ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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さて、今回はイッセーvsライザー眷属中心 意外と長くなりました


友人達が頑張っています

リアスとライザーの婚約を賭けたゲームも終盤に差し掛かり、其々の激闘が繰り広げられ様としていた

 

「お久しぶりですね、指揮者(コンダクター)様。貴方と貴方の従者方にはお世話になりましたが、ライザー様の為に貴方には此処でリタイアしていただきます」

 

「いえ、一度請け負ったからには最後まで頑張らせていただきますよ」

 

ユーベルーナの放った魔力と柳の放った矢が空中でぶつかり、爆発を起こす。それを見て、双方共、冷や汗を流した

 

「相変わらずとんでもない威力ですね。私なぞ一撃でも喰らったらリタイアですよ」

 

「いえ、貴方こそ相変わらずの弓の腕前ですわね。それに私の爆発を相殺するなんて……。でも、地面から離れられない貴方では直に対応できなくなりますわ!」

 

ユーベルーナは四方八方に動き、柳を撹乱させようとする。いくら柳の弓の腕が高くても地上からでは空中を動き回る獲物を狙うのは困難だ。……そう、地上からでは

 

「全く、堕天使からの仕事を受けておいて良かったですよ。こんな良い物を頂けるのですから!神器『空駆靴(ウンングブーツ)』!!」

 

柳が叫んだ途端、彼の足に羽飾りがついた靴が装着され、柳は空へと舞い上がる。一瞬驚きの表情を見せたユーベルーナだったが、すぐに冷静さを取り戻した

 

「……成程、空を飛べる様になる靴ですか。ですが、まだ空戦は不慣れでしょうッ!!」

 

ユーベルナの背後に無数の魔方陣が展開され、無数の爆発の性質を持つ魔力が柳に向かって放たれた……

 

 

 

 

 

「え~い!」

 

「解体しま~す♪」

 

体操着の双子がチェーンソーを振り回し、一誠に切りかかる。耳障りな音を上げながら一誠の鎧に向かったチェーンソーは

 

「「きゃっ!」」

 

「もらった!洋服崩壊(ドレス・ブレイク)!!」

 

呆気無く鎧に弾かれる。体勢を崩し、尻餅を付いた二人に一誠の手が迫り二人の服をはじき飛ばした。下着すらも弾け飛び、其処には発育が足りないながらも丸みを帯びた二人の裸体があった。それを見て思わず鼻血を出す一誠だったが、後頭部に突如衝撃が走り、その場所から飛び退いた

 

「イリ、ネル、何をやっている! 其奴の卑猥な技は聞いていただろう!」

 

そう怒鳴ったのは大剣を構えた『騎士』。彼女が大剣を振り下ろすと衝撃波が生まれ一誠に向かっていく。一誠は咄嗟に躱すが、裸にした二人と大きく距離を開けられてしまう

 

「ほら、今の内に」

 

その隙に他の眷属が上着を渡し、二人は再び立ち上がると一誠を睨みつけた

 

「変態! 女の敵!」

 

「性犯罪者~!」

 

「う、うるせぇ! 此れが俺の戦い方だ!」

 

一誠はそう言うと限界まで魔力を高め放とうとする。限界まで高められた魔力が一誠の腕から放出されようとした瞬間、

 

「油断するな。お前の相手は他に居るのだぞ」

 

「かっ!?」

 

「確か、この技は鎧通しといったか? う~む、この短剣では先端が限度か」

 

頭にバンダナ、西洋風の鎧を身にまとった『騎士』の短剣が背中に刺さっていた。鎧の僅かな隙間を狙ったそれは短剣の刃が厚い為に深くは刺さらなかったが、一誠の集中を逸らすのには十分だった。制御を失った魔力はその場で暴発し、魔力の所有者である一誠を襲う。魔力の暴発をモロに受けた腕の装甲は吹き飛び、胸部の装甲も罅が入っている

 

「くそ! 一旦距離をとる!」

 

一誠は鎧を修復させると、ブースターから魔力を噴出させて上空へと飛び上がる。不慣れな為にフラつきながらだが、直様に校舎上空まで移動した一誠は再び魔力を高め、

 

「ドラゴンショット!」

 

今度こそ特大の魔力を放つ。校庭に居るライザーの眷属全員を射程範囲に捉えた魔力は猛スピードで地面へと迫り、校庭を消し去った。先程まで彼女らがいた場所には大きなクレーターができている

 

「はぁ、はぁ、やった!」

 

思わずガッツポーズを取る一誠だが、

 

『ライザー・フェニックス様の『兵士』四名、『騎士』一名リタイア』

 

「な、なんでだよ!?」

 

アナウンスが告げたのは五名のリタイアだった。思わず困惑して叫ぶ一誠の背後から声が聞こえてくる

 

「全く、大した攻撃ですわ。カーラマインの瞬足をもってしても美南風(みはえ)を抱えて逃げるので精一杯なんて……」

 

「成程、卑猥なだけの男ではなかったのか」

 

「お、お前は!」

 

一誠の後ろにはドレスを着た金髪の縦ロールの少女と、一誠が取り逃がした『戦車』のイザベラが浮かんでいた

 

「先程は不覚を取ったが今度はそうはいかん!」

 

「お待ちなさい、イザベラ。……少しお話よろしいかしら?」

 

そう言って一誠に向かっていこうとしたイザベラをドレスの少女が手で制した

 

「初めまして。私の名前は、レイヴェル・フェニックス。ライザー・フェニックスの『僧侶』にして、妹ですわ。……ああ、何故兄の眷属になったのかは訊かないでくださいね。兄も反省していますから」

 

「……その妹が俺に何のようだ?」

 

「そう警戒しないでくださる? 私は一つだけお訊きしたいだけですわ。なぜ、そこまで頑張りますの? この縁談は悪魔社会にとって重要なものですのに」

 

「それがどうした! 俺には難しい事は分からねぇ。でもな、部長が嫌だって言ったんだ! 自分をグレモリー家のリアスとしか見てくれない相手との、自分自身をちゃんと見てくれない相手との結婚なんて嫌だってな! それに俺だって反対だ。あんな他の女を侍らせている様な奴との結婚なんて賛成できるか!」

 

一誠の返事を聞いたレイヴェルは溜め息をつき、少し不機嫌そうな顔をして再び問うた

 

「……では、お兄様がリアス様の事を個人として愛し、他の女性と浮気の様な事をしなければ反対なされないのですね? ……相手をちゃんと見ていないのはどっちでしょうか」

 

「彼奴がそんな奴なら反対はしねえよ! 少し悔しいけど笑ってお祝いを言ってやらぁ! 無駄話は此処までだ。さっさとぶっ倒してやる!」

 

「させん!」

 

一誠がブースターを使ってレイヴェルに接近しようとした瞬間、イザベラがその身に張り付いた。突然の事で動揺した事と、飛ぶことに不慣れな事が相まってブースターの噴射口を無理やり上に向けられ、一誠はイザベラごと地面に衝突する

 

『ライザー・フェニックス様の『戦車』一名リタイア』

 

落下のダメージによってイザベラはリタイアし、鎧を着ているとはいえ、頭から猛スピードで落下した一誠もただでは済まない。フラつく頭を抑えながら何とか一誠が立ち上がると、当たりが濃い霧に包まれていた

 

「どうですか? 美南風(みはえ)の霧の結界は」

 

「っくそ! 目くらましか!?」

 

敵の姿が見えず、そろそろ一回目の制限時間げ迫る事によって焦り始めた一誠は周囲をキョロキョロ見回す。攻撃が来た際にその方向に反撃しようと意識を集中させていると、再び声が聞こえてきた

 

「目くらまし? 違いますわ。ねぇ、貴方は水素爆発ってご存知? 水素と酸素が急激に反応し、爆発的な燃焼を起こす事なのですが……実はその霧、水素が中心となって出来ていますの」

 

「っち!この場を早く離れないと」

 

「させると思ったのか?」

 

「なっ!」

 

イザベラの言葉を聞き、咄嗟にその場を離れようとした一誠の体を、話によって気がそれた一誠の後ろか忍び寄ったカーラマインと美南風(みはえ)が掴み、上空から業火が放たれた。水素と酸素が急激に結びつき、辺りは爆炎に包まれた

 

 

 

 

ライザー対祐斗と小猫の対決はライザーが圧倒的有利に進めていた。二人は既に傷だらけだが、ライザーには傷一つない。それは、フェニックスの再生能力によるものではなく、ただ単純に一撃も彼が喰らっていないからであった

 

「はぁ、はぁ、まさか此処まで力の差があるなんて」

 

「……しかも、こちら攻撃は防ぐか躱されるかで届いていません」

 

悔しそうにそう呟く小猫に対し、ライザーは呆れたように肩をすくめた

 

「当然だろ? いくら不死って言われてても限界はある。なら、避けれるダメージは避けとかないと、必要な時に精神力が尽きちまうからな」

 

「貴方は不死の特性を過信しているって聞きましたが、どうやらガセだった様ですね」

 

「……いや、ガセじゃないさ。前の俺ならそうだった。だが、今の俺は違う。あくまで特性は特性だ。頼りっきりにはしないさ。さぁ、続きと行こうか!」

 

祐斗の呟きに自嘲気に笑ったライザーは表情を引き締め、背中に巨大な炎の翼を出現させた

 

「……祐斗先輩」

 

「行くよ、小猫ちゃん!」

 

小猫は校庭の木を引っこ抜き、ライザーに向かって投げつける。当然そんな物は直ぐに焼き尽くされるが、その陰に隠れて祐斗はライザーに接近していた

 

炎凍剣(フレイム・デリート)!」

 

祐斗は氷の魔剣で自分に向かってくる炎を和らげ、一気にライザーに接近する。それを見たライザーは楽しそうに笑うと両手を左右に突き出し

 

球の盾(ラッピング)!」

 

「うわっ!」

 

自分を中心に周囲に球場の炎を放った。それは氷の剣を溶かし、木を一瞬で焼き尽くすだけでなく、猛スピードで接近していた祐斗すら吹き飛ばした。ライザーは慌てて距離を取る佑斗を一瞥すると、周囲に炎をばら撒く。次第にそれは人型へと化していき、ライザーの分身となった

 

炎の兵隊(トルーパー)!」

 

無数のライザーの分身は二人に迫り、四方から攻撃を仕掛ける

 

「はぁ!……ッ」

 

小猫が拳を突き出すも炎故に突き抜け、その腕を焦がすだけに終わった。佑斗が再び氷の剣を振るっても直ぐに溶かされ、意味をなさない

 

「小猫ちゃん! 此奴等の攻撃は炎だから軽いけど、この熱は厄介だ! 強引にでも突破しよう!」

 

「……はい!」

 

二人は顔を腕で庇ってライザーの分身を突破する。多少の火傷を負いながらも二人が分身の包囲網を抜け、ライザーの姿を探すが、見当たらない。その代わり、地面には大きな影が出来ていた

 

「……先輩、あれ」

 

「そんな……」

 

小猫が指さした先には、巨大な火球を掲げて空に浮くライザーの姿があった。ライザーは二人に向かって火球を放り投げ、辺りは炎に包まれた

 

『リアス・グレモリー様の『戦車』一名、『騎士』一名リタイア』

 

 

 

 

 

『ライザー・フェニックス様の『騎士』一名、『僧侶』一名リタイア』

 

「あら、予想以上に丈夫ですわね。でも、もう限界ですわ」

 

「う、うるせぇ……。俺はまだ……、負けてねぇ……」

 

レイヴェルが見下ろした先では、爆発の衝撃で体がボロボロとなり、制限時間が来て禁手も解除された一誠の姿があった。そのにはめられたリングのヒビは広がり、今にも壊れそうな状態だ。そんな瀕死とも言える状態でも一誠は立ち上がる。共に勝利を誓った仲間のために

 

 

しかし、

 

『リアス・グレモリー様の『戦車』一名、『騎士』一名リタイア』

 

小猫と佑斗の敗北を知らせるアナウンスが流れ、無傷のライザーが悠然と近づいて来た

 

「いい覚悟だ。確か、兵藤一誠だったな? レイヴェル、フェニックスの涙を此奴に使え」

 

「え? でも、お兄様!」

 

「本来は未熟なお前が予想以上の怪我をした時の為に用意していた物だ。使い終わったらお前はリタイアしろ。俺は全力の赤龍帝と戦いたくなった」

 

「は、はい! どうか、お気を付けて!」

 

レイヴェルは慌てて一誠に近づくと、小瓶の中に入った液体を無理矢理飲ませた。すると、見る見る内に一誠の傷が癒えていく

 

「これ、市場で買ったらお高いんですわよ。 全く、お兄様のバトルマニアっぷりには困りましたわ。女癖の悪いのが治ったと思ったら、今度は戦闘狂なんて……」

 

「女癖が治った? おい、どういう事だよ?」

 

一誠は慌てて手を伸ばすが、レイヴェルはリタイアを宣言し消えていった

 

「いずれ分かりますわ。では、ご機嫌よう」

 

そう言い残して……

 

ライザーは呆然とする一誠に向かって構え、叫んだ

 

「さぁ、かかって来い、兵藤一誠! 貴様の力を俺に見せてみろ!」

 

「上等だぁ! 行くぜぇ、ライザー・フェニックス!」

 

一誠は再び禁手を発動させ、赤い鎧に身を包む。紅蓮の炎を纏った拳と、赤い龍の力を宿した拳がお互いを捉え、衝撃によって辺り一面が爆ぜた……




意見 感想 誤字指摘お待ちしています!

眷属が使った技の矛盾点は見つけても、スルーでお願いします

ライザーの技の元ネタのヒント メルメルメ~

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