二人の吸血鬼に恋した転生者   作:gbliht

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今回、ちょっと読みづらいかもしれません。

後、戦闘描写が難しい、もっとうまくなりたいです(´;ω;`)


第八話 そこまで俺は、鬼畜じゃない

Side鏡夜

 

「発動、レーヴァテイン」

 

呟きと共にフランドールは炎の剣を持ち、こちらに突っ込んできた。

 

「発動、スピア・ザ・グングニル」

 

レミリアも同様に槍を出し、こちらに向かって来る途中で急に止まった。

 

「いくわよ!」

 

その言葉と同時に槍を投げてきた。

 

槍は地面を抉り、空気すらも引き裂いてこちらに飛んできた。俺は槍を避けようとせず、逆に槍に向かって突っ込んでいった。

 

「なっ!?」

 

「返すよ」

 

俺は槍が当たるギリギリの所で躱し、槍を掴み、向かってきた速度以上の速度で投げ返した。

 

「くっ!!」

 

レミリアは何とか槍を躱し、すぐさま壁に張り付いた。

 

「私の相手も忘れちゃダメだよ」

 

レミリアに集中していると、急に真上から声が聞こえた。

 

「別に忘れてはいないさ」

 

そう言った瞬間、フランドールは何十もの妖力弾を放ちながら剣を真っ直ぐ振り下ろしながら突撃してきた。俺は向かってきている妖力弾を全て叩き落とし、フランドールの腕を掴んだ。

 

「嘘!?」

 

「あ~らよっと!」

 

俺は腕を掴んだままその場で一回転し、ハンマー投げの用量で投げた。そしてすぐさま振り返り、飛んできた妖力弾を叩き落とした。

 

「チッ!外したか・・・」

 

「危ない危ない」

 

レミリアは自分の妖力弾叩き落とされた瞬間、殴りかかってきた。俺はレミリアの拳に拳をぶつけて跳ね返した。もちろん、レミリアの拳が壊れないように、力を抑えながら。

 

「くっ!」

 

そしてすぐさま反対の手で殴ってきた。そこからは、突きの放ち合いだった。

 

弾いては放たれ、弾いては放たれを大体五十回程繰り返すと、急に天井に張り付き・・・

 

「シーリングフィア!」

 

真っ直ぐに落ちてきた。俺は腕をクロスしガードしたが、腕が軋み、床が凹んでしまった。

 

「グ!・・・オラアア!!」

 

俺は多少腕にダメージを負ったが、なんとか弾き飛ばした。だが・・・

 

「休む暇はないよ!」

 

横から衝撃が走り、そのまま壁まで吹っ飛び、瓦礫に埋もれてしまった。

 

「やっり~!」

 

「やっぱり、人間って弱いわね。ね? フラン」

 

「うん!お姉さま」

 

「弱いってのは、心外だな」

 

多少体が痛むが、両腕を思いっきり振り瓦礫を吹き飛ばした。瓦礫から出て二人を見ると、二人はありえない物を見るような目でこちらを見てきた。

 

「さ、第二ラウンドだ」

 

俺は口の端を釣り上げながら言った。

 

 

 

Sideレミリア

 

「・・・フラン?全力で殴ったわよね?」

 

「うん、殴ったよ、お姉さま」

 

「・・・・・・何者よ、あいつ」

 

私は、表向きには平然としていたが、内心とても焦っていた。何故なら、フランの全力を喰らって平然としている男が目の前にいるのだ。

 

フランの力は、普通の状態でもそこいらにいる化け物を一撃で倒せる位の力は持っている。ましてやフランの全力となると私でも耐えれるかわからない。そんな、一撃を喰らっているはずなのにこの男は平然としているのだ。

 

「フラン、同時に攻撃するわ」

 

「わかったよ、お姉さま」

 

「話は終わったかい?」

 

「えぇ、お陰様でね」

 

私とフランは男に向かって突撃した。私達は妖力弾を男に向かって放ったが、全て叩き落とされた。

 

「トリックスターデビル」

 

私は一瞬で男の背後に周り爪で切り裂こうとし、フランは男の前から殴りかかった。だが・・・

 

「遅いね」

 

「なっ!?」

 

「えっ!?」

 

本日二度目の驚愕である。男は一瞬後ろを向いたかと思うと、いつの間にか私の手を掴みフランに向かって投げつけた。

 

「ふぎゅっ!」

 

「うにゃっ!」

 

私とフランは奇怪な声をあげて、ゴロゴロと床を転がってしまった。

 

「おお、可愛い声だこと」

 

男はふざけたこと抜かしているが、それが心底ムカついた。

 

私達はすぐさま立ち上がり、男の方を睨んだ。男は私達が睨んだというのに、一切動じなかった。

 

「・・・フラン、能力の開放を許可するわ」

 

「いいの?お姉さま?」

 

「いいわ、全力で潰しなさい。私も能力を発動するわ」

 

「・・・わかった」

 

フランは目を閉じ、私は目に意識を集中した。そして・・・

 

「フフフフ、アアアッハッハッハッハッハ!!!!!!」

 

「どうしたんだ?」

 

フランは蝙蝠のような羽はなくなり、代わりに枝のような骨格に虹色のクリスタルのような物が付いた羽が生えた。

 

「アハハハハ、行っていいの!!お姉さま!!!!」

 

「行きなさい、フラン」

 

すると、フランは今までにない速度で男に向かっていた。私は自分の能力である、運命を操る能力で男の運命を見ようとした、だが・・・

 

(嘘!?運命が見えない!!)

 

私の能力が発動されない理由は二つある。まず、一つ目は圧倒的に相手の力が上、二つ目は能力を無効にする能力の持ち主のどちらかだ。

 

(奴は、能力を無効にする能力でも持っているのか?)

 

私は一つ目の案は限りなく少ないと考えていた。ここまで、戦っているのに、一切男はなんの力も発動させないのだ。そこで、二つ目の考えだと思ったのだが、その考えも少し違うと考え始めてきた。

 

(何故奴に能力が効かないんだ?)

 

そんな事を考えていると、フランと男はぶつかり合っていた。

 

 

 

Sideフランドール

 

私はお姉さまの、能力発動の許可が降りたため、枝に虹色のクリスタルがついたような羽を出した。私のこの羽が出ている時だけ私は能力を発動できるのだ。

 

しかし、この能力には欠陥がある。それは、この能力を発動すると性格が変わって狂ってしまうのだ。狂気は押さえ込み思考能力は正常なのだが、どうしても性格だけは変わってしまうのだ。

 

「フォーオブアカインド!!!!」

 

私は、その言葉と同時に四人に分身した。四人に増えたので男に若干の動揺があると思ったが、男は優しい笑顔を浮かべ

 

「いや~可愛い子が四人増えて眼福だね」

 

などと、ふざけたこと言っていた。私は真っ直ぐと男に向かい、他の三人には男の右、左、後ろに向かわせた。

 

「過去を刻む時計!!!」

 

「スターボウブレイク!!!」

 

「クランベリートラップ!!!」

 

「カゴメカゴメ!!!」

 

上から順に、相手の前方から妖力弾を放ち、横から手裏剣のような妖力弾を放った。次に男の頭の上からカラフルな妖力弾をバラ撒き、そして、次に男の後ろから大なり小なりの妖力弾を放ち、最後に、男の周りを全方位を囲むように妖力弾を放った。

 

この圧倒的な物量の妖力弾を見せつけても男はさっきの表情のまま、まるでダンスでも踊るような軽やかさですべての妖力弾を躱した。その光景にさすがのお姉さまも驚愕の表情を浮かべている。

 

「嘘!?」

 

「なんで!?」

 

「どうして当たらないのよう!!」

 

「最悪!!」

 

私はさらに密度を濃くしていったが、男はそれでもダンスを踊るような軽やかさで躱していった。

 

そして、私の放った妖力弾は全て躱されてしまった。私は分身たちを自分の元に呼び戻し消した。

 

「あぁ!! せっかく可愛い子が四人に増えてたのに!」

 

男はあの量の妖力弾を全て躱したのに、息切れ一つ起こしていなかった。

 

私はすぐさま、男に近寄った。

 

「お姉さまアアアアア!!!!」

 

「チェーンギャング!!」

 

私の意図を察知してくれたお姉さまが男を、妖力で作った鎖で縛り、空中に十字架に貼り付けたように固定した。

 

「おっと?」

 

男はふざけた声を出し鎖に縛られた。私は男の前に行きすかさず、がら空きになっている顔面に向かって何発も殴った。

 

「アハハハ、いいざまだね~」

 

私が話かけても、男は一切反応しなかった。

 

「じゃ、これで終わりだね!!!」

 

私は男からある程度離れ、私の持つ、ありとあらゆるものを破壊する能力で男の最も緊張している目と呼ばれる部分を手のひらに召喚した。これを壊せば、対象を破壊できる。

 

「アハハハ、壊れちゃえ!!」

 

私は手のひらにある目を握り潰そうとしたが・・・目はまるで私を拒絶するように手を弾いた。

 

「弾かれた!?」

 

「嘘でしょ!?フランの能力まできかないなんて!」

 

目は結局握れず、私の手を弾き、手の上から消えた。

 

何をしたのかと、貼り付けにされている男の方を見ると、お姉さまの作った鎖が粉々に砕かれた。

 

「さて、そろそろ本気で行くよ!」

 

その瞬間男は、黒いオーラを纏った。

 

 

Side鏡夜

 

「アハハハ、壊れちゃえ!!」

 

(なんだあれ?)

 

俺はフランドールの手にあった物体を破壊されてはマズいと思い、気づかれないように霊力で覆った。

 

「弾かれた!?」

 

驚愕の表情でこちらを見ているフランをよそに、俺は縛っていた鎖を力ずくで破壊し、地面に降りた。

 

「さて、そろそろ本気で行くよ!」

 

そう言い、すぐさま妖力を二人に見えるぐらいにまで放出した。すると、どんどん二人の顔色は悪くなっていった。

 

俺は、呆気に取られているフランドールの背後に一瞬で回り込み、背中を蹴り飛ばした。

 

「ガハッ!」

 

フランドールは蹴られた勢いのまま、一切の抵抗もないまま壁までふっとんでいった。

 

壁にぶつかり、瓦礫がフランドールに降りかかり埋もれてしまった。しかし、すぐさま瓦礫は吹き飛び、フランドールは雄叫びを上げながらこちらに突っ込んできた。

 

「ウガアアアアアア!!!!!」

 

雄叫びと共に拳を放ってきたが、横に避け、伸びきった腕を掴み地面に向かって背中から叩きつけた。

 

「グッ!?」

 

そして、フランドールは意識を失った。一方レミリアの方はもう戦意がなく、ただ呆然とこちらを見てきた。

 

「どうする?まだ、やるかい?」

 

俺はレミリアに笑顔で言ったが、レミリアは諦めたのか目を伏せ、たった一言・・・

 

「降参だ」

 

とだけ言った。

 

それを聞いた俺は、倒れているフランドールをお姫様抱っこし、レミリアの元まで歩いた。

 

「じゃあ、俺と結婚してくれる?」

 

「あぁ、いいだろう約束は守る」

 

レミリアは心底嫌そうな顔でそう言ってきた。俺はその答えを聞くと、うんうんと頷き言った。

 

「結婚の話はやっぱりなしで」

 

すると、レミリアは呆然として固まってしまった。そして数秒後、ようやく動き出した。

 

「・・・何故だ?」

 

「じゃあ、一つ聞いていい?」

 

「あぁ」

 

「俺に惚れてないでしょ?」

 

それを聞いたレミリアはまた固まってしまった。そして怒りの表情で言ってきた

 

「あたりまえだろうが!! 誰が貴様なんかに惚れるか!」

 

「そこなんだよね」

 

「何?」

 

「いやね、さすがの俺でも嫌われてる女の子と無理矢理結婚しようとは思わないよ」

 

「・・・じゃあ、どうするんだ?」

 

「だから、さっきの約束は無しにして・・・ここで働かせて」

 

「・・・何を考えてる?」

 

「ここで働いて、君たち二人を惚れさせようと考えてる」

 

俺がそう言うと、レミリアは呆気にとられた表情を浮かべてから、クスクスと可愛らしく笑い始めた。

 

「面白いわね、やってみなさい、私は貴方何かに簡単には惚れないわよ」

 

「何かにとは酷いな~・・・ま、いいや、絶対惚れさせてあげるから」

 

すると、レミリアはスっと手を俺の前に出してきた。

 

「ここで働くなら、誓いなさい。やり方はわかるかしら?」

 

「あぁ、わかるよ」

 

俺はフランドールを優しく床に寝せ、その場で膝をつき、レミリアの手をそっと手を持ち上げた。

 

「俺の命ある限り、君たちを守ろう。そして、俺に惚れさせてあげよう」

 

満月をバックに俺は、そっとレミリアの手の甲にキスをした。

 




どうでしたか?

次回、カロside

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