今回は、女性鏡夜対島夢さまの影神晴夢との戦いです。キャラ崩壊起こってないことを祈ります。
ではでは、第六十五話をどうぞ。
Side鏡夜(女)
戦いが始まった瞬間、私は分身である私たちと晴夢以外を吹き飛ばした。彼らはここにいては困るのだ。何故ならば……彼、晴夢がいるから。
晴夢の能力は簡単に説明すれば、生きていなければなんでも喰らえる。そう、それは妖力や霊力なども関係ない。
で、私の分身の場合、生きてはいるが元は妖力で作ったものだ。妖力で作った訳だから、晴夢に喰らわれる恐れがある。いや、もしかしたら、意志があり生きていると認識して、喰えないかもしれないが、そんな確証のないことは今の状態では出来ない。少しも妖力は無駄にはできないし、何より晴夢は喰らった分だけ強くなるのだ。わざわざ、実験して強くすることもないだろう。
「鏡夜……なのか?」
「ええ、そうよ。この姿では初めましてね、晴夢」
私の姿を見た晴夢は、驚いた表情をしていた。まあ、そうだろう。私の今の姿は、腰まである真っ白いロングストレート。目つきは鋭く、目の色は赤だ。美人と言われれば、美人の部類に入るのではないのだろうか。
元ネタは……知らないな。いるかもしれないけど、私は知らない。
「ああ、はじめましてだな……もしかして、俺と戦うのはおまえ?」
「ええ、そうよ。美人や女性に優しい晴夢くん。もちろん、手加減はしてくれるわよね?」
からかったような口調で私が言うと、晴夢は後ろ髪を掻き、悩み始めた。
「鏡夜なんだろ? じゃあ、手加減の必要は……ああ、でも今は女性であるから」
「まあ、まあ、優しくして頂戴ね。晴夢くん!」
私は、自分の言葉が終わると同時に晴夢に向かって走り出し、拳を放つ。現在の私での最高出力で放った拳。その拳は晴夢の顔へと吸い込まれるように放たれる。
「……?」
晴夢は不思議そうな顔をすると、私の拳を片手で受け止めた。受け止められた私は、すぐさま右足で晴夢の右膝を蹴り飛ばす。しかし、これはあまり効果なかった。
全くもって、強いな~流石全盛期の私と互角に勝負しただけはあるよ。
「鏡夜、おまえ……」
晴夢が何かを喋ろうとしたが、私は残っている方の手で晴夢の顔面に向かって拳を放つ。この拳は晴夢の残っている手で止められるが、私は右膝で晴夢の顎を蹴りぬく。
一瞬、晴夢の力が緩んだ隙を狙って、私は晴夢を踏み台として使い空中に跳び、膝を抱えて後ろに向かって三回転しながら晴夢から離れる。
地面へと着地し、晴夢の方を見ると、首に手を当て、軽く左右に動かしていた。
全力の攻撃でもあの程度しか効かないのね。
等と考えていると、晴夢は口から血を吐き出しながら、こちらを不思議そうに見ていた。
「なあ、鏡夜…でいいのか?」
「ええ、正確には、時成美夜だけどね」
「そうか…なあ、美夜。おまえ……弱くないか?」
「残念だけど、これが今の限界よ。それともこれ以上がご所望?」
私が言い返すと、晴夢はまたもや後ろ髪を掻いた。
「いや、なんかこう、テンションが上がんなくてな。相手が女性だから?」
「そう……じゃあ、女性でも関係ないほどの戦いを見せてあげましょう」
構えを取った私に、晴夢はこちらを訝しげに見る。
呼吸を整え、意識を晴夢にのみ注ぐ。少しも視線をずらさず、意識をドンドンクリアにして、集中させていく。
「………」
そして、約二秒後に、私の体は晴夢の体に肉薄し、拳を放つがそれを掴まれ、拳を腹に放たれる。
……そう言う運命が見えた。
私は晴夢に対して一瞬で肉薄し、拳を放つ。しかし、拳は掴まれ、お返しとばかりに拳を腹に叩き込まれた。
「グ……!」
「やっぱり、テンションが上がらないな」
晴夢は私の腹に拳をぶつけたあと、拳を振り抜く。そのあまりにも強い衝撃により、私は数百m程飛ばされるが、空中で態勢を戻して、地面へと着地する。
腹を殴られたせいで、内蔵が損傷しているが、私は血を操る能力によって内蔵の損傷を修復していく。
「……ふふ」
「ん?」
内蔵の損傷を治している間、私は思わず笑ってしまった。
成程、私の考えは当たっているか。
私の考え……それは、運命が正常に見れると言う事。それが何になるんだと思うでしょう? 実はこれ、簡単に言えば、攻撃の先読みができるのよ。
「良かったわ、覚えておいて」
内心レミリアお嬢様に感謝しつつ、私は再び拳を構える。
「さあ、本番行くわよ?」
私はそう言うと、晴夢へと詰め寄り、拳を放つ。晴夢はその拳を先ほどと同じように掴もうとする。
晴夢は余裕そうな顔で拳を掴もうとするが、晴夢は……私の拳を掴めなかった。
「!?」
驚愕に歪むその顔に笑いながら、私は晴夢の背後から背中を思いっきり蹴り飛ばす。
勢いよく入った蹴りに反応できなかった晴夢は、そのままの勢いのまま、数百m吹き飛んだ。
私は吹き飛んだのを見て、一呼吸入れる。さてさて、私は何をしたかというと、まず晴夢の行動の先読み。そして、自分の出力の底上げ。
まず、行動の先読みはいいだろう。先ほど説明した運命のことだ。さて、次の自分の出力の底上げとは、文字通り自分の出力以上の力を無理やり引き出したのだ。
私が知っている、電気による体内伝達の異常な底上げ。血を巡らせるスピードをはやめることによってドーピングに似た効果を得る方法。時を操ることによって、私のスピードを百倍にまで上げる方法。そして、各場所からの妖力の放出によってえる加速のスピード。それら全てを集結させることによって、私は無理やり出力の底上げをしたのだ。
「ク、クク、クッハハハハハハハハ!!!!!!!」
地面へと倒れていた晴夢を見ると、晴夢は笑いながら起きてきた。
「そう、そうだ! それこそ、鏡夜の力だよな!」
戦闘狂特有の笑みを晴夢は浮かべると、その身に宿る膨大な霊力などの力を開放した。
地響きが鳴り、周りの大気は全て振動子し、私の肌にまるで刃物が押し当てられるような感覚がする。
「さあ! やろうか! 美夜!」
晴夢はそう言うと、地面を蹴り飛ばし、光速すらも超えた速さで迫ってくる。地面にはクレーターが出来、更には音すらも置き去りにしている。
晴夢は、いつも使ってくる防御不可の攻撃である、空間を削りながらの拳を放ってくる。だが、私はそれをあらかじめ知っているため、突っ込みながら拳を放ってくる晴夢に向かって、逆に思いっきり突っ込み、晴夢の顔面めがけて頭突きを放つ。
晴夢はそれに気づき、咄嗟のところ上体を後ろに逸らしてで躱すが、私は躱された瞬間に晴夢の頭を掴み、地面に叩きつける。
地面にはそれだけで地割れが起きる。それでも、私はそんなことは気にせず、晴夢の頭を掴んだまま空中へ放り投げようとする。
しかし、晴夢はその前に私の腕を切り落とし、私の腹に向かって蹴りを放つ。
切り落とされた腕は一瞬にもみたない速度でくっつけ治し、私は晴夢の蹴りを喰らう前に空中に跳び上がり避ける。
「楽しいな! 美夜!!!」
晴夢は蹴りを放った直後に、地面に巨大なクレーターを作る程の蹴りを放ち、私との距離を一瞬で詰め、拳を放ってくる。
私はその拳を横に避けて躱し、すぐに回し蹴りを放つ。だが、晴夢はその蹴りを掴むことによって受け止めると、足を掴んだままその場で地面に向かって投げる。
勢いのまま地面に向かって投げられるが、すぐに空中に妖力で足場を作ると、晴夢に向かって跳び、晴夢の顎に向かって膝蹴りを放つ。
膝蹴りを喰らうというのに、晴夢は頭を大きく振ることによってその膝に向かって自分の額をぶつけてくる。
その瞬間、衝撃波が起き、周りにあったものは地面だろうと雲だろうと全て吹き飛ぶが、私と晴夢はそんなことは気にせず、互の顔面めがけて拳を放ち合う。
私は晴夢の拳を躱し、晴夢は私の拳に当たる。だが、私の拳を喰らった晴夢は、ダメージを負った様子はなく、笑顔のまま殴り返してきた。
「クク、クッハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!」
笑いながら晴夢は私の拳を喰らいながらも、私に殴り返してくる。その驚異的な耐久力と、スピード、力にマズイと思いながらも私は晴夢の拳を躱していく。
運命を見る力も、体内の血を操る力も、電気での活性化も、時を操る力も、妖力も、全て総動員している為、徐々に頭が痛くなってきた。処理の限界が近づいてきているのだ。
そのせいで、先程から徐々に私の体に、晴夢の拳が掠り始めてきている。一発や二発、百発や二百発、千や二千、と徐々に掠っていく。
削り取られる拳の為、私の体は削られていくが、私はすぐさま血を操り治し、削られたところを修正していく。
だが、それすらも徐々に厳しくなってきた。
「クッハハハハハハハハ!!!!!! いいな、いいなあ! やはりこうだよな!」
横蹴り、回し蹴り、前蹴り、右でのパンチ、左での裏拳、頭突き、膝蹴り、体全てを使って私と晴夢は殴り合うが、互に決定打が入っていない状況だった。
晴夢の削りながら攻撃が来なくなったのに気づいた私は、飛んでくる拳に向かって拳を放つ。その瞬間、あまりにも強すぎる威力だったため、私と晴夢は互に数百kmずつ後ろへと吹き飛んだ。
「はあ、はあ、はあ、っ……はあ」
地面へと降りた私は、一瞬息が詰まりかけたが、すぐに呼吸を整えて、晴夢の方を見る。
まだまだ、余裕といった感じで晴夢はこちらを笑いながら見ていた。ったく、こっちはそろそろ限界だってのに、まだまだ余裕なのかよ。
内心愚痴った私は、自分の口から血を地面に向かって吐き出した。
「全く、この戦闘狂め」
「それはお互い様だろう」
「まあ、そうなんだけどね!」
私は、自分の言葉が終わると同時に、晴夢へと詰め寄っていた。晴夢の方も同じく詰め寄ってくる。互に体がぶつかった瞬間、私と晴夢は互の手の平をくっつける様に掴み合っていた。
「この、戦闘狂が!」
「だから、それはお互い様だろって!」
私と晴夢はまるで鏡合わせのように、同時に右足で蹴りを放つ。互の脇腹に蹴りは入り、私のアバラは何本か逝ってしまった。晴夢の方は多少なりともダメージはあるはずなのに笑っている。
すぐさまアバラを修復し、私は思いっきり晴夢の顔面めがけて頭突きを放つ。晴夢は私の頭突きを額で受け止めるようにぶつけてくる。私と晴夢がぶつかったその瞬間、周りにまたもや衝撃波が発生し、周りの空気や地面が吹き飛んでいった。
「くああああああ!!!!!!!!!!!!!」
「クッハハハハハハハ!!!!!!!!!!!」
私と晴夢は互の額で押し合いをしていく。だが、やはり力では勝てない私は、徐々に押し負けていく。
咄嗟に押し負けた勢いのまま後ろへと倒れこみ、晴夢の腹を蹴り飛ばす。巴投げのような状態だ。
腹を蹴りとばされた晴夢は、握っていた手を離すと空中に跳び上がり、どういう原理かは知らないが、空中から異常なまでのスピードでこちらに足から突っ込んで来た。
仰向けになっていた私はすぐに後ろへと回転して地面を押して、その場から離れる。晴夢が着地した瞬間、地面にはクレーターができ、砂埃が尋常ではないほど発生した。
砂埃が発生したことにより、私の視界は晴夢から一瞬外れたが、すぐに曲げる能力によって砂埃を私の視界から曲げていく。
「晴夢は……」
砂埃を曲げ、私の視界は正常に戻ったが、晴夢が先ほど着地した場所には晴夢がいなかった。
どこに………
などと考えているあいだに私の体は勝手に動き、背後から迫っていた晴夢の拳をしゃがむことによって躱していた。
すぐに私はしゃがんだ状態から横に一回転して晴夢の足を払おうとするが、晴夢は軽くその場で跳び、前転するように空中で回転してかかと落としを放ってくる。
私はそのかかと落としに対して、頭の上で腕をクロスするようにして防ぐ。かかと落としを防いだのはいいのだが、両腕の骨が折れてしまった。
私はすぐに両腕の骨を治そうとするが、ダメージを受けすぎたせいか、回復が遅い。今までは一瞬にも満たない速度で回復していたというのに、今は数分も治療にかかってしまう。
治りかけの腕を無理やり動かし、私は晴夢の事を弾き飛ばす。そして、すぐさま距離を取るためバックステップによってその場から離れる。
地面に着地する瞬間、更にバク転し、距離を取る。晴夢は笑いながらこちらを見ている。しかし、そんなことを気にできるほど、私の体力は残ってはおらず、地面に片膝をついてしまった。
「っ……ゲホっゲホ、これは、マズイな」
今まで残っていた妖力が尽きかけてきている。魔力の方はある程度残っているが、それも晴夢の前では数分ともたない量だろう。
全く、この状況……絶望的だな。
内心そんなことを考えていると、背後からいい奴らが来た。
「……遅いぞ、お前たち」
「これでも、かなり早く来たっての」
そう、私の分身たちが来たのだ。私の分身たちは、私の横に一列に並ぶと、晴夢と私を見て、苦笑いを浮かべていた。
「やっぱり、苦戦してんだな」
「当たり前でしょう、あんなの、今の私でここまで持ってるだけでも褒めてよ」
「姉さん、お疲れ様」
一番ちっこい私が、私の背中を摩ってくれる。ああ、いいわ~
「ま、後は俺に任せな。お前は中でゆっくりと休んでな」
「……そうさせて貰うわ」
私たちは、鏡夜のそばによると、全員で鏡夜の背中に手を着けた。
「後は任せたわ」
「おお、任せとけ」
そう言って、私たちは鏡夜の中に戻っていった。
Side鏡夜
「もう、準備はいいか? 鏡夜!」
「いつでも、いいぜ晴夢!」
俺は女の鏡夜がやっていたことと同じことを自分の体に施す。これ、やってみてわかったんだが、妖力の燃費が激しすぎる。一瞬で、一割の半分位の量の妖力が消費されてしまった。
「さあ、やろうぜ晴夢!」
「ああ、鏡夜!」
俺と晴夢は互に言い終わった瞬間、晴夢は一瞬で距離を詰めて顔面めがけて拳を放ってくる。俺はその拳を受け流し、晴夢の背後に回転しながら回り込みすぐさま裏拳を放つ。
晴夢はしゃがむことによってその裏拳を躱し、地面に両手を付けて俺の顎めがけて逆立ちのようにして蹴りを放ってくる。
俺はその蹴りを噛み付くことによって止め、逆立ち状態の晴夢の顔面めがけて蹴りを放つ。歯が欠けたりしたが、そんなことは気にしてはられない。
晴夢は俺の蹴りが当たる前に地面を押すと、体を持ち上げて噛まれている足とは反対の足で俺の顔面めがけて横蹴りを放ってくる。
「グ……グラア!!!!!」
晴夢の蹴りによって、噛んでいる足を離しかけたが何とか踏ん張り、噛んでいる足を持ち上げて地面に叩きつける。
晴夢は叩きつけられる瞬間に、両手を地面に着けて防ぐ。だが、それを予測していた俺は、即座に噛み付いていた足を外し、今度は晴夢の足を掴む。そして、晴夢の反対側に跳び、その勢いのまま晴夢を投げ飛ばす。
晴夢は空中で態勢を整えると、空中を蹴り飛ばしこちらに向かって飛んでくる。俺はそれを迎え撃つように、自らも晴夢に向かって突っ込んでいく。
お互に拳一つ分まで迫った瞬間、俺と晴夢は同時に拳を放っていた。互の顔面に向かって拳は吸い込まれるようにいくが、俺と晴夢は分かっているのに、わざとその拳を躱さなかった。
「グ……ハハハハハハ!!!!!!!!!」
「クッハハハハハ!!!!!!!!」
俺はダメージを受けた瞬間、意識がぶっ飛びそうになったが、何とか意識を失わずにすんだ。そして、俺は……笑いながら晴夢に向かって拳を放っていた。
ああ、疲れた。けど、楽しい!
あまりにも強すぎる相手に、楽しすぎて思わず笑ってしまったのだ。親友であり、俺の今まで出会った中で、最大の相手。これ以上に楽しいい奴がいるかよ!
「しゃらああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
俺はフェイントを何発か入れながら、晴夢の顔面、鳩尾、関節、喉、その他各所に拳をぶつけていく。晴夢の方も同じように何発かフェイントを入れて、俺の各急所に的確に拳をぶつけてくる。
互の口からは血が吐き出され、互の拳のぶつかったところからは血が出血している。
それでも、俺と晴夢は笑いながら互に拳をぶつけ合っていく。
「ガハッ……ハッハッハ!!!!!!!!!!!!!」
「ゴフ……ッハハハハハハ!!!!!!!!!」
笑いながら拳をぶつけ合ってはいくが、俺と晴夢は徐々に限界が近づいてきた。
拳をぶつけ、蹴りをぶつけた瞬間。俺と晴夢は互に空中を蹴り飛ばし後ろに跳び、地面へと着地する。
「はあ、はあ、ハハハハ!! 楽しいな、晴夢?」
「ッハハハ!! ああ、そうだな、鏡夜?」
「はあ、はあ……だが、そろそろ俺も限界だ。次の一発で決着つけようぜ」
「ハハハ、俺も同じくこの体じゃ、これで限界だ。……いいぜ、次で決着だ!」
俺と晴夢は互に構える。そして、息を整え、お互いの視線が合わさった瞬間。
「「しゃぁぁらあああああああ!!!!!!」」
俺と晴夢は互いに接近する。晴夢は俺の鳩尾めがけて拳を放ってくる。そうして、俺は……
「……! ちょ、おま、そこは反則だろ……」
「うっせ、戦いに反則もないだろう?」
晴夢の金的目掛けて、思いっきり蹴りを放った。いや~男だからわかるね。これは耐えられない。
晴夢は金的を抑えると、その場に前のめりに倒れた。俺はその晴夢を見ながら、内心合掌をして、晴夢に近寄る。
「お~い、生きってか?」
「死ぬわ。俺、死ぬわ。潰れた、俺の大事なものが色々と潰れた」
「はははは~ドンマイ」
「こんにゃろう!」
晴夢は恨めしそうにこちらを見ると、徐々に光の粒子となり始めた。
「ああ、くそ、こんなやられ方をするなんて」
「ハッハッハ、その体だから仕方ない。また今度、戦おうぜ」
「くそ、また今度か……じゃあな、鏡夜」
「じゃあなあ、晴夢。また今度戦おうか」
俺は倒れている晴夢に向かって、拳を突き出す。晴夢は俺の拳に、自分の拳をくっつけると、晴夢は笑顔で光の粒子となって消えていった。
「……いったか。さて、どうするよ。てめえ!!!!!!」
俺は振り返りながら、大声で叫んだ。俺の背後には、例の魔術師が深くフードをかぶりながら、こちらを見ていた。
「流石鏡夜さん。強いですわ」
「御託はいい。てめえ、死ぬ準備は出来てるか!!!!」
俺は自分の力をフルで開放すると、魔術師に向かって拳を放ちながら突っ込んでいく。
「いえ、死ぬにはまだ速いので、帰らせていただきます」
魔術師は、俺の異常とまで言われるほどの拳をやすやすと躱すと、その場でローブを翻して姿を消した。
「くそ! どこに消えた! ……もういないのか」
例の魔術師が消えた瞬間、俺の体にいつもの力が戻ってきた。どうやら、封印されてた能力が解除されたようだ。
俺は能力が戻った瞬間、何故かは知らないが急激に眠気が襲ってきた。限界を無くす能力が戻っているというのに、俺の体は謎の眠気に逆らえずにいた。
……なんだ、この眠気……は……
気づいた時には俺の体は地面へと前のめりに倒れ、意識を失っていた。
いやはや、こんな風に終わって申し訳ないです島夢様。キャラ崩壊、起こってないことを祈ります。
改変、アドバイス、感想、批判、お待ちしております。