二人の吸血鬼に恋した転生者   作:gbliht

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え~今回、甘甘のラブ展開です。

それはいいのですが、どうして私は戦闘シーンじゃないと文章力が落ちるんでしょうね?

・・・どうでもいいですよね。では第十四話をどうぞ。


第十四話 俺、幸せです

Side鏡夜

 

紅魔館に着くまでの一時間、その間ずっと俺はお嬢様達に抱きつかれていた。

 

「お嬢様方、着きましたよ」

 

「「そう、で?」」

 

「で?ではないですよ。離れなくていいのですか?」

 

「別に~私はもう鏡夜を離したくないし」

 

「そういうことよ。このまま降りるわよ」

 

レミリアお嬢様はそう言うと、俺の左腕を引っ張って馬車を降りる。

 

「ほら!降りよ、鏡夜!」

 

フランドールお嬢様も同様に、右腕を引っ張ってくる。俺はお嬢様達に、腕を引っ張られながら馬車を降りた。

 

馬車を降りると、紅魔館の中から皆が出てきた。

 

皆は俺とお嬢様達の前に来ると、何も言わず、驚いた顔でこっちを見てくる。

 

「ただいま、皆」

 

「ただいま~」

 

お嬢様達が話しだすと、ようやく皆が話し始めた。

 

「お、お嬢様・・・どうしたのですか?」

 

「ん?何が?」

 

もう、レミリアお嬢様はぶっ壊れていた。いつも、微笑しか浮かべないレミリアお嬢様が満面の笑みなのだ!

 

流石の変わりように、皆はレミリアお嬢様の満面の笑みにどう対処すればいいか分からず、困惑している。

 

「皆、聞いて頂戴」

 

皆が困惑している中、レミリアお嬢様が喋り始めた。俺に抱きついたまま。

 

「無事、婚約の話は無くなったわ!!」

 

レミリアお嬢様がそう言った瞬間、皆は困惑の表情から、歓喜の表情になった。

 

「本当ですか!お嬢様!」

 

「よかったね~お嬢様~」

 

「よかったですね。お嬢様」

 

「よかったわね、レミィ」

 

皆は婚約の話が無くなった事を喜んだあと、俺に賞賛の声を浴びせてきた。

 

「よくやったわ、鏡夜!」

 

「流石だよ~鏡夜~」

 

「流石ですね!鏡夜さん!」

 

「まあ、これぐらいはやってもらわないとね。私の弟子なんだから」

 

何故か、パチュリーさんは顔を赤らめながら言ってくるが・・・・・・まさかね?

 

それは、置いといて。とりあえず俺は、笑顔を浮かべながら皆に返事を返した。

 

「ええ、ちゃんと皆さんの期待に応えないといけないですから」

 

「どうして~?」

 

「女性の期待に応えるのが、男の勤めだからですよ」

 

俺がそんな事を言うと、皆は頬を赤くして、ポ~とした表情で見てくる。

 

「どうしました?皆さん」

 

俺がそう言うと、皆は頭を振っていつもの調子に戻った。

 

皆がいつもの調子に戻ると、レミリアお嬢様が話しかけてきた。

 

「鏡夜、今日はありがとう」

 

「いえいえ、守ると約束しましたからね」

 

「それでも、今日はありがとう・・・でね、今日のせいで疲れただろうから、今日と明日は休みでいいわよ」

 

レミリアお嬢様はそう言うと、俺から離れた。同様にフランドールお嬢様も離れた。

 

「そうそう、今日と明日はゆっくり休んでね。あ、後、今日から私の事はフランでいいからね」

 

「分かりました、フランお嬢様・・・・・・では、お言葉に甘えて、今日はもう休ませてもらいます」

 

俺はその場で一礼し、頭を上げた。次の瞬間・・・

 

「!?」

 

「「おやすみ、鏡夜!」」

 

本日、二度目の頬へのキスがきた。美鈴と小悪魔は顔を赤らめて見ているが、何故か、カロとパチュリー様はウズウズしていた。どうして?

 

「で、では、皆さんお休みなさい」

 

俺は素早くその場を去ると、自分の部屋に向かった。部屋につくと、部屋のシャワールームに入る。軽く体をシャワーで流した後、寝巻きに着替えてベットに入り寝た。

 

 

 

Sideフラン

 

「と、言うことで美鈴、今日と明日のご飯、お願いね」

 

「わかりました」

 

「じゃあ皆、今日はもう遅いから寝ましょう」

 

お姉様がそう言うと、皆はそれぞれ、自分の部屋に向かった。

 

「・・・・・・行ったわね」

 

「行ったわよ、お姉様」

 

私達は、皆が行ったのを確認すると口元に笑みを浮かべた。

 

「そう、じゃあ私達も行こうかしら」

 

「ええ、行きましょう。お姉様」

 

そう言って、私達は部屋に戻った。部屋に戻った私は、すぐに体を綺麗にして寝巻きに着替えた。

 

「フフ、これでよし」

 

今、図書館にはパチュリーはいない。多分、部屋で寝ているんだろう。私は枕を持ち、口元に笑みを浮かべたまま図書館を出て、鏡夜の部屋に向かった。

 

鏡夜の部屋の前に着くと、お姉様がいた。

 

「お姉様」

 

「来たわね、フラン」

 

お姉様は、私が来たことを確認すると、静かにするように言ってきた。

 

「さあ、入るわよ」

 

私達は鏡夜の部屋のドアをゆっくりと開け、中に入った。

 

「寝てるわね」

 

「寝てるね」

 

ベットに着くと、鏡夜はスヤスヤと寝ていた。

 

「フラン、貴方は左に行きなさい」

 

「了解」

 

私は鏡夜の左側に行くと、そっとベットに潜り込んだ。

 

「・・・近くで見ると、本当に格好良い」

 

「あら、フランったら、最近鏡夜の顔を見ただけで赤くなってたのに・・・」

 

「あの頃は、この気持ちが理解できなかったからね・・・でも、今ならわかる。この気持ちが、恋、なんだってね」

 

私はここ最近の私を思いだした。あの頃は、この胸のモヤモヤが嫌だった。

 

でも、今は違う。今はこのモヤモヤがとても心地いい。

 

「フフ、素直になったわね、フラン」

 

「そりゃあ、あんな格好良い姿見せられれば、素直になるよ」

 

「う、う~ん」

 

私とお姉様がそんな事を話していると、鏡夜が唸り始めた。

 

「お姉様、もう寝ましょう。鏡夜が起きそうだわ」

 

「ええ、そうね。寝ましょうか」

 

「おやすみ、お姉様」

 

「おやすみ、フラン」

 

(眠れない、どうしよう)

 

私が目を閉じたが、一向に眠れなかった。

 

(馬車で寝るんじゃなかった・・・)

 

などと数分間考えていると、急にお腹の下から背中に向かって手が入れられた。もちろん、服の外からだよ。

 

(え?どうして?)

 

私がそんな事を考えていると、急に鏡夜の方に引き寄せられた。

 

(・・・鏡夜から引き寄せたんだから・・・別にいいよね)

 

私はそんなことを考えながら、鏡夜に抱きつく。

 

(暖かい、いつぶりだろう。誰かと一緒に寝るのわ)

 

私は鏡夜の暖かさを感じていると、段々眠くなってきた。

 

(鏡夜、今日はありがとう)

 

私は心の中でお礼を言いつつ、鏡夜に抱きついたまま、瞼を閉じた。

 

 

 

Side鏡夜

 

「ん?朝か」

 

「すう、すう」

 

「むにゃ、鏡・・・夜、むにゃ」

 

「!?」

 

俺はいつも通り目を覚ました。いつも通り、目覚めたのは良い。だが、何故だ!何故、お嬢様達が俺のベットにいる!?

 

「おいおい、俺は昨晩何をした?」

 

しかも、俺は今、お嬢様達を抱きしめている。抱きしめるのはいい。だが、記憶がないことが問題だ。

 

(思い出せ俺。昨晩、何をした?)

 

俺は昨日の事を必死に思い出し始めた。

 

(昨日は・・・風呂入って寝た。うん、それだけだ!)

 

寝起きの頭ではまともな事など考えられる筈もなく、三秒で考えるのをやめた。

 

(・・・もういいや、お嬢様達もまだ寝てるから、俺も、もう一寝りしよう)

 

俺はお嬢様達を更に抱きしめて、そのまま寝た。

 

「おやすみ、レミリア、フラン」

 

 

 

 

「ふあ~よく寝た」

 

「すう、すう」

 

「むにゃ、鏡・・・夜、むにゃ」

 

「まだ、寝てるのか」

 

二度寝から起きると、大体三時間が経っていた。三時間が経った今でも、お嬢様達は一向に目覚める気配は無かった。

 

「はあ~全く、これじゃあ起きられないな」

 

とりあえず俺は、お嬢様達が起きるまで、お嬢様達の寝顔を見ることにした。

 

 

 

「う、う~ん」

 

「起きましたか、お嬢様」

 

数分後。俺が寝顔を見ていると、レミリアお嬢様が起きた。

 

「ふあ~おはよう、鏡夜」

 

「おはようございます。レミリアお嬢様」

 

レミリアお嬢様に返事を返すと、レミリアお嬢様は俺の胸に頭を置いてきた。

 

「鏡夜・・・貴方、暖かいわ」

 

「それは、ありがとうございます」

 

レミリアお嬢様はそう言って、俺の胸で額をグリグリした後、胸に頭を乗せたままこちらを見てきた。

 

レミリアお嬢様と目が合うと、その目はまだ眠たそうだった。

 

「レミリアお嬢様、まだ眠いですか?」

 

「ええ、少しだけね」

 

そう言うと、レミリアお嬢様はウトウトしだした。

 

「いいですよ。もう少し寝てて」

 

「うん。ありがとう、鏡夜」

 

そう言って、レミリアお嬢様は、俺の胸の上でスヤスヤ寝だした。

 

「お嬢様の寝顔、可愛いな~」

 

レミリアお嬢様の寝顔は、まるで天使のようだった。吸血鬼のせいだろうか?その寝顔は、蠱惑的な寝顔でもあった。

 

「・・・・・・絶対、この二人は守ろう」

 

俺は二人の寝顔を見ながら、決意を改めた。

 

「もちろん、ここに住んでいる他の女の子もだけど」

 

「ふにゃふにゃ、ふにゅ?」

 

俺がそんな事を呟いていると、フランお嬢様が起きてきた。

 

「おはよう~鏡夜」

 

「おはようございます。フランお嬢様」

 

フランお嬢様は、俺の胸ではなく、耳の近くに頭を近づけてきた。

 

「鏡夜、昨日はありがとね」

 

「いいえ、当然の事をしたまでです」

 

俺はそう言って、左側を見る。するとそこには、今にも唇がくっ付きそうなくらいの近さで、フランお嬢様の顔があった。

 

「そうだったね。鏡夜はそう言う人だったね」

 

フランお嬢様は目を細めて、笑顔でそう言う。

 

「ふあ~」

 

「フランお嬢様もまだ、眠いのですか?」

 

「うん。少しだけ」

 

フランお嬢様は眠たそうに欠伸をして、目を擦る。

 

「じゃあ、もう少しだけ、寝てていいですよ。レミリアお嬢様にも、そう言ったので」

 

「うん。じゃあ、そうさせて貰う」

 

フランお嬢様はそう言って、俺の腕を枕にする。

 

「鏡夜・・・頭を撫でて」

 

「いいですよ」

 

若干、目をウルウルさせて、フランお嬢様は言ってくる。俺は言われた通り、優しく頭を撫でる。

 

「ん・・・ありがと」

 

フランお嬢様はそう言って、スヤスヤ眠りだした。

 

「やっぱり、こっちの寝顔も可愛いな~」

 

フランお嬢様もやはり、天使のような寝顔だった。しかしこっちは対照的に、まだ子供っぽさが残る、あどけない寝顔だった。

 

「髪もサラサラだし。匂いも良いし・・・」

 

フランお嬢様が寝続けた後も、頭を撫で続けた。

 

「あ~俺、幸せ」

 

俺は転生させてくれた神様に感謝しつつ、フランお嬢様の頭を撫で続けた。

 

 

 

 

「ふあ~スッキリした」

 

俺が神様に感謝してから、数十分後、レミリアお嬢様が起きてきた。

 

「二度目のおはようございますですね。レミリアお嬢様」

 

「おはよう。鏡夜」

 

レミリアお嬢様は目を擦りながら、俺の胸から頭をどける。

 

「ごめなさいね。二度寝してしまって」

 

「構いませんよ。私も可愛い寝顔を沢山見れましたから」

 

俺がそう言うと、レミリアお嬢様は口元をにやけさせた。

 

「やっぱり、素敵でカッコイイわね・・・・・・そうだ!鏡夜、ちょっと目を瞑りなさい」

 

「いいですよ」

 

俺はレミリアお嬢様の言葉に素直に従い、目を閉じた。俺はまた、頬へのキスかなと思っていた。

 

だが、今回はワンランク上だった。

 

「ん!?」

 

俺は頭を持ち上げらると、レミリアお嬢様は唇へキスしてきた。

 

「ん―――プハッ」

 

「おおお、レミリアお嬢様。こ、これは、どういうこででででで」

 

「落ち着きなさい、鏡夜」

 

俺は今ままでにない程、動揺している。だって、そうだろう?自分の好きな人がいきなりキスしてくるんだぞ!動揺しなくてどうする!

 

「ん、ん、これは失礼。で、どうしたのですか?レミリアお嬢様」

 

俺は何とか落ち着くと、ようやくまともに話せた。

 

「あら、恋人同士なら当然でしょ」

 

「恋人同士!?」

 

「あら、違うの?」

 

「いえ、違いません!!」

 

俺は即答する。

 

「鏡夜」

 

俺がレミリアお嬢様と会話していると、俺の左側から不機嫌なフランお嬢様の声が聞こえてくる。

 

俺は恐る恐る、左側を見た瞬間・・・

 

「ん!?」

 

フランお嬢様がキスしてきた。本日に二度目のキスである。

 

「ん―――プハッ」

 

「お嬢様もですか!?」

 

「あたりまえじゃない!私ももう、鏡夜の恋人だもん!」

 

俺は僅かに動揺しながら言うと、フランお嬢様は涙目になりながら恋人宣言してきた。

 

「そう・・・ですね。お嬢様達は、もう私の恋人ですもね」

 

俺はそう言って上体を起こす。俺が上体を起こすと、お嬢様達は正面に座った。俺は落ち着きながら、真っ直ぐお嬢様達の瞳を見る。

 

「お嬢様、改めて言わせて貰います」

 

俺が真剣な表情で話し出すと、お嬢様達も真剣な表情になった。

 

「お嬢様、俺と・・・結婚してください」

 

次の瞬間、二人は俺に抱きつき・・・

 

「「喜んで!!!」」

 

こうして無事、俺とお嬢様達は両想いとなった。

 

 

 




最終回みたいな終わり方ですが、まだ終わりませんからね。

感想、お待ちしております。

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