ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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フェイトが面白すぎて執筆が進まない 早く二週目、3週目行きたい でも楽にする為にはできるだけ倒しておかないと後がきつい


友達は大切にします

ここはあるホテルの一室。そこでは一人の少女が鏡の前で鼻歌交じりに服を選んでいた。彼女の名はアーシア・アルジェント。堕天使の組織、グリゴリに所属する神器使いである。普段は施設での訓練に励んでいるのだが、総督であるアザゼルのお供として来ていた。まだ会談まで日にちがあるので外出しようと服を選んでいるアーシアに近寄る影が一つ。手をワキワキ動かし、後ろから忍び寄り

 

「最近また大きくなったんじゃな~い?」

 

「ひゃぁぁぁぁぁっ!? ア、アナさん!?」

 

アーシアは後ろから忍び寄ったアナスタシアに胸を鷲掴みのされ、悲鳴を上げ、アナスタシアは楽しそうに笑っていた。

 

「いや、ごめん、ごめん。遊びに誘おうと思ったのに声をかけても気づかないしさ~。ねぇ、聞いてよ、アーシア~。あのスケベ親父、いい年してナンパとかしてんのよぉ。気を使ってスケベ爺と呼ばなかたけど、これからそう呼ぼうかしらぁ。……随分ご機嫌だけど、何処か行くの?」

 

「あ、はい。……お友達の様子を見に行こうと思いまして」

 

アーシアは顔を真っ赤にしながらそう言った……。

 

 

 

 

 

 

「……君達が会談に出席するのかい!? ……全滅しなければ良いんだが」

 

「い、いや、流石の彼女達でもそこまでは……しないよなぁ?」

 

「まぁ、大丈夫でしょう。その日にオーフィスが来るそうですからゼノンさんが留守番しますし、裏切り者が出ても巻き添えを食わないでしょう。最悪でも二人は助けていただきますよ。……できればの話ですが」

 

柳の家では柳達はレーシングゲームの対戦をしていた。顔を青くしながらプレイしているヴァーリとライザーはビリ争いをしており、柳はその二人に大きく差をつけている。そして、三人に圧倒的大差をつけているのはゼノンだった。普段からやり込んでいるだけあって、ネット対戦の成績は全国トップ。そして、三人を追い越し、そのままゴールした。

 

「我の勝ちだ。幾ら何でも貴様ら弱すぎだろう。精進しろ」

 

「はいはい、精進しますよ。おや、誰かが家の様子を伺っていますね。この気配は……アーシアさんですか。ヴァーリ、彼女は当然、指揮者の事は知りませんよね?」

 

「言う訳ないだろ。……後が怖い」

 

「ちょっと外しますね。お二人はノンビリしていてください」

 

ヴァーリの言葉に苦笑しつつ、柳は席を立ち、偶然を装って外へ出かけた。猛る龍の住処に友人達を置き去りにして……。

 

 

 

 

「……柳さん、お元気でしょうか。結局、あのまま、お別れしたままでしたから……」

 

柳の家の前まで来たアーシアは訪問する勇気が出ず、家の前の電柱から家の様子を伺っていた。しかし、外からは様子が見えず、音も聞こえてこない。諦めて帰ろうとした時、アーシアの背中に声がかけられた。

 

「アーシアさん? アーシアさんじゃないですか! 良かった、お元気だったんですね!」

 

「や、柳さん! お、お久しぶりです! ……本当に、お久しぶりです」

 

アーシアはずっと会いたかった友人との再会に思わず涙し、柳はそんな彼女にそっとハンカチを差し出しす。涙を吹き、落ち着いた頃を見計らい、柳はそっとアーシアに近づいていった。

 

「積もる話もありますが、ここは暑いので近くの公園の木陰で涼みましょう。本当なら家に招きたいのですが、今、客人が来ていますので……」

 

「は、はい! お供します」

 

「ハハハハハ、そんな硬くならなくたって良いですよ。友達でしょう?」

 

「ふふふふふ、そうでしたね。じゃあ、行きましょう、柳さん」

 

二人は微笑みながら近くの公園へ向かっていく。そして、その二人の跡を付ける影が三つ……。

 

 

 

 

 

「柳とアーシアか。似た者同士だし、お似合いかな? ……もちろん三人の次に」

 

「まぁ、面白そうだから尾行を続けよう。あいつは仙術で気配を探れるから気をつけないとな」

 

「柳さ~ん。なんでそんな女と一緒に居るんですかぁ~」

 

ヴァーリ、ライザー、そしてミラの三人は気づかれない様に距離を保ちつつ、二人の跡を付けて行った。

 

 

 

 

「はい、冷たい飲み物です。炭酸は平気でしたか?」

 

「あ、はい。向こうでも飲みましたから。……あの、私のいる組織の事をどこまで知っていますか?」

 

「私が知らされたのは三勢力の事と神器の事だけですよ。そんな話、別に良いじゃないですか。貴女がどんな組織に所属していても私達は友達ですよ。それより、友達らしい話をしませんか? どうです、組織で友達は出来ましたか?」

 

「はい、沢山の方がお友達になってくださいました。その中でも、アナスタシアさんという方が特に仲が良いんですよ。あ、あの、柳さん。私と友達になってくださって本当に有難うございました。私、本当に嬉しかったんです」

 

そう言って頭を下げるアーシアにに対し、柳は暖かい微笑みを向け、その手をそっと握り締めた。

 

「アーシアさん。お礼なんて水臭いことはやめて頂けませんか。それに、お礼を言うというなら私もですね。私と友達にになって下さり、ありがとうございました」

 

「柳さん……。 あ、あの、柳さん。私、柳さんの事がす……」

 

柳の言葉にアーシアは決心したような表情を見せ、想いを告げようとして気絶した。柳は倒れないように慌てて支え、額に手を当てるが熱中症ではない様だ。柳は何かを察した様に嘆息を吐き、茂みに向かって声をかけた。

 

「……ミラ、出てきなさい。それと、ヴァーリとライザーもですよ」

 

「バ、バレてましたか。……ごめんなさい」

 

「すまないね、つい面白そうだったから……」

 

「……悪かったな」

 

柳に声をかけられた三人は、おずおずと茂みから出てきた。柳はミラに近寄ると、腰を屈め、優しく諭すように話しかける。

 

「ミラ、無闇に殺気を放ったらダメだって言いましたよね。 どうして放ったんですか?」

 

「……あの女が柳さんに告白しようとしたからです。女として柳さんの傍にいて良いのは私達だけなのに……」

 

ミラはそう頬を膨らめせて言ってはいるが、どこか不安で泣きそうだった。まるで大好きな人が誰かに取られるんじゃないかと思っている様に。それを聞いた柳は微笑みながらミラの頭をそっと撫でた。

 

「大丈夫、私にとって彼女は友達でしかありません。私が女性として好きなのは羽衣さんとゼノンさんだけですし、将来的にはミラもその中に入るでしょうが、他の人が入る事はありません」

 

「や、柳さん!」

 

ミラは思わず柳に抱きつき、柳はそっと、その体を抱き上げた……。

 

 

 

 

 

「……この子、どうするんだ?」

 

「とりあえず、記憶を改ざんしておくよ。話の途中で仲間の俺が迎えに来たという内容にね」

 

ヴァーリはそう言うとアーシアをそっと背負い、転移していった。

 

 

 

 

 

 

そして、その後、授業参観に魔王が出席したり、魔法少女の格好をした魔王が校内で撮影会をして遠くから柳に冷めた目で見られていたりと様々な事があり、三勢力会談の日がやってきた……

 

 

 




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