Angel Beats!~ちょ、俺まだ死んでないんだけどオオオオオオオオ!!~   作:日暮れ

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 随分と久しぶりになってしまいました。
スランプから抜け出せずにいるので、今回は番外編のみです
申し訳ありません。もう少し付き合ってくれると嬉しいです。


男子戦線員の日常

日向「なぁ。彼女って、どやったらできんの?」

 

 春風がわずかに部屋を吹き抜けていく。そんな日にあまりに暇すぎたのかアホな質問を吹っかけてくるアホな阿呆が一人。

 

 俺たちは戦線の物資の管理という名目で、仲村に空き教室の掃除をさせられていた。

 

 当然やる気なんてものは無く、ただただ外をぼーっと見て。俺は宇宙の一部だ、そして、宇宙は俺の一部なのだとどーしょうもない妄想にふけっていた所にこの質問ときた。

 

「ばっかオメーそんなの、決まってんだろ?」

 

 内心どーでもいいと思いつつも一応こいつは立場上俺の教え子だ。

 

 人生の先輩としていろいろ教えてやろーじゃねーか。

 

「放課後の教室でだな? 一人残ってプリント整理してる女子がいるだろ? ホラ」

 

 そうして俺は、目の前の野田を指さす。

 

野田「んもうかったるくてやってらんないわ背負い投げ~!!」

 

日向「ってコレ女子じゃなくてオカマじゃねーか!!」

 

 野田がクネクネと気色悪くハルバートを振り回す。

 

「あん? 昔からよく言うだろ、『男は度胸、女は愛嬌、オカマは最強』って」

 

日向「いわねーよ何一つ『あぁなるほど』ってならねぇよ!」 

 

「うるせんだよ黙ってやれ! オカマ落とせねぇでどやって女落とすんだよ」

 

日向「いやだって落とすっつっても別の物落としてるもの男として落ちているもの!!」

 

「え? 何? 一緒に堕ちたい?」

 

日向「どんな難聴キャラだ!! 俺をそっちの道に引きずり込むな!!」

 

 そう叫んで日向はもう諦めたかのように一つ溜息を零す。

 

日向「……まぁいいや、で? 次は」

 

「シュミレーションだ、お前は放課後一人でプリントを分ける野田IKKO子さんに話しかけろ」

 

日向「IKKO子って何だよ語呂悪すぎだろ絶対話しかけねぇよそんなの……」

 

 

IKKO子「……おい、もう教室閉めたいんだけど」

 

「はぁ? ……っえ! あ、ごめん……」

 

 気持ち悪い。何が気持ち悪いって今自分かわいいんじゃ? って思ってるのが伝わってくるほどドヤ顔した野田の表情がもう気持ち悪い。

 

「それ、今日中にやらないとまずいのか?」

 

IKKO子「う、うん……先生に、頼まれちゃって」

 

 そして、不覚にもちょっとかわいいと思ってしまったオレも、気持ち悪い。

 

「……ん、貸せ」

 

IKKO子「え?」

 

「手伝ってやるっつってんだ、半分貸せ」

 

IKKO子「あ、ありがとう……!」

 

 俺がIKKO子のプリントを受け取ろうとした瞬間だった。

 

 ガラリラ、とあからさまな口効果音が響くとともに扉が開け放たれ――

 

銀時「ドドスコスコスコ(ryラブ注入!!」

 

「何であんたまで出てきてんだよしかもオカマスタイルで!!」

 

 

野田「何だ、ダメダメではないか日向」

 

「てっめキャラ多いんだから全身全霊でO・MO・TE・NA・SIしてみせろよ」

 

日向「どこのクリステルだよあれの対応できる奴がいたら奇跡だよ!!」

 

 日向が床に膝をつき泣き言をほざく。

 

「お前のためにやってんだろーが。もうギブアップか?」

 

日向「ふざけんな! もう一回だ!!」

 

 

銀時「もう一回! アックシっ!!」

 

 アクションと言いたいんだろうが、カッコつけすぎてくしゃみにしか聞こえんぞ……

 

「て、手伝うよ……」

 

野田「わたし、『嫌いな女子アナランキング』で1位だったんです! なので来年は1位を免れたいです!  まあ、ネタになりますし、悪名は無名に勝ると思っているのでいいんですけど、もうちょっとランキングを下げられたら嬉しいですね。いや! やっぱり逆に「V2達成」にしておこうかな!」

 

「今度は高橋○麻じゃねぇか何で女子アナ攻めで言ってんだよ!!」

 

 つか独り言でそんなこと口走ってる時点でこんな奴と話したくない!!

 

銀時「はっ!! あれはまさか龍の巣!! あそこに天空の城クリステルが!!」

 

 そうやって拡大される○麻の鼻。てかカメラはどっから持ってきたしかも銀さんお前は一体誰設定だ!

 

「ないからそんな所にクリステルもラピュタも!! 土曜プレミアムでも見たのか知らんがそこにはハナクソしか住んでない!!」

 

 

「っち、何回台無しにしてんだよ!! もう一回! フィーックシっ!!」

 

 もはや完全にクシャミになってしまった掛け声を合図にシュミレーションをスタートする。

 

 正直もう辞めたいんだが……

 

野田「あ、親方! 空から女の子が!!」

 

「何でラピュタ引っ張ってるんだじゃあお前は一体誰だ女役じゃなかったのか!!」

 

 ツッコミどころが多すぎてさばききれねぇよ!!

 

 落ちてくる女とやらをキャッチする。これ一つの教室でできないはずなのにいったいどーなってんだ!!

 

 俺はその女の子の顔を優しく覗き込む。すると――

 

銀時「もうどんだけ~!!」

 

「どこまでIKKO引っ張るんだよ!!!!!」

 

 思わず膝をついてしまう。

 

 

銀時「……ダメダメじゃねーか」

 

野田「もう諦めろ日向。俺は降りるぞ」

 

 この無駄な茶番に付き合わされてなおそのデカイ態度とは何様だ……!!

 

 ……でも、おかげで忘れていた大事なことを思い出したよ。

 

 俺は、まだ、終わってない!!

 

「……シータ」

 

野田「いや俺はあくまでパズー的な役割で――」

 

「いや、シータ! 行こう!!」

 

 野田の手を取り教室を飛び出す。

 

 見せたいものが、君と一緒に見たいものがあるんだ!!

 

銀時「……わかってるじゃねーか」

 

 走る。

 

銀時「例えモテなくても。不器用でも」

 

 全力で走る。

 

銀時「相手がどんな奴でも関係ない。男がその人に抱いてる思い」

 

 足が千切れそうになるまで、走って走って走った。

 

銀時「そいつを全力でぶつけられたら、それでいいんじゃねーの? 最高のプレゼントじゃねぇか」

 

 俺たちは屋上についた。

 

 目の前に広がる空はすでに赤が差しており、大きな入道雲が立ち上っていた。

 

「……これを、きみに見せたかったんだ」

 

野田「日向、いやパズー……!!」

 

銀時「……へっ、何だよ。久々に教師しちまったじゃねぇか」

 

「「「……ラピュタは本当に、あったんだ!!」」」

 

 

仲村「――で? あんたたちは教室の掃除をサボってこんなところ(屋上)に何の用かしら?」

 

 ……目の前には、わずかに眉をひくつかせる我らが戦線のリーダー、仲村ゆりが立っていた。

 

「えっと、これはそのだなゆりっぺ!」

 

仲村「うんうん。話は処刑が終わった後にゆっくり聞いてあげるから♪」

 

 

 ――その日、彼らは思い出した。

 ――やつらに支配されていた恐怖を。

 ――やつらがいる限り、彼女なんかできやしないという事実を。

 

 

「「「ギャァアアァァァァァアアァァアァァァアァァァァ!!!!!」」」

 

 おしまい




 最後に謝ります。ほんっと、すんまっせんしたアァァアアァ!!m(__)m
しばらく書いてないばっかりに書き方を忘れてしまい、こんな短い駄文しか書けないなんて……

 本当にすみません。もっと頑張ります。

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