バカとナイトと有頂天 作:俊海
昔はこの日をレイブロの日と言ってたらしいですけど、最近はめっきり少なくなったようで。
なんとなくの思いつきで、今年は私もやってみようかなと書いてみました。
……なぜか中身が、レイブロというより魔理霖のようになった気がしますが。
そこは笑って見逃してください。
さてと……10/26に投稿する小説も書かなくちゃ(使命感)
それではどうぞ。
「…………『むむむ』」
博麗神社の賽銭箱、その目の前に何やら唸っている長身の少年がいた。
名はブロントさん。
霖之助の部屋を借りるつもりが、余裕がないということで、一ヶ月ほど前からこの神社に居候している謙虚なナイトだ。
「それにしても、本当にこれが正しいんですかねえ?本当に日本人がいつもやっているなら、日本人の財布事情は圧倒的にさすがって感じ。上がるのではなく上がってしまうのが日本の物価」
「何をぶつくさ言ってるんですかブロントさん。お賽銭箱の前に立ち尽くしちゃって」
そのブロントさんに声をかけたのは、博麗霊夢。
この神社の巫女であり、ブロントさんが来るまでの唯一の住人でもあった。
「霊夢か。……そういえばお前の神社なのだからお前に聞けばよかったと思った。すみません霊夢さん」
「何か用かしら?」
「お賽銭についての知識はありますか?」
「ある」
「そうですかありがとう。博麗神社すごいですね」
「それほどでもないわ」
「やはり知っていた!しかも博麗神社に住んでいるのに謙虚にそれほどでもないと言った!」
「いやいや、そんなの当たり前でしょうに……」
誰でも出来そうなことで褒められても、霊夢としては苦笑する他なかった。
「それで、お賽銭について何が聞きたいんですか?」
「せっかく神社にいるから必要最低限の施しだけしていこうと賽銭箱に金をマジでかなぐり捨てようとしたが、『たしかに賽銭を入れるのは勝手だがそれなりの入れ方があるでしょう?』と考えた俺は、適当に入れようとした金を財布へバックステッポさせて、賽銭のマナーについて調べたら、『お前それで良いのか?』と思うような記事が出てきた。だから一級巫女であるお前に確認したかった」
「お賽銭の作法を知りたかったんですか?それなら、お賽銭は投げ入れるんじゃなくて、神様への感謝の気持ちを込めて、そっと差し出す感じで入れるのが――」
少しだけ得意げに、説明しはじめる霊夢をよそに、ブロントさんは続けた。
「――紳士なら1万円札が常識なのか?」
「……えっ?」
「俺はイングリッシュだからよ、紳士的な行動はするし、刺繍入りのハンカチも携帯している。この記事に書いてあることには『お賽銭は1000円以上であるのが必要不可欠。謙虚な金額を賽銭箱におごってやる男子は貧乏ったらしいだけで、将来性のなさがオーラになって見えそうになっている』らしいんだが。これが常識なら日本人の家計が鯉のぼりになるな」
そう言って、スマホで開かれた記事を霊夢に見せつける。
そこには、『女子を不幸にする男子の特徴』とやらが載っていた。
「あー……まあ、ある意味では一万円札を入れるのは間違ってないですよ?その一年を『円満(えんまん)』に過ごせますようにって願をかけるならですけど……」
「そうなのか。見事な理論だと関心はするがどこもおかしくはないな。それじゃあ――」
「ストップですブロントさん。その記事に乗せられてお賽銭するのだけはやめてください」
一万円札を入れようとするブロントさんの腕を掴んで止める霊夢。
流石に間違った知識でお賽銭して欲しくないらしい。
「その記事は何から何まで間違ってます。そんなのでお賽銭しないでください」
「おいおい(呆れ)生半可な一般人には真似できない賽銭をしているのに何が間違ってるわけ?金をかければ神様のご利益とかがポコじゃか増えるのは火を煮るより明らか」
「ポコじゃかとか初めて聞きましたね、どこの言葉ですか?」
「どこだっていいだろ、言語学者なのかよ」
なんとなく聞いただけなのに、妙な返しをされて、霊夢は少しイラっときたが、ここでスルーをするのが大人の醍醐味。
いちいちそんなことでイラついていたら、ブロントさんと会話するだけでどれだけ堪忍袋の緒が必要になるかわかったものではない。
「まあいいです。そもそも、ご利益をもらおうとお賽銭するのが間違いです。お賽銭は『お願いを聞いてほしいから供える』ものじゃなくて、『神様からいただいた幸福に感謝をする』ということの意思表示なんですから、『神様への感謝がしたい』という思いがないなら、お賽銭の意味がないですよ?」
「その理屈だとお賽銭で願掛けすること自体間違ってるってことかよ、みろ見事なカウンターで返した」
「だからといってお願いをしてはいけないわけじゃないです。まずは神様に感謝をしてから、お願いを聞いていただくという流れなら問題なしってわけです」
「ほう……ならいくら払えばいいのか教えるべき、早く教えテ!」
「オーソドックスなのはやっぱり五円玉かしら。ご縁がありますようにという語呂合わせで。四方八方ご縁があるってことで485円とか、31円なんかは割り切れない数字なので、恋愛が続くようにお祈りするのに良いとされてます」
「ならどちかというと大間違いな賽銭はいくらだ?」
「十円玉で遠縁、ろくなご縁がないで65円、これ以上の効果――硬貨がないってことで500円玉なんかですね」
「……そんな語呂合わせでいいのか?神様たちがお笑い好きなら『そんな語呂合わせで笑いが取れると思う浅はかさは愚かしい』とか言われて神様の怒りが有頂天にならにいか?」
「あら、案外語呂合わせって馬鹿にならないものよ?日本語なんて、語呂合わせからきてるものが多いし、神様もいろいろ俗っぽいのが多いんだから」
「日本の神様心が広大すぐる……」
「まあ一番いいのは、自分がそのときに供えたいと思った金額ね。あくまでもその人の気持ちが大事だし、無理のない程度に、そっと投げて供えれば何も言うこと無しよ」
「ふむ……」
言われて、ブロントさんが少し考え込む。
どれだけ入れるか悩んでいるのだろう。
……が。
「俺はこのまま一万円札でいいんだが?」
「えっ」
霊夢が反応する間もなく、ブロントさんは賽銭箱に一万円札を入れてしまった。
「あの……私の話聞いてました?」
「おもわずいさぎよい武の心がでてしまった結果がこれ。神様に感謝するなら一万円でいい」
「何でそんなに大金を入れたんですか!?」
「なんだ急に牙ぬいてきた>>霊夢。この賽銭はお前の得になるのにどうして怒っているのか理解不能状態なんだが……」
「それとこれとは話が違います!というより、うちの神社はもとから客なんか来ないんだから気にしないんです!」
「客が来ないとかちょとsYレならんしょこれは……お前はもう少し賽銭とかを要求するべきだと思った。まあ財政的にね?」
「その話は置いといて、なんで入れたんですか?」
霊夢としては、普通に暮らしていけるなら、それほどお金に頓着はしていない。
……まあ少食だったのだが、ブロントさんが来てからというものの、少しばかり食事量が増えたのは否めないが。
あんな説明をしたばかりなのに、ブロントさんが大金を入れたのが霊夢にはわからなかった。
「俺は霊夢の主張には「」確かになとみとめているが「俺が望んだ事ではある」という意見。圧倒的な生命維持能力を保持するナイトと今までの出会いの組み合わせは他の者をを魅了するほど、何度も見つめられ人との山脈の貴重さを世に広めることでボッチ世界よりも充実したリアル生活が認可されてきた以上神様に感謝して、その感謝の対価が一万円なのはちょろいもん」
「要するに……神様への感謝の気持ちが一万円分位あるってことですか?」
「確定的に明らか」
「そりゃまたなんで――」
「霊夢に会えたしな」
「――え?」
さらっと、とんでもないことを抜かす恥知らずのナイトがいた。
「俺は霊夢をフレだと思っている。だが博麗神社がなかったら俺は霊夢に会えない会いにくいって状態だったからよ、引き合わせてくれたこの神社に感謝しないとか俺のシマじゃノーカンだから」
「……ふーん、私に会えたことに感謝してるんですかー。別にそんなことでお賽銭とかしなくてもいいと思うんですけどねー。とんだ女ったらしですねーブロントさんはー」
「は?誰が女たらしって証拠だよ?そういうのは名誉毀損で犯罪行為だから訴えられたら色々調べられて人生がゲームオーバーになる。別にお前だけじゃにいぞ?他にもお前以外に出会ったやつのことも考えてるし以下レスひ不要です」
若干早口になって否定するが、そんなのはどこ吹く風と言わんばかりに霊夢は流した。
「はいはい分かりましたから。今から霖之助さんのところに行く用事があるんですけど、ブロントさんも行きますか?」
「ほう、ナイトをPTに入れるとは経験が生きたな。こう誘いがあっては一人の時間も作れない(リアル話)」
「いかないんですか?」
「行くます!準備系の仕事が今からあるからこれで。9分でカカッっと用意するから待ってろ」
誘われて、即座に自分の部屋に戻っていくブロントさんを眺めながら、無意識のうちに霊夢は笑みを浮かべていた。
「全く……ブロントさんはからかうと面白いわね。純粋すぎて不安になりそうだわ」
まあ、こうやって微笑ましい気分になるのも、あまりにも愚直で、天然なブロントさんに対して、子供を見守る親のような気分になってるだけだ。
それ以上の感情なんてあるわけがない。
「待たせたな霊夢。準備の方は完 全 終 了したから連れて行って良いぞ」
「あいも変わらず早いわね。3分しか経ってないじゃないですか」
「とんずらを使って普通ならまだ付かない時間できょうきょ参戦できるからな。瞬足で固めたナイトに隙はなかった」
「それじゃあ行きましょうか」
「hai!」
なんとなく、この時間がずっと続けばいいのにと、柄にもなく霊夢の頭によぎったのは気のせいなんだろう。
気のせいったら気のせいだ。
「そるにしても霊夢は神社を潰したくないなら賽銭の大切さを他のやつらにも伝えてやるべき」
「あーあんまり耳に痛いことを言わないでよ……またお姉さんのトラウマが再発しそうだわ……。そこまで言うなら、登校初日の自己紹介の時にでも一回言ってみますから、突っ込まないでください」
「お前はなかなか分かっているようだな。ジュースをおごってやろう。俺ももう少しで汚い記事に騙されるところだった。やはりネット記事よりやはり巫女だな、今回のでそれが良くわかったよ>>霊夢感謝」
「あんなネタ記事を信じる人も信じる人ですけどねー。あんなので女を不幸にするとかありえないですって」
「む牛ン……言い返そうと必死に回転させたが言い返す言葉が出なかった……」
「巫女とかそういうの抜きで言うんだったら、そのお金をお賽銭に使うくらいなら一緒に遊びに行くか食事に行くのに使って欲しいですよ。むしろ、一万円入れてたら若干引きます」
「ちくしょうあの記事は馬鹿だ……。汚いなさすがネット記事きたない……」
――――…………
「やあいらっしゃい。霊夢にブロントさん」
二人は目的地である香霖堂にたどり着いたが、その店内は閉め切られているせいか、薄暗くて埃っぽい。
そしてなおかつ、なんなのかよく分からないガラク――もとい商品が所狭しと並べられているため、非常に圧迫感を覚えてしまう店の奥から、来客への挨拶の声が聞こえた。
「こんにちは霖之助さん。服は出来上がってるかしら?」
「出来ているとも。それにしても、どうして君はこんなにも服をボロボロにできるんだい?なにも怪物退治でもしてるわけじゃあるまいし」
「あら、私の姉がどんな人だったかを忘れたわけじゃないでしょう?したくはないけど、修行を怠ってたら、どんな目に合わされるか……」
「……それもそうだったね。いや、妙な質問をしてすまない」
「分かればいいのよ」
「……お前ら二人をそこまでビビらせる霊夢の姉に寒気すら感じる始末。霊夢の姉貴は鬼の力といったところかな」
「いえ、多分鬼でも殴り殺せると思います」
「マジ震えてきやがった……怖いです……」
もはやブロントさんの頭には、霊夢の姉が、自分の姉か、それ以上のクリーチャーとして描かれ始めている。
だが、実際に出会ったとき、そんな想像は生ぬるかったと考えを改めることになるとは思いもよらないのであった。
「本当に、どうやってあんなモンスターに霖之助さんは勝ったの?ちょっと想像がつかないんですけど」
「あまり吹聴したくないから、その質問に対する回答は御免被る。彼女は素手だというのに、こっちはいくつも道具だの武器だのを使ったんだから、傍から見ればアンフェアにしか思えないだろうしね」
「お姉さんは、存在自体が不公平だわ。どんな手段を使っても、あれに勝てるなら普通に誇っていいわよ?」
「僕は荒事が苦手なんだ。そんな噂が広まってみたまえ。無駄に喧嘩が好きな人間に勝負を挑まれる羽目になるじゃないか」
「謙虚だなー憧れちゃうなー。……その口ぶりからすると、古代にタイマンを挑まれたり、不意だまをくらったりしてた系の話があるのか?」
「むしろ日常茶飯事だったとも言えるね。全く、気の休まる日がなかったのだけは苦痛だったよ」
気の休まる日がなかったの『だけ』は苦痛だった。と言っている。
それは、それ以外のことはどうでもいいレベルだったと言ってるも同然だ。
そう、普通なら『怪我をした』ことや、下手したら『入院した』ことが苦痛に感じるはずなのに。
そういう感想が出てこないということは、つまり……
「>そっとしておこう」
「なんですか、そのセリフ?」
「俺の昔のフレである番長が稀によく使っていた口癖だ。裏世界でひっそり幕を閉じる羽目になるような事情に踏み込まないための合言葉だべ」
「ふ~ん」
なにか嫌な予感を察知したブロントさんは、それ以上踏み込まず、適当に流すことにした。
「おーい香霖!そろそろ出来上がるから机の上を片付けとけよなー!」
「ああ、分かったよ魔理沙」
「っと、あれ?霊夢にブロントさん?なんでこんな辺鄙な店に来てるんだ?」
「辺鄙な店で悪かったね」
元気そうな少女の声が、香霖堂に響き渡る。
その声に追従する形で、片側だけおさげにして前に垂らした金髪で、霊夢よりも少し身長が低めの少女――霧雨魔理沙が、何故か割烹着を着ながら奥から出てきた。
「細かいことを気にしちゃダメだぜ香霖。そんなことより霊夢達は昼飯はまだか?」
「確かにこのままでは俺の胃袋が空腹でマッハだな。霊夢はどうだ?」
「私もですね。それがどうしたの?」
「せっかくだし、二人とも昼飯食べるか?なーに今回は特別サービスでタダで食べさせてやるぜ」
「何いきなり勝手に決めてるんだ。その食材はもともと僕の家にあったものだろう」
「かびてたり、腐りかけてる食べ物を整理したのはどこの誰だと思ってるんだ?このままほっといても食べられないまま捨てられてただけじゃないか。そういったものを有効活用してるんだから感謝して欲しいくらいだぜ」
「大体、魔理沙は僕の家にある調味料を借りに来ただけだろう?それだというのにいつの間に料理なんか作ってるんだい?僕はそんなことを頼んではいないぞ」
「おいおい、私が『昼飯に何が食べたい?』って聞いた時に返事したのは香霖だぜ?これはもう料理を許可したも同然じゃないか。今だって机の上を片付けるのに勤しんでるあたり、体は嘘が付けないな?」
森近霖之助と霧雨魔理沙、実は年の離れた幼馴染だったりする。
どちらかというと、近所のお兄さんになついている妹分といったほうが正しいか。
互いに遠慮のない言葉が飛び交うあたり、仲はいいのだろう。
「はぁー……分かった分かった、今回は僕の負けだ。魔理沙の好きにするといい。で、君たちも食べていくかい?」
「……霊夢?俺が思うに、ここはバックステッポして一歩引くのが大人の醍醐味ではないか?魔理沙に『二人の世界の邪魔はしないでくだふぁい』って言われたらどうする?」
「ここは普通に乗ったほうがいいですよ。誘ったのは魔理沙なんだし、魔理沙の行動も昔からやってることだから、今更気にしたりしないでしょ」
「なるほどなというか鬼なる。……俺たちも食べさせてくださいますか?」
「よしきた!霊夢もブロントさんも全力で食べてもいいぜ?」
「やっと許しが出たか!」
「封印が解けられた!」
「……僕はダメなのかい?」
「香霖はもともと小食だろうが。昔っからいっつも作ってやっても完食するのに時間をかけるんだから困るぜ」
「それでも魔理沙の作ったものなんだから、残すのも勿体無いだろう。こうやって頑張って食べきってる僕を評価してくれてもいいと思うんだが」
「あ、すみませんそろそろお腹がいっぱいになるのでその辺でやめてもらってもよろしいでしょうか?」
「あれ?どうしたんだブロントさん?やたらはっきり日本語を喋るじゃないか」
あまりの熟年っぷりさといったら、その空気に当てられて、ブロントさんが妙な文法の言語を使うことを忘れてしまうほどだった。
――……
ちなみに食事風景は、カオスの様相を呈していた。
「……魔理沙、どうして僕の上に座る?」
「ここは私の特等席だぜ?」
「食べにくいから降りて欲しいんだが」
「だが断るぜ。この魔理沙ちゃんの最も好きなことは、懇願してくる香霖に『No』と言ってやることだからな」
「……昼飯を食べているはずなのに砂糖を食べているという表情になる。霊夢からも何か言ってやるべきそうすべ……何やってるわけ?」
「何って、私もブロントさんの膝の上に座ろうかと思って移動してるだけですけど?」
「おいィィィ!?いやお前は羞恥心という名セリフを知らないのかよ!?この話は早くも終了ですね!」
「ちょっと位いいじゃないですか。魔理沙がいつもやってるから一回試してみたかったし、私たちの仲でしょう?」
「お前を膝に座らせるほどの仲になってる事実はない英語で言うとフィクションだと言っているサル!お前は男が怖くないのか!?」
「いや別に?まーブロントさんだし大丈夫じゃないかなーって」
「お前の俺への信頼が怖い……oi霖之助、どうにかすろ……」
「……いいかいブロントさん、女性の心は理解できないんだ。そして理解できないことは考えない。それが僕の処世術さ」
「つまり?」
「激流に身を任せ同化する」
「……オウフ」
余談だが、ブロントさんの膝は防衛しきれたらしい。
膝のガードを固めたブロントさんに隙はなかった。
――……
「そうそうブロントさん。あと一週間もしたら部屋が空くから、引越しの準備をしておいたほうがいいよ」
「えっ?」
「それは助かる。女と同居するのは、ハーレム主人公にとっては神の贈物だが俺にとっては地獄の宴だからな。『霖之助のおかげだ』『助かった、終わったと思ったよ』と俺が拍手しだした」
帰り際の突然の報告に、ブロントさんは喜び、霊夢はどこか複雑そうな表情になった。
「一週間後ということは、クラス分けテストの二日前か。それまでは世話をかけるな霊夢」
「んー……はい。そうですね」
「そももも男がリア♀と同居していること自体が異常な超常現状だったからな」
「はぁーあ、なんとなく、ブロントさんが一緒に暮らしているのが普通になってた気がしますよ」
「おいおい(呆れ)それは一般的にしてはいけないと思うんですがねえ?俺が紳士でよかったな紳士じゃなかったらお前はもう死んでるぞ」
「ま、そこはブロントさんを信じてたってことでどうか」
「やはりナイトと忍者のLS信頼度は違いすぎた。かといって世の中の野郎は俺みたいな紳士ばかりじゃないからな以後気をつけろ(この辺の心配りが人気の秘訣)」
「そうですね。まあ元の生活に戻るだけですし、なんてこともないですかね」
そうだ。
別に何でもないんだ。
今までだって、誰に対してもさほど興味がなかったじゃないか。
というか、これで何かあるなら私は少しちょろすぎやしないだろうか。
そんなことを霊夢が思ったかは分からないが、時間は無情にも過ぎていく――
続いたとしたら、たぶん次で最後英語で言うとクライマックス