ーInfinite Stratosー~Fill me your colors~   作:ecm

1 / 54
このお話は本編とは全く関係ないお話です
よって本編未登場キャラもちょくちょく出たりします
それと本編以上のキャラ崩壊があります。ご注意下さい



思い出世界のポリオマニア
閑話:1+2話


第1話:ワンサマーとカメリアのドキドキ✩IS訓練録~ポロリもあるよ!~Part1

 

※これは一夏との訓練時、もし椿がハート●ン軍曹風に指導をしていたらのIFルート

 

 

私は今、一夏と訓練を始めようとしていた。

 

目的は打倒オルコット。

 

そしてそれにあたり、私には必勝の策があった。

 

「さて一夏」

「おう、なんだぜ」

「お前にはこれからとても厳しい訓練を施してやろうと思う」

「あぁ……勝つためだからな、俺は構わないぜ」

 

ほう、見上げた根性だ。

 

「根を上げないな?」

「勿論」

「後悔はしないな?」

「する訳がないぜ!」

 

その発言を後で後悔するがいい。

 

「では返事の後にはSirを付けろ」

「……サー?」

「返事が小さい!」

「っ!?サー、イエッサー!」

「ふざけるな!大声だせ!●●落としたか!」

「サァー!!イエッサァー!!」

 

――貴方は一体何をしようとしてるのです?

 

(只の訓練だ)

 

まぁ、見てるといい。これが進化の現実というやつなのだから。

 

「よろしい。では先ず貴様の名前は何と言う。名乗ってみろ」

「えっ、さっき普通に名前で……」

「俺はお前に名前を名乗れと言った筈だっ!」

「!?――織斑一夏であります!」

「ふざけるな!何だその名前は!?今日から貴様はワンサマーだ!どうだ、気に入ったか!」

「サー、イエッサー!」

 

――Mr.一夏は完全に雰囲気に飲まれてしまいましたか

 

(黙っていろ)

 

「聞こえんぞ。が、まぁいい。更に聞こう、貴様の目標はなんだ!」

「はっ!セシリア・オルコットを打倒することであります!」

「ほう、大した目標だな、気に入った。そのままズボンを下ろして寮の廊下でオクラホマミキサーをしてこい」

「サー、イエッサー!……って何でそうなるんだよ!?」

「黙れワンサマー!貴様に発言の許可は出していないっ!」

「……サー」

 

その顔は不満あり、と書いているな。

 

「不満か?」

「ノー、サー!」

「俺のせいか?」

「ノー、サー!」

「続けてよろしゅうございますか?」

「サー、イエッサー」

「なんだそのやる気のない返事は!俺を馬鹿にいしているのか!」

「ノー、サーっ!!」

「貴様――――――――」

 

 

 

 

さて、会話がアレになって来ましたねぇ。仕方がないのでこの私、古鷹めが地の文の役を務めさせていただきましょう。メタい?気にしてはいけません。

 

そしてまぁアレなのですが。えぇそうですとも。お察しの通り私の相棒は現在、某どこぞの軍曹になりきっております。今こそ危ない発言が聞こえませんが徐々にミニミ軽機関銃の如く危ない発言が散蒔かれるでしょう。

 

『カマを掘るだけ掘って、相手の●●●●を手伝う外交儀礼もないやつめ!』

 

ほら言ってるそばから。本当どうしてこうなったんでしょうね?尚、Mr.一夏は何度か反抗しようと声を上げますがその度にボロクソ言われて黙らされます。

 

因みにこんな風にです。

 

「椿、普通に教えてくれよ!?」

「黙れ!アカの手先か貴様は!この●●●●豚め!ぶっ殺されたいか!?」

「いや、普段のお前は一体どこにいった!?」

「黙れ!貴様に発言の権利はない!」

「何でだよっ!?」

「俺が憲法であり法律だからだっ!よって貴様に発言する権利はない!」

「訳分かんねぇよっ!?」

「理解しろ!さもなくば貴様の腐れ●●をクビ切り落として●●を流し込むぞ!」

「理不尽なっ!?」

 

ホント理不尽ですよねぇ。女尊男卑は目にないってぐらい理不尽ですね。まぁ今更気にしても仕方ないので訓練内容をダイジェストでお送りしましょう。

 

 

―――訓練中―――

 

 

「このクズめっ!トロトロと走るんじゃないっ!」

「はぁ、はぁ、はぁ……っ」

「何がはぁ、はぁ、はぁだ!喘いで誘っているのか貴様は!」

「っ、ちげぇ!」

 

Mr.一夏は必死に走っていたのですが遂に膝をついてしまいましたね。

 

「まったく、なんたるザマだ! 貴様は最低のうじ虫だっ!ダニだっ!この宇宙でもっとも劣った生き物だっ!いや生き物であることさえ烏滸がましいっ!」

 

只の走行訓練だけでこの言い様、容赦ないですねぇ。

 

「いいか、くそっ! 俺の楽しみは貴様が苦しむ顔を見ることだ! !じじいの●●●●みたいにひいひい言いやがって、みっともないと思わないのか、この●●の●めっ!?●●が●●たいなら、この場で●●●を●ってみろ! ●●持ちの●●がっ!」

 

ヤヴぁいです。ピー音が追いつかなくなりそう。

 

「う、うぁぁあああああっ!!!」

 

あぁ、Mr.一夏がとうとう切れましたね。

 

打鉄のブレードを引き出してマスターに襲いかかろうとします。ですが心配いりません。素人丸出しの一撃なので、直ぐに止められて地面に叩きつけられました。

 

「襲いかかってきた根性は認めよう。だが、所詮貴様の根性など、その程度のものだ。家に帰って、おまえが大好きな織斑千冬を●●●●して寝るがいい」

「なっ――!?」

「もっとも、貴様のような腰抜けが大好きな姉のことだ。さぞや救いようのないあばずれなのだろうな」

「千冬姉を馬鹿にするんじゃねぇ!」

 

Mr.一夏は実の姉のために怒り、再び斬りかかろうとしますが再び地面に叩きつけられます。

 

「何度でも言ってやる。織斑千冬はあばずれだ。違うと言うなら根性を見せろ! 後アリーナを10週だっ!ケツの穴を引き締めろ! そしてダイヤのクソをひねり出せ!

 

             ……さもなくばクソ地獄だ!」

 

「畜生ぉ、畜生ぉおおおおおおおおおおお!!!!」

 

Mr.一夏は唸り声を上げながら全力でダッシュをし始めました。そしてその10週を終えた後も訓練は続けられます。マジでえげつない。

 

「俺の仕事は貴様の様な腰抜けよく訓練された腰抜けにする事だ」

 

だの、

 

「貴様は人間ではない、殺戮の為のマシーンだ! 殺せないヤツに存在する価値はないっ」

 

だの、

 

「何だその素振りはっ!?そのブレードは貴様の腐れ●●じゃないんだぞっ!もっと気合を入れろっ!」

 

だの、

 

「パパの●●がシーツのシミになり、ママの●●に残ったカスが貴様だ!」

 

なんだのと、どこかで聞いた事があるような無いような台詞を山ほど浴びせかけた結果、その日の訓練が終わる頃にはMr.一夏の雰囲気が変わりました。

 

「フフフ……後5日、早く来てくれよ?俺のオードリー(専用機)……俺は君以外を愛せそうにない……」

 

あんなに綺麗な瞳をしていた純朴少年だったのに今やその純粋な瞳は濁り、何か色々と危ない発言をしています。主に中の人的な意味で。彼は可能性の獣になるんですかね?

 

まぁそれはそれで色々と拙いですがね。

 

 

さて、そんなこんなで時が進んで対戦当日になりました。

 

 

結局Mr.一夏には専用機が当日に渡され、たった今装着した所です……うーむ、どっかで会った感覚がしますね。あのコア、誰でしょうか?随分と懐かしい。まぁ、それは置いておきましょう。

 

「一夏……問題ないか?」

「はっ!自分は大丈夫であります!」

「……一夏?」

 

現在Ms.千冬が心配そうに話しかけてきたのですが、Mr.一夏は軍人よろしく返してきました。彼女はとても呆気にとられています。

 

そしてそんな中でマスターが一夏の前に出ました。そしてMr.一夏はそれを確認すると自然と休めの姿勢を取りました。訓練されすぎでしょう。

 

「いまこの時をもって、貴様はウジ虫を卒業する。今から貴様はIS乗りだ」

「サー、イエッサーっ!!」

 

『は?』

 

そして唐突の事に今まで見守っていた女性陣の方々も呆気にとられています。Ms.本音やMs.簪がポカンとしています。コイツ誰だ、みたいに。

 

「さて……貴様はこれから、最大の試練と戦う。もちろん逃げ場はない。すべてを得るか、地獄に落ちるかの瀬戸際だ。どうだ、楽しいか?」

「サー、イエッサーっ!!」

「いい声だ」

 

そしてマスターは思いっきり息を吸い、叫び始めました。

 

「では……織斑一夏っ! 貴様の特技はなんだっ!?」

「殺しだっ!!殺しだっ!! 殺だっ!!」

「この試合の目的はなんだっ!?」

「殺しだっ!!殺しだっ!!殺しだっ!!」

「貴様は学園を愛しているかっ!?ISを愛しているかっ!?クソ野郎!!」

「生涯忠誠っ!!命を懸けてっ!!Aaaaaaaaaaaaaaaaagh!!」

「OK!行ってぶちのめしてこいっ!!」

「サー、イエッサーっ!!!!」

 

Mr.一夏は颯爽とアリーナに出ました。そしてその動きに一切のムダがありません。どうしてこうなった。いや、動きに対しての文句ではないのですけど、ね?

 

「天枷、一体お前は一夏に何をした……?」

 

おぉ、MS.千冬がこめかみに青筋を作りながら椿に声をかけてきます。よし、このままこのバカに制裁を加えれば治る筈ですね。

 

「何って、唯の訓練ですが何か?」

 

そして口調がいつもの様に戻っています。色々とおかしいでしょう。

 

「それは本当に訓練か?」

「はい」

「じゃぁ何で……あんな、素直だった一夏が……うぅ」

 

あぁ、泣いちゃってますねぇ。これは制裁は無理ですか。

 

「お、織斑先生……」

 

Ms.箒をはじめとした他の女性陣が彼女を心配しに来ました。あー何か悲壮感漂わせてますね。まぁブラコンだからしょうがないですか。

 

「男は何時か家族に背を向けて歩いて行くモノです。嘆いてはいけません」

 

何ドヤ顔で語っていやがるんですかねこのバカは。

そしてそんなことをしている内に試合が始まります。

 

『あら、漸く来ましたの……』

『……』

『今なら泣いて許しを請えば許して差し上げなくてもよ?』

『……』

 

彼は全ての発言を無視しています。まるで獲物を狩る狩人がタイミングを図るように。

 

『何かいったらどうなんですの!?』

『……』

 

そして対戦開始の合図がカウントダウンに入りました。

 

『この私を無視するとは……いいですわ、徹底的に『くたばれェエエエエエエッ!』っ!?』

 

台詞の途中で開幕の合図が響き、相変わらずの無視をしながらMs.オルコットに肉薄するために瞬時加速を発動、そのまま彼女を斬り飛ばします。

 

『キャァアアアっ!?』

 

しかしそこはIS。シールドエネルギーを削るだけで一撃必殺とはなりませんでした。

 

『ちっ、仕留めそこねたか』

『貴方っ、何を『これでどうだぁあああああああああああ!!!!』』

 

今度は個別連続瞬時加速……マスターはどうやって教え込んだのでしょうか?てか、白式に出来る程のスラスターはついてましたっけ?まぁ、今は置いておきましょう。そして横合いからMs.オルコットを掴み、再び瞬時加速を発動。

 

行き先は地面。

 

……飯綱落としですか、なんともえげつない。

 

ドカァアアアアアンンンッ!!

 

もはや地面に叩きつけた音じゃないような気がします。しかし、それだけの事をしてもMs.オルコットのシールドエネルギーはまだ切れていません。当然Mr.一夏はそれを見逃す訳もなく――

 

『死ねっ!!』

 

マウントをとってブレードでメッタ刺しにします。

 

何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。

 

シールドエネルギーが尽きるまでメッタ刺しにしていました。最早猟奇的ですね。おおよそ主人公の戦い方じゃねえ。そして程なくして試合終了の合図が成りました。

 

どこからどうみても圧勝ですね。周りの観客も唖然としています。因みに一次移行はしてません。チートにも程があるでしょうに。

 

『さぁもう一度立て!!貴様が――――――』

 

そしてMr.一夏はMs.オルコットを罵倒しています。完全な洗脳ですねあれは。それに罵倒内容はおおよそ可憐な乙女に向けて言うものではないのでここでは自粛しましょう。

 

……まぁそれはともかく、試合の結末は当然の結果と言えるでしょう。

 

だって、そうでしょう?

 

試合するつもりできた少女と殺すつもりできた兵士とでは覚悟の時点で違うのだから。

 

本当に戦争ってのは悲しいですよね。人を簡単に血も涙もない兵器に変えてしまう。まぁ兵器として産まれた身体の核を務めている私が言うのはアレですがね。さて、本日のお話はこれまでにしましょう。また何時か会えるかもしれませんね。

 

追記:後でバカマスターはMr.一夏と共にMS.千冬に特別メニューを食らわされました。ですが、二人は平然とこなしていたので彼女が若干涙目になっていたのはここだけ秘密です。

 

 

 

 

 

 

第2話:生徒会の日常~国立IS学園生徒会議事録~Part1

 

 

「怠惰とは機械的な生活の諸行為の果てにあるのよ!」

 

そして楯無は扇を開く。書かれている文字は『意気軒昂』である。

 

ふむ、随分な格言だな。そしてこの言葉の後にはこう続く。

 

「しかし同時にこれは意識の運動に始動を与えるものである、か」

「あら、博識じゃない。私はこれを気に入ってるわ」

 

何故かドヤ顔をしている。

 

「あぁ成程。つまり普段の自分自信に向けた言葉、なのだな?目頭が熱くなるな」

 

ハンカチを手に取り、泣き真似をしてみる。

 

「ちょっと、何でそうなるのよっ!?」

「だってそうだろう?漸く楯無が自分から働くと決心してくれたのだ。だからそれだけで感無量だ。虚もそう思うだろう?」

「はい……漸く会長が自分から働いてくれるなんて」

 

虚もまた目にハンカチを当て涙ぐむ。あぁ、やはり虚とは気が合うな。

 

「私は何時もちゃんと働いているわよ!?」

 

「「「どの口で言ってる(んですか?)?」」」

 

それはないだろう。何時も逃亡に逃亡を重ねてる癖に。まぁ、大概の行き先が簪の所だから直ぐに捕まえれるのだがな。

 

「ぐぬぬ……まぁそこは置いておくわ!」

 

逃げたな……追撃したら話が進まないので今回は見逃そう。

 

「それで?何故七大罪に関した格言を言った?」

「私はね、最近思った事があるのよ」

「思った事~?」

「思った事、ですか?」

 

本音と虚は何か思う事があるのだろうか?注意深く聞き取ろうとしていた。まぁ、更識家の従者の一族だから余計気になるのだろう。

 

「そうね、私生活を虚達に頼りきり過ぎて色々とダメな人間になりそうだと思ったのよ」

 

何言ってんだろうか?この脳内お花畑女は。

 

「既に手遅れだ馬鹿者」

「なんでよっ!?私は編み物以外なら大概できるわよ!?」

「冗談も程々にしろ。見ろ、虚がとうとう今までのを解放させるかのように泣き崩れているではないか」

 

見ると虚は泣き崩れている。

 

「うぅ……お嬢様ぁ……グスッ」

 

何と可哀想な虚だろうか。

 

「お姉ちゃん……元気出して~」

 

本音は必死に慰めている。あぁ、何と美しい姉妹愛なのだろうか。

 

「どこぞの姉とは大違いだな。簪が可哀想だ」

「ちょっと、なんでそうなるのよ。私達だって美しい姉妹愛を見せつけてるでしょうか」

「何時も妹をストーキングしている奴の台詞には思えんな」

 

本当に、どこで歪んでしまったのだろうか。

 

「何でよ!妹を心配する姉の何処が悪いのよ!」

「言葉だけなら聞こえはいい。だがお前の行動は最早変質者の域だ。そして既にお前にはストーカーのレッテルを貼られている訳だが?」

「失礼ね!愛故の行動なのに何で誰も解ってくれないのよ!」

「だからお前の愛は歪んでると言っているだろうか」

「言ってくれるじゃないの……!!」

 

何をキレているのだろうか?楯無は此方を睨んでいた。

 

「まぁいい。話を戻すが、お前がそこまで言うのなら実際に役割を入れ替えてから証明するがいい」

「入れ替え?」

「あぁ、楯無と虚で生徒会の役割を交換させればいい」

「あまっちぐっどあいであ~」

「……少し不安があるのですが、それも良いかもしれません」

 

本音と虚は賛同してくれた。

 

「残りはお前が賛成するだけだが?」

「解ってるわよ!やってやるわ!やればいいんでしょう!?」

 

まぁ、言いだしっぺの法則と言うからな。

 

「と言っても一日限定だがな」

「それは当然よ」

「あぁ、だがら明日からから会長は虚で庶務が楯無、と言う流れも当然だな?」

「えぇそうねって何で私が雑用係なのよ!?」

 

ノリツッコミか。ふむ……切れはそこそこだな。

 

「どこがそこそこよ」

「勝手に人の心を読むな……で、何が何でよ、だ?」

「何で私が雑用係なのかって事よっ!」

 

あぁその事か。

 

「理由は簡単だ。もう予算関連は全て虚が終わらせたからだ。だから会計の仕事は無い」

「……何時の間に」

「お前が愛しの簪をストーキングしている間に」

「だ、だったら書記は!?」

「本音が適任だからだ」

 

本音は働いてないだろう?と君達は思っているかもしれないが、案外働いているのだよ?……偶に仕事が増えるがな。気にしてはいけない。それは些細な事だからな。

 

「誰に向かって言ってるのよ」

「気にするな……まぁそう言う事だからお前は庶務だ。いいな?」

「わ、解ったわよ……」

 

ククク……同意したな?駄馬の様にコキ使ってやろう。覚悟するといい。

 

「……あまっちは偶に凄い悪い顔になるよねー」

 

何故か本音が半眼で此方を見た来た。何、気にするな本音よ。これはちょっとした憂さ晴らしだからな。あぁ……明日が楽しみだ。

 

 

そして暫くしてこの日の生徒会活動が終わった。

 

 

 

 

さて、私はいつもの様授業を終えた後、生徒会室に向かった。

 

そして扉を開く。

 

「お帰りなさいませ、旦那さま」

 

そこにはメイドが居た。

 

そっと扉を締める。

 

……気のせいだろうか、何か変な生き物が居た気がする。いや、只の幻視だろう、そうに違いない。私は疲れているのだ。多分、きっと。

 

もう一度扉を開ける。

 

「お帰りなさいませ、旦那さま」

 

先程と全く同じ台詞を言いながらメイド服を着ている楯無が私を出迎えた。どうやら幻視ではないらしい。そして腹の底から湧き上がってきた感情を思わず漏らしてしまった。

 

「プッ……クックククク……HAHAHAHA……」

「何よ!この姿を見てそのムカつく笑い方しないでよ!?」

「土台無理な相談だなこれは……ククッ」

「……似合ってるとかそー言う感想はないの?」

「何だ、お世辞を言って欲しかったのか?」

「お世辞なら要らないわ」

「まぁ、状況はどうあれ、似合ってるぞ。楯無」

「……そのタイミングは卑怯よ」

 

何が卑怯なのだろうか?

 

「まぁいい。で?これを仕込んだ職人は誰だ?」

「……本音よ」

 

ほう、どうやらこの仕込みは本音がしたようだな。

 

そして張本人である本音の方を見てみると、本音はサムズアップをしてくれた。

 

でかした、これは傑作だな。良い揺すりネタになる。

 

「ふん!別に映像に残った訳ではないからこれぐらいへい「あぁ、そういえば」!?」

 

私の心を読んだのか、楯無はそう反論してくるが……甘いな。

 

「悪い悪い、そういえばこんなところにカメラを設置してたまんまだったよ。おや、しかもコレは撮影中だったな。ちょっと映像を確認しよう。楯無、お前にも見せてやる」

「っ!?!?」

 

私は丁度楯無の死界になるような位置に仕掛けたカメラを手に持ち、楯無に見せつけてやる。

 

『お帰りなさいませ、旦那さま』

『……そのタイミングは卑怯よ』

 

先程のやり取りが様々な角度から映し出されている。そう、はっきりとだ。これは言い逃れ出来んだろう。ふっはっはっはっ!

 

「悪いな、永久保存確定だ。次いでに黛に渡してやろう」

 

高く売れる。

 

「やめてぇえええええええ!?」

 

カメラを即奪われてしまい、粉々にされてしまった。

 

……あぁ勿体ない。まぁバックアップは既に取ってあるので何の問題もないがな。

 

「さて、全員揃ったところで虚、はじめようか」

「はい。ではこれより生徒会活動を始めます」

 

虚の合図で生徒会活動が始まる。

 

そして時間は経ち、皆仕事に勤しんでいた。

 

「お嬢様、此方の書類が纏まってませんよ、直ぐに纏めてください」

「解ったわ」

 

ある時は楯無は書類を纏め

 

「お嬢さま~、こっちの部活の案件だけど~~直接確認してきて~」

「解ったわ!」

 

ある時は部室を駆け巡ったり

 

「楯無、喉が乾いた。コレで飲み物買ってこい」

「解ったわ!!」

 

またある時は私のジュースを買ってくる。

 

そして更に時間は経つ――

 

「お嬢様、此方の書類点検は終わってませんよ?」

「い、今やってるわ……」

 

楯無は必死に書類点検をする。

 

「お嬢さま~この備品なんだけど用務員さんに在庫きいてきて~」

「わ、解ったわ……」

 

直ぐに轡木さんの居る用務室へ向かう。

 

「楯無、腹が減った。何か食べ物を」

「わ、わかった……て何でそうなるのよぉおおおおお!?」

 

何だ?最近の若い娘はキレやすいのか?

 

「何で貴方の指示はまともなのがないのよ!?」

「まとも……普通に雑用だった筈だが?」

 

主に私の喉や空腹を満たすと言う。

 

「しらばっくれるんじゃないわよ!?」

 

全く、失礼なやつだ。少しは落ち着いたらどうなのだろうか?

 

「これが落ち着いていられるかっ!?」

 

今までの疲労もあったのだろうか、ゼーハー、ゼーハー言いながら肩で息をしていた。

 

何とも情けない体たらくだな、それでも暗部の当主か?

 

「誰のせいだと思ってるのよ!?」

「お前のせいだと思っているが?」

「何でよっ!?どう見ても貴方のせいじゃない!?」

「抜かせ、お前が今まで仕事を貯めてきたせいだろうが」

 

そうでなければ所詮は只の学生の一活動に過ぎ無い筈だぞ?規模は差し引くとしても、これは今までのお前の怠惰な仕事振りのお陰だろうに。

 

「ぐぬぬぬ……」

 

楯無は言い返せずに歯ぎしりをしていた。

 

「まぁ、これで虚の大変さが理解できたな?」

「……えぇそうね」

 

深く頷いて同意を示した。楯無はしっかり理解した様だな。

 

「虚……ゴメンなさいね……私、変わるわ」

「お嬢様……!!」

 

虚はその一言に全てが報われたかの様な笑顔を浮かべていた。

 

「それじゃぁ明日から私は心を入れ替えるわ!それでは解散!」

 

『お疲れ様でした』

 

そして今日の生徒会活動が終わった。

 

 

 

 

――次の日の生徒会室―

 

「「手応え」とか「真剣さ」は、仕事にだけでなく、遊びにも同じように要求されるのよ!」

 

また何か楯無は言っていたそして扇が開かれる。

扇には『粉骨砕身』と書かれていた。

 

「今度はいったい何だ」

「つまりね」

「つまり?」

「それらを欠いた遊びは退屈よ?だから、仕事と遊びは内容的に区別されるものではなく、また時間的にたがいが分離されるべきものでないわ!……よって!」

 

ふむ?何故か雲行きが怪しい様な気がするな?

 

「よって?」

「よって私はかんちゃんのところに向かう!」

 

窓から楯無は中庭に飛び込み、一瞬ISを機動させて着陸し、逃亡した。

 

……訳解らん、脳までカビたか?

 

「……結局、学習してないという事か」

「きっとお嬢様はぁ、かんちゃん成分が足りなくなったんだよ~」

 

何だそれは、新手の麻薬か?

 

「うぅ……お嬢様ぁ……」

 

あぁ、また虚が嘆いてる。

 

「はぁ、俺が捕まえてこよう」

「……お願いします」

「あまっちがんばって~」

「あぁ、行ってくる」

 

さて楯無、今日の私のIS操縦はちょっと凄いぞ?逃げきれるか?

 

私は古鷹を起動させ、楯無の捜索向かった。

 

その後男子生徒と女子生徒が壮絶なリアル鬼ごっこを繰り広げられたと言われているが真偽は定かではない。だが只一つ言えるとしたら、それは――

 

「サイゴメンサイゴメンナサイゴメンサイゴメンナサイゴメンサイゴメンナサイ……」

 

それは、楯無が少し地獄を見た、という事だけである。

 

 

おしまい✩




はい、自己史上初めの閑話でした
一話のベースはフル●タ、二話は生徒会の●存となっています。どうだったでしょうか?
もしかしたらまたこういった形で閑話を書くかもしれません
そうなった時にはまた再びお付き合い下されば幸いです




















▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。