ガンダム00  マイスター始めてみました   作:雑炊

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「…え?あれ?もうカメラ回ってんの?マジかよ……」

「ちょ、ちょっと待って。もうちょっと待って。この寒空に着物一丁は寒すぎっから…」



「あ、え、もうダメ?………分かった分かった分かりましたよ!うっしやったるでぇぇぇ!!!」


閑話その2というか本当の意味で本編には全く影響のない話Part2
2013年大晦日特別編……だと……?


「「ガン、マイ、ラ、ジ、オ」」

 

 

 

「「in 大晦日ー」」

 

 

 

 

 

 

「というわけで始まってしまいましたガンマイラジオ特別編。司会進行は私、主人公のアムロ・レイと」

 

どうも。作者の雑炊が師匠代理としてお送りいたします。

 

 

 

 

「というわけで作者」

 

なんだ主人公。

 

 

 

 

「……寒いから早く家の中入ろうぜ」っ気温5度

 

同感。

 

 

 

 

 

「……はぁ………というわけでお汁粉食みつつおこたから今回はお送りします。というわけで今回やる事なんだけど……」

 

まあ、なんというか、ねぇ……とりあえず、こいつを見てくれ。

 

「ん?どらどら………は?」

 

 

 

 

 

っ『ガンマイお気に入り登録読者人数600人突破』という文字が書かれた画用紙

 

 

 

 

「……マジで?」

 

マジでまじで。というわけで今回のゲストは影の薄いヒロインこと、ユリ・花園にお越し頂いております。

 

 

「……どうも、“影の薄い”ヒロインこと、ユリ・花園です……」

 

………あの、なんか、ごめん。

 

「お前そこで謝っちゃダメだろ。色々と駄目だろ」

 

 

 

 

 

 

「よし、気を取り直していこう。…と、いうわけでさっきの画用紙に書かれたみたいな事態が起こってしまったんだが……」

 

「うん……まあ…うん……」

 

 

「「……どんな気持ち?作者」」

 

 

ぶっちゃけ予想外過ぎて呆然としてる。

 

 

「「だろうね(な)」」

 

 

 

 

 

 

「で、んなわけだから今回記念のお話として&ちょうどいいし大晦日特別編として次から始まるものが書かれてるわけだが……俺らこのエセラジオコーナーで何すんの、今回?」

 

「というか何故私が……?師匠とか言う人はどうした?」

 

ん。なんか別の先生の書いている小説で小物化してたり、第2次スパロボZで小物化してたりと色々と不満があったみたいだから、今次元の壁をどうにか越えようと画策中。

 

「いや、止めなくて良いのか?」

 

アレは神だろうと止められないという存在になってるから、無理。

 

「……一切否定できん…」「そうなのか!?」

 

 

 

 

「で、今回一体何をするのかといえば……」

 

「…まさか対談、か?」

 

いや、それは1期編終わってから。

今回二人にはちょっとした仕事をして頂きたい。

 

「「…仕事?」」

 

うん。具体的には其処に居るフルメタルな人を止めて頂きたい。

 

 

 

??・?・????「………」(GNソードⅤらしきものを持って仁王立ちしております

 

「………え?」

 

「え、ちょ、ま、え?なんでいんの?」

 

まあ、それは次に示すお話に原因があってだな……では、スタート。

 

 

「ちょ、ちょ…「目標を駆逐する!!!」って、うわぁァァァ!!!こっち来たァァァァ!!??」

 

「仕方ない!対応するぞ、アムロ!!」

 

「無理言うなぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突破記念及び大晦日番外編

 

『アムロとヒロインその1の話』

 

 

 

 

 

 

 

「アムロ」

 

「んー?」

 

 

 

「デートしてくれ」

 

 

視界の隅で姉が茶を吹き、ユリが小指をタンスにぶつけ、相棒が壁ドンを行い、フェルトが信じられない様な物を見る目でこっちを見ているが、仕方ないと思う。

…仕方ないんだが…………

 

 

 

 

 

「……刹那」

 

「なんだ?私とデートは嫌か?ぶっちゃけ私は顔もスタイルもそこそこ良いぞ。それとも何か?あなたは特殊嗜好持ちだとでも言うか?」

 

「………その手のチラシに写ってるものが食いたいだけだろお前」

 

「当然だ。ハッキリ言ってそれ以外に理由はない。が、あなたも私みたいな美少女とデートできるのだから、そこまで不満はないだろう?」

 

「……お前って食物が絡むと途端に残念になるよな…」

 

 

そう言って頭を抱えた俺は決して悪くはないと思う。

 

 

 

 

 

非リアになんて優しくないイベントやってんだアイス屋というツッコミ入れつつ情報閲覧後準備して二人で出かける。

ぶっちゃけるとそこは何とビックリ俺の家からかなり離れた所にあった。

……とは言っても、実質車で1時間、電車で30分ちょいだったので、そこまでではなかったんだが。

 

「……で?」

 

「うむ。ここだ」

 

とか言って彼女が指差した先にあったのは、駅から程近い…というか真っ隣の建物の入口横にあったアイス屋である。

彼女が持っているチラシに載っている名前と比較しても、ココがそうであると言うのが分かった。

 

…しかし……

 

 

「…結構、並んでますねお嬢様…」

 

「問題は無い。別に1日限定何食という物は決められていない」

 

そういう彼女は呆れている俺の手を掴んで列へと向かっていく。

ああ、やっぱり並ぶのね、という俺の心の声など確実に聞こえていないどころか、解ろうともしてないんだろうな、という勢いでズンズン進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

「何せ、“カップル限定”のアイスだからな。目当ては」

 

手を引く刹那のその言葉が、やけに耳に残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

事の発端はスメラギ・李・ノリエガのこの一言だ。

 

 

『刹那、ちょっと聞きたいのだけれど…』

 

「どうした?」

 

『あなたの面倒を見てくれている、あの“アムロ”って子…アナタと同い年なのよね?』

 

「…そうらしいが…」

 

 

 

『ぶっちゃけ、アナタ彼の事をどう思ってるの?』

 

 

 

「………は?」

 

 

ここで思わず唖然としてしまった私は一切悪くない。

 

 

 

 

どうも話を聞く限りでは、先日些細な話題から私が彼に対して特別な感情を抱いているのではないか、という疑問が噴出しトレミー内で盛大な議論が交わされたらしい。

しかし、何時まで経っても納得できるような答えがでなかったので、結局ロックオン・ストラトスの鶴の一声で私に直接訊くことになったらしい。

(何故言い出しっぺの彼が質問しに来なかったのかというと、スメラギ曰く「彼は男だから」だそうだ。……意味が分からん。)

 

……で、まあそこら辺は置いといて……だ。

 

「……アムロの事をどう思っているか、か」

 

『そうそう。ほら、アナタ彼の事だけは大体名前呼びじゃない?ちょっと位はそういう気持ちあるんでしょ?』

 

「ム」

 

…言われてみればそうかもしれない。

最近は彼をロックオン・ストラトスやティエリア・アーデのように、名前と苗字を一緒に呼んだ事が無い。

ユリやフェルト、クリスと同じような感じだ。(とはいえ。三人を名前呼び出来る様になったのは知り合ってからかなり経ってからだが)

 

そう考えると不思議である。

何故自分はあの男を短期間で名前呼びしているのか、と。

 

…とはいえ、気持ちがあるわけではないが思う所はあるのだ。

 

 

あの男、何故か何と無くだけとはいえ、嘗ての私が『大好きだった人』に“声と顔の形だけ”は似ているのだ。

 

…無論、そこ以外はあまり似ていない。

肌は私と同じように浅黒かったはずだし、髪はもっと長かった。

性格もあそこまでフワフワしていない。

 

……何よりも違うのは、目だ。

 

目つきと言う意味ではない。

正真正銘“目”が違うのだ。

 

エイジの目は……私と同じ赤色だ。

彼の様に黒くは、無い。

 

だからこそ、初対面のあの時に一瞬で彼がエイジではないという事が解ったのだ。

そもそも、エイジはあんな無気力だったり、情けなかったりする声を出したりはしない。

 

 

 

……そう、解っている筈なのに…

 

 

(………未練、か…)

 

己の中で、私はそう当たりを付けた。

 

目の色などカラーコンタクトで変えられる。

髪は切ればいい。

肌の色など私の見間違い、或いはただ単に薄汚れていただけで、本当はもっと明るい色だったかもしれない。

性格だって演技なり何なりで幾らでも誤魔化せる。

 

そう思って……いや。

“思い込んで”アムロを見れば、彼は本当にエイジだと思える。

 

 

…だが………

 

 

―――それは、駄目だ。

 

 

心の中の冷静な部分が、そう告げる。

そうなのだ。

それをやってしまえば、私は歪んでしまう。

歪んだ思いを、彼に向けてしまう。

 

他人(アムロ)大好きだった人(エイジ)として見てしまう。

 

それは、今を生きているアムロの人生を侮辱する事だ。

自己満足の為だけに他人の生を蔑ろにする行為だ。

 

そんな事は、したくないと言うのが本音だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――だが、心の片隅では『それでも』と言い続ける自分がいる。

 

それは、私が未だ子供で、『いい女』ではないという証明みたいな物なのだろう。

 

 

 

「……」

 

『…どうなの?』

 

…それを自覚しているからこそ、

 

「……そう、かもしれない」

 

私は、スメラギ・李・ノリエガの問いに対してこう返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

返して、しまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……………』

 

「……ど、どう、した?」

 

無言の彼女が、怖い。

なんと言うか、こう、良からぬ事が這い寄って来ているような気がする。

アムロ風に言うならば、「こいつはくせぇーッ!!面倒事の臭いがプンプンするぜぇーっ!!!!」か?

 

……ちがうか。

 

 

 

 

 

 

――――――が、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…い………』

 

「い?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――イィィィィィィヤッホォォォォォォォウゥ!!!!!!!!!!!!!!!酒の肴ゲットォォォォぉ!!!!トレミー大人組全員私の部屋に集合!!!!緊急ミッションよ!!』

 

「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

 

…面倒事、という表現は一切間違っていなかったようだ。たぶん。

 

そしてスメラギ・李・ノリエガの召集の直後約2秒後におそらくトレミーの大人全員(というかティエリア以外)が一斉に入ってきた。

…ということは、彼ら全員どうやらドアの前で出歯亀していたらしい。

驚きで呆然となりながら、最後にティエリアが仏頂面で入ってきた辺り、私に味方は居ないと悟ってしまった。

 

…多分、今なら神だって殺せるような気がした。

 

 

 

 

 

 

以降の事は言いたくない。というか思い出したくない。

 

少なくとも言える事は、今回の『デート』は彼らの無用な気遣い(具体的には『末っ子(この表現にはフェルトが居るので少々語弊があるが)の恋を成就させよう』というなにいってんだかちょっとわからんぞというもの)の産物だということ。

 

…そして、それを盤石にする為に、多分いつもよりも数倍気合を入れて練られたのであろうミッションプランに従ってこれを遂行することが私の今回の任務だということ。

 

 

 

…なのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何やってんの師匠」

 

「バイト」

 

「ちょっと何言ってるかわからないですね」

 

「チッ解ったよ……はんせいしてまーす!!」

 

「何も責めていないのに反省された。この複雑な気持ちは何処へやったら良い」

 

「ゴミ箱にぽいすればいいと思う件について」

 

「「取り敢えず目当てのアイス

 

さっさと出せ……ん?」

お待ちどう……ん?」

 

「…………ハァ……」

 

 

…どしょっぱなから、ミッションプランが通用しないこの現状に、私は人知れず溜息を吐いた。

 

とりあえずそこのバカ師弟自重しる。

 

 

 

 

 

 

 

「まさかのデートプランが筒抜けだった件について」

 

「僕欺こうとするとかいい度胸してるよね君の保護者達は」

 

「んなこたいいから俺にもアイス寄越せや刹那。なんでお前抱えとるん。もう半分無いじゃねぇかよ」

 

「知らん」「オイ」

 

 

言いながら私はアイスを食べ続ける。

一応ミッションプランに従って、この後は近くのショッピングモールに行く事になっているのだが、如何せん予想外にも『師匠』が着いてきてしまうという珍事に陥った。

これでは最早デートではなく、ただの友達との遊びだ。そういう事に余り慣れていない私にとっては新鮮な感じがして良いのだが、これではミッションの遂行に支障をきたしてしまう。

 

…のだが。

 

「おっしゃゲーセン行くべー」

 

「フム…仮○ラ○ダ○のデフォルメフィギュアの新弾発売は今日だったかな……?」

 

「あれ、そうだっけ?今回何?」

 

「ちょっと待ちたまえ………お、鎧○だ。永遠のフルメモリもあるね」

 

「オケ、全狩り?」「当然」「資金は?」「バッチシ」「おし、刹那も手伝え………刹那?」

 

「………あ、ああ。わかった」

 

 

………一応は、楽しいから良しとしよう。

 

 

 

 

 

……で、結果はといえば――――――

 

 

 

「ゲシュテルベン改とエグゼクスバインのフルアクションフィギュア(1/144スケ)とか俺らの財布を殺しに掛かってるとしか思えないんだけど」

 

「まさかのクレーンゲームでヴェーダ使うとか思わなかったよ……日本のクレーンゲーム怖い」

 

「……いや、目的のフィギュア全部それぞれ1プレイで回収した後にその言葉は許されないと思う『紐引っ張って落とすのは慣れた人間にとてはボーナスゲームの一種だから』……そうか」

 

 

 

――――――傍目から見たら大勝利なのだが、獲得商品抱えながらウンウン唸って悶絶するバカが2名程出現してしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

そのまま昼食である。

因みにトレミーの仲間が店を選んでくれたのだが、アムロ曰く

 

「高い」

 

との事なので、結局フードコートで食べる事になった。

ちゃんぽんが実に美味い。

 

因みにアムロは

 

「カプリのスパ専門店発見」

 

「マジでかGJ」

 

という師匠との会話の直後にそちらへとすっ飛んでいき、トマトと大蒜のスパゲッティを堪能している。

というか師弟揃って思考も動きもそっくりだな貴方達は。

 

「「そうでもない」」

 

褒めてない。というか地の文を読まないでほしい。

 

「う~ん10点。そこは華麗にスルーするというのが大人の対応というものだよ。刹那・F・セイエイ」

 

「余計なこと言うな師匠。そこが可愛いんだろうが………ちょ、ゴメン。フォーク奪い取って投擲のポーズは止めて刹那。謝るから」

 

「……」

 

…別に照れ隠しじゃないぞ?ただ単に、馬鹿にされたような気がするからこうしているだけだ。

べ、別に顔が赤くなっているとかそういうのもないんだからな!!

 

 

「仲良きことは良き事かな……あ、ごめんなさい。犠牲は馬鹿弟子一人で結構ですので僕のフォークを返してください」

 

「…………」

 

…本当に、失礼な連中だと心の底から思った。

 

 

 

「では僕はそろそろ帰らせて貰うとしよう」

 

「荷物は」「持った」

 

「夕飯は」「肉を所望」

 

「……味噌カツ?」「何故そんな事を思い浮かべたのかは不明だが取り敢えずGJ」

 

「オケ。材料買って帰るわ」「では、アドゥー!!!!」

 

 

そう言って声にエコーを掛けながら遠ざかっていく師匠という名のUMA(アムロ談)の後ろ姿を見ながら、なんだかなぁ、と黄昏てしまう。

どうも今の会話の内容からすると………………アレは今日の夕飯を我が家で食べていくっぽいし。

一方のアムロはアムロで既に買い物の用意を始めているし。

…というか、元々デートをする為だけに来たのにどうしてこうなった。

ミッションプランで達成できている物は、最初のアイスだけだ。

……美味しかったからそこはそこで良いのだが。

 

「…さて刹那。買い出しに行くぞ。ぶっちゃけここら辺のスーパーって色々有るっぽいから中々楽しめそうだ」

 

「ん、ああ。分かった…」

 

「…どうした?」

 

「いや……」

 

まあ、相手が彼という段階でミッションプランなど付け焼刃も同然…そういう認識だったのだ。

最初のあれだけでも達成しているのは、むしろ僥倖と言うべきだろう。

…そう、だと思う。

 

 

 

 

プトレマイオス ブリーフィングルーム

 

 

「フフフフフフフフ………甘い、甘すぎるわね刹那……こんな事最初から織り込み済みなのよ…?」

 

「スメラギさん。笑い方怖いですよ」

 

プトレマイオスのブリーフィングルームには今何とも言えない雰囲気に包まれていた。

…というのも、その原因は今変な笑い方をしていたミス・スメラギにある。

……いやね、実はというか何と言うか……以前のユリの時もそうだったが、何故かこういったデートイベントの際はその映像がヴェーダ経由のリアルタイムでこっちに流れてきてんだよ。

…因みに実行犯は知らん。大方クリスか誰かがハックしたんだろうが……ヤブヘビする気はないのであえてそこらへんスルーしている。

 

まあそれは兎も角として。

 

で、今回もウチの可愛い末っ子マイスターの刹那があのアジトに潜伏しているエージェント―――アムロ・レイとデートするということでプラン練ってアイツに渡して、そんで全員で前回と同じような事が起きるんじゃないかと思ってここで待機してたら――――――案の定、デートの映像が映し出されたのだ。

―――映し出されたはず、だったんだがなぁ…

 

(まさかの真っ黒キャベツ太郎が出てきやがるとは…)

 

……ここまで見てくれた読者の面々ならば分かるだろうが、要するにアレである。

当初予定されていたデートプランは最初の一項目以降全ておジャンになり、最終的には男友達の遊びに付いてきた女友達みたいな結果になっちまった。

 

無論、こんな事予測されてはいない訳だ。

 

一緒にプランを練っていたメンバーの一人である俺だから、その事はよーく解る。

 

…詰まる所、ミス・スメラギのさっきの一言は完全なる嘘。負け惜しみも良いトコなのだ。

 

ま、彼女の本来の分野はあくまでも『戦術』。

優れた天気予報士が同じ予報でも『戦術予報』が出来ない様に、優れた戦術予報士である彼女でも人の色恋沙汰の予報は無理だったという事、だ。

…とはいえ、彼女も色々な意味で経験豊富な『女』なので、ぶっちゃけ今回練られたプランがあのキャベツの妨害がなく、全て予定通りに進んでいたならば……おそらく、成功していた、か?

 

(……言い切れないのがキツイな…そもそも此処に居るメンバー全員に言える事だが、あの『アムロ』とマトモに話したことがある奴って俺を含めても……って、会話らしい会話したのって俺一人しかいねーじゃねぇか…)

 

致命的だった。

ここまで俺のこの独白を聞いている画面のそちら側にいる面々にはお気づきになっている方も多いと思うが、今回のデートプラン。実はアムロとマトモに会話した事のある人間は俺以外誰も参加せずに練られているのだ。

しかも俺も会話したのは以前の親睦会のあの一件以降一度も無い。

詰まる所、『アムロ』という人物についての情報は、1割有るかどうかの状態だったのだ。

 

(……そういやぁ、アイツ昼飯に選んだレストランの値段見た途端、『高い』って拒否ってたよな……?)

 

「…うわぁ……」

 

 

人知れず、俺は頭を抱えてそんな声を漏らした。

という事は今回のデートプラン。例えキャベ(ryの妨害がなかったとしても、ある程度の確率でデートに誘われた彼によって崩壊する危険性を孕んでいた事になる。

つまり、スタートダッシュの時点から色々とやばかったのだ。

最悪、二人の関係悪化という結果が生まれていたかも知れない。

 

―――そう考えると、本当に、本当に、本っっっっっっっっっっっ当に癪に障るが、あのキャ(ryのおかげで今回はそういった難を逃れた結果になったってわけだ。

 

 

「…ままならないねぇ…」

 

「? どうした、ロックオン・ストラトス」

 

「…いや…お子様なお前にゃまだちょっと解らない、大人の悩みって奴、さ」

 

「…何だそれは。何となくカチンと来たぞ」

 

「おっ…何だ、お前そんな言葉使いもできたのか」

 

「以前の親睦会でアムロ・レイから自分の感情を解り易く表現する為の手法として教えて貰ったのだ。今までは使うタイミングが無かっただけだ」

 

「……そうかい」

 

 

…何と言うか、あの(ry。本っ当に弟子の方だけは俺らに良い刺激を与えてくれてるみたいだな。

あくまでも『弟子の方』、はな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…何やら微妙な事を言われた気がする」

 

突然そう言ってアムロが顔を顰めた。

不思議に思ったが…まあ、そこまで気にする事ではないのだろう。

直ぐに表情を元に戻して買い物に戻ったことからもそれは伺える。

 

 

私達はあの後、すぐ近くのスーパーに夕飯の食材選びに足を運んでいた。

……とは言っても、既に目的の物は籠に詰め込み終わっているのだが。

 

今は「ついでに何か買っていこう」というアムロの提案に乗って、何か無いかと二人で物色している。

特に目的もなしにブラブラしているだけに近いな。

 

 

…何?元々そんなもんだった、だと?

……まあ、そこら辺は否定しきれないな。

 

「…お」

 

まあそんな感じにブラブラしながら、丁度青果売り場に通りかかった時だった。

突然アムロが立ち止まる。

何かと思ってみてみれば、その目の先にあるのは――――――緑色の、網目模様の丸い物体――――――

 

「回収」「待て待て待て」

 

―――メロンだった。

 

 

「何故に?」

 

「いや、何故にって……」

 

「メロンですよ?」

 

「いや、メロンだが…」

 

「メロンなんですよ?」

 

「いや、それは分かっているんだが…」

 

「メロン何でございますよ?」

 

「いや、だから…」

 

「メロン」

 

 

「……わかった。わかった……買え」「うん」

 

 

 

……無理だった……あんな本気且つ澱んでも澄み切ってもいない、何だか良く解らない感情を宿した目に逆らうのは……

 

 

 

 

そんな感じで帰りだな。

…………中々大量に買い物をしてしまった。両腕に持ち切れないくらいに……

 

……そう、持ち切れないはずだったんだ。

 

 

 

「いやーバッグ(に相棒を隠して)持ってきておいて良かったわー」

 

「……ああ、そう、だな。そうなんだな」

 

……そう、なんだ。

突然アムロは大量に買ったそれらを突然あまり大きくはない……とは言っても、ハロが1体は余裕で入りそうなそれに詰め込み始めたのだ。

……そう、『ハロ1体余裕で入りそうなバッグ』に、だ。

 

……つまりそういう事だ。

 

 

 

 

 

「…帰ッタラ味噌カツヨコセヨ」

 

「バカ声出すな。当然くれてやるわ1枚丸々」

 

「ナラヨシ」(モゾモゾ

 

「傍から見て独り言喋ってるようにしか見えないから自重してくれ二人共……私が恥ずかしいだろう」

 

「「その(ソノ)()バケツプリン()()()わってから(ワッテカラ)って(ッテ)おうか(オウカ)」」

 

「……うむぅ……」

 

……反論できないのがとても悔しいな。

 

 

 

 

 

 

「たっだいまぁ~~~~~~………」「ただいま」

 

「おっかえりぃ~~~~~~………」「ああ、次は味噌カツだ……」「お、帰ったか」「お帰りなさい」

 

さて、帰宅である。

帰って早々リビングにてだらけ切った表情の姉さんと変な事のたまわる師匠が見えているのに一切動揺しないのはもう慣れたからだろう。

念の為予定よりも一人分多く材料を買っておいて良かった。

 

「それじゃ今から飯作るで、手伝える奴は手伝って。レシピは見たけど実は実際に作るのは初めてなんよ」

 

「フム、それじゃあ僕が手伝おうかな?―――――ただし分け前を増やしてくれるという報酬があればの話だがね「んじゃいいや」イヤンセメント反応!師匠泣いちゃう」

 

「キモイからやめーや。あ、姉さんはそのまま寛いでて。また炭は食いたくない」

 

「そりゃどういう事じゃクソ愚弟「うっせぇメシ抜きにすんぞ」私が悪ぅ御座いました」

 

そう言いながら床で土下座する姉さんとその肩をニヤニヤしながら叩く師匠を尻目に、俺は作業を開始する。

とは言っても、手を洗ったり、買って来たものの整理をするのが最初だ。

いきなり調理を始める訳ではない。

そもそも味噌カツとは言うが、実際には代表的な物として串に通してある物と無い物があり、そのどちらにするのかも決めていないのだ。

前者ならば肉を小さめに、且つ串に通す個数を決めねばならない。後者だと、肉は大きめに、且つ予め揚げあがったらスライスして食べ易くなる様にしなければならない。

一見すれば後者のほうが労力は掛からない様に見えるが、俺からしてみれば掛かる手間自体はどっちも同じだ。

しかも、ウチの連中の好みによってはどっちか作っても文句を言われるかもしれんしなぁ……主に姉さんとか姉さんとか姉さんとか。

 

(……ん?)

 

不意に袖を引っ張られた。

何だと思って目を向ければ、刹那がどこか影を帯びた表情で此方を見ている。

何だろうと首を傾げるが……うん。何も思い浮かばない。

となるとなんだろうか?このタイミングでコイツがこうしてくるとなると、一体何の用で――――――

 

 

 

(…あ、そういう事か?)

 

フッと頭に閃いた物があった。

その答えをこれまでのコイツの行動に当て嵌め、推測するに――――――多分、こういう事だろう。

 

そう思うと、コイツもなかなか可愛い所があるじゃないかと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

「オイ、刹那」

 

「……何だ」

 

「……安心しろ」

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……どの道お前の味噌カツは一番デカいのにしてy「そういう事じゃないわ朴念仁!!!!」アバラッ!?」

 

 

あれー?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……本っ当にコイツは失礼な奴だと思う。

いや、まあ、確かに味噌カツは初めて食べるものだったからいっぱい食べたいというのはあるが、それにしたってあの回答はない。

女心を分かってないというか、何と言うか……

 

「…………あのー………刹那・F・セイエイさん……………?」

 

「何だ」

 

「…いや…そのー……それ、ご飯何杯目なのかなー「8から先は忘れた」……そうかい」

 

オイ、何だその呆れたような何かを悟ったような顔は。

失礼じゃないか師匠。

別にヤケ食いなんぞそう珍しい事ではあるまいに。

 

「いや、珍しいからな。幾ら普段お前がご飯に目がないといっても、普通に珍しいからな刹那」

 

「そうか?」

 

ユリにそう言われたが、イマイチ納得がいかない。

そんな事はないよな、と、そんな思いを乗せてフェルトに視線を送ったが……目を逸らされた。

…そうか。私のヤケ食いは珍しいのか……

 

「まあ、動いて燃やせば問題ないな」

 

「アンタそれ喧嘩売ってる?」

 

そう言いながら私をヒリング・ケアが睨んでくるが、知った事か。

第一あなたは間食が多いから太るのだとそこでノビているアムロが以前言っていたぞ。

自業自得ではないか。

 

「っんのバカ愚弟がぁぁぁ!!!!何人のプライバシーコイツに教えてんだァァァ!?」

 

「辞めたまえヒリング。今日はアムロ頑張ったんだから。君より遥かに頑張ってたんだから。寝かせてあげなさい」

 

言いながら一向に止める気配を見せず、淡々と料理を食べ続けるこの男は色んな意味で凄いと思う。

 

 

 

あの後、私に殴られた際に意外と疲労でも溜まっていたのか、アムロは一気にフラフラになっていた。

とは言っても、その状態でキッチリ夕飯を作り上げ、自分の分を食し、片づけを終えたその上でソファーにぶっ倒れて気絶してるのだから器用だと感心せざるを得ない。

しかし、意外とダメージがデカかったのか、倒れてからは一向に動く気配が無い。

正に、『ただのしかばねのようだ』状態である。

……ただ、その枕元に何故か目覚まし時計が置いてあるのは……一体なんなのだろう。アレ。

 

 

「…っと。ごちそうさま」

 

と、そんな事を考えている内に食べ終わったのか、ユリが箸を置き、そのまま食器を纏めて洗い場まで持っていった。

次いでフェルト、ハロ、師匠、そしてヒリング・ケアの順で皆食べ終わり、食器を洗い場へと置いていく。

 

一方の私はまだ食べていた。

 

とは言っても、既におかずは全て腹の中へと仕舞っている。

文字通り、今食べているのは白米のみだ。(無論、アムロが炊いたものだ。超ウマイ)

……しかしいい加減白米だけでは飽きるな。

そろそろ私もごちそうさまするか。

そう思いながら丼の中の米を全て胃袋の中に納める。

ン。満足。

後は風呂にでも入ってからノンビリするか。

 

そう思いながら箸を置き、一言。

 

「ごちそうさまでした

 

 

今日も美味しかったぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………そりゃ、どうも」

 

聞こえてんだよ。バーロー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

むくっと起き上がる。

実は気絶なんぞしてなかったり。

ただ、起きてたら起きてたで面倒なので速攻飯等食ってブッ倒れたのは事実だが。

 

「あ、やっぱり起きてたかい」

 

「まあね。気づいてたろ?」

 

「当然ね」

 

そう言いながら師匠が近づいてくる。バスタオルを肩に掛けてるということは風呂にでも入ったか。

まあ、誤魔化しきれるとは思っていなかった。

この人に関しては本当に規格外だと思う。

 

「いや、君の方も中々だよ。なんで心拍数低下してるのさ。体温が30度ギリになった辺りで不味いかなと思ったんだけど」

 

「師匠は呼吸も止めるよね」「当然」「即答すんな」

 

そんな遣り取りしながら食器を洗おうとキッチンへ。

案の定手付かずである。

この時期(冬)の水は冷たい。

幸い俺の手はそこまで皮膚が弱くないのか皹等になる事はない。

が、女子連中はどうだか解らない。

特にフェルトみたいなずっとコロニー暮らしとかは特に心配である。

 

そこで、大体のこういった仕事は我が家では俺の仕事となっている。

…まあ、色んな意味で適材適所というべきか何と言うか……少なくとも、アレだ。

 

何か最近、刹那以外の女性陣から複雑な目で見られるようになったのは、何とも言い難い。

 

 

 

…………うん。本当に。

 

「………」

 

……本、当に……

 

 

「…………」

 

 

…………ほ、んとう、に……

 

「………」

 

「……」

 

……ええい!!!

 

 

「だああああああああ!!!!!!刹那!!!!!なんでマッパでそこ(台所の入口)に立ってるんだ!!!!あと隠しなさい!!!」

 

「見なければ良いだろう」

 

「それ以前の問題じゃ!!!!風邪を引くだろうが!!!!」

 

「だが嬉しいだろう」

 

「堂々とし過ぎてて逆に有り難味がないんだよ!!!と言うかテメェの被保護者の裸なんぞ見ても欲情なんかせんわ!!!もっと女らしくなってから来いや!!」

 

「これでもか?」(ズイッ

 

「近寄られても変わらんて!!…というかどした?マジなんで裸なん?バスタオルは?」

 

マジで何故?たぶん裸ということは風呂にでも入ろうとしてたんだろうが……バスタオルは確か出してたはず……師匠さっき肩に掛けてたし…

 

 

 

 

「出てない。先程師匠が持ち出した物がラストだったようだ。あと風呂が湧いてないんだが「最初に言いなさい!!!!!」…すまない」

 

 

 

 

オイィィ!!!!!師匠何やってんだ!?

と言うかアレか!!さっきのアレはシャワー浴びてただけか!!ああもう俺のバカ!!!あの寝起きモドキ状態だとホントに思考能力低下すんな俺!!!

 

「兎に角刹那、今すぐタオル出すからそれ巻きなさ…っ!!」

 

「なっ!?」

 

と、ここで不幸が。

と言うか、俺のとある癖が発動した。

 

現在、俺の目の前にはマッパの刹那。

無論、何も付けてない訳だ。

 

そして俺はエプロン装備な上、手は先程まで食器洗いの際に冷水を使っていたので冷たくなっている。

…まあ、こんな手で触ったら、冷たいじゃん?可愛そうじゃん?

 

で、手で触ろうとしないように動こうとして…、さ。その……エプロンを踏んでしまいまして……その………ね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「あっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとは察しろ。言わせるな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………アムロ。その頬っぺたの紅葉は一体どうしたんだい?」

 

「お察しください」

 

「ああ、うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『~~~~~~~~~~ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

「風呂場から刹那の叫びが聞こえるんだが…」

 

「お察しください」

 

「え、私にもか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……ニエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

「…あの、刹那、一体どうしたんですか?」

 

「察してあげて」

 

「あ、はい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アムロ!!!アイス食べたい!!!!!!」

 

「ああ、ハイハイ」

 

「……アンタ一体何したのよ?」

 

「年頃の娘には色々あるんでしょ…「ほら、行くぞ!!!」あ、買いに行くんですか…」

 

「いってらー。モナカアイス買ってきてー」

 

「ハイハイ…」

 

 

 

 

 

夜の街中は風もそこそこあるせいか、キチンと着込んでおかないと寒い。

近くのコンビニまでは少し歩くので風呂上がりの私は特に着込まねば湯冷めしてしまうだろう。

 

「だからといって何故貴方のコートを着なければならない」

 

「お前の持ってる奴が軒並み生地薄いからじゃ。良いから着とけ」

 

「…ムゥ…」

 

…まあ、否定はしない。

というか、何だコイツのこのコートは。

ポッケ色々在るのは良いとして、モコモコしてるし……

 

「で、何食べたいんだ?」

 

「ガリガリ君」

 

「お金は」

 

「貴方が出せ。それでチャラだ」

 

「へいへい……」

 

アムロは私にそう言いながらコンビニの中へと入っていく。

というか、本当に悪いと思っているだけでそれ以外に何も思ってる感じがしないな。

……あんな事やらかしといてそれというのも何か……なんだろう?

不愉快というか、何と言うか…

 

「ホイ」

 

「ひゃっ!?」

 

突然頬に何か当てられた!

冷たい!

何だと思って顔を向ければアムロがその手にアイスを持って立っていた。

どうやらもう買ってきたようだ。

恨めしげに睨むが特に効いたような様子はない。

いつも通りな表情だった。

それが何か気に食わない。

取り敢えずアイスをひったくって齧り付く。

 

「コラコラ」

 

そう言いながら、アムロはゴミを私の手から取って近くのゴミ箱に捨てに行こうとする。

 

 

 

…かにみえたが、突然立ち止まった。

何だろう?

そう思いながらも、私は家に向かって歩き出す。

彼の足なら直ぐに追い付くと思ったからだ。

 

というか、彼の身体能力は色々とおかしい。

マイスターである以上、私やユリ達は過酷な訓練を通して、そこらの軍人程度なら軽く超える程度の身体能力は獲得できている。

…筈、なのだが、彼はそんな私達を軽く追い越す程度に身体能力が高い。

日常な些細な部分から推測する程度ではあるが、な。

 

閑話休題

 

 

兎も角、彼の足ならば私程度には軽く追い付けるだろう。

そう思ったからこそ彼と少し距離をとった。

 

 

 

 

 

 

 

そのタイミングだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…昼間は、色々すまんかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は、キチンと二人で行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………え?」

 

振り返ると、彼は何事もなかったかの様にゴミを捨てて、こっちに歩いてきていた。

そんな彼に対し、何か言おうとしたが、言葉が出てこない。

 

「ほら、ボーっとすんな。帰るぞ」

 

「え?あ、い、今?え?」

 

「おいなにキョドってんだ。帰るぞって」

 

「あ、ああ……って、そうじゃなくって!」

 

「っせぇなぁ……」「今なんて言った!?」「ハイハイ…」「オイ!?」

 

 

……多分気のせいだ、よな?この男が、そんなこと言うわけ……無い、ものな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……というわけで終了です。

 

「……実際問題、あの時何をしたんだアムロ…」

 

「……お察しください…」

 

ハイハイ変に凹んでないでさっさと進めるよ。

 

「そうだ、な。取り敢えず今回は特別編という事なので時系列とかは考えないで行くが……」

 

「と言うかアレコレ中継されてたんかい……犯人大体解るけど」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「へっくし!…む?誰か噂してるのかな?……まあ、良いか。さて、さっさと作業しないとな………待っとれよ平行世界の僕共め……本当のラスボスっていうのがどんな物だか思い知らせてやろう……」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「オイ、今なんか聞こえたんだけど」

 

気のせいじゃないの?

 

「……オイ。西の空に巨大なドリルが浮かんでるんだが……」

 

「ちょ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、来年度の方針だが…」

 

「……やるのか?クロス」

 

打診だけはしてみようと思う。

 

「外れろ…外れろ……!これ以上俺に面倒事が降りかかりませんように……!!!」

 

「どれだけ必死なんだ……で、やるとしてあの話どうなったんだ?構築できたのか?」

 

できたよ。

 

「「できてるの!?」」

 

うん。

 

「で、どうなんだ?難易度は」

 

以前の鬼畜ジミたのよりかは優しくしてある。

 

「あ、んじゃ安心だ」

 

うん。少なくとも導入段階でSAN値が減ったり、日常と見せかけた惨殺死体の落下とかはない。

 

「おい何だその卓。私生きて帰れる気がしないんだが」

 

「安心しろユリ。これ序の口」

 

「何一つ安心できない!?」

 

 

 

 

 

さて、年越し蕎麦啜りつつガキ使見てるわけだが…

 

「…何すんの、後は」

 

「というか、今後の展開で私って死ぬのか…?」

 

それは言えん。とりあえずこの後はスペシャルゲストも交えて雑談だ!!!正月特別編の事もあるしな!!!

 

「スペシャル…ゲスト………?」

 

「……なあ、ツッコミたくなかったんだが……何か家に入ってきた辺りから、視界の隅にチラチラ人一人は入れそうな袋が転がってんだけどまさか……」

 

よく気づいたな。では、レッツオープン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」←黄色い服着た髪の長い女の子が縄とかでグルグル巻きにされ、口にギャグボール噛まされた状態でグッタリしながら入っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「オイ作者ァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

……あれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……とりあえず気を取り直して雑談…と行きたい所でしたが、肝心のゲストが気絶しているので本日はここまで!!

では皆さん、良いお年を!!!!!!(チッ…あのバカ球体もっと優しくしとけと言ったのに…姿が見えないと思ったらこれかい!)

 

 

 

 

 

 

「ふっざけるな作者あああああああ!!!!!!!!!!!!!!こんな状況で締めるなァァァ!!!!」

 

「すみません大丈夫ですか!?自分の事分かりますかお姉さん!?」

 

「……」←返事がない。気絶しているようだ…

 




さて、如何でしたでしょうか。
どうも雑炊です。

兎も角、ちょっとしたアクシデントもありましたが、無事に大晦日特別編が終わりました。
ああ…次は正月特別編だ……

で、最後の彼女ですが……彼女は次の正月特別編で頑張っていただきます。
誰なのかは……この段階で分かった人、いるかなぁ…
ヒントは本編に出てきていないという事です。
それだけです。

それで黄色い服なので……おや、誰か来たようだ。

「待って、ダメですって!!!さっきのアイツの心の声聴いてる限りだとあなたがあんな状態になったのむしろ自分の相棒のせいかもしれないし!!!」

「放してください!!このままでは失態を晒し続けた上、新しい汚点を増やしてしまうかも……そうなる前に元凶を叩きさえすれば…!!」

「落ち着けというに!!!というか初対面の人間に組み付いて止めるとか初めての体験だがこんな体験したくなかった!!!」

…テラカオス…




何はともあれ皆さん。改めまして…

「「「「良いお年を!!!」」」」

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