二人の吸血鬼に恋した転生者   作:gbliht

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料理の描写とか無理。

今回は題名の通り戦いの前です。戦闘を期待してた人は、次の話まで待ってください。

後、相変わらず、文法があってるか心配です。

では、どうぞ。


第十一話 戦いの前

レビリアルが来てから三日後の朝。俺は門の前に行き、朝の体操をしている。

 

「う~ん、今日か」

 

「おはよう鏡夜」

 

「おはよう美鈴」

 

俺が体操をしていると、美鈴が起きてきた。

 

「何してるの?」

 

「朝の体操」

 

「そ、じゃあ私も混ざろうかな」

 

そして俺と美鈴は朝の体操をした。

 

「そういえばカロは?」

 

「まだ寝てるわ」

 

「そっか」

 

ちなみにカロはこの紅魔館に来てから美鈴と寝ている。

 

「で、鏡夜、今日だっけ?お嬢様達の結婚式は」

 

「そうだよ」

 

「そっか、頑張ってね、鏡夜。お嬢様の為に」

 

「あぁ、もちろん」

 

 

この紅魔館の皆には吸血鬼との決闘の話はしてある。もちろん、お嬢様がレビリアルとの結婚が嫌という事も。

 

最初はやはり皆も決闘に反対したが、ちょっと霊力を出すと皆が冷や汗を流しながら鏡夜なら大丈夫だねと言い、決闘に賛成してくれた。

 

「じゃあ、俺は朝飯作るから」

 

「楽しみにしてるよ」

 

俺は門の前から去り、調理場に向かった。

 

 

 

「さて、作りますか」

 

俺は朝飯の調理に掛かる。それとこの前、料理の旨さの限界を無くし作った所、

 

「何この美味しさ」

 

「鏡夜~料理上手だね~」

 

「ウマ!!」

 

「美味しいわね」

 

「ねえお姉様、この美味しさの料理作れる?」

 

「無理」

 

と大絶賛だった。ちなみに上から、美鈴、カロ、小悪魔、パチュリー、フラン、レミリアである。

 

吸血鬼も血以外食べるのか聞いてみたところ、普通に食べるらしい。

 

「さて、これでいいかな」

 

そして、料理が仕上がった。俺は二人分の料理を持ち図書館に向かった。

 

 

 

「パチュリー様~朝ごはんですよ~」

 

「入っていいわよ」

 

「失礼します」

 

俺は図書館に入り、パチュリー様の所に向かうと仰向けで顔に本を乗せて小悪魔が倒れていた。そして、パチュリー様は目の下に隈を作りながら机に向かっていた。

 

「パチュリー様、寝なきゃダメですよ」

 

「わかっているわ。でも、完成させたい魔法があってね」

 

「はあ~完成したらちゃんと寝るんですよ・・・まあ、一旦魔法の方は置いといて朝食ですよ」

 

「ありがとう」

 

俺は近くのテーブルに朝食を置くと、パチェリー様は揺ら揺らとテーブルに向かっていく。

 

俺は次に仰向けで顔に本を乗せた小悪魔に向かい、体を揺さぶる。

 

「ほら、小悪魔。朝食だよ、起きな」

 

「う~ん」

 

小悪魔は起きる気配がない。そこで俺は、小悪魔の顔に乗っている本をどけ、朝食を小悪魔の鼻に近づける。すると・・・

 

「くん・・くん、この匂いは!!!」

 

さっきまでは寝ていたとは思えないスピードで起きてくる。小悪魔の顔に当たりそうになった朝食を引き戻し、そっと小悪魔の近くに置く。

 

「鏡夜の料理だ!!ヒャッホー!!!」

 

ガツガツと朝食を食べていく小悪魔。そして数分後、小悪魔は満足そうに頷いていた。

 

「いや~やっぱり鏡夜の料理は美味しいね」

 

「それはありがとう・・・おっと、小悪魔、口の周りに料理のカスが付いてるよ」

 

「え!嘘!」

 

「は~全く、ちょっと動かないで」

 

俺はポケットからハンカチを取り出し、小悪魔の口の周りを拭いてく。

 

「うむ、むぐ」

 

「はい、もう大丈夫だよ」

 

「むぐ、プハッ。ありがとう鏡夜」

 

「どういたしまして。さて、パチェリー様はっと」

 

俺はパチェリー様の方を見ると、こちらをジッと見ていた。

 

「どうしましたか?」

 

「小悪魔には優しいのね」

 

「?」

 

「別に何でもないわ」

 

パチェリー様はそう言うと、朝食をまた食べ始めた。

 

とりあえず、パチェリー様が何を言いたかった事を考えてみた。

 

「ん~・・・あ、なるほど」

 

俺はパチェリー様の元に向かい、正面に座った。

 

「どうしたの?」

 

「パチュリー様、スプーンを貸してください」

 

「?別にいいわよ」

 

俺はパチュリー様からスプーンを借り、料理を掬った。

 

「はい、パチュリー様。あーん」

 

「な!!!」

 

パチュリー様は顔を真っ赤にし、固まってしまった。

 

「きょ、鏡夜!?何してるの!!?」

 

「いえ、パチュリー様が小悪魔だけには優しいのねと言うからですね、パチュリー様にも優しくしようと思いまして」

 

「それとこれと一体何の関係があるの!?」

 

「優しく食べさせてあげようと思いまして・・・ほら、パチュリー様。料理が冷めてしまいます。ですから、はい、あーん」

 

パチュリー様は観念したのか顔を真っ赤にしながらも食べてくれた。

 

「どうですか?」

 

「・・・・・・美味しいわ」

 

「それは良かったです。じゃあ、はい、あーん」

 

「まだやるの!?」

 

「もちろんです。全部食べきるまでやりますよ」

 

パチュリー様の朝食はちゃんとパチュリー様が全て完食できように調整してある。その朝食が大体半分は残っている。

 

そこからパチュリー様が完食するまでずっと、食べさせてあげた。

 

 

 

「さて、次は美鈴とカロか」

 

あの後図書館から戻り、今は美鈴とカロと俺の朝食を門の前まで運んでいる。

 

「よいしょっと・・・美鈴、カロ、朝ごはんだよ~」

 

「は~い」

 

「今行くわ」

 

俺は二人の朝食と俺の朝食を、庭にあるテーブルの上に置く。しばらくすると二人がやってきた。

 

「おはよ~鏡夜~」

 

「おはよう、カロ」

 

二人が椅子に座るのを確認してから、俺も椅子に座る。

 

「うんじゃ、いたただきます」

 

「いただきます」

 

「いただきま~す」

 

俺と二人は朝食を食べ始めた。しばらくすると、カロが話しかけてきた。

 

「ね~鏡夜~今日なの~結婚式?」

 

「そうだよ」

 

「私も行っちゃダメ~?」

 

「だ~め、カロはここを守って頂戴」

 

「う~ずるい~鏡夜ばっかり戦うなんて~」

 

「じゃあ、美鈴と戦ったら?」

 

「もう~戦った~」

 

「戦ったの?結果は?」

 

「私が五勝一敗だっけ」

 

「そんなに戦ってたんだ」

 

なんでも戦うのはいいんだが、毎回カロは気を打ち込まれ体内の気が乱され、体が動かなくなって負けるらしい。

 

「じゃあカロ、今回の戦いは諦めてね」

 

「う~」

 

カロは唸っているが無視し、食べ終えた朝食の空を集めた。

 

「じゃあ、また後でね。カロ、美鈴」

 

「じゃあね」

 

「じゃあね~」

 

俺は朝食の空を持ち調理場に向かった。

 

 

 

そして現在、夜中。ふと時計を見ると、大体お嬢様方を起こす時間だった。

 

「ん?もうこんな時間か。さて、お嬢様達を起に行きますかな」

 

俺は夕食の用意をし、部屋を出た。

 

そして、歩くこと数分。レミリアお嬢様の部屋の前まで来ていた。

 

「お嬢様、起きてますか~」

 

ドア越しに声を掛けるが返事が返ってこない。このような場合、お嬢様から部屋に入って起こせと言われている。

 

「失礼します」

 

部屋の中に入ると、部屋の真ん中に大きなベットが一つ置いてある。

 

俺はベットに向かうとそこには、天使のような寝顔を見せているお嬢様の顔があった。

 

吸血鬼なのに天使とはこれいかに。

 

「・・・・・・っと、見とれている場合じゃ無かった。お嬢様起きてください」

 

「う~ん、後五分」

 

「起きてください、ごはんですよ」

 

お嬢様は一行に起きようとしない。それでもめげずに俺は、お嬢様を揺さぶりながら起こす。

 

そこから数分後、観念したのかようやく起きた。

 

「ふあ~おはよう鏡夜」

 

「おはようございますお嬢様。ご飯ができてますので着替えて食堂に向かってください」

 

「わかったわ。じゃあ鏡夜、フランを起こしに行ってあげて頂戴。もし、起きてなかったら部屋に入って、耳元で囁きながら起こして頂戴」

 

「わかりました。では、失礼します」

 

俺は一礼し、部屋を出た。そして、今度はフランお嬢様の部屋に向かった。

 

 

 

「フランお嬢様~起きてますか~」

 

部屋の前に着き声を掛けるが、中から反応がない

 

「入りますよ~」

 

部屋を開けるとベットがあり、一人の天使が枕を抱えて寝ていた。まあ、吸血鬼だけど。

 

「やっぱり、可愛いな~・・・っと、見とれてる場合じゃないな」

 

俺はレミリアお嬢様に言われた通り、耳元でそっと呟くように起こした。

 

「お嬢様、起きてください」

 

 

 

Sideフラン

 

鏡夜を殴ってから三日が経った。あの後私は、鏡夜と顔を合わせるたびに何故か顔が真っ赤になり体温が高くなっていた。

 

「なんなんだろう~これ」

 

現在私はベットに寝転がり、最近の事を思い出してる。

 

「なんなんだろう~ホントに、最近鏡夜の顔を見るだけで顔が真っ赤になるし」

 

「しかも・・・最近、鏡夜ことばっかり考えてるし」

 

ここ数日私は、暇があれば鏡夜のことばっかり考えている。しかも、鏡夜のことを考えていると何故か胸の奥がキュンっとするのだ。

 

「やっぱり病気・・・なのかな?でも、お姉様や皆に話すと大丈夫って言われて優しい笑顔になるし」

 

私は枕を抱え、ゴロゴロする。そして、ゴロゴロしているとまた鏡夜の事を思い出してしまった。

 

「う、う~!!なんなのも~!!!!」

 

私は枕をギュッと抱き、そのまま寝ることにした。

 

 

 

「お嬢様、起きてください」

 

(え?なんで鏡夜がいるの?)

 

私は今戸惑っている。

 

ここ数日、碌に顔を見れなかった人物の声が私の耳もとで聞こえたのだ。

 

「お嬢様、起きてください。ごはんですよ」

 

「う、う~ん」

 

とりあえず、私は鏡夜の息が耳に掛かるのを我慢しながら寝たふりを続けた。

 

(く、くすぐったい!!でも、ここで起きたら)

 

私は必死に耐えてると、急に耳に息が掛からなくなった。私は安心したが、次の瞬間・・・

 

「ふう~」

 

「わきゃああああああ!!!」

 

耳に息を掛けられた。流石に私はこれに耐えられず目を開けた。が、それがいけなかった。何故なら・・・

 

「おはようございます。お嬢様」

 

目を開けると、目の前には鏡夜の顔があった。その瞬間、私は急激に顔が熱くなっていった。

 

「おや、お嬢様。熱でもありますか?」

 

「へ・・あ・・・別・・」

 

私は動揺しすぎて、うまく言葉が出せなかった。

 

(ど、どうしよ!なんか、体熱いし!!心臓バクバクいってるんだけど!!)

 

「ふむ、お嬢様。少し動かないでくださいね」

 

「ふえ!?」

 

鏡夜は三日前と同じく額を私の額に付けてきた。その瞬間、さらに心臓の鼓動が速くなった。

 

「う~ん、ちょっと熱っぽいですね。体調は悪くないですか?」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「お嬢様?」

 

「うわああああん!!!」

 

「ゴフッ!?」

 

私は泣き目になりながら、前回と同じように鏡夜の腹を殴った。そして、すぐさま部屋についてるトイレに駆け込んだ。

 

「痛たた、お嬢様~ご飯ができてるので、着替えたら食堂に来てくださいね」

 

私は返事を返すことができなかった。体温は高く、息は荒く、心臓は今にも張れ裂けそうだ。そして、ガチャっという音と共に部屋から気配が消えた。

 

私はゆっくりと深呼吸を繰り返すと、ようやく心臓が正常になっていった。

 

「はあ、はあ、ホントになんなのよも~!!!!!!」

 

 

 

私はトイレで叫んだあと、寝巻きからいつもの服装に着替え、食堂に向かった。途中、美鈴とあった為、一緒に食堂に向かうことにした。

 

「そういえば、お嬢様。さっきの悲鳴はなんだったんですか?」

 

「・・・聞かないでちょうだい」

 

「鏡夜のことですか」

 

「な!?なんでわかったの!?」

 

「秘密です。で、鏡夜に何されたんですか?」

 

「・・・耳元で囁かれた」

 

「それは、大変でしたね」

 

そんな事を美鈴を話していると、食堂についた。食堂に入ると皆が全員椅子に座っていた。

 

「おはようフラン、朝はどうだった?」

 

「大変だった」

 

「そう」

 

お姉様はニヤニヤとこっちを見てくるが、私はそんなことを気にしてる場合では無かった。

 

「フランお嬢様、きましたか」

 

鏡夜がいるからだ。私は平静を装いつつ席に座る。皆はニヤニヤしながら私を見てくる。

 

「じゃ、皆が揃ったし食べましょう」

 

そこから、料理を食べたが、味はほとんど覚えていない。

 

 

 

料理を食べ終え、皆が解散したあと、私はお姉様に呼び出された。

 

「フラン、着替えなさい」

 

「何に?」

 

「そうね、これを着ときなさい」

 

お姉様から渡されたのは真紅のドレスだった。一方、お姉様は黒いドレスを着ている。

 

「いつの間に着替えたの?」

 

「速着替えは淑女の嗜みよ・・・で、フラン。ドレス着れる?」

 

「多分」

 

私はドレスを着ようとしたが、背中のフォックが締まらなかった。

 

「フラン、後ろ向きなさい。締めてあげるから」

 

「ん」

 

お姉様は背中のフォックを締めてくれた。が、若干胸が苦しい。

 

「お姉様」

 

「何?」

 

「胸が苦しい」

 

すると、一瞬嫉妬の目にお姉様はなり、我慢しろと言われた。

 

 

 

「お嬢様、迎の馬車が来ました」

 

「そう、行くわよフラン」

 

「わかった」

 

私とお姉様は部屋をでるとそこには、執事服を着た鏡夜が立っていた。まあ、いつも執事服を着ているんだけど。

 

「おお!!二人共似合ってますね~」

 

「ありがとう、鏡夜」

 

「あ、ありがとう」

 

お姉様は平然と答えるが、私は顔を真っ赤にしながら答えた。

 

「じゃあ、行きましょう。鏡夜、フラン」

 

「うん」

 

「はい」

 

そうして、私達は迎の馬車に乗り込んだ。顔を真っ赤にしたまま。

 

 

 

 

 

 




とりあえず、前回でなかったメンツを出しました。出さないと忘れてしまうんで。

文章がおかしかったら感想に書いてください。

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