二人の吸血鬼に恋した転生者   作:gbliht

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投稿遅くなってしまい申し訳ないです。

今回、前半が戦闘前、後半が戦闘となります。

では、第十二話をどうぞ


第十二話 嘘・・・でしょ

Side レミリア

 

「嘘・・・でしょ、鏡夜!!!」

 

「鏡夜・・・鏡夜ぁぁああああ!!!!」

 

私達はレビリアルと鏡夜が戦っている決闘場にいる。

 

私達は最初は鏡夜が勝つと思っていた。だが、現実は違った。私達の目の前には大量の血を流し、地に伏せ、レビリアルに頭を踏まれている鏡夜の姿があった。

 

「ゲハハハハハ!!!!人間ごときが手こずらせてくれたぜ。だが、これで終わりだ!!」

 

その言葉と共に、鏡夜の頭は踏み砕かれた。

 

 

 

時は戻ること馬車の中。今、私達は馬車に揺られながら目的地に向かっている。

 

「鏡夜、レビリアルの能力を知っとく?」

 

「いえ、大丈夫です。何が何でも勝ちますから」

 

「そう・・・頑張って頂戴」

 

「はい」

 

私は向かいに座っている鏡夜に、レビリアルの能力を教えようとしたが断れてしまった。

 

「それにしても、フランお嬢様の寝顔はいつも可愛いですね。もちろん、レミリアお嬢様もですけど」

 

フランは今、私の肩に頭を乗せながらスヤスヤと寝ている。私はそっとフランの頭を持ち、鏡夜を呼ぶ。

 

「鏡夜、ちょっと来なさい」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

私の所にきた鏡夜にフランの頭を持つように命令し、私とフランに挟まれるように座らせた。

 

「えっと、お嬢様?」

 

「いいから、フランの頭を膝に乗せて、静かにしなさい」

 

鏡夜は言われたとおりにフランの頭を膝に乗せ。私も同様に鏡夜の肩に頭を乗せた。

 

「お嬢様、どうしたのですか!?」

 

「静かにしなさいと言ったでしょう」

 

「は、はい」

 

「どうしたのかって?そうね・・・・・・これはご褒美よ」

 

「ご褒美ですか」

 

「ええ」

 

私はそう言うと、鏡夜の顔を私の方に向けさせた。そして、鏡夜の瞳をジッと見る。

 

「鏡夜、貴方はここ数日、本当によく働いてくれたわ」

 

鏡夜は黙ったまま、私の瞳を見てくる

 

「私はね。貴方は守るとか惚れさせるとか言ってたけど、すぐにここでの仕事をやめると思っていたわ。だから、ここでの働きも許可したのよ・・・まあ、仕事で辞めなくても今回の婚約の話で怖気付いてやめると思っていたわ」

 

「それは・・・」

 

「でも、貴方は怖気付かなった。むしろ、私達の為に戦おうともしてくれた。どうやら・・・私は貴方のそんな所に惚れてしまったようなの」

 

「え!?それはどう言う・・・」

 

「こういうことよ」

 

私はそっと鏡夜の頬にキスする。すると、鏡夜は動揺し顔を真っ赤にした。

 

「だからこれは、私を惚れさせたご褒美よ」

 

私はクスッと笑い、再び鏡夜の肩に頭を置いた。

 

「だからお願い、負けてもいいから死なないで頂戴」

 

「死にませんよ。お嬢様達の為なら」

 

鏡夜はそう言うと、私の頭を優しく撫でた。

 

「安心してください。あんな外道に私が惚れたお嬢様達は絶対に渡しませんから」

 

「ありがとう、鏡夜」

 

私はその言葉を聞き、そっと目を閉じた。

 

 

 

「レミリアお嬢様、着きましたよ」

 

「ふあ~おはよう」

 

私はどうやら、目を閉じた後眠ってしまったらしい。鏡夜は私が起きたのを確認すると今度は、フランを起こし始めた。

 

「起きてください。フランお嬢様」

 

「う~ん、ん?鏡夜?」

 

「はい、そうですよ」

 

笑顔で肯定されたフランは、鏡夜の顔を見ると同時にドンドン顔を赤くしていった。

 

「え?え?どうして、鏡夜の膝の上で寝てるの・・・?」

 

「レミリアお嬢様が膝枕しろと言ってきたからです」

 

鏡夜がそう言うと、フランは真っ赤な顔でこっちを睨んでくる。私は笑顔で、フランに右手の親指を立てた。フランは睨んでくるが無視する。

 

「じゃあ、二人共。降りるわよ」

 

私達は馬車から降りると、今回の式場に向かった。

 

 

 

「レミリア様、フランドール様、お待ちしておりました」

 

式場に着くと、顔の彫りが深く白いヒゲを生やした初老の吸血鬼がいた。

 

「レミリア様、こちらの人間は?」

 

「私の執事よ」

 

「左様でございますか・・・失礼、お名前を聞いてもよろしいですかな?」

 

「これは失敬。ここ数日前から紅魔館で働かせてもらっている時成鏡夜です。以後お見知りおきを」

 

「そうでしたか。私は昔、御二人方をお世話していたビリエルでございます」

 

 

二人は自己紹介が終わると握手した。握手をしている最中、ビリエルは鏡夜の耳元で何か呟いた。

 

「では、レミリア様、フランドール様、ご案内いたします」

 

ビリエルはそう言うと歩きだす。私達もビリエルの後を追うように歩き出した。

 

「鏡夜、さっきビリエルに何を言われてたの?」

 

歩いてる途中、鏡夜に何を話していたのか聞いてみると、鏡夜は軽く笑い・・・

 

「お嬢様達を頼みます。だそうです」

 

と、言ってきた。

 

私達がそんな話をしていると、式場についた。式場に着くと、私とフランは正面から入りる。鏡夜とビリエルとは正面で別れた。

 

「では、お嬢様、後ほど」

 

「えぇ、待ってるわ」

 

そう言って中に入るとそこは豪華なドレスやスーツを着た、吸血鬼がいた。

 

「まったく、面倒くさいわね」

 

「まったくだね~」

 

私とフランが式場に入ると、一人のメイドらしき物がこっちにきた。

 

「レミリア様にフランドール様ですね。こちらでございます」

 

メイドはそう言うと、私達を待合室まで案内した。待合室に入ると、そこにはレビリアルがいた。

 

「待ってたぞ、レミリア、フラン」

 

レビリアルが話しかけてくるが、とりあえず無視する。

 

「ちっ、つまんね~・・・まぁ、いいか、式さえ挙げちまえば後はこっちのもんだからな」

 

レビリアルは何か言ってゲハゲハ笑っているが、別に気にしない。私達は式が始まるまで静かに過ごした。

 

「レビリアル様、レミリア様、フランドール様、時間です」

 

「よっしゃ、行くぞ。フラン、レミリア」

 

レビリアルは私達の肩に腕を乗せてくる。私はレビリアルの腕を鬱陶しく思いながら式を挙げる会場に向かった。

 

「皆、今日はよく俺とこの二人の晴れやかな式に来てくれた!!」

 

会場に入り、位置につくとレビリアルは大声で挨拶した。ぶっちゃけ、レビリアルの声など聞きたくないので、ひたすら聞き流した。

 

「・・・・・・と、いう訳で今回のメインイベント、誓の口づけにうつる」

 

レビリアルがそう言うと、会場が暗くなり、私達の所だけ明かりで灯された。

 

そして、私とレビリアルの口がくっつきそうになる瞬間・・・

 

「その、口づけ、ちょっと待った」

 

会場の上から、鏡夜の声が聞こえた。会場にいた全員は一斉に上をみる。

 

「!?・・・何者だ!!!!」

 

「お忘れですか?」

 

そう聞こえた瞬間、会場の上から鏡夜が一回転しながら降りてきた。いや、落ちてきたかな?

 

「てめえは!!!」

 

「お久しぶりです。レビリアル」

 

「なんだてめえは!」

 

「邪魔すんな」

 

鏡夜が地面に降り、レビリアルと話していると二人の吸血鬼が鏡夜に飛びかかった。

 

「邪魔は貴方達です」

 

鏡夜の体が一瞬揺らいだかと思うと、吸血鬼二人は地面にめり込んでいた。

 

「レビリアル、貴方に決闘を申込みます」

 

「何だと!?」

 

レビリアルが驚くと同時に、会場の吸血鬼たちもざわつき始めた。

 

「おい、決闘だってよ」

 

「嘘だろ?人間が勝てるはずがない」

 

「だが、さっき二人もやられたんだぜ」

 

会場の吸血鬼達がざわついている中、レビリアルは呆然と鏡夜を見ている。そして・・・

 

「ク、ク、キハハハハハッハ!!!!!!マジかよマジかよ、この俺に決闘だ~?笑わせてくれるぜ」

 

レビリアルは気持ちの悪い声で笑い出した。私は本気でキモいと思いながら、フランと一緒に鏡夜に向かって走り出した。

 

「鏡夜!!」

 

フランは鏡夜に抱きつき、私は鏡夜の隣に立つ。一方、レビリアルは笑うのをやめ、こちらを睨んでくる。

 

「おい、レミリア。こいつが、お前の言ってた俺を倒す奴かよ」

 

「えぇ、そうよ。彼が貴方を倒す人よ」

 

すると、再びレビリアルは笑い出した。

 

「キハハハハ!!!!!俺に一発でやられた奴がね~・・・いいぜ、相手してやるよ!!ついてきな」

 

レビリアルはそう言うと、翼を出し、外に飛び出していった。私とフランも翼を出し外に飛び出す。そして、私達の後を追うようにして、他の吸血鬼達も飛び出してきた。

 

 

「お姉様、鏡夜は?」

 

「大丈夫よ、フラン。下を見なさい」

 

「下?」

 

フランは下を見ると、驚きの表情になる。それはそうだろう、私達はかなりの速度で空を飛んでいる。なのに、鏡夜は私達と同じ速度で地上を走っているのだ。

 

「・・・相変わらず、凄いね」

 

「えぇ、ホントに」

 

そこから数分後、私達はコロシアムに着いた。

 

「ここが、決闘の場所だ!!」

 

私達が着くと、レビリアルは地面に立っていた。私達はコロシアムの観客席の辺りに降り、鏡夜はレビリアルの前に立った。

 

「キハハハハハハ!!!どうした、怖くて声も出ないか?」

 

レビリアルは挑発するが、鏡夜は一切反応せず静かに佇んでいる。

 

「ちっ!何の反応も無しかよ。つまんね~・・・もう終われ」

 

レビリアルはそう言うと、鏡夜に向かって妖力弾を放った。妖力弾は人間一人は消し飛ぶような威力を持っている。

 

誰もが鏡夜の負けだと思っただろう。だが、違った。

 

「ハッ?」

 

妖力弾は鏡夜に当たる前に、消し飛んだ。

 

「懐かしいわね」

 

「そうだね」

 

鏡夜に何故当たらなかったのか?理由は簡単だ。唯、単純に素早く腕を振るっただけだ。鏡夜は妖力弾を消し飛ばすと同時にレビリアルに向かって走り出した。

 

「グッ!!??」

 

鏡夜は近づくと同時に拳をレビリアルの腹に向かって突き出した。レビリアルは一瞬遅れて腹を守ったが、その守りごと鏡夜の拳に打ち抜かれ、後ろに吹き飛んだ。

 

「糞が!!!舐めてんじゃねえよ!」

 

レビリアルはすぐさま鏡夜に近づき、拳を振るう。鏡夜は拳を躱すが、何故か後ろに吹き飛んだ。

 

「キハハハハハ!!!!」

 

そのまま、レビリアルは大量の妖力弾を吹き飛んだ鏡夜に向かって放つ。

 

「キハハハハハ!!!これで、終わりだ!!!!」

 

レビリアルは最後に特大の妖力弾を、鏡夜に放った。

 

特大の妖力弾を放たれた、鏡夜の周りは砂埃で見えなくなる。レビリアルは笑いながら、鏡夜の方を見ている。だが、砂埃が晴れてくるとその顔は段々と驚きの表情になっていく。

 

コロシアムにいた全員は何事かと思い、鏡夜の方を見る。

 

「マジかよ」

 

「「鏡夜!!!」」

 

私とフランは同時に叫んだ。砂埃が晴れたそこには、左腕を失った鏡夜の姿があった。

 

「糞、人間風情が!!!!」

 

レビリアルは鏡夜に向かって突っ込む。鏡夜は突っ込んでくるレビリアルを躱し、腹を蹴り上げた。

 

「グッ・・・ガハッ!!」

 

鏡夜はすぐさま跳び、レビリアルを追い抜く。

 

「落ちろ」

 

その声と共に、鏡夜は空中で一回転し、踵落としでレビリアルを地面に向かって落とした。

 

「グッ!!!!!」

 

レビリアルが落ちると、地面にちょっとしたクレーターが出来た。鏡夜は空から降りてくると、無言でレビリアルを睨んだ。

 

「ゲ、ゲハ、ゲハハハハハハハハハ!!!!!」

 

突如、地面に倒れていたレビリアルは、笑い出した。

 

「まさか、俺が人間相手に本気になるとはな!!!!!」

 

レビリアルはそう言うと飛び起き、急激に妖力が膨れ上がった。そして、鏡夜の方も何故か一気に魔力が会場に放たれた。

 

「うっ!」

 

「痛!」

 

魔力が放たれた瞬間頭痛がし、コロシアムにいた全員が頭を抑え、目を閉じた。しかし、頭痛はすぐに収まった。

 

「ゲハハハハハハ!!!!見せてやるぜ!俺の能力をよ!!!!!!」

 

目を開けると、レビリアルは腕を前に出し、拳を握っていた。そして・・・

 

「ウラァァァアアアアア!!!!!!」

 

レビリアルの眼前の空間が曲がった。

 

「ゲハハハハハ!!!!これが俺の能力、ありとあらゆる物を曲げる能力だ!」

 

レビリアルが能力を発動した瞬間、境夜はレビリアルに向かって突っ込んだ。

 

「無駄だ!!!!」

 

突如、レビリアルに真っ直ぐ向かっていた筈の境夜の体が右に曲がった。

 

「!?」

 

境夜は急に体の向きが変わった事に驚き、一瞬動きを止めてしまった。

 

「隙だらけだぜ!」

 

レビリアルはすぐさま境夜に近づき、蹴り上げた。

 

「さっきのお返しだ!」

 

レビリアルは蹴り上げた鏡夜を追い抜くと、一回転し踵落としを決めた。

 

「まだまだあ!!!」

 

レビリアルは地面に激突した鏡夜の上から、勢いよく落ちてくる。鏡夜はすぐさま避けようと地面を転がるが・・・

 

「だから、無駄なんだよ!!」

 

レビリアルの体の向きが急に曲がり、転がった鏡夜の上から踏みつけた。レビリアルは二、三度、鏡夜を踏みつけた後、今度は頭を踏みつけた。

 

そして、最初に戻る。

 

私は鏡夜の頭が踏み砕かれた瞬間、その場に崩れ落ちた。フランも同様に、涙を流しながら崩れ落ちた。

 

「鏡夜・・・・・・・」

 

「ゲハハハハハ!!結局この程度かよ!」

 

レビリアルは鏡夜だった物を踏みつけて笑っている。そして、会場の吸血鬼達も笑っている。

 

皆が笑っている中、私はその場に崩れ落ちたまま、動けずにいた。

 

「鏡夜・・・鏡夜・・・」

 

私は鏡夜の名前を呼ぶが、勿論反応は無い。反応が無いことはわかっている。が、鏡夜の名前を呼ばずには入れなかった。

 

私は必死に涙を流すことを我慢していたが、鏡夜の名前を読んでいる内に、目からボロボロと涙が流れてきた。

 

「どう・・・してよ・・・死なないって・・・約束したじゃない」

 

「ゲハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!」

 

私はもう何も考えられず、唯唯子供のように、泣き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジャスト一分だ。夢は見れたか?レビリアル」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回、ちょっとグチャグチャになっちゃいましたね。

さて、最後のネタがわかる人は何人いることでしょうか。

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