Angel Beats!~ちょ、俺まだ死んでないんだけどオオオオオオオオ!!~   作:日暮れ

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常識常識って言ってるそこのお前。今すぐ常識って字を辞書で調べてこい、よくわかんなくなるから

 

 ――俺たちが元居た世界と同じように、神社とかと同じように、神が作ったって言うだけあってこんな死後の世界にも神ってやつがいるみたいだ。

 

 それが女神なのか死神なのかは俺にはわかりゃしないが、わざわざみんなでのどかにのんびりUNOしてる最中に、それも超めんどくせぇ厄介事を押し付けてくるあたり、とんでもねぇ厄病神に愛されちまったらしい。

 

 やることがない俺らにわざわざ仕事を与えてくれるたぁ、流石神様。いい性格してやがるぜ全く。

 

 はてさて、そんな厄介事を押し付けてきたのは、まさしく神の使いであろう天使。つまり立華奏だった。

 

 以下、回想。

 

 

立華「……ごめんなさい」

 

 そう言ってぺこりと頭を下げた立華の背後にあったのは、

 

 ボロッボロに壊された楽器の山、山、山で。

 

仲村「これはヒドいわね」

 

立華「壊すつもりはなかったけど……オーバードライブはパッシブだから」

 

「お前それ言っとけば許してもらえると思ってない? てかどーすんだこれ」

 

仲村「ガルデモを止めに入ったときね。加減できずにこうなってしまった、と」

 

立華「……弁償します」

 

仲村「いーのいーの奏ちゃん、一から作ればいいんだから! その間トルネードはできないけど、今の食券の量でなんとかなるでしょ」

 

 とはいったものの、全然なんとかなるものではなく。

 

仲村「んー困ったなー。ガルデモの代わりになるアイドルグループでもいればいいんだけど……」

 

仲村「あ、じゃああんたやりなさいよ!」

 

 以上、回想終わり。

 

 

「……どーしてこーなった」

 

 おそらく読者のみなさんが思うであろうガルデモのメンバーを直接使うっつー案は、我らがリーダー、仲村ゆり様の一言によってかき消された。

 

仲村「ユイはアホだし、ひさ子さんはあれで歌そんなにうまくないし、入江さんはドラム無いとただの小動物だし、入江さんがそんなだから関根さんも暴走しないか心配だし。これが一番ベストなの!!」

 

 とのこと。ご都合主義とはまさにこのことか。

 

 なんてモノローグでくっちゃべってる俺は今現在どうなっているかというと、

 

日向「誰!?」

 

大山「うわぁ、どこから見ても女の人だよ!」

 

椎名「か、かわいい……」

 

松下「ついに目覚めてしまったのか」

 

野田「(結婚したい……)はっ!? 何を馬鹿なことを俺にはゆりっぺという心に決めた人が!!」

 

TK「何やこのドえらいべっぴんさ……絶望のcarnival」

 

ユイ「なんでそんな胸おっきいんですかーなんかムカついてきた!」

 

直井「せ、先生!? ボクと正式に愛し合うためとはいえ何も女にならなくても! ボクはむしろ男のままのほうがあぁでも美しい!! 神であるボクを軽く凌駕するこの美しさはさながら美の神アフロディーt」

 

高松「いい肉体ですね。惚れ惚れします」

 

藤巻「それ今のこいつ相手だとセクハラだかんな。にしても……ブフッ!!」

 

入江「あ、あれ?? 先生は男で、だけど目の前の先生は女の人で――」

 

関根「はーいみゆきち考えちゃダメだよー? ありのままを受け止めるの」

 

ひさ子「あんたのありのままの姿を見せた結果がこれってことかよ……」

 

遊佐「松たか子もびっくりですね」

 

「あーもううっせぇえぇぇえぇぇぇええぇぇえぇぇえぇぇぇ!!!!」

 

 ……女になっていた。

 

 

「まさかまた女になる日がこようとは……」

 

 俺は自然と重くなった自分の胸を揉みながら肩を落とす。

 

「あーもー超やだわー女とか。立ちションできねーし裸になるわけにもいかねーしチョー不便」

 

 ふにふに。

 

仲村「早速自分の胸揉みしだいてるやつのセリフじゃないわね……というかあなたそんなに欲求不満だったの? ヤダ怖い近づかないで」

 

「お前こそ俺の身体を女にした奴が言うセリフか」

 

仲村「私じゃないわよ。ねー奏ちゃん♪」

 

立華「ねー」

 

 へーそーなんだー。

 

 ふにふに。

 

「――いや『ねー』じゃねーだろぉぉおぉぉおおおおおぉお!!」

 

「何これ!? 俺が落ち着こうとして胸をもんでいるのがわかんねーのか! もうむっちゃ痛ぇんだよ! おっぱいもげるくらい揉みしだいて今にも取れそうなんだよ!! 銀さんどーなんのコレ!? 取れたら元に戻れるの!? 俺の消えたバズーカとおっぱいとで等価交換なの!?」

 

 ふにふにふにふにふにふにふにふにふにふにふにふに!!

 

仲村「わかった。わかったからモノローグでおっぱい揉むのやめなさい。若干狂気すら感じるわ」

 

立華「私が、Angel Playerであなたを女にしたの。ゆりに頼まれて」

 

仲村「さっすが奏ちゃん! 出来は最高ね!」

 

立華「えっへん」

 

「ちょいとちょいと。そういうのは普通本人の許可を取ってからだろう? 学校で習わなかったか? 常識という文字をggrks(ググれカス)

 

仲村「先生があんたなら常識もなにもないでしょ。あんたこそ常識という文字をyhorks(ヤホれカス)

 

 yhorksって何だそれ初めて聞いた、憶えておこう。初めて聞いた言葉は使えるようにしておくのが常識だもんな。

 

立華「……だけど、一つ問題が」

 

「あ? 何だ立華。忙しいんだが」

 

仲村「ちょっと、人が話してる時くらいipadしまいなさい。ヤホるのは後よ。常識でしょ?」

 

「せんせー、常識ってなんですかー?」

 

仲村「自分の心に聞きなさい。で? 奏ちゃん、問題って何?」

 

立華「えっと、実は――」

 

 ねぇ銀時、常識って何?(銀時裏声)

 

 それはね坂田、護らないといけないルールのことだよ。

 

立華「このプログラムでは、まだ一人しか女の人にできないの」

 

仲村「へー、じゃあ仕方ないわね……」

 

 ……ルールって、何?(銀時裏声)

 

 

仲村「というわけで、集まってもらった五人の猛者たちよ!!」

 

 暗闇からスモークが焚かれ、そこに降り立つ五人の勇士たちを包み込む。

 

仲村「メンバー001はこの人、戦線の女教師! 坂田銀子ちゃん!」

 

「銀子でーす。とりあえずストパーの人は全員死刑♪」

 

仲村「メンバー002は彼女! 自称神、だけど今日からは銀子ちゃんの女神です! 直井文子ちゃん!!」

 

直井「愚民ども、首輪付けて散歩してあげるからボクと銀子さんの前にひれ伏しなさい……」

 

仲村「メンバー003はなんと! ちゃらんぽらんなあの人! 日向秀子ちゃん!!」

 

日向「えーやだちゃらんぽらんとか秀子わかんなーい」

 

仲村「メンバー004! 一体誰得なんだ!? 高・松子ちゃん!!」

 

高松「とりあえず脱ぎます」

 

仲村「最後のメンバー005は誰得シリーズ! てか誰も見たくなかった! 松下五段子ちゃん!!」

 

松下「んもうやだわゆりっぺったらん♪ 言いすぎよぉいくら私が可愛いからってん♪」

 

 

 

藤巻「百鬼夜行か何かか?」

 

日向「……うるせぇヨォォォォオォォォォォォオオ!!!!!! ヴェェェエもう俺お婿に行けない……」

 

高松「あ、秀子ちゃんが泣き出した」

 

日向「ぐずっ……この際俺のことは置いとくにしても!! 何で松下五段と高松なんだよ!! 大山のがよっぽどそれっぽくなっただろーが!!」

 

大山「くじで決まったんだからしょうがないじゃないか。あーひやひやしたよー」

 

日向「くじってか見えない何かに操作された気分だぜ……これならまだ銀さんみたいに根っから女になるほうが百倍マジじゃねぇか」

 

松下「何言ってるのよん秀子! 私たちなら今回のトルネード行けるはずよ!! 自信もちなって!!!」

 

日向「その名で呼ぶな松下五段子!! 語呂わりぃんだよ何でこんなオカマキャラ定着してんだよ!!」

 

野田「ぅっ……なんか吐きたくなってきた」

 

高松「それはいけない。私のこの立派なおっぱいに包まれて休まないと」

 

野田「オボロッシャァァアアァァァアァァア!!!!!!」

 

日向「野田アァァアァァァ!!!!!!」

 

椎名「あさはかなり……!!」

 

「あれ椎名怒ってない? 何そのクナイ? 何で松子と五段子のところに行くの? ねぇ」

 

直井「銀時先生おそろいですね!! これはボクと銀時さんが赤い糸で結ばれていることを暗に示している証拠ではないでしょうか!?」

 

 仮にそうだとして、その糸は腐ったボロボロな糸だろうよ。

 

遊佐「……」

 

「……どうした、遊佐」

 

遊佐「いえ、あっちの有象無象を見て先生のせいで失った自信を取り戻そうとしてるだけです」

 

「自信って、お前十分かわいーじゃねーか。失くさず持っとけ」

 

遊佐「……先生は私をレズにしたいんですか?」

 

「あれ? キャッチボールが出来てないぞ? 何明後日の方向にボール投げてるの?」

 

遊佐「多分気付いてないだけで、ストライクゾーンど真ん中の絶好球ですよ、それ」

 

仲村「はーいオペレーションまで一時間切ってるわよ! だべってないで準備しなさい!」

 

 

松下「せーの、行くわよん!!」

 

高松・直井「オオォォォオォォォオ!!!!」

 

「おー」

 

日向「ホントにやんのかよ……」

 

 

『今日もライヴ楽しみー』

 

『え? ガルデモじゃねーの?』

 

『なんか、別のアイドルグループだって』

 

『何だソレむっちゃテンションあがる!』

 

『オイ! 始まるぞ!』

 

 

 

「――いきます」

 

銀子・直井・日向・松下・高松「crow song!!」

 

 

『『『――――――――』』』

 

★―生徒会会議室―

 

立華「……目が見えなくなった人13名、気絶した人56名、行方不明になった人68名、ゴリラや筋肉に囲まれる幻覚を見てしまう人98名、その他あのライヴによって被害にあった人395名……」

 

直井「それはひどいですね」

 

立華「……」

 

直井「……」

 

立華「あなたも主犯の一人よね?」

 

直井「さて、何のことやら」

 

 

おしまい

 




 いやー早いもので、ハーメルンでの更新が今日で、この更新時間で丁度一年となりました。

 この小説がここでの処女作なので、イコールこの小説が一周年ということになります。

 まさかこんなに続くとは……当時の私も、こんなに長く続くとは思わなかったと思います。

 初めてでマナーがなってなくて、飽きっぽくて更新も遅いこんな私から、ここまで人気の出る作品が生まれたことは正直とてもうれしいです。

 いままで見てくださった読者の方、一年間、本当にありがとうございました。

 感想を書いてくださった方、本当にありがとうございました。
 何かあった時には感想を読んで元気を出すようにしています。本当にとてもうれしいです。支えてもらっています。

 ちなみに今回の話はリクエストをいただいたハヤブサさんのものです。遅くなってしまって申し訳ありません。

 それと、祝一周年イベントとは少し違いますが、次の話から連続投稿を行いたいと思います!

 話数は、EPISODE.9 In Your Memory 全てと、番外編2~3話を投稿するつもりで、絶賛今準備中です! 全然進んでいませんが……

 時期は夏休みを予定しています! 楽しみにしててください。

 これからもこの小説をよろしくお願いします。

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