二人の吸血鬼に恋した転生者   作:gbliht

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夜中に書いてるので文法がおかしいかもしれません。

後、今回主人公チート状態になります


第十話 新たな敵?

Side鏡夜

 

紅魔館の皆と自己紹介をしてから数日がたった。

 

あの後、パチュリーさんが館の壁を魔法で直し、俺とカロは本格的に働き出した。

 

俺は掃除洗濯家事など、カロは美鈴と仲が良いとのことなので一緒に門番をしている。

 

そして現在、休憩中の俺は図書館に行きパチュリーさんから魔法を教わっている。

 

「ここをこうするとこうなるの、分かった?」

 

「なるほど・・・じゃあここをこうすると?」

 

「こうなるわ」

 

パチュリーさんの魔法は術式を用いたもので、その基本を俺は教わっている。

 

ちなみに、俺には魔力が僅かしかなかった。そこで、俺は魔力の増える限界を無くし、ついでに増える速さの限界を無くした。

 

「パチュリーさん、今日はありがとうございました」

 

「別にいいわ、貴方覚えがいいから教える方も楽しいわ」

 

等とパチュリーさんと話してると、小悪魔が駆け寄ってきた。

 

「鏡夜、レミリアお嬢様が呼んでるよ」

 

「お嬢様が?わかった、ありがとう小悪魔」

 

俺はそっと小悪魔の頭を撫で図書館を出た。

 

「お嬢様、いかがいたしましたか?」

 

俺の主レミリアスカーレットことレミリアお嬢様は窓から月を見てため息をついてる。

 

「鏡夜、とても大事な話があるの」

 

「なんでしょうか?」

 

「私にはね・・・婚約の話があるの、フランにもね」

 

俺は意味が分からず数秒固まってしまった。そして、ようやく意味がわかると、床に手を着き落ち込んだ。

 

「本当ですか?」

 

「本当よ」

 

「そうですか」

 

「でもね、それは父様が勝手に決めたことよ」

 

「どういうことですか?」

 

「つまり、私達はこの婚約は嫌だってこと」

 

俺はすぐさま立ち上がり、レミリアお嬢様に詰め寄った。

 

「本当ですか!!」

 

「ちょっ、鏡夜、近いわ」

 

「す、すみません」

 

「で、さっきの話だけど本当よ、でもね、問題があるの」

 

「問題ですか?」

 

「えぇ」

 

レミリアお嬢様はため息をつくと、とても面倒くさそうに言ってきた。

 

「実はね、この婚約の話なんだけど断れないのよね」

 

「何でですか?」

 

「吸血鬼の社会は力が全てなの、で、その婚約者の許嫁の方が私達より強いから断れないのよね」

 

「では、アレですか。相手は無理矢理、お嬢様たちと結婚しようとしてるのですか?」

 

「そうよ」

 

俺はそれを聞いた瞬間怒りが湧いた。自分が好きな女性が好きな人結婚するならば俺は諦める。だが、好きでもない奴と結婚するなら俺は意地でも妨害する。

 

何故自分の好きな人(吸血鬼?)が嫌いな奴と結婚しなければならないのか。

 

「・・・お嬢様、その許嫁に私が勝てばいいんですね」

 

「あら、察しがいいわね。そうよ、この婚約の話なんだけど、実は三日後までに婚約者を誰かが倒せばこの話はなくなるの。でも・・・勝てる?」

 

「お嬢様、私をあまり舐めないでください」

 

俺はそう言い、霊力を三割ほど出した。霊力を出すとレミリアお嬢様は驚いた顔をし、冷や汗をダラダラと流している。

 

「あ、うん、大丈夫そうね」

 

「えぇ、大丈夫ですよ」

 

俺はニッコリとしながら言うとレミリアお嬢様はものすごく引きつった顔で頷いていた。

 

 

 

そこからまた数分後、紅魔館に一人の客がやってきた。例の許嫁である。

 

「いらっしゃいませ」

 

客はフンッと鼻を鳴らすと俺を見下すような目で見てきた。

 

「何故、高貴なる吸血鬼の館にこんな下劣な種族がいるんだ・・・まぁいい、速くレミリアとフランの下に連れてけ」

 

「かしこまりました」

 

俺は至って平静を保ちつつ、客をお嬢様の元に連れて行った。

 

「やあ、レミリア、フラン、会いに来たよ」

 

「レビリアル・・・」

 

「うわっ」

 

客ことレビリアルは先ほど俺に向けた表情と違い、笑顔で挨拶していた。一方お嬢様たちは苦虫を噛み潰したような顔をしている。

 

俺は紅茶を出し、レミリアお嬢様の後ろに立った。

 

「レミリア、どうしてこんな下等な種族の人間がいるんだ?」

 

「彼は私達二人に好きだって告白してきたの、それが面白くてね。だから私が飽きるまでここで執事として働かせてるの」

 

「何、告白しただと?おい、下等な人間が俺の女に何してくれてんだ」

 

レビリアルはこちらを睨んでくるが、俺は無視した。

 

「おい、てめえ聞いてんのか!」

 

「レビリアル、そんな事は今はいいわ、で、今日は何しに来たの」

 

レビリアルはこちらを睨むのをやめると、ニヤっと笑った。

 

「何しに来たって、決まってんだろ。俺とお前たちの三日後の結婚式の話だ」

 

「レビリアル、残念だけど、その話は無かったことにしたいわ」

 

「何?ふざけんな!」

 

レビリアルは怒りの表情になり、お嬢様の胸ぐらを掴んだ。

 

「てめえらは、俺より弱い、だから俺の言うことを聞いてりゃいいんだよ!」

 

レビリアルはついに本性を表し、汚い言葉を吐き続ける。

 

まあ、俺はそんな事は気にせず、お嬢様の胸ぐらを掴んでいるレビリアルの手を掴んた。

 

「おい、糞人間、何俺に触れてんだよ」

 

「お嬢様のためです」

 

「ふん」

 

レビリアルは残ってる方の腕で俺に肘打ちをする。俺は肘打ちをワザと喰らい吹き飛び、壁にぶつかり意識を失ったふりをした。

 

「鏡夜!!」

 

フランお嬢様は俺の名前を呼んでいるが気絶したふりをしているため返事がかいせない。

 

「チッ!つまんねえ邪魔が入った・・・じゃあ三日後を楽しみにしてるぜ」

 

「わからないわよ、三日後に貴方を倒す奴が現れるかもしれないわよ」

 

「はっ、そんな奴はいねえよ」

 

そのまま、レビリアルは、窓から夜の空に消えていった。

 

「・・・・・・行ったわね、もう起きていいわよ」

 

「よいしょっと」

 

俺は瓦礫を吹き飛ばし、服についた埃を払った。

 

「ん?フランお嬢様、どうしましたか?」

 

フランお嬢様は驚いた顔をしながらこちらを見ていた。

 

「鏡夜、どう言う事?」

 

「一芝居打っただけです」

 

俺はそう言い、崩れた壁の前に立った。そして、魔法を使い壁を直していく。

 

「ふ~、これでよしっと」

 

「お疲れ様鏡夜、大丈夫だったかしら?」

 

「ええ、別にあの程度余裕です」

 

「そう・・・じゃあ、三日後よろしくね」

 

「わかりました」

 

俺はそのまま一礼し、部屋をでた。

 

 

 

Sideフラン

 

「ねぇお姉様、さっきの一芝居打ったってどう言う事?」

 

鏡夜が部屋を出て行った後、私達はテーブルに座り、お姉様にさっきの事を聞いた。

 

「三日後にまでの伏線よ」

 

「三日後?どう言う事?」

 

「フランは婚約の条件は覚えてるかしら?」

 

「一応」

 

婚約の条件、それは私達と結婚するまで一度として負けてはいけない。

 

「それがどうかしたの?」

 

「三日後・・・鏡夜を私達の結婚式で、決闘を申し込ませるわ」

 

「本気で言ってるの?」

 

「もちろん」

 

吸血鬼の決闘。それは、どちらかが必ず死ぬか負けを認めるまで戦うというもの。武器、能力一切の制限なく、増援すらもありの戦い。ただし、挑む方は増援無し。

 

そんな、吸血鬼の決闘に鏡夜が出た所で負けるだけだ。

 

「お姉様!鏡夜を出しても負けるだけだよ」

 

「フランはあいつと結婚したいの?」

 

「絶対嫌!」

 

「じゃあ、少しでも可能性のある鏡夜に賭けましょうよ」

 

「でも・・・」

 

「もしかしてフラン、貴方・・・鏡夜が心配なの?」

 

「べ、別に、心配じゃないわ!!」

 

私は勢いよく立ち上がった。

 

「鏡夜を心配?何で私があんな男のことを心配しなきゃいけないのよ」

 

「そりゃあ確かに、優しいし、気が利くけど別に心配なんかしてないわ」

 

「それに・・・」

 

「あ~フラン、わかったから」落ち着きなさい」

 

「わかればいいのよ!」

 

私はドスっと椅子に座り、冷めた紅茶を飲み始める。

 

一方お姉様はニヤニヤとしながらこちらを見てくる。

 

「何よ」

 

「フラン貴方・・・鏡夜に惚れたわね」

 

「ぶっ!」

 

私は飲んでいた紅茶を盛大に吐き出してしまった。

 

「ちょっとフラン、汚いわよ」

 

「ゲホッゲホッ、お姉様、急に何言い出すのよ!」

 

「だってね~貴方最近鏡夜の話をすると、とても楽しそうに話してるわよ」

 

「えっ!?そんなはずないわよ!」

 

「ホントよ、今までに見たこと無いような笑顔で話してるし。今、貴方顔真っ赤よ」

 

「ふえ?」

 

顔を触ってみると、いつもより頬が熱い。

 

「こ、これは・・・そうよ、今日は暑いだけよ!」

 

「私は暑くないけど?」

 

「私は暑いの!」

 

お姉様と話してると急に部屋の扉が開いた。

 

「レミリアお嬢様、一つ聞くことがあったんですが・・・」

 

「何かしら鏡夜」

 

鏡夜は私達の元に歩いてくる。そして、私の前に立つとこちらをジッと見てくる。

 

「な、なによ!」

 

「いえ、フランお嬢様。熱でもありますか」

 

鏡夜はそう言うと、私の額に自分の額をくっつけてきた。

 

「ふえっ!?」

 

「・・・別に熱は無いようですね、一体どうしましたか?」

 

「べ、別になんでもない」

 

「何でもないんだったら、何故そんなに顔が真っ赤なのですか?」

 

「う~」

 

「フランお嬢様?」

 

私は何故か鏡夜の顔を真っ直ぐ見れなかった。それなのに鏡夜は自分の顔をどんどん私に寄せてくる。

 

「う~、知らない!!」

 

「ぐはっ!?」

 

私は鏡夜の腹を殴り、そのまま部屋を飛び出していった。

 

「もう~訳わかんない!!!」

 

私は自分の部屋まで一心不乱に走り抜けた。

 

 

 

Side鏡夜

 

「・・・お嬢様、私は何かしたでしょうか?」

 

「フフ・・・いえ何もしてないと思うわよ」

 

お嬢様は笑いながら何もしてないと言っているが、じゃあ何故、俺は殴られたのだろう?

 

「フフ・・・で、どうしたのかしら?」

 

「はい、お嬢様の能力はなんでございますか?」

 

「私の能力?何故そんな事を聞くのかしら?」

 

「いえ、ちょっと気になったもので」

 

「そうね~」

 

レミリアお嬢様は顎に手を当て考えている。そして数秒後、考え終えたのか顎から手お外しこちらを見てきた。

 

「運命を操る能力よ」

 

「運命を操る能力ですか」

 

「そうよ」

 

「ちょっとやってみてもらえませんか?」

 

「別にいいわよ」

 

そう言うと、レミリアお嬢様は目を閉じ妖力を目に集めた。

 

「運命を操る能力」

 

レミリアお嬢様はボソッと呟くと目をゆっくりとあけた。

 

「何が見えるんですか?」

 

「何が見えるって、赤い糸だけど」

 

「なるほど、ありがとうございます」

 

ここで一つ思い出して欲しい。俺は理解力の限界と覚えられる限界をなくしている。と、いうことはこの世に俺の理解できないものはない。

 

つまり、レミリアお嬢様の能力の使い方も理解できるという訳だ。使い方が解かれば後は妖力等を用いて使える。

 

「こうかな」

 

「え!?」

 

俺はレミリアお嬢様と同じようにした。

 

「成程、この赤い糸が運命なんですね」

 

「貴方、見えるの!?」

 

「はい」

 

俺は赤い糸を摘んだり、引張たりする。すると、レミリアお嬢様は驚愕の表情のまま固まっている。

 

「お嬢様」

 

「・・・ハッ!ホントに見えてるようね・・・しかも触れてるし、どうやったの?」

 

俺は唇に指を当て・・・

 

「秘密です。では、お嬢様また明日」

 

俺はレミリアお嬢様に一礼し部屋を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?

フランがツンデレ化してますね。

今回よくわかんない所があったら感想に書いてください。

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