Angel Beats!~ちょ、俺まだ死んでないんだけどオオオオオオオオ!!~   作:日暮れ

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野球回、中篇です!

なぜか三話構成になってしまいました……




第八訓

「……んで? 最初は誰んとこ行くの?」

 

 痛いくらい自信満々に歩く日向に向かって聞く。

 

日向「まずはだ……ひさ子かな」

 

「ん? ひさ子ってーと……あー……?」

 

 そんなヤツいたっけか?

 

日向「ガルデモのメンバーだろうが銀さんこの前がっつりからんでたろ!?」 

 

 あれれ、そうだっけ?

 

日向「ったく……アイツは無茶苦茶運動神経いいから今のうちに引き込む!! 引き込めりゃあとはこっちのもんよ、いくぜ銀さん!」

 

★―学園大食堂―

 

日向「うええ!? 高松のチーム入っちゃったの!?」

 

ひさ子「うん。」

 

日向「わっけわかんねぇぜ何で待っててくんねぇの!?」

 

 あっさり断られてやんのププッ。

 

ひさ子「アンタの誘い待ってるほうがわけわかんないわよ。ってかソイツいる時点でアンタと組みたくない」

 

「は? 俺?」

 

 俺コイツになんかしたっけ?

 

ひさ子「とぼけてんじゃないわよ……あんたのせいでウチらガルデモは痴女の集まりって評判になってんだから!!」

 

 あーあの時のねぇちゃんか。

 

「ばっかおめーあの時助けてやったろーが!」

 

ひさ子「それとコレとは別。感謝はしてるけどアンタとは組まない。それじゃ」

 

 精一杯の悪意をこめた言葉をおいて去っていきやがった……

 

 …………俺も嫌われたもんだな。

 

日向「いったー、アイツいたら戦力になったのに……」

 

「すばらしい人望だな」

 

日向「いや他人のフリしてっけど半分はアンタのせいだからな?」

 

 いやいや何のことかな?

 

日向「……仕方がない。ちっとばっかし卑怯だがリーダー格の松下五段をメンバーに誘おう」

 

「もう取られてんじゃねぇの? ってかあのロリコン仕事できんのか?」

 

日向「アイツは待っててくれてるよ……なんつーか、さ。マブダチなんだ。」

 

 ハハッ、照れるな……と続ける日向。

 

 はー……お前あのロリコンとそんな深い関係だったの……

 

★―体育館 裏― 

 

松下「あぁ、それなら竹山のチームに入ったぞ? 断る理由もなかったしな」

 

日向「はぁぁ!?」

 

「くっく……マブダ……マブダチって……ブフェっ!!!」

 

日向「うああ、ちょっとまてぇぇぇ!!」

 

 ちょ、お前、どんだけ必死……ぶはっ!!

 

日向「なぜだ!? お前だけは信じてたのに!!」

 

松下「いや、これから先肉うどんが当たった場合は全てまわしてくれるっていうから……」

 

 はっ………………フッ…………!!

 

日向「に、肉……」

 

「友情が……肉うどんに負けてブハっはははははははは!! さっきコイツ、マブダチなんだ、照れるなははっとか言ってブフフェ!!」

 

「ばらすなよってかいつまで笑ってんだよぉぉぉぉぉ!!」

 

★―教員棟 裏―

 

「ひーひー……なかなか笑わせてくれんじゃねぇかブホッ!!」

 

日向「いつまで笑ってんだよ……」

 

 おいおいシーンはないがしっかりTKにも断られてるからってそんなに自暴自棄になるなよ。

 

「あーあ、俺も『お前がTKみたいになってるからな』って言いたかったぜ全く」

 

日向「何の話してんだ……ってか、俺アンタに種目何かとか言ってたっけ?」

 

 あ……そいや聞いてねーや。

 

「うんにゃ。何すんの?」

 

日向「野球だよ」

 

 するってーとあと7人……

 

「……なぁ、ホントにお前に任せて大丈夫か?」

 

日向「うぐっ」

 

 自分でも不安になってたかこの野郎。

 

「お困りのようですなー! ふっふっふ……」

 

 どこからともなくってか真横から声が響いてくる!

 

「なっ……!! だ、誰だ!?」

 

日向「いやなんでそんなにオーバーリアクション? って何だよ悶絶パフォーマンスのデスメタルボーカルか」

 

 あーあのピンク頭(ユイ)ね。

 

ユイ「!!! こんの……そんなパフォーマンスするキャラに見えるか!?」

 

日向「見えるよ充分……んで、何のようだよ?」

 

「言っとくが可哀想な男に媚売っても胸はふくらまねぇぞ?」

 

日向「誰が可哀想な男だ!!」

 

ユイ「誰が貧乳ですか!!!」

 

 両方自覚あんじゃねーかよ。

 

ユイ「っとそれは置いといて……メンバー足りないんでしょー? アタシ戦力になるよー?」

 

日向「んあ? 戦力? ……ちょっと待てよ、オイ銀さん!」

 

 おもむろに日向が俺を呼ぶ。

 

 ふっ……考えてることは一緒か。

 

日向「デッドボールを顔面に受け危険球……」

 

「わかってんじゃねーか。そうなりゃ相手ピッチャー退場……」

 

日向「……そうか当たり屋!! よし! 採用だピンク頭!!」

 

ユイ「お前の脳みそ鼻からとろけて零れ落ちてんじゃねーのか!!! フン!!」

 

 特に理由のない暴力が日向を襲う!!

 

日向「ぐはぁぁ!! っか……おま、俺先輩だかんな……?」

 

「いや後頭部に蹴りはないと思うぜ俺も……」

 

ユイ「おぉっとー。先輩のお脳みそおとろけになって、お鼻からおこぼれになっておいででは? ちなみに先生は先生だから一応自重しておきます! ですけど……」

 

「おいお前こっち向いて警告してるひまとかあんの?」

 

ユイ「ふえ? 何のことで」

 

「死ねコラァァァァァ!!」

 

ユイ「ぐぶえぁ!!!」

 

 あー言わんこっちゃない……

 

 顔面にいい蹴りを貰って激しく吹き飛ぶピンク頭。

 

ユイ「センパイ……イタイです……」

 

日向「俺だっていてぇよ!!!!」

 

 ちっ……いちゃいちゃしてんじゃねーよ俺へのあてつけか!

 

「めんどくせー……おいピンク! お前採用」

 

ユイ「ホントですか!?」

 

日向「オイ冗談だろ!! 何でこんな頭のネジが外れたヤツと!」

 

「お前ら全員ネジ外れるどころか腐って落ちてんだろーが。どうせ俺がいたら勝てるんだし、人数集めんのが先だろ」

 

日向「っ……へぇ。結構自信あるんだな、野球やったことあんのか?」

 

「ねぇ」

 

日向「ねぇのかよ!!!!!」

 

★―体育館 倉庫―

 

日向「椎名っちー? どこいんだよ椎名っち!」

 

「ねぇその椎名っちってのやめてくんない? そのうち『銀時っち! わんおんわんやろーッス!』とか言いそうで恐いから」

 

日向「言わねーよ何の話だ!! ……って、お!」

 

 いや割とマジで俺アレ出てないから対応に困る……あ、いたいた椎名っち。

 

椎名「……何用だ?」

 

日向「探したぜー? お前運動神経いいじゃん!!」

 

椎名「測ったこともない」

 

日向「絶対イケるって!! 野球しよう!」 

 

ユイ「ほうほうチーム名はさしずめ、リトルバス」

 

日向「だーまってろこの脳内腐敗女が!!」

 

椎名「……あの日から……」

 

 おいお前ら何か語ってんぞ聞いてやれ。

 

椎名「そこの新入りに遅れをとってしまった理由を、ずっと考えていた。」

 

日向「ギルド降下作戦の話か? 確かに、新入りの銀さんが生き残ったのは伝説もんだわな……俺だって途中でリタイアしたのに」

 

 いやお前そそり立って勝手に落ちただけだろうが。

 

椎名「お前の力が私と同等……いやそれ以上あるだろうことはうすうす感づいている……しかし私も忍術を極めし忍。あの程度、何のことではないはず……」

 

「いやだからお前らもっと頭鍛えようぜ? お前なんかおもちゃの犬のために命一つ差し出してるんだかんな?」

 

椎名「ただ一点及ばなかったとすれば……それは集中力……!」

 

「いやだから話聞こうぜ? お前のかわいい物に対する誤認がなきゃああはならなかったんだって? なぁ? 聞いてる?」

 

椎名「あの日以来私は……この竹箒を指先の一点で支えている!!」

 

 ………………

 

ユイ「アホですね」

 

日向「言うな。アホだが戦力なんだ」

 

 いやお前も言うてやるなよ。

 

椎名「いい頃合だ……勝負だ――侍」

 

★―体育館 裏―

 

「ったく、箒立てて何の勝負だよ?」

 

椎名「もちろん真剣勝負だ……本気で来い。獲物は持っているな?」

 

「あぁ、一応な」

 

日向「ってストーップストップストップストップ!! 何お前ら今からバトっちゃうわけ!?」

 

「そのつもりだが?」

 

日向「そりゃマズイだろ色々と! ってか……アンタ、侍って……」

 

 アレ……言ってなかったっけかな?

 

「まぁ見ときな…………おい! 始めていいぞ」

 

 懐から自分の獲物を引き抜く。それを確認したと同時に椎名が十数本のクナイを投げてきた。

 

「こんなもん……牽制にもならねぇぜ!!!」

 

日向「……すげぇ!! 全部見切って叩き落した……」

 

ユイ「あ、あの先生……あんなに強いんですか!?」

 

 ふははは驚いたかてめぇら。

 

「ふっ……こんなもん、麻生太郎でも読める漢字を探すくらい容易いことよ……」

 

日向「例えがイマイチわからねぇし逆に難易度上がってるが、すげぇぜ銀さ――」

 

ユイ「……………………」

 

椎名「……………………」 

 

 ……………………え? 何? 何黙ってんの?

 

日向「……………………あ、あの、銀さん……」

 

「あ? 何だよ」

 

日向「あの、えっと……さ、刺さってる……額に……」

 

 ……………………………………

 

「――フンッッ!!!! ………………え? 何が?」 

 

日向「あの……急いで抜いてもわかるから……完全に刺さってたよな? ……大丈夫か?」

 

「いや、だから何のことってウァァァァァァァァァアア!!!!!」

 

 目をそらしてた椎名からのクナイの追い討ちが頬を掠めた。

 

日向「なっ……銀さん!」

 

「て、テメー!! 負傷してるやつに対しての容赦はないのか!!」

 

ユイ「今認めましたね」

 

日向「認めたな」

 

「……くそ! んのヤロ!!」

 

 俺は椎名に向かって突っ込んでいく。ヤバイ早く終わらせねぇと恥ずかしい死にそう。

 

 そんな俺に向けてクナイを投げる椎名。

 

「んなもん牽制にならねぇって言ってんだろ!!」

 

 クナイをはらい椎名のトコへ――あれ? 椎名は? 

 

椎名「――っ!!」

 

 ……しまった、後ろ――

 

椎名「ハァッ!!」

 

 ――――――なんちゃって。

 

椎名「!!」

 

 俺の首をかき切ろうと伸びてきた椎名の腕を見切り、避け、掴み、体勢を大きく崩してやる。

 

 それだけで――――

 

椎名「――あ」

 

 この勝負に、けりがつく。

 

「オォォォォオォォォォォッ!!!」

 

 ドォォォォォォォオォォォオォンンンンン……

 

日向「……え、どうなっ……た……?」

 

ユイ「あれ、見てください先輩! 先生の攻撃――」

 

 …………………………

 

椎名「………………お前、わざとはずしたな」

 

「それが何か?」

 

椎名「手加減なんてされる覚えはない!!! 本気で来いと言ったはずだ!!」

 

「はぁ? なんでお前みたいなヤツに本気なんてださねぇといけねぇんだよめんどくさい」

 

椎名「……っ」

 

日向「お、おいそんな言い方……」

 

「そんなに俺に本気ださせてぇんならな――」

 

椎名「…………?」

 

「――もっと強くなりゃいーじゃねーかよ」

 

★―第二連絡橋―

 

「……よっし、これで四人そろったな」

 

日向「ってかいきなりバトってんじゃねーよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 日向のシャウトが俺の耳に刺さっていく。

 

「ちょ、ウルセ何だよ!!」

 

日向「はぁ……はぁ……も、もういい。言ってもどうせ無駄だしな」

 

「じゃあ突然叫ぶなよ恐いだろーが。」

 

日向「はいはい悪かったよ……えーっと、あと最低でも五人か……しかたねぇ、アイツを入れるしかねぇな……」

 

ユイ「アイツというと……ふむふむアホばかり増えていきますね!」

 

★―第二連絡橋下 河原―

 

野田「……はっ! むん! フッ……ていいいぃぃぃぃいぃぃぃいぃ!!」

 

 ……文字だけじゃつたわらねぇが、野田は今ハルバートを使いこなすトレーニングをしています。

 

日向「アイツを誘うやつなんかいねぇ。直情的でゆりっぺ以外のヤツの指示には従わないからな」

 

 それ遠まわしに友達いないって言ってない? いくらなんでもあんまりじゃない?

 

ユイ「つまりあの人もアホなんですね?」

 

日向「だがアホは利用できる! しかも見ろ、長い棒を振らせたら右に出るやつはいない」

 

「んじゃ、いっちょ誘ってみますか」

 

 

 

野田「フン。遂に来たか……決着の時がな!!」

 

 ホントに誰からも誘われなかったのかよ……

 

野田「さぁ……どっちがゆりっぺに相応しいか決めようじゃないか……坂田!!」

 

 えー何で俺……?

 

日向「うあああだがまず小手調べ! 球技大会でお前とコイツ、どちらの運動神経が上か見せてもらおう!」

 

野田「何故?」

 

 おい流石のアホも騙せなくなってきてんぞ大丈夫か?

 

日向「強いだけじゃゆりっぺは振り向いてくれないぜ……?」

 

野田「………………」

 

 いやさすがにそれは

 

野田「フン、いいだろう」

 

「アホだ……」

 

ユイ「利用されてることに気付いていない……」

 

★―学習棟A棟 屋上―

 

 ……結局、それ以上戦線メンバーは集まらず…………

 

日向「……くそっ!」

 

 日向はとてもイライラしていた。

 

「戦線メンバーほとんど他にとられてんじゃねーかよ。ついてく人を間違えたか俺?」

 

椎名「まだ五人だぞ? どうするつもりだ?」

 

 器用に箒を指で支え続けている椎名が尋ねる。

 

日向「……その箒降ろせないのか? 真面目に喋っててもギャグにしか見えねぇぞ……」

 

椎名「それは私の集中力が途切れた時だ」

 

 お前は試合中もずっとそれでいくつもりかアホも休み休み言え。

 

「ハァ……おい日向! 残りのメンバーのあて、ちゃんとあるんだろうな?」

 

日向「………………」

 

「? おい日向!!」

 

日向「あ、?」

 

「どうした、日射病ですか?」

 

日向「あぁいや、なんでもねぇ。ちょっとボーっとしちまった。」

 

 ………………

 

 日向がばつが悪そうに頭を押さえる。

 

日向「そうか、しょーがねぇな。 あとは一般生徒でまかなうか……んあ?」

 

 日向がふいに目をそらす。

 

ユイ「はいはーい!! 私、仲のいい友達連れてきますよー!」

 

「あん? 友達……? ってか俺が集めたほうがはえぇんじゃ……?」

 

★―学習棟C棟 廊下―

 

1『あ、あたしたち……その』

 

2『ユイにゃんさんのファンっていうか……』

 

3『勝手に親衛隊っていうかー』

 

 ……………………

 

ユイ「ユイにゃんは才能に驕ることなく、地道にストリートライヴとか積み重ねてきてますから!!」

 

 あーその……なんといいますか……

 

日向「ミーハー女ばっかじゃねぇかこんなもん戦力になるか……?」

 

 おいお前俺が我慢してることを!

 

 俺は一つ大きなため息をつく……こんなんで大丈夫かよ……

 

「あー日向? こいつら合わせても八人なんだが? もうお前影分身でもしろよいっそのこと」

 

日向「できるかそんな高等忍術!」

 

 日向も大きなため息をつく。そしてこう続けた。

 

日向「……しかたねぇ、コレだけそろえば充分だろ! そもそもゲリラ参戦だ。センター抜きにして、ライトとレフトを中間よりに守らせれば充分さ!」

 

「いいのかー、そんなん…………で……」

 

 ……あーそういえば忘れてたわ……

 

「……おーい、日向、うしろ……」

 

日向「ん? 何だよ後ろに何か……うあああ!!」

 

 外でこんな話ししたら――

 

立華「………………」

 

 …………寄ってくんの忘れてた。

 

 

立華「…………あの」

 

日向「……何のようだよ? 俺たちゃなんもしてねぇぜ?」

 

 今からするんだけどな。

 

立華「そうじゃなくて……転校生」

 

「は?」

 

立華「今ゲリラーって聞こえたから……いつ来るの?」

 

日向「……………………ゑ?」

 

ユイ「……アホですね」

 

 コイツマジか。

 

「あ、あぁ……もうすぐ来る、みたいだな……」

 

立華「そう……楽しみ……」

 

 そういって立華はテケテケと歩いていってしまった…………

 

 …………えー…………

 

「えっと……じ、じゃあ日向! 球技大会がんばるぞー」

 

日向「うぇ!? お、おー」

 

一同「おー………………」

 

 

第九訓につづく………………




久しぶりに銀さんの戦闘シーン入れてみました。

下手ですいませんorz

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