今回は短い上に説明のような部分があります 区切りの為に仕方がなかったんや~ 次回はこれまで通りの文量です!
魔法使いはラスボスで2巻が終わったら、一気に7巻書き上げます 途切れ途切れに書いていたら勢いが続きませんから……
「彼の神器を覚醒させます。じゃないと勝てませんよ?」
させましょう、ではないのは、既に準備を終えているからである。説明せずに連れてきたからか、一誠は呆然としていた。行き成り自分の神器を覚醒させると言われても、何の事だか分から無いからだろう。リアスも事後承諾に嘆息を吐く
「……覚醒させましょう、じゃなくって、させます、なのね。良いわ、お願いするわね」
まぁ、神器が覚醒した程度で勝てる程、今のライザーは甘くはないのですが……。流石に知り合いだとは言い出せませんね。今の私はそれほど信用がありませんし
「許可が下りました。始めてください」
「了解した。さぁ、何処からでもかかって来い!」
ヴァーリは呆然とするイッセーを無視して戦闘の構えを取る
「お、おい!俺の神器を覚醒ってどういう事だよ?
その言葉を聞き、ヴァーリは再び落ち込みながら口を開く。頭痛がするのか、頭を頭を押さえながら……
「いいか、よく聞け。君の神器は
「
初めて聞く単語に一誠は首をかしげ、ヴァーリは嘆息を吐き、柳は肩をすくめてから説明する
「
「スゲェ!それなら、あの焼き鳥にも勝てそうだ!」
自分の神器を見て気合を入れる一誠だったが、柳は静かに首を横に振った
「無理です。それだけでは勝てません」
「何でだよ? これさえあれば神や魔王すら倒せるんだろ?」
「彼の話をちゃんと聞いていたのかい?理由として、君の基礎能力が低すぎる。これでは相手を倒せる力を得るまでに時間がかかる。相手が強くなるまで待ってくれる敵なんて、一部の馬鹿だけだ。更に、強い力に君の体が耐えられない。トラックに積載量を超える荷物を載せるのと同じだと思ってくれ」
その言葉を聞き、先程まで張り切っていた一誠は落ち込み、肩を落とす
「じゃあ、彼奴には勝てないのかよ!?」
「話は最後まで聞け。君の基礎能力が高ければ倍加は少なくて済むし、限界値も上がる。この修行で少しでも力を上げるんだな。それに、奥の手というべきものもあるが、まぁ、全ては覚醒させてからだ。さぁ、かかって来い!」
「お、おう!」
一誠は一度は落ち込んだものの、ヴァーリの言葉に元気を取り戻し、ヴァーリの模擬戦を始めた
そして、1時間後
「……覚醒する気配がないわね」
「対の存在である彼と戦えばあるいは、と思ったのですが」
柳達の目の前では一誠がヘロヘロになりながらもヴァーリに殴りかかり、ヴァーリはそれを上手く避けている。先程からそのような事を繰り返えしているが、一誠の力が二度目の倍加を受ける気配がない
柳は顎に手をやり、思案しだした
「いっその事、三人にスパルタ教育をやっていただきましょうか。いや、死ぬかもしれませんね。他の方法とすれば……一誠ならあるいは。リアス・グレモリー様。少々お耳を拝借」
「え、何?……イッセーなら効果ありそうね」
柳に耳打ちされたリアスは、顔を真っ赤にしながらも一誠に向かって叫ぶ
「イッセー!神器を覚醒させたら私の胸を揉ませてあげるわ!」
「ま、マジっすかァァァァァァ!?うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
リアスの声が聞こえた瞬間、一誠は大量の鼻血を流しながら気合を入れる。そして、彼の左手に装着された籠手が光りだし
『boost!』
一誠の力が再び倍加された
「……うわぁ。私が提案しましたが、まさか覚醒するとは」
「……イッセー君らしいって言ったらいいのかな?」
「……変態です」
「あらあら、元気ですわね」
「……イッセー。あなたって子は」
それを見た他のメンバーは呆れて言葉が続いていない。そして、その中でもダメージが一番強いのが彼だった……
「胸で覚醒って……。あ、あんなのに会うのを楽しみにしていた俺は一体……」
改めて一誠の変態っぷりを目の当たりにしたヴァーリは地に手と膝をつき、うなだれていた。自分のライバルが変態だと知らず、ライバルとして出会うのを楽しみにしていた自分が情けなくなったのだ。
ヴァーリが落ち込んでいる、その時、彼の方から何者かの声が響いた
『やっと起きたか、赤いの』
声の主の正体はヴァーリの神器に封印された
『久しいの、白いの。……お前の宿主は良いな。小僧、覚醒の理由が乳って。乳って、お前……』
一誠の神器に封印された
「……え~と、ごめんな」
『謝るな!余計惨めになるわ!』
思わず謝った一誠だったがドライぐはさらに傷ついただけらしく、すすり泣く声が聞こてくる始末だ
『赤いの。こっちも散々だぞ。戦いがいのある強い相手を見つけたのは良いが、負ける度に掃除等をやらされてるのだ』
『……お互い大変だな』
その後、宿主達を無視し、二天龍とまで呼ばれたドラゴン二匹の慰め合いが暫くの間行われた
「あの二匹って不仲なのよね?三勢力の戦争中に喧嘩しながら乱入したらしいし、歴代の所有者も殺し合ってるらしいし」
二匹が仲良さげに会話しているのを見て、リアスはそう疑問をこぼす。会話の内容からして仲が悪いようには見えないからだ。お互いに宿主で苦労しているが故に、二匹の間に連帯感が生まれたのだろう
「宿主は正反対なのですが。性癖さえも正反対ですよ。彼は胸派みたいですし、白龍皇は尻派ですから」
「……乳龍帝とケツ龍皇」
この時何気なく小猫が口にしたこの言葉が、更に二匹を苦しめる事になると、誰も予測していなかった……
ようやくヴァーリと二匹が立ち直り、全員が就寝しだした頃、喉の渇きを覚えた柳が台所へ向かうと、一誠とリアスの会話が聞こえてきた
「誰も私の事をリアス個人として認識してくれていない。私はグレモリーを抜きにして愛してくれる人と結婚したいの。ライザーは私をグレモリーのリアスとして愛してくれているわ。それが嫌なの」
柳はその言葉を聞き、暫しそこに立ちすくんで呟く
「ライザー。口にしない思いに意味などないのですよ。本当に彼女に惚れているのなら、伝えないと。でないと、一生貴方の思いに気づいて貰えませんよ……」
其の呟きは誰の耳にも止まる事なく消えていった。暫く気配を消していた柳だったが、一誠が近くを通った時、彼を呼び止める
「少し訊いていただきます。もし、ライザーが彼女自身を愛していた場合、貴方はどうしますか?」
「え?いや、そんな事、いきなり言われても」
「……一度考えてみてください。では、私はこれで」
動揺し考え込む一誠の隣を通り過ぎ柳は台所へと向っていった……
その頃、柳の家では……
「今帰った。……柳はどうした?」
異世界から帰ってきたゼノンが家の中を見回すも柳の姿が見えず、ソファーに座っていた羽衣に問うた。いつもなら直ぐに出迎えてくれるはずが、今日に限ってそれがない
「柳ならグレモリーの小娘の依頼で山篭りじゃ。お陰で妾が余計な仕事をせねばならぬ」
柳秘蔵の本から目を離した羽衣が人型に切った紙を投げると、煙を上げて柳の姿になった
「10日間も学校を休んでは怪しまれるからの。まったく、困ったもんじゃ。これは後でしっかりと報酬を頂かんとなぁ」
羽衣は本に目を戻し、笑いながらそう呟いた……
意見 感想 誤字指摘お待ちしています!
次回、ゲーム開始!