ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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なんとか書き上げたぞぉぉぉぉ! 期間内uaとその日の閲覧数の違いってなんでしょう?


悪魔は理解できませんね

「あれ? 君は剣士じゃなかったのかい?」

 

そう言う佑斗の視線は柳が背中に背負った大弓に注がれている。一誠達と別れた後、二人は新校舎を目指していたのだが、今の所、敵とは出会わずに林の中を進んでいた

 

「合宿中にも使ったのですが、一誠君から聞いていませんか? 私は弓も得意ですよ。それにほら、ちゃんと剣も持っています」

 

柳はそう言ってフードの下から剣を取り出し、佑斗に見せた

 

「へぇ~、弓も剣も使えるのか。器用なんだね。それで、何が一番得意なんだい?」

 

「そうですね。……どうやらお客様の様ですよ」

 

その言葉を聞き、佑斗は剣を構え、柳は矢を取り出して引き絞る。二人の前にいたのは『兵士』3人にチャイナドレスを着た『戦車』の計4人。4人が柳達を発見すると『戦車』が一歩前に進み出てきた

 

「お久しぶりですね、指揮者(コンダクター)さん。……まさか、また貴方と戦う事になるとは思ってもいませんでした。ライザー様は貴方と戦いたがっていましたが……貴方には此処でリタイアしていただきます! シュリヤー、マリオン、ビュレント、貴女達は『騎士』を、くれぐれも油断はしないように!」

 

「「「了解!」」」

 

佑斗の相手を三人に任せ、ライザーの『戦車』雪蘭(シュエラン)は両手両足に炎を纏い、柳に向かって飛びかかった

 

「……ライザーとはただの知り合いじゃないみたいだね。後で話してもらうよ」

 

「ええ、彼女等を片付けましたらね!」

 

佑斗は三人に向かって剣を振るい,柳は雪蘭に矢を放つ。お互いの邪魔にならないように反対方向に分かれた二人の其々の戦いが始まった

 

 

 

「油断しちゃダメよ! 相手はサーゼクス様の『騎士』の弟子なんだから!」

 

「分かってるわ! まず、私が」

 

『兵士』の一人、シェリアーが佑斗に蹴りを放ち、佑斗はそれを剣の腹で防いだ。衝撃が彼の腕に響くが建を落とす程でもない

 

「やれやれ、こっちの情報は知られている様だね。はっ!」

 

相手の足が引くと同時に剣を横薙ぎに振るった佑斗だったが、シェリアーは迎え撃とうともせずに直ぐに後ろに引き、控えていたマリオンが続いて攻撃を放つ。それも防ぐ佑斗だが、またしても直ぐに引かれ、今度はビュレントが攻撃を仕掛けてくる。止む事のない波状攻撃に佑斗は徐々に疲弊していった……

 

 

 

「ホラホラ、どうしましたか!」

 

「くっ!」

 

雪蘭の猛攻に柳は反撃ができないでいた。彼の予想以上雪蘭にが素早く、先ほど放った矢は木に刺さっている。彼女の攻撃が激しく、次の矢を用意する暇すらない。反対に雪蘭の攻撃は直撃こそ避けられているものの、手足に纏った炎は確実に柳にダメージを与えていた。そして、

 

「わっ!?」

 

彼女の攻撃を避けた柳は大きい石を踏みつけ、足を滑らす。その隙を突いた雪蘭の拳が柳の腹部にめり込んだ

 

「がっ!」

 

柳はそのまま数メートルの距離を吹き飛び、木に激突する。一瞬、勝利を確信した雪蘭だったが、違和感を感じて立ち止まった

 

「……おかしい。手応えがなかった。……まさか!」

 

「気づきましたか。貴女の一撃と同時に後ろに飛び、衝撃を和らげ真下。あとはこのローブのお陰ですね。防刃、防炎、防衝撃効果を持つ特別性なのですよ」

 

柳は得意げにローブをヒラヒラさせた後、矢を数本纏めて引き絞る

 

「さぁ、お陰で距離が開きました。この距離は私の間合いです!」

 

「きゃっ!」

 

柳の放った矢は数本を除き、雪蘭に命中する。力なく倒れた彼女は光の粒子となって消えていった

 

『ライザー・フェニックス様の『戦車』一名リタイア』

 

「ふぅ、なんとか倒しましたね」

 

柳はそう言って汗を拭った

 

 

 

「いけるわ! このまま押し切るわよ!」

 

「くっ! こうも攻撃が激しかったら」

 

『兵士』三人による波状攻撃により『騎士』の特性である素早さを封じられた佑斗は苦戦していた。剣を振るっても直ぐに逃げられるため当たらず、攻撃後の硬直を狙って別の『兵士』の攻撃が飛んでくる。直撃はしていないものの、疲労は溜まり、カスリ傷が増えていく

 

「てぃ!」

 

再び放たれたシェリアーの蹴りを防いだ佑斗は剣を横凪に構え、彼女に向かって投げた

 

「なっ!?」

 

思わぬ攻撃に不意を突かれた彼女は剣を避けることができず、剣に貫かれて木に縫い止められた

 

『ライザー・フェニックス様の『兵士』一名リタイア』

 

「っく、まさか剣を投げつけるなんて。でも、剣を持たない剣士なんて雑魚よ!」

 

マリオンはそう言って佑斗に飛びかかる。追撃を行うべく後ろで構えていたビュレットだったが、突如ハッとしたような顔した

 

「待ちなさい! 彼の神器は!」

 

しかし、時すでに遅く、佑斗の手に突然現れた剣によってマリオンが切り裂かれる

 

『ライザー・フェニックス様の『兵士』一名リタイア』

 

ビュレットは悔しそうに歯噛みをしながら佑斗を睨みつけた

 

魔剣創造(ソード・バース)ッ! それが貴方の神器でしたね」

 

「そうさ。あらゆる属性の魔剣を創り出す神器『魔剣創造(ソード・バース)』それが僕の神器だ!」

 

佑斗はそう言うと剣を構え、ビュレットに斬りかかる。ビュレットは何とか回避し、逃走を図るが、

 

『ライザー・フェニックス様の『戦車』一名リタイア』

 

「なっ! 雪蘭がもうっ!? きゃああああああっ!」

 

残った仲間のリタイアに動揺し、動きが止まった瞬間、無数の矢が彼女を射抜き、ビュレットは光の粒子となって消え去った

 

「余計なお世話でしたか?」

 

声のした方を見ると矢を放った格好の柳が立っていた。先ほど雪蘭を倒した際に外れたかに見えた矢はビュレット目掛けて放たれた物だった様だ

 

「いや、助かったよ。さぁ、先を急ごう」

 

二人が新校舎へ向かっていると、再びアナウンスが聞こえてきた

 

『ライザー・フェニックス様の『兵士』一名リタイア』

 

「どうやら、彼等がやったようですね。……と言いたい所ですが」

 

「ああ、倒した敵の数が少なすぎる。どうやら作戦を読まれてたみたいだね」

 

作戦では重要拠点に大勢の敵を集め、朱乃の雷で一気に吹き飛ばす予定だった。しかし、アナウンスが告げたのはたった一人の撃破。耳をすませば、遠くから朱乃の雷と爆発するような音が響いてくる

 

「やれやれ、アレはライザーの『女王』のユーベルーナさんですね」

 

「朱乃さんなら大丈夫とは思うけど……。話は後だ! 先を急ごう!」

 

佑斗はそう言うと駆け出していき、柳もその後ろに続いた。もう少しで新校舎といった時、別方向からも近づいてくる影がある

 

「小猫ちゃん、イッセー君!」

 

「よう! 木場! お前らもやったみたいだな。アナウンス聞いたぜ」

 

「……お疲れ様です。あの、今回の作戦なんですが」

 

「ああ、分かってるよ。どうやらバレていたみたいだね」

 

三人が焦りの表情を見せる中、柳は体育館がある方角をじっと見ていた

 

「……拙いですね。彼女の気配が希薄になっています」

 

柳がそう呟いたその時、凄まじい爆発音が響き渡り

 

『リアス・グレモリー様の『女王』一名リタイア』

 

朱乃の敗北を示すアナウンスが響き渡り、そのアナウンスを聞いた三人の顔に驚愕と焦燥が現れる。その時、リアスからの通信が入った

 

『皆、聞いたかしら!? まさか、朱乃がやられるなんて……。こうなったら私も打って出るわ!』

 

「よし! 部長が居てくれれば百人力だ!」

 

「よし! 僕達は先に攻め入って敵を減らしておこう!」

 

「……貴方は行かないんですか?」

 

三人がリアス参戦に湧き上がる中、柳だけはその場に立ち止まり、動こうとしない。それを疑問に思った子猫は彼に話しかけた

 

「私は此処で『女王』の足止めをします。どうやらこの場所に近づいて来ている様ですので。大丈夫、足止めくらいはできますよ」

 

「済まない! 先に行かせて貰うよ!」

 

「悪ぃ! 頼んだぞ!」

 

「……無理はしないでください」

 

三人は柳にそう言い残すと新校舎に向かって駆け出していく。三人が遠ざかった後、柳は舌打ちをして忌々しげに呟いた

 

「全く、なんで悪魔の方々は、最後は王自ら打って出るんですかね? 他の方のゲームでもそうでしたが、王がやられたら駄目なのですから、大人しくしていれば良いのに……」

 

柳の視線の先では彼を発見し、高速で近づいてくるユーベルーナの姿があった……

 

 

 

「本当に彼奴一人で大丈夫だったのか?」

 

新校舎に差し掛かった時、一誠はそんな事を漏らす。朱乃でさえ、やられた相手に人間である指揮者(コンダクター)が立ち向かって大丈夫なのか心配なのだ

 

「大丈夫。彼も中々強いし、相手の『女王』だって、朱乃さんの相手をして無事で済むとは思えないからね。それより、大勢を相手にする事になると思うけど、イッセー君、禁手化(バランスブレイク)は大丈夫かい?」

 

「おう!、任せとけ! このリングのお陰で一日二回は平気だ。今日はあまり戦ってないし、体力も余ってるしな。確か、『戦車』を狙った方が良いんだよな?」

 

一誠は腕につけたリングを得意げに見せた後、そう問い、佑斗はそれに対して頷く

 

「うん。残りの『兵士』もこの場所なら『プロモーション』はできないしね。それよりも厄介なのが、『戦車』と『王』の位置を入れ替える『キャスリング』だ。多分、『戦車』は何処かに隠れているんじゃないかな?」

 

「……敵、大勢居ます。人数は……八人!」

 

「「なっ!?」」

 

敵の数に驚愕する三人の眼前には、残りの『兵士』四人、『騎士』二人、『僧侶』一人、そして、……『戦車』の一人、イザベラが立っていた

 

「……流石にこの数を一気に相手にするのは。イッセー君! 禁手化(バランスブレイク)の準備を!」

 

「分かった! 禁手化(バランスブレイク)!」

 

『welsh dragon over booster!!』

 

一誠がドラゴンの力を宿す赤い全身鎧を纏ったのを確認したイザベラが叫んだ

 

「キャスリング!」

 

その途端、彼女の姿が消え、代わりに現れたのは

 

「ラ、ライザー・フェニックス!」

 

「へぇ、あれだけの期間で禁手(バランスブレイカー)に至ったのか。いや、違うな。そのリングから強い力を感じる。それのお陰か」

 

ライザーは一誠の鎧の上に装着されたリングを繁繁と見つめ、そう呟いた

 

「彼奴が居ないって事はユーベルーナの相手をしてるのか。……つまらないな。おい、お前達、良い機会だ。伝説の二天龍の力を味わっておけ。俺は残りの二人を相手にする」

 

『はい! ライザー様!』

 

「させるかよ! お前の相手は俺だ!」

 

一誠は背中のブースター噴射させ、ライザーに近づこうとするが

 

「させるか! 私はライザー様の『騎士』カーマイン いざ、尋常に勝負!」

 

「ちょっと、貴女だけ、抜け駆けしないでよ。この試合はお姉様も見てらっしゃるんだから良い所見せたいわ」

 

ライザーの眷属達が立ちふさがり、行く手を阻んだ

 

「イッセー君! 僕達でライザーの相手をするから、さっさと倒してくれ!」

 

「……なるべく早めにお願いします」

 

佑斗と小猫はそう言ってライザーに向かって構え、ライザーはそれを見て、楽しそうに笑う

 

「良いだろう! 火と風を司るフェニックスの力の真髄、その目にしかと見せてやる!」

 

ライザーは巨大な炎の翼を出現させ、二人に向かって行った……

 

 

 

 

 

 




意見 感想 誤字指摘お待ちしています!

あれ、誰か忘れてる? マッサカァ~

フリードも3巻で少し改変しようかな? ただのやられキャラで消えるのは哀れすぎる 無理がない範囲内で……

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