な物を飲み込んだ途端、戦況が逆転。ついに戦斧の一撃を受けた彼女は鮮血をまき散らしながら落下。会談の会場となっていた教室の床へと激突する。慌ててソーナが駆け寄り名を呼ぶが、意識が朦朧としているのか、返事が無い。

 

 

「……あの様な物を使いたくはなかったが、主の目的の為じゃ。老いぼれの誇りなんぞ、安いもんじゃわい。さぁ、其処を退け、小娘」

 

そう言って戦斧を振り上げるグレンだったが、どこか様子がおかしかった。まるで命の灯火が消えかけている様に……

 

「嫌ですっ! お姉さまにこれ以上手出しはさせません」

 

セラフォルーに止めを刺そうと舞い降りたグレンは間に入ったソーナに対し溜息を吐くと、大きく戦斧を振り上げる。

 

「じゃあ、お主も死ぬがよい。小娘との約束で戦えなくなったアザゼルは見逃すが、他の連中は殺す予定じゃったからの。……ああ、言っておくが、指揮者には手出しせんぞ。オーフィスに言われとるからの」

 

「……それは結構。……アーシアさんはどうするんですか?」

 

「殺すに決まってるじゃろう。その小娘は堕天使の手下じゃからの」

 

その言葉を聞いた途端、柳の表情が微かに変わる。長年一緒に居た従者しか気づけない程、僅かに……。

 

 

 

 

 

 

 

「……羽衣さん」

 

「……仕方ないのぅ」

 

柳が羽衣の名を読んだ瞬間、その体が消え、グレンの目前へと移動していた。

 

「が……かっ!?」

 

グレンの腹を手で貫いた状態で……。

 

「さて、ミラも正体を表した事じゃし、妾も名乗るとするかの。……柳も正体バレてしまったし、妾だけ仲間はずれはゴメンじゃ」

 

羽衣が拗ねたようにそう言った途端、彼女から白い狐の尾が生える。その数……十本

 

「妾の名は羽衣狐。親しい者は羽衣と呼ばせておる。おや、この十尾が気になるのか? 良いじゃろう、教えてやろう。妾は死ぬ度に寄り代となった体を脱ぎ捨て、尾の数と力を増す転生妖怪じゃ。どうやら柳に呼び出されのも転生扱いらしいの」

 

羽衣は被虐的な笑みを浮かべ、尻尾を振るう。グレンの戦斧と片腕が呆気無く吹き飛んだ。

 

「さて、楽に死ねると思うでないぞ? 狐の狩りは獲物をじわりじわりと追い詰める。まるで甚振る様にの」

 

羽衣から発せられた妖気とその妖艶な笑に会場中が飲まれる中、柳とミラは呑気にその様子を眺めていた。

 

「……相変わらずですね。まさに、どS」

 

「……基本的に女王様ですからね。……三人の中では一番弱いけど」

 

そんな柳の様子を見てミカエルは思う。やはり彼は何処か歪んでいると……。

 

「……しかし、なぜアーシアさんを気に掛けたのでしょうか……?」

 

ミカエルは思案する。目の前に居る少年に起こった変化の理由を……。




意見 感想 誤字指摘お待ちしています

別のキャラでのオマケ 意見があった聖書の神(女神転生二のヤファエ)を考えたが、かなりブラック内容になった どうしよう? ほかはレザート・ヴァレスにアシュタロス(例の装置有り ただし、結晶は無い……)


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