ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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フェイトが面白いがエンディングが不安だ 私はグットエンディング好きなので、エンディングで誰かが消えるとかが苦手です 予想が当たりそうで…… エンディング分岐ってあるんでしょうかね?

ドラキュラ強かった 一回負けました 初敗北……

ネットでアニメ第一話見ました 面白かった 続き借りよう 魔法使いの方のおまけの為にも(笑)


彼女を怒らせたらいけません

三勢力の間で起きた大戦後も冥界では戦争が続いていた。四大魔王の一族が戦争を再び起こそうとし、それに反対する者達との間で戦争が起きたのだ。

 

 

ここは、魔王の一族の所有する砦。周囲を囲まれ、陥落寸前のその砦の廊下を一人の老兵が走っていた。鍛え上げられた古傷だらけの体、手に持った使い込まれた戦斧は彼が歴戦の将である事を示していた。彼の名は、グレン・ムールムール。魔王アスモデウス家に先々代の当主の頃から仕えている古参の将である。彼の息子もまた今の当主に仕え、今はこの砦を守っていた。

 

「若! 此処にいらっしゃいましたか! ご当主がサーゼクスめに討たれました。この砦も、もはや陥落寸前。転移魔方陣が完成いたしました。反逆者どもに悟られる前にお逃げください!」

 

グレンが膝を折って報告した先にいるのは年端もいかぬ少年。彼こそが魔王アスモデウスの子孫にて、アスモデウス家最後の末裔、クルゼレイ・アスモデウスだ。グレンから逃げるように言われた彼だったが、急かすように出されたグレンの腕を振り払い、泣きながら言った。

 

「……もう、良いよ。父様達も、兄様達も死んじゃったんでしょ? 僕もアスモデウス家の一員らしく、潔く死を選ぶよ」

 

「若っ!」

 

そして、そう言った途端、グレンの怒声と、頬を打つ音が響いた。叩かれて赤くなった頬を押さえ、涙目で自分を見る幼い主に対し、グレンは諭す様に告げる。

 

「ただ、死を選ぶ事など、潔くありませぬ! 何もせず生きる事を諦める程情けない事はありません。それでは、お父上もお兄上方の死が無駄になります。さぁ、早く逃げますぞ」

 

「……ごめん」

 

クルゼレイはグレンの腕を取ると、魔方陣のある部屋まで向かっていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「柳、久しい」

 

「いや、最近会ったばっかりですよね。……シュークリーム食べますか? 中身はカスタードクリームじゃないですけど」

 

「食べる」

 

柳は家を訪問中のオーフィスに、そっとシュークリーム(ハバネロクリーム入り)を差し出した。オーフィスはそれを受け取ると疑いにもせずに口に入れ

 

 

 

「ありがとう」

 

「……お些末様です」

 

平然と食べ終えた。柳は眉も動かさず皿を下げ、台所の洗い場へと持っていく。台所では明日の夕食用の生の牛肉をつまみ食いしているゼノンの姿があった。柳は自分に気づかずに生肉を齧っているゼノンに近づいて行った。

 

「なぁ~に、しているんですか? ゼノンさん」

 

「見て分からんか? 摘み食いだ」

 

余りにも堂々とした態度に柳が怒る気力も無くす中、ゼノンは柳の持っている皿についたクリームを見て嘆息を吐く。

 

「奴にアレを出したのか。貴様のおかしい味覚に合う菓子を出すなど、どうかと思うぞ。そんなに奴がわれをグレートレッドと戦わせようとするのが気に入らんのか? 我なら苦もなく倒せるというのに……」

 

「それでも、少しは怪我をするじゃないですか。私にとって三人を害そうとする相手は、たとえ小指の先で追い払える雑魚でも許せない敵です。アイツは敵意がないので通じない嫌がらせで留めていますが……」

 

そう言葉を続けようとした柳だったが、ゼノンに唇を塞がれ言葉を遮られる。口内に侵入した舌は血の味がした。

 

「……スマン。生肉食べたばかりだった」

 

「口、濯いできます」

 

気まずい空気の中、柳は洗面台へと向かっていった……。

 

 

 

 

「さて、オーフィス。私達も会談に出席しますが、三勢力側に今回の出席者に貴女側の者は居ますか?」

 

「居る。我の味方になったのが」

 

「味方ねぇ。最初から裏切るつもりの相手は味方とは言いませんよ」

 

柳はそう言ってオーフィスの頬を引っ張る。頬をどれだけ伸ばしても無表情なのがツボにはまったのか、柳がグニグニと動かしていると、頭に鈍痛が走り、振り向いた先には修羅がいた。

 

「や~な~ぎ~さ~ん~。なんでそんな奴と遊んでるんですかぁ~?」

 

「ミラボレアスは関係ない。我、今は柳と話している」

 

「はぁ?」

 

「むぅ」

 

ミラとオーフィスが睨み合っている中、柳はそっと逃げ出し、安全な場所で一息ついてから呟いた。

 

 

 

「やれやれ、なんであの二人は仲が悪いんでしょうか。前も目を離したら喧嘩していましたし。同程度の者同士、ライバル意識でも有るんでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

「では、留守番とオーフィスの相手をお願いしますよ。力尽くで黙らせれるのはゼノンさんだけですから」

 

「任せろ。そうだな、報酬として今夜は我と……ポッ」

 

「……口でポッって言う人初めて見ましたよ。しかも、棒読みですし。別に良いですが明日の焼肉の肉、ゼノンさんの取り分は減らしますよ。先程食べていましたし。あと、お酒抜きです」

 

「殺生なっ!」 

 

縋り付くゼノンを無視し、柳達はフードを被って駒王学園まで転移していった。

 

 

 

 

柳が校内に到着すると、学校の周囲は結界で覆われ、三勢力の兵達がお互いに無言で牽制していた。

 

「これは、これは、厳重ですね。まぁ、会談の進み方次第では即戦争でしょうからね」

 

 

「そうならない為にこの会談があるんだ。私達が戦争になったら人間も巻き込まれるからね。そうならない為にも頑張らないとね」

 

「……直接お会いするのは初めてでしたね。ごきげんよう、サーゼクス・ルシファー様。指揮者(コンダクター)です」

 

転移した先では後ろにサーゼクスとグレイフィアが居て、サーゼクスは気さくに話しかけ、グレイフィアは後ろから一礼をする。柳もフードの下では苦虫を噛み潰した様な顔をしながらも表面上は丁寧に接した。そう、柳は……。

 

 

 

「人間が巻き込まれるのが嫌なら、冥界に引き篭ってい居れば良いじゃないですか。なんでわざわざ人間界に来て居るくせに、人間が巻き込まれる云々言っているんですかぁ?」

 

ミラの歯に布着せぬ言い方にサーゼクスは苦笑し、グレイフィアは顔を僅かにしかめ、聞いていた護衛の悪魔達は殺気を漏らす。我慢できなかったのか一人の悪魔が前に出て来て叫ぶ。

 

 

「貴様! サーゼクス様になんという口の利き方だ、主人もろとも、がぁっ!?」

 

彼が柳とミラに殺気を送った瞬間、彼の手が吹き飛び、周囲に血が飛び散る。辺りが騒然となる中、ローブの袖に血を付けたミラはサーゼクスにそっと告げる。

 

「あれれ~? なんで私だけじゃなく、マスターに殺気を送っているんですかぁ? 貴様ら全員死ぬか、そいつを生贄に差し出すか今すぐ選べ!」

 

静かだが身の毛もよだつ様な声でミラは告げ、フードの奥で龍の様な瞳が光る。ミラから発せられた殺気にサーゼクスさえも気圧される中、後ろから豪快な笑い声が聞こえてきた。

 

「かっかっかっかっか! そいつの命は諦めたほうが良いぜ。じゃなきゃこの学園ごと吹き飛ぶぞ」

 

「やぁ、指揮者。……アザゼル逃げるぞ。彼女が怒っている」

 

「何言ってのよぉ。あんな小さな子が怒っているだけじゃない。……いや、確かにヤバそうね」

 

「あ、あの、お久しぶりです。指揮者さん。……逃げましょう」

 

「おや、アザゼル総督にヴァーリにアーシアさんですか。おや、そちらの方は?」

 

声を掛けてきたのはアザゼルとそのお供達だった。柳はその中で見覚えのないアナスタシアに気づき、誰か尋ねた。

 

「私? 私はアナスタシア。アーシアの友人でヴァーリの姉気分。ああ、ついでに此処に居るエロ爺の孫よ」

 

アナスタシアは人の良さそうな笑顔と共にそう告げた……




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おまけ前に注意を 綺麗なフリードやコカビエル。ライザーなんて居なかった!


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