ここからだ!→
6月8日。今日でこのMeltoutを書き始めてちょうど三年となります。
そんな節目に、CCC編に幕を下ろさせていただきます。
また、長くなりすぎて色々と面倒なのでGO編は続編として、新たに作成したいと思っています。
リアルが忙しい時期のため、落ち着いてからの執筆になるので、開始は随分と先になります。
開始時期に目途が付いたら活動報告で報告させていただきます。
なんで前書きにこの連絡を書いたかって、用語集長すぎるためです。
約四万六千字になります。是非もないね。
では、ここでの最後の更新とさせていただきます。どうぞ。
『アーチャー(赤)』【サーヴァント】
人それを――修羅場という。つーか初っ端が番外キャラってどうよ?
夢の対決で白斗とメルトの前に現れたサーヴァント。
赤い外套に身を包んだ色黒の男性。つまり、EXTRA及びCCCで契約できるアーチャーである。
元になった人物はいるが、サーヴァントとしての真名は無い。いわば無銘の英霊。
メルト最大の黒歴史。EXTRA編では記憶が無かったが、ムーンセルを取り込み並行時空の情報を取得することでアーチャーの記憶を思い出した。
白野に一途だと思ってたら何か変なのに恋してた。何を言ってるか分からないが――さぞこんな心境だった事だろう。
知られたくないし黙っていたメルトだが、夢の対決でまさかの遭遇。
色々とバレる結果となった。
彼は彼で、憑き物(メルト)がいなくなってホッとしているが心境的にメルトはこのとき凄まじい苦しみを持っていただろう。
『アーチャー(緑)』【サーヴァント】
サーヴァントたちがいつ脱落するか分からないCCC編。
誰が想像したか。彼が最終決戦まで生き残るなど。
ダン・ブラックモアと契約したサーヴァント。
真名はロビンフッド。シャーウッドの森を拠点として村を守った義賊であり、正確にはロビンフッドの名を襲名した名も無き英霊。
真正面からではなく、計略で相手を陥れる毒と罠の
罠の知識はかなりのものであり、二階層ではBBの罠の性質を見破り突破した。
その後、アタランテと戦闘。遥かに勝る技量を持った弓兵を相手にどうにか追いすがり、この場を引き分けに収めた。
この時からロビンフッドは、アタランテに対して小さからぬ憧憬を抱いていた。
決定力に欠けるサーヴァントだが搦め手は実に優秀。ローズマリーとの戦いでも、戦闘終盤まで隠れ潜んだ末に致命的な一撃を与えた。
サクラ迷宮への入り口である桜の木の上がお気に入り。アタランテと共に度々語らっていた。
故にこそ、ロビンフッドはアタランテのジャックへの執着をよく理解していた。
ジャックが消滅したことで自暴自棄になったこと。尚も子供たちの生を望んでいたこと。
子供たちを生かすために魔獣へと変貌した弓兵を、彼は英霊として挑み、討ち取った。
狂って堕ちていくのを見て居た堪れなかった。最後に、真っ向から勝負を挑んだのは、偉大なる英霊に対する、小心者の最大限の敬意であった。
『赤い悪魔』【宝具】
最早語るまでもないが「紅州宴歳館泰山」が生み出した「
CCC編においては「聖杯戦争の勝者」という強力なバックアップもあり、EXTRA編を超える未曾有の大災害を引き起こした。
新規でこの呪いに耐え切れたものはいない。言峰神父、紫藤 白斗、黄崎 白羽の三名のみが、引き続き真性悪魔の加護を得た。
『アサシン(赤)』【サーヴァント】
ユリウス・B・ハーウェイと契約したサーヴァント。
真名は李書文。十九世紀から二十世紀にかけて生きた魔拳士。李氏八極拳の創始者。
中国に生を受け、あらゆる套路を極め、圏境にまで至った最強の拳法家である。
CCC編では第二階層でセイバー相手に初戦闘。圏境をもって大英雄を相手に立ち回った。
また、パッションリップに拳法を教授した。
その期間はごく短かったが、元より李書文は生前のように何年も教えを与えられないことを分かっていた。
ゆえにいつでも終了と出来る形で、基本を叩き込んでいった。
案の定、白斗が四階層の攻略を終えたその日、彼の教えは終わる。
犬空間においてユリウスの令呪によって召喚。時間稼ぎのために無限の影を相手に戦い、役目を果たして散っていった。
……と思われていたが、消滅の直前ノートの泥によって捕えられ、黒化してヴァイオレットとの決戦で登場。
ノートから貸し与えられヴァイオレットの手駒としてリップと交戦。
拳を交えた戦い、本来ならば敗北する要因など何も存在しないが、既に消耗の激しかったアサシンはリップの成長もあって敗北。
その後最後の力を振るい、満身創痍の肉体をしてヒュドラを打ち倒す大金星を上げ、弟子の成長に満足を覚えながらも消滅した。
CCC編において、アサシンはリップの成長要員という意味合いが大きい。
拳法の種類や流派云々を知らないリップの力任せな空手道は、結局無自覚のままに李氏八極にまで昇華された。
『アタランテ』【サーヴァント】
BBの手駒として登場したサーヴァント。クラスはアーチャー。
聖杯戦争に参加したとあるマスターと契約していたが、月の裏側に来るまでに死亡している。
一応、記録としては四回戦で敗退。曰くマスターとの意見の相違とか敗北ではなく、自らマスターを殺害している。
古風な口調だが気品はなく、一見すれば粗野な女性に見える。だが実際は思慮深く、野生として育ったゆえの独自の思考や感覚を持っている。
助言こそすれど、何かを望むものにそれを与えることは一切ない。獣も同然に育った彼女にとって「生きる糧は自らの手で掴むもの」であり弱肉強食、その死生観は糧は奪って手に入れるというもの。
望みは「子供たちが幸せに暮らせる世界」を作ること。親に愛された子供が大人になり、産まれた子供をまた愛するという幸福の循環こそアタランテが望む世界である。
ゆえに子供に対しては多少優しい。どころか子供を守るにおいては自らの命が狙われる以上の怒りと苛烈さをもって相手を打倒する。
謎の優遇アーチャーサーヴァント『赤リンゴ』として登場。速攻で名乗って速攻で宝具も使った。
BBに従ってこそいるが本来の目的は同じくしてBBに使役されるジャックを救うこと。
最大の天敵をローズマリーと定めており、彼女の拘束からジャックを解放し、共に旧校舎に逃げ延び生徒会に加入した。
弓兵としての実力は、外典では某先生に埋もれてしまっているが月の裏側においては間違いなく優秀。
同じ狩人といってもロビンフッドでは遥かに及ばず、二階層で対等に戦えたのは周りに障害物(この場合、サーヴァントやマスター)が存在する上でレンジャーとしての戦いが主となったため。
また、彼女は彼女で今後相手にする上でのその場のサーヴァント全員の立ち回りを確認。一方でロビンは全力。実力の差は大きく、時間制限さえなければあの後五分と経たずに戦力の把握は終わり、決着はついていた。
仲間になった後は同じ弓兵仲間として割と仲が良い。だが「チャラい性格」は好きにはなれないらしく、向こうも「年寄りくさい」と微妙に反りが合わない。
守る対象はジャックに加え、ありすとアリスが追加。しかし、死と隣り合わせの月の裏側で、狩人一人では限界があった。
ジャックを看取った彼女はその右腕に、生まれることすら拒まれた胎児たちの呪いを宿す。その上で、いつかこの子たちに幸せを見せてやろうと。
呪いは段々と広がり、遂には身体の八割方を侵食。尚も信念を通すべく、最終決戦に参加。
マスターであるガトーを己を確認できる場所から離し、ただ“生きる”――そのためだけに最終宝具を解放。
結果、影に対して微塵の遅れもなくなるが、獣以下の魔物と化した彼女を許せなかった一人の男によって致命傷を受ける。
堕ちた存在であれば、地獄の存在に手は伸ばせても引き上げられよう筈もない。アタランテがそれに気付いたのは、全て手遅れとなった死の淵だった。
二種に大別された宝具を操り、弓兵でありながら近接戦闘も得意。
『諍いの戦利品』を纏った『神罰の野猪』、『訴状の矢文』の範囲を狭め威力を上昇させた『北斗の七矢』と攻撃的バランスも取れており、その上判断力にも長けた優秀なサーヴァント。
ながら不遇なのは、どうしようもない「地味」という理由だった。
+
当初の外典勢の中では最後に登場が決定したサーヴァント。
活躍に乏しく素手で矢止められたり不遇だったという理由だったのに四巻になっていきなり見せ場を作ったのでびっくり。
それ以上に活躍させるためにとりあえず宝具全部還元した結果、ギリシャ神話の英雄に遜色ない力が猛威を振るった。と思う。
『ありす』【マスター】
月の裏側に落ちたマスターの一人。プリ○ュア系ゴスロリ幼女組の白い方。
その正体はサイバーゴースト。既に地上の肉体は絶命し、霊子化した魂だけが電脳空間に残り続けている。
――というのが、EXTRA編までの彼女の境遇。
CCC編では他のマスターと同じように、メルトの記憶から再現された。
しかし、メルトの知るありすはその時点で地上とは乖離された存在。ゆえにCCCが終了し、その存在に猶予が生まれても地上に戻る手段は存在しない。
そも、平行世界であろうとも幼いありすがその精神を持ったまま帰還できる世界が存在しないのだ。
ありすは空爆により瀕死となり延命させられていたが、その時期は第二次大戦期。
ムーンセルの運営する平行世界では、十年二十年の差異ならまだしも、半世紀を越えるほどの年月を誤差なく適合させるのは難しい。
少なくとも、時間との戦いとなるCCC決着後に検索するのは無理に等しい。
こうした事情から、ありすはCCCの後も月に残ることとなった。
この遍歴を踏まえると、ありすの実年齢は八十超えとなり、マスター最年長と……この話は良くない。夢を壊す。やめておこう。ありすにロリババア属性はいらない。
月の裏側においてもありすは一切変わらず、アリスと共に非日常を駆け回っていた。
そうした中で外見年齢の程近いアンデルセンと仲良くなり(というより一方的に懐き)よくちょっかいを出していた。
CCC編で非常に描写が少なかったのは、ありすが日常の体現者であるから。
他のマスターたちが危機感を持って表を目指す中でありすは常に変わらず、無邪気な子供であり続けた。
最終決戦でさえも、ありすにとっては一時の夢物語なのだ。
表に戻っても、ありすはアリスと共に毎日を面白おかしく過ごしている。
タイg……藤村、言峰、プロテアに次ぐ問題児であるのだが、その外見がメルトのツボであるためかお咎めは少ない。なんという贔屓。
『アリス』【サーヴァント】
ありすのサーヴァント。プ○キュア系ゴスロリ幼女組の黒い方。クラスはキャスター
真名はナーサリーライム。英語圏でいうわらべ歌。契約したマスターによって姿を変える不定形の英霊。
ありすとの契約下においては、ありすの「自分が主人公であったなら」という夢のもと、同じ姿をとっている。
また本作では、この姿であり続けているのはありすが例外的に契約したもう一人のサーヴァント、ルイス・キャロルによる影響も強いという設定。
外見も性格もありすに瓜二つ。ながらありすを守り、危険は咎めたりする辺り、紛れもなくサーヴァント。
CCC編ではありすと同じく、傍観者でも演者でもない例外として存在し続けた。
戦闘に参加したのは最終決戦のみ。
己のマスターと、事件に巻き込まれた迷い人たちを守り抜き、収束後はありすと共に月を騒がせている。
サーヴァントでありながら、事件の後もムーンセルに回収されずマスターと契約し続けている例外の中の例外。
『アルジュナ』【サーヴァント】
ジナコ=カリギリと契約したサーヴァント。
逆立てた金の髪が特徴の青年。クラスはアーチャー。
インドの巨大叙事詩、マハーバーラタの中心人物であり、パーンダヴァ五兄弟の三男。
雷神インドラとクンティーの間に生まれた子供。カルナとは異父兄弟であり、カルナの死後までアルジュナはそれを知らなかった。
サーヴァントとしてのランクは特Aランク。ギルガメッシュやカルナと肩を並べる力を持った大英雄。
他とは一線を画しているのは攻撃力の高さ。存在が規格外である『
性格は公明正大。というのも、アルジュナの在り方そのものが「公」に極めて近いため。
清く、明るく、まるで聖人君子のような正しさとジナコの反りが合わなかったのは、彼がジナコにとってひどく眩しく映ったためだろう。
立ち位置的には四章終盤におけるレオとガウェイン脱落の代替。
また、鎧でジナコを助けるという原作同様の展開は当初から予定していたため、その展開まで持っていくための要因。
宝具は五つ所有しているが、そのうち一つ――戦車は本来の力を発揮できない。
アルジュナが騎乗スキルを有していないことと、彼が信ずる御者と協力しなければならないという条件が月の聖杯戦争に向いていないためだ。
ただし調整は出来ずとも、運転は可能。アーチャーとしてのアルジュナの正しい戦い方は、空に展開した弓で爆撃しつつ戦車の荒々しい動きで戦場を蹂躙するというもの。
ちなみにライダーで呼ばれた場合、戦車の扱いが冴える代わりに『大黒よ、地に刻め』が使えなくなる。
CCC編四章で脱落。ノートに捕えられ黒化するが、五つ目の宝具『静謐の王冠』によって精神まで侵されず、確実にノートを倒し得る好機を窺っていた。
八章、ノート戦でその時は訪れる。ジナコの令呪の援けもあって、遂にノートに一矢報いた。
この最後の瞬間、ジナコとアルジュナ――噛み合わない二人は初めて、互いの力を以て強敵に一泡吹かせたのだ。
尚、死の間際、アルジュナはカルナにジナコのことを託している。
仔細は全て、カルナに任せた。「施しの英雄」である彼ならば、間違いはあるまい――。
生涯最大の敵として戦った。だから彼の実力は理解している。
義兄への最初で最後の願いは、太陽の鎧を以て叶えられることとなった。
+
FGOではアーチャークラス、SSRのサーヴァントとして公式のアルジュナが登場。
白髪:黒髪、色白の肌:色黒の肌、黒い装束:白い装束、赤い装飾:青い装飾と、いっそ清々しい程にカルナと正反対だった。
本作のアルジュナもカルナとの対比を狙ったが、精々が金:銀程度。なるほどここまですれば良いのかという勉強になった。
カルナが「施しの英雄」なのに対して、アルジュナは「授かりの英雄」。何故かスキルと化している上、凄まじいチートスキルになっている。
スター生成の一因となって、クリティカルダメージの強さが肝であるカルナにスターを回せる妙な相性の良さは皮肉としか言えない。
『アルターエゴ』【事柄】
オルターエゴとも。BBから作られた人工サーヴァント。
またの名をサクラセブン。原作+没キャラのサクラファイブにオリキャラとして二人追加された。
パッションリップ、メルトリリスの二人はこの作品では厳密にはアルターエゴに含まれないが、この項では同様のものとして扱うこととする。
上述の二人に加え、カズラドロップ、ヴァイオレット、キングプロテア。
そして
それぞれ愛憎、快楽、慈愛、純潔、渇愛、情愛、秘密を司る。
+
ちょっとした小ネタだがサクラセブンのスキルはサーヴァント七クラスのクラススキルをそれぞれ所持している。
パッションリップ:気配遮断→アサシン
メルトリリス:騎乗→ライダー
カズラドロップ:単独行動→アーチャー
ヴァイオレット:対魔力、騎乗→セイバー(「ライダーも同じじゃん」は禁句)
キングプロテア:陣地作成→キャスター
ローズマリー:バグハート(狂化)→バーサーカー
ノート:戦闘続行→ランサー(戦闘続行はEXマテにて
ただしノートの戦闘続行はエリザベートのそれとは違いガチなもの。
『アルテミス』【女神】
メルトに組み込まれた女神の一柱。
ギリシャ神話における狩り、貞潔、そして月を司る女神。また、病毒や死に通ずる恐ろしい側面も持っている。
月女神であるアルテミスは、ムーンセルにおいて最大級の権能を発揮できる。
裏側であろうともその神性は作用し、こと月でアルテミス以上の権能を扱える女神はそうはいない。
無垢心理領域での試練は「供物の裁定」。
月見の原点が月神の崇拝にあるように、月を崇めて供物を捧げるという儀式は古来より存在する。
アルテミスは此度、与えられた令呪の精度をもってして、権能を貸与すべき存在の主を認めた。
『アンデルセン』【サーヴァント】
殺生院 キアラと契約したサーヴァント。クラスはキャスター。
「人魚姫」「マッチ売りの少女」などを世に出した童話作家。
言わずもがな、黒幕の一人。ラスボスたる殺生院 キアラの付き人。彼女に対してひどく否定的なようで、全面的に擁護している。
性格は厭世的。それでいて人間嫌い。だがその生涯で培った人間観察スキルは確かなものであり、評価はアンデルセン自体の主観によるものだが的を射ている。
此度のアンデルセンを、メルトは最初から黒幕であると知っていた。
ながら殺さなかった。否、殺せなかった。
殺したと思い込んで認識を怠ることが危険であることを、メルトは十分に理解していたからだ。
なお、最初期に二名を殺した場合どうなったかは不明。だが、五章――ローズの手に掛かった段階では既に身代わりとすり替わっていた。
終盤、本性を現したキアラに追従し再登場。過去の敗戦を活かし、アンデルセンという英霊の成せる最善をもってキアラの物語を書き上げる。
しかしそれを以てしても――神代の権能には及ばなかった。
最後に何を語り合うこともなく、キアラと共に融けて消える直前。
アンデルセンが抱いた感情は、記憶に存在しないかつての自分に酷似したものだった。
+
章末では解説役として登場。
「アンデル先生」の語呂の良さと作家という役回りからなんとなく気に入って抜擢。
常識人枠なのでキャラ崩壊する面々に苦労していた。不憫。
『相反愛はひとつとなりて』【合体技】
ヴァージンレイザー・パラディオン。
お待たせしましたすごい奴。メルトとリップによる最強合体技。Aランク相当の対人攻撃スキル。
リップが砲台となり、その腕で思い切りメルトを発射。勢いそのままに相手に突っ込むという単純ながらパワフルな夢の協力奥義。
この際リップは「(メルトごと)死んで、くださいっ!」と言うのがお約束。メルトが微妙に損な役回り。
一方リップをそこまで嫌っていないメルトは割とノリノリ。不憫である。
最終話でも登場。CCC編最後の攻撃として、藤村による事件の解決に貢献した。
真名だが、これに至るまでにいくつか案が存在した。
まず初めに基になったのはEXTRA編で使われた『砕き溶かすは相反の愛』。
リップの要素とメルトの要素を最後に一字で纏めるというのが決定事項で幾つか考案されている。
「砕く」「溶かす」と動詞が使われていたため、次は名詞にしようという安直な考え。
『粉砕放ちし溶融の弾』『粉砕招く溶融の嵐』が初期案二つ。しかし、なんか「桜らしさ」がないと没に。
その後試行錯誤を続け、『愛しき溶融は粉砕の砲』に仮決定。使用する回を書きながら「もっと二人の合体技っぽくしたい」と考えた。
求められたのは、柔らかい感じのふわふわした名前。無骨すぎず、愛というものを表面に押し出した感じにしたいと思い始める。
そこで考えられたのが決定事項なんてぶっ飛ばした『相反愛はひとつとなりて』。図らずも某聖処女の宝具と被った。
今までの案はなんだったのか。無機的過ぎるガッチガチな名前は全部何処かへ飛んでった。
『ヴァイオレット』【アルターエゴ】
純潔のアルターエゴ。アルターエゴ-C。
本来はCCCの没キャラ。
BBの副官。サクラを支えるライダー系長身眼鏡お姉さん――イメージそのまま、最後までぶれなかったキャラ。
冷静沈着で何事も計算によって結果を予め導き出す。その計算能力はムーンセルの演算機能を応用しているため、ラニのそれを大きく上回る。
頭脳だけでなく、戦闘能力も高い。体を繊維化、鞭などに変形など、宝具を使わずとも並みのサーヴァントを寄せ付けない。
まさに完璧。BBが最も信頼するエゴで、またヴァイオレットもその信頼に応えようとしている。
ヴァイオレットは月の裏側のリソース管理を任されている。
サクラメントや魔力の流れ等、月の裏側のあらゆるリソースはヴァイオレットの管理の下で流動しているため、不正に流れを操作するのは非常に困難。というより無理。
何よりもBBの身を優先しているが、真っ当な姉妹愛はある。
三階層でBBの命令を受けてカズラの階層攻略を支援。これには少なからず、カズラの暴走を止めたいという私情も含まれていた。
五階層ではエリザベートのマネージャーとして登場。
CCCでのシンジの役回りを押し付けて少しばかり肥大化させた結果、本作屈指の苦労人となった。
この階層での白斗の無茶振り+α(主にメルトのせい)を見た結果、放ってはおけないと考えたのが、六階層の衛士となった要因でもある。
その六階層ではBBが確実に生徒会の快進撃を止めるために起用。
ルールに支配された監獄の迷宮は、これまでとは比べ物にならない難関となった。
二層目のビーチも、ヴァイオレットはともかくBBはそれなりに本気で止めるために用意したものだったとか。
また、彼女の根底には、最後のSG――被護願望が存在する。
誰かに守られたい。誰かに身を預けたい。誰かに依存して安心感を得たい。
激戦に敗れ、ノートに処断され、旧校舎に逃げ込んだ今わの際、その多幸感を初めて得たのだった。
――その後消滅したと思われていたが、凛の術式により延命。
完全に回復し、メルトの神話礼装を解放する試練に同行する形で復活。
BBやカズラとも再会し、ノートに対する疑いも晴れることになる。
最終決戦では姉妹らと共にキアラ・エゴと交戦。魔眼を用いたサポートに徹し、勝利を収めた。
事件の収束後はBBの補佐をメインに、白斗たちの秘書のような役目を担っている。
白羽に各種管理の指導をしたり、問題児たちに振り回され、相変わらず苦労人でありながらも、その永遠に続くべき幸福を皆と享受していた。
+
ここから先は本作初期設定の話。
ステータスは筋力C 耐久A+ 敏捷A 魔力B 幸運E。
全身の繊維化もあり全体的な損傷が大きくならないため耐久特化のバランス型と思っていた。全然違った。
宝具は全身の繊維化による魔眼効果の拡大。つまりは『
効果自体は強力だが、他の規格外連中と比べるとイマイチパッとしない。ながらBBを補佐するブレーンとして堅実な力を持ったエゴ、という設定だった。
公式の情報でステータスとスキル、構成された女神が判明。騎乗と変身を組み合わせた能力を持つとか何とかで反映させるために強化が確定。
騎乗する乗り物を作り出す宝具、そして乗り物と同化する宝具を追加。そこまででもなかった戦闘力が大幅に増加した。
『NPC』【事柄】
エヌピーシー。ノンプレイヤーキャラクター。ムーンセルに存在するマスター以外の擬似生命。
蒔寺、氷室、三枝、間目、有稲等個人名は付けられている。本作でメインとなるのは桜と言峰、カレン。三名と一成、藤村は当該記事を参照。
聖杯戦争の勝者であり月の実権を握っている白斗だが、本人の意向でNPC達は「学園生活と同じような態度」で接するよう設定されている。
故にタメ口だったり白斗が敬語だったりする。女性NPCの大体は「さん」付け。男性NPCは呼び捨て。例外として、藤村は「先生」を付け桜は呼び捨て。
ある程度自由は認められているが、重度の違反を起こしたりするとメルトが定めた「24時間耐久超お仕置き空間」なる罰が科せられる。この罰の映像はメルトハウス(仮)の「めるとのへや」に転送される。体験者はF氏とK氏。この二名以外違反者は出ておらず、この二名は常連である。
また、お仕置き内容には「外道麻婆の刑」があったのだがK氏にとっては寧ろ褒美だったため廃止された。以降はK氏に対してのみ「外道麻婆禁止の刑」が追加されている。
『エリザベート』【サーヴァント】
CCCといえばこのサーヴァント。高貴なる竜の娘、エリザベート・バートリー。
サーヴァント界に輝く至高のアイドルにして、最優の英霊……との本人談。
クラスはディーバ。しかしこれはあくまで自称であり、本当のクラスはランサー、またはバーサーカー。
一章では凛、二章ではラニ、五章ではヴァイオレットをマスターとして三度、白斗とメルトの前に立ちはだかった。
本来のマスターは不明。契約は既に切れており、BBはランルー君と再契約させようとしたが失敗。凛やラニと契約させた。
無辜の怪物によって竜化しており、その影響か戦闘に関する逸話は無いがステータスは高水準に纏まっている。
その筋力と耐久に任せた力押しと、逃げる少女たちを追い詰める際に講じた手管が絶妙に絡み合い、非常に厄介なサーヴァント。
まあ実際のところ戦闘能力が高いのか分からないが、作者にとってCCC五章のボス戦はあまりにも手強かった。本編五章の無双っぷりは多分その影響。
登場にあたって何が何でもどうにかしたかったのは、幽閉イベントの打破。
CCCでも最大のトラウマ(作者調べ)と化しているので、有無を言わさずどうにかした。大正義黒い銃身。
五章の後は生徒会に参加。マスターなしの野良サーヴァントとして、旧校舎のリソースを受けて活動していた。
戦闘成績は結構良い。というか、起こり得ない筈の例外――想像だにしない不意打ちさえ発生しなければ、いずれの敗戦もなかっただろう。
キアラが本性を現し、生徒会がその打倒を目的としてからはその達成に力を貸すことを決意。
これは敵でありながら己を助けた白斗に対する恩義によるもの。自身が生存しようという気は、もうなかった。
最終決戦ではかつての自身の階層にてキアラ・エゴと交戦。
ヴラドと共闘し、その華奢な体に微塵も似合わぬガチファイトを繰り広げた。
ボロボロになりながらも、最後は自身の歌で勝負を決める。
しかしその時、エリザベートが望んでいたことは勝利ではなく――その歌を、遥か遠くに届けること。
生まれて初めて、誰かのために歌う。己が絶世の歌声を奏でる唯一の手段を無意識に取りながら、エリザベートは夜に溶けていった。
『ガウェイン』【サーヴァント】
レオナルド・B・ハーウェイと契約したサーヴァント。クラスはセイバー。
アーサー王に付き従った円卓の騎士の一人。太陽の騎士ガウェイン。
円卓の中でもケイやベディヴィエールに続く古参である。
呼べば外れなしとされる円卓の騎士の中でもその実力は随一。
決められた時間のみ能力が三倍となる聖者の数字の発動下ではアーサー王に勝るとも劣らず、ランスロットに次ぐ騎士とされている。
CCC編でも在り方は変わらず、レオの騎士として傍にいた。
立ち位置としては、生徒会の切り札。実働の多いカルナと比べ、いざという決戦にのみ赴いている。借金取り? 知らん。
BBとの戦いでこそ手も足も出なかったものの、それ以外の戦いではその力を存分に発揮している。
キアラのエゴを相手にした最終決戦でさえ殆ど一方的な勝利を掴んでいる。
記憶が戻ったガウェインは、何よりもまず、安堵した。
自身の懸念であった、レオの唯一の瑕。無敗という弱点が消えたからだ。
であれば、この王が地上に帰還すれば、それは完全なる王の誕生ではないだろうか。
それは素晴らしいことだ。何としてでも、レオを帰さなければならない。
白斗がマスターたちの地上への帰還を提示して、その意思はより確たるものになった。
王の栄光の道を拓くべく、ガウェインは聖剣を執った。
令呪を以て命じられた聖剣の最大出力。灼熱は真実、太陽となっただろう。
レオの行く先を照らす、燦々とした陽射し。今生仕えた王に対して牙剥かぬ太陽となって、ガウェインは役目を終えた。
今度こそ、無念は一切なく。
晴れやかな面持ちで、騎士は今一度の眠りについた。
『各層名称』【その他】
各層の名称はCCCのものと同様の層は据え置き、オリジナルのものは新たなものを用意した。
以下は名称の一覧。
第一層 遠坂 凛:隷属庭園 Backyard of Eden
第二層 ラニ=Ⅷ:計算監獄 Girl's Side Laboratory
第三層 カズラドロップ:慈愛神殿 Alter Ego-A
第四層 ジナコ=カリギリ:麻酔城塞 Sick,Home Sink
第五層 エリザベート:血々純潔 Iron Maiden Princess
第六層 ヴァイオレット:完全鎖国 Alter Ego-C
第七層 ローズマリー:渦中楽園 Alter Ego-E
第八層 キングプロテア:欲望終点 Alter Ego/Last Resort
最終層 殺生院 キアラ:聖女ノ深層 Anima Ataraxia.
『カズラドロップ』【アルターエゴ】
慈愛のアルターエゴ。アルターエゴ-A。
本来はCCCの没キャラ。
BBの作り出した、唯一の非戦闘アルターエゴ。
所持しているのは自己防衛手段のみで自分から攻撃する手段は一切持たない。
その性質は健康管理に重きを置いている。BB本来の性質を最も深く引き継いだエゴである。
本作の良妻担当。性格も良く家事全般に不得手はなし。完璧幼女。
変質したBBの違和感に最初に感付き、どうにかすべく行動を起こした。
黒幕たるキアラの存在には気付いていないまでも、最も解決の確率が高いだろう旧校舎の面々との協力という形で、母の救済を目指す。
付加された同属嫌悪のスキルによって、母や他のエゴに対してあまり良い感情は持てないまでも、それは愛情や心配とは別の話。
好意ではなくともカズラは家族を特別大事に思っているのである。
本作において、没アルターエゴの中でもトップクラスにオリジナル設定の強い娘。
Fox Tailへの登場でid_esやスキルの詳細が発表された他二人と違い、少ない情報しかなかったため必然的にそうなった。
三階層の衛士として登場。
見出すことの出来ない本来の自分、自身に備わった攻撃性という秘密に苦悩しながらも、白斗の援助をすべく奮闘していた。
自身から攻撃する性能はごく低いが守勢ともなれば話は別。
領地内の敵を喰らう食虫花のid_esにより、手の付けられない防御性能を発揮する。
ただし弱点として領地を奪う攻撃や遠距離の攻撃との相性は悪い。故に己の串刺し平原を展開するヴラドとの相性は最悪といってもいい。
三階層が攻略されてからは、生徒会側につく。記憶の返還や他のアルタ―エゴの情報提供等を行い協力した。
姉妹や母との敵対は望んでおらず、終始和解を望んでいた。
それが叶ったのは、黒幕が本性を現してから。
ヴァイオレット、プロテア。そして白羽とリップ(とガトー)と共闘し、キアラのエゴを打ち倒した。
事件収束後は中枢で巻き込まれる側の存在となっている。
桜の株を奪いかねない程に家庭的であるため、桜は内心戦々恐々しているとかなんとか。
白斗への想いは健在ながら、積極的なアタックをしようとはしていない。
今は十分幸福であるし、それが続けばいつか好機が訪れる……そんなことを多分奥底で考えつつ、暮らしている。
+
ここから先は本作初期設定の話。
ステータスは筋力E 耐久B 敏捷C 魔力A+ 幸運A。
やたら耐久が高いのはリップとメルトに合わせて、エゴたちのステータスをA+、A、B、C、Eで割り振ろうとしたためである(プロテアはその際例外となった)。
『臥藤 門司』【マスター】
ガトー。月の裏側に落ちたマスターの一人。生徒会での役職は応援団長。
地上のあらゆる宗教に通じ、それらの境地に至った
EXTRA編では一瞬だけ登場。白羽の三回戦の相手として戦ったが、別にCCC編でイザコザとかはない。
白羽からすれば自責の念があったが此方が気にしてないのでなんか馬鹿らしくなったとかなんとか。
お笑い担当兼シリアス崩壊要員。雰囲気の暗いCCCにおいて実に清涼剤だった。
ジナコを気に掛ける面は相変わらずだが、アルジュナによって死の呪いから解放された後は告げる言葉は無くなったと認め、ジナコの部屋に通うのを止めた。
聖杯戦争に敗れた際、原作EXTRAとは違いサーヴァントが消滅した描写があったが、ガトーは特に気にしていない。
「我が神のことだ。戯れに分身を寄越してくれただけ。今も何処かで、洗練されたオレの到着を待っていることだろう――」
なんてことを思っている。待ってはいないだろうが普通に生きてそうだから困る。
最終決戦では何故か最後まで残り、白羽らと共にキアラ・エゴと戦闘。
リップの危機を救い、エゴの拳を躱し、更には反撃して殴り飛ばすという謎の戦闘力を発揮している。
事件が終わった後は、再び女神と邂逅できる時を夢見つつ、武者修行に戻っている。
そんな中、立ち寄った町で彼女の雰囲気を濃密に漂わせた少年と出会っているが――これより未来でひと悶着あるかは、定かではない。
『カレン』【NPC】
ムーンセルの上級AI。役職は健康管理であり、桜に何かしらの問題が発生した場合の代替。
アルゴリズムに欠陥があり、彼女が担当するとマスター達の生存率が著しく低下する。
本作では月の裏側に送られるムーンセルの意思として柳洞 一成が使わしたAIとして登場。
最低限の戦闘能力を必要としたため一体のサーヴァントと存在を合一し、半サーヴァントという形になって現界している。
クラスは
合一したライカの精神と融和しているため、本来のカレンというAIの性格とは誤差が発生している。
最終決戦後、カレンというNPCの存在は跡形もなく燃え尽きたため、復元は不可能となっている。
『カレン・ハクユウ』【未分類】
白斗とメルトが共同で作り出した、ムーンセルを管理する最重要プログラム。形式番号はWM-1。
自立した月の鍵であり、白斗とメルトに倣い名乗る名は「月の愛」。
事件の収束後、暫くの後に完成された。容姿は事件で消滅したAI、カレンに準拠している。
性格もかなり面影があるが、その環境や新たに付け加えられた“心”の存在から多少なり変化が表れている。
本編最終話のみ登場。言峰や藤村、プロテアやありすに劣らない問題児となっている。
GO編ではメインキャラとして頑張る……予定。
両親に倣い、自称する名を月の愛。
『黄崎 白羽』【マスター】
オリジナルキャラクターの一人。パッションリップのマスター。
生徒会での役職は雑務。特に雑務らしい仕事はしていない。
CCC編最初期から黒幕を知っていたマスター。
リップから聞かされていたのだが、彼女を疑いきれず言い出すことが出来なかった。
死を恐れる性質は相変わらず。しかし後半は幾らか吹っ切れて、迷宮に赴いたりもしている。
CCC編では決着術式『愛に触れる刹那のサロメ』を習得。
直接的な戦闘能力は発揮しにくいが、id_esを操るサポート性能は非常に高い。
ある種では白斗よりもマスターとして必要な能力は白羽の方が上手と言える。
白斗に対して、他の面々に対するものとは違う感情を抱いているが、それが恋慕なのかどうかは本人も分かっていない。
他者の気持ちには敏いが、その分自分の気持ちが他者に劣っていると考え、一歩引いてしまっている。
そして、自分の気持ちはそれとして、他の皆の想いは成就されるべき――あまりにも鈍い難敵を前にそんなやきもきした感情を抱いている。
多少なり自己主張をしようとした結果が、七階層でのそれである。ただ独占願望は持ってないので「二番で良い」と思っているのが他者と違うところ。
最終決戦ではガトーやアルターエゴらと共にキアラ・エゴと対決。
トラッシュ&クラッシュをリップに還元することで勝利に一役立った。
その後は月の新たな住民として暮らしている。
ヴァイオレットに師事する形で月の裏側の再構成を通して管理のノウハウを学んでいる。
+
没になった展開が結構あるキャラクター。
ユリウスとフラグを立てたり、ローズと仲良くなったり、クラックアイス使用の反動で片目を失明する展開が考えられていた。
色々あって全部没になったが、正直眼帯属性のチャンスを捨てたのは後悔していたり。
ただし魔眼の反動は完全に没という訳でもなくCCC編終了後は眼鏡キャラになっている設定。
自身を構成する要素のうち、視力の機能の一部が破損していたため、それを補う外付けプログラムとして装着している。
直せるものなのだが、師事するヴァイオレットへの尊敬も込めてこのままにしているとか。
『騎士王』【サーヴァント】
騎士王と名高いブリテンの王。
モードレッドの父たるアーサー王その人。詳細は語る必要もないと思われる。
本編への登場はなく、夢の対決で登場しただけ。しかも戦っていない。
……何も間違っていない。本編に登場はしていない。アレはあくまで、白斗が見た幻覚のような何かである。
『キャスター(男)』【サーヴァント】
ありすと契約したサーヴァント。
真名はルイス・キャロル。本名をチャールズ・ラトウィッジ・ドジスン。
『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』などを世に出した作家。
また、数学や写真に関しても優れた成績を残しており、多芸な文学者として知られている。
CCC編でも引き続き登場。旧校舎の日常の体現でもあるありすとアリスの保護者として、彼女らを温かく見守っていた。
ほんの数度ピックアップされただけで、登場及び活躍は非常に少ない。彼は作家――語り手であり、舞台で踊る演者ではないがゆえに。
アンデルセンとは同じ作家ということもあり、良く互いの作風について語り合う。
互いに相手を毒づきつつも、相性は非常に良い。
何故ならば、どちらも「現実の中の、細やかな幻想を謳う物語」を書いていたから。
それが思い出となり、未来への大きな希望となるか。終わりの前の、楽園への小さな希望となるか。二人の作風はそこの違いである。
否定は互いに。
「そんなメルヘンな夢があってたまるか。お前の頭は育ち盛りの町娘と同じだな」
「君こそ死の際の夢とは性質が悪い。裸の王様や雪の女王は不得意科目だったのかい?」
賛同は互いに。
「だがまあ――その甘たるい幻想をこそ人は求める。ついぞ書く気にはなれなかったが」
「だがまあ――希望に満ちた旅立ちも悪くはないさ。ついぞ書く気にはなれなかったが」
思い描く世界は違っても、なんだかんだ似た者同士だった。
『ギルガメッシュ』【サーヴァント】
古代はウルクを統べた、人類最古の英雄王。
Fateシリーズにおける公式チートであり、最強のサーヴァント。
実は、本編にメインキャラとして登場する予定だった。
CCCギル選択時のように契約し、それをメルトが取り戻そうと頑張るという展開を考えていた。
しかし、ぶっちゃけCCCの物語自体ドロドロしすぎだし更にこんなめんどくさい展開作ったらメンタルが持たない。
戦うトレンディドラマとかどこのジェットマンだよ、とツッコミを入れつつ、没に。
この展開によるプロットは割と固まっていたため、CCC編開始が随分遅れる結果となった。
また、夢の対決の最後でエルキドゥと共に相手になる予定だったがそれも没。地味に不遇である。
『キングプロテア』【アルターエゴ】
渇愛のアルターエゴ。アルターエゴ-G。
本来はCCCの没キャラ。
超規格外ウルトラギガントガール。レベルを上げて物理で殴るを地で行く月の裏側の最強存在。
突然現れて引っ掻き回すという役割はCCC没案を拾ったもの。
サクラ迷宮に踏み入ろうとした白斗とメルトを捕え、引き摺り込んだ。
凛とは多少面識がある。ただし話が通じないため、凛にとっては「そういう危険極まりない存在がいる」という程度の認識で、名前すら知らなかった。
特に目的もなくふわふわとした存在だったが、八階層にていよいよ追い込まれたBBとノートによって最後の衛士に起用される。
衛士の意味も分からないままに戦い、ジャックによって開いた核の内部で白斗に調伏され、あっさりとノートを裏切った。
まさかこの子がジャックの宝具でヒャッハーされるとは思わなかっただろう。散々に求める者だった彼女が、求めることすら許されなかった命の集まりに致命傷を負わされるという作者自体考えさせられる展開を請け負った。
精神体は非常に幼い。幼化現象による繰り返すリセットにより崩壊寸前になっており、自身でも何をしているのか分からない状態になっていた。
最終決戦ではキアラ・エゴ相手に容量を惜しまず使用。
限界寸前まで戦い、リップのトラッシュ&クラッシュで瀕死になったエゴを
尚、本来のプロットでは最終決戦で退場予定だった。
幼児退行によりリセットされた直後だったがそれを気にせず消滅寸前まで奮闘、エゴを
閉じ込めた後は内部でプロテア単騎でボコっており、蚊を潰すようにプチっとした後は傷を癒しており、中枢にてキューブを解錠され、自由となった……という流れを作る予定だったのだが、それが丸々なくなったのはぶっちゃけると尺のせい。
その一話だけやたら長くなるのでカット……まあ入れても入れなくても大きな変化はなかったのだが、めんどくさk……ゲフンゲフン。
事件の収束後は際限なく求める欲望も多少自重を覚え、やり過ぎな問題児として今日もムーンセルを騒がせている。
約束通り白斗は度々精神に入っては、酷い目にあっているとかなんとか。
+
本作の初期設定では
ステータスは筋力★+ 耐久★+ 敏捷E 魔力C 幸運B。
巨大だから点Aから点Bへの移動速度は速くてもプロテアの動き自体は遅いから敏捷低いと思ったら真逆だった。
月の裏側の最強存在なんていうもんだからBBに勝ってても良いじゃんと思ってた。甘かった。
他のエゴに使われなかった女神情報の大多数を詰め込んだ存在。
公式の情報公開に伴いステータスを変化させ、スキルを追加。
『言峰神父』【NPC】
皆大好き外道麻婆。聖杯戦争監督役のAIにして月の裏側の購買店員。
聖杯戦争が終了し、後は消滅するだけだったところをムーンセルを手に入れた紫藤 白斗とメルトリリスに回収され、再起用された。
基本的にはトラブルメーカー。大体一日一回の割合で何かやらかす。
そのくせ演算能力は優秀でムーンセルの管理には役立つため性質の悪い悪徳神父、というのが白斗メルト共通の見解。
月の裏側の事件において、BBによって落とされ購買店員という役割を与えられた。
事の経緯を知っており、黒幕こそ知らないまでもBBの正体も分かっていた。
ゆえに最初からメルトの白斗に対する好意は当たり前のものとして把握しており、彼なりの手伝いをしていたつもり。
しかし制服に関しても私服に関しても、購買店員である以上御代はしっかりと請求する。
最終決戦ではまさかの購買の守り手として戦闘。どこから持ってきたのか知らないが黒鍵使ったり八極拳や令呪を用いた必殺技『
旧校舎に攻め入る影の三分の一を相手取るというおよそNPCらしくない凄まじい戦闘力を露見させた。
限界が訪れた言峰は影に飲まれ消滅するが、中枢の制御を取り戻した白斗によって復活。
一切自重も反省もせず、今日も月の世界を面白おかしく騒がせている(主人二名にとっては笑えない)。
『心』【その他】
CCC編のキーワード。意味は非常に多いので割愛。
桜がこれを求め、CCCの記憶を開いたことで、事件が発生した。
AIには、機能として「心」が存在する。
それは生命の持つ「心」となんら変わりはないものの、対比して見れば潜在的なものと作られたもので明確な違いがあった。
その違いは述べられない。しかし、1と0の集まりである電子の海でその数字の羅列には違いがある。
ムーンセルがそういう場所でなければ、生まれなかった疑問である。
白融の完成後、AI全員の心は生命としてのものに書き変えられている。
+
CCC編考案時の後付けによるものだが、白斗が自我を持つことになった例外が、この数字の異常によるもの。
AIとしての数字であるべき心が、人間としての数字であるべき心になっていたことで、イレギュラーが発生した。
メルトの心は本来AIのものであるべきなのだが、「本来のCCC」からBBによって「この月」に転移したことで異邦人――言わば、地上から来たマスターたちと同様の存在に近しい扱いを受けているため、人間としての数字になっている。
堅物のムーンセルが来歴の判断によって下した決定。これが、メルトリリスが「月の心」と称される由縁である。
『サクラ』【NPC】
白い方。聖杯戦争の健康管理AI。CCCの原因を作り出した存在。
桜とサクラ、本編でも用語集内でも表記揺れがあるが、AIとしての正式名称はサクラ。
ぶっちゃけるとサクラを意図して使っていることはあっても桜を意図して使っていることはない。つまり特に考えている訳ではない。
心を求めるあまり、禁忌の箱を開いてしまったことからCCC編が始まる。
この時AIに正しい心を付加するための一歩、白融の存在を知らなかった。間の悪さが、事件の発端となった。
言うべきだった。言ってはいけないと思った。黙っていたかった。
AIの報告義務に期日はない。罪悪感と責任感に苛まれながらも、桜は言い出せなかった。
それでも結局隠し通すことは出来ず、終盤になって遂に打ち明けることとなった。
管理者の不手際として、事件に関することは不問となったが、厳重注意を受けている。
事件の収束後、自らCCCに関する記述を削除することで白紙とし、多くの新入りを招き入れた月で非日常なる日常に帰っていった。
なお、月の裏側で知り合った面々の記憶はおぼろげにしか覚えていない。
聖杯戦争で世話をしたマスターが多数だったため、それらの記録と照らし合わせたことで「関わった者たちの名前を何故か鮮明に覚えている」といった状態。
例外はジナコ、ユリウス、キアラ。
ジナコ、ユリウスは一度も保健室を利用しなかったため、記憶は非常に薄い。
またキアラは、CCCの記録を抹消し、関連する「月に関わった殺生院 キアラの情報」も消失したために完全に忘却している。
新たに加わった月の住民たちに関しては、表側に帰還して記録を消す前から一緒に過ごしていたため、齟齬は起きていない。
彼女たちに今日も振り回されながら、献身的に月を支えている。
『サクラガーデン』【ロケーション】
BBがBBチャンネルを行う際に使用していたロケ地。
周囲を室内風に変化させてはいるが実際は非常に広大な庭園。
ムーンセル中枢表寄り、白斗とメルトの家の傍であり、ここでロケを行っていたのは即ちBBが中枢にいた事を意味している。
ここを使われていることを知り、メルトは呆れと共に静かな怒りを燃やしている。
「私は既に中枢にいます。センパイがどれだけ頑張っても遅いんです。だから――もう諦めて、旧校舎で大人しくしていてください」
この宣言を毎回していた本当の理由は推して知るべし。誰かにとっては宣戦布告でも、他の誰かと、そして守りたい場所を守るための不器用な避難勧告なのだった。
『サラスヴァティー』【女神】
メルトに組み込まれた女神の一柱。
インド神話における、流れるものを司る女神。また、芸術にも通じている。
日本における弁財天は源流を辿ればこの女神に行き着く。
メルトの宝具である『
CCC編終盤、メルトの精神空間内で登場。その姿は人間に知覚できるよう、輪郭のぼやけたメルトの影という形をとっている。
その存在は規格外の極み。神霊としての力を最も振るった女神といえる。
白斗の前に現れた時点で、サラスヴァティーは事件の結末までをも見通していた。
自身を利用し、事件の解決に至るという流れを彼女は肯定し――しかし不要な試練を与えたのは、彼女が女神ゆえの戯れなのだ。
無垢心理領域での案内役を務めた女神。同じ言葉を二度繰り返すのは、「なんかゆったり流れている感じ」という作者のどうでもいいイメージから。
実際の性格はどちらか……どちらなんだろう?
無垢心理領域での試練は「運命変化の可能性の裁定」。
本来謁見の権利すらない女神たちを前にして怖じず、他の女神の出した試練を乗り越える可能性を量った。
白斗たちの手助けをしたのは単なる戯れ。ぶっちゃけ試練そのものが戯れであるため、それそのものに大した意味はないのである。
ちなみに、メルトに組み込まれた女神の単純な戦闘能力の総量はレヴィアタン>アルテミス>サラスヴァティー。
戦事に関しては他の女神より一歩劣る。それでも、少なくとも変生したキアラ程度ならば瞬殺できるだろうが。
『ジークフリート』【サーヴァント】
すまない……天然属性を取得する前に脱落して、本当にすまない……。
†
BBの手駒として登場したサーヴァント。クラスはセイバー。
BBが手駒の中でも信頼を置いており、マスターは月の裏側に来るまでに死亡している。
記録では六回戦で敗退。相手は黄金の王と白銀の騎士だったという。
マスターは優秀であり優勝候補だったが実戦慣れしておらず真名の露呈を恐れるあまり令呪の使いどころを間違ったとか。
メタ的な事を言ってしまえば、原作EXTRAで六回戦まで図書室前にいる男マスターという設定。最後のモブマスター。
外典では私語を封じられていた一方で、本作ではそれを禁止されていないため普通に喋る。
月の裏側に落とされたサーヴァントの中でも実力者。ガウェイン、カルナとほぼ同格。
攻撃面では聖者の数字を持つガウェイン、防御面では宝具の性能でカルナに一歩劣るが成した功績の数や幻想種を討ち果たした逸話もあって実力自体はトップ。
生前はその出自と実力で、数多の人々を救ってきた。
だがそれを繰り返す内、個はなくなり、ただ乞われて救うだけの
彼が夢見たのは正義の味方。自らの明確な意思の下、信じる側に立ち、信じる道を歩み、信じる者を救うことだった。
サーヴァントとして召喚され、月の裏側に落とされた後はそれを如実に発揮し、表向きBBに従いながらも善と思う道に向けての開拓を画策していた。
自身に匹敵する実力を持ったカルナや竜の鎧を傷つけたリップ、そしてそれらを統べ、迷宮攻略の先頭に立つ紫藤 白斗に興味を示し、彼らを総じて助けよう――それを此度、ジークフリートは自らの正義とした。
しかし現実は甘くない。残酷なたった一夜の茶番で、マスターを、信じる者を守るべくサーヴァントたちは倒れていく。
全てを救うなどできない。突きつけられた現実を、しかし彼は跳ね除けた。まだ終わってはいない、と。
戦いの渦の中心たる少年を信じ、最終的に彼は道半ばで果てた。
だが結果としてノートに重傷を負わせ、助けるべき存在を最後に救うことができたのだ。
+
外典勢の中では二番目に登場が決定したサーヴァント。尚、契約したモブマスターは最初に決定した。
ジークフリートの心臓だけなら主人公級の活躍をしているものの、本人は喋れないわ最初に脱落するわで散々だったため速攻決定した。
本作では普通に喋る。別に禁止されてないので喋るし助言もするし殴る事なく主人を裏切る。
脱落戦であるノート戦で遂に本領発揮なのだが、ぶっちゃけ頑丈すぎて困った。ノートの大斧による対人七倍アタックはジークに攻撃通すために設定されたものである。
――ちなみに、CCC編連載中にリリースされたFGOでも普通に喋る。
――ちなみに、この項作成時、作者はジークフリートを所持していない。
――ちなみに、本作において彼は一度しか「すまない」と言っていない。
――ちなみに、他者から二度、謝罪の類を受けている。
『紫藤 白斗』【主人公】
本作の主人公。ムーンセルの管理者としての異名は月の意思。
イレギュラーで自我を持ったAIが、聖杯戦争に勝利した存在。
CCC編では他の幻想であるマスターたちと同じく、「記憶を失ったマスター」という括りにあったため、記憶がない。
その中でメルトや旧校舎の面々に支えられつつ、徐々に真実に近づいていく。
弱気な部分は健在ながら、ややアグレッシブになっている。メルトの調教の成果である。
メルトと長らく共にいた経験から、言葉攻めの素養が少なからずあり、その力で衛士を仕留めたりもしている。
普段自分から行動はしない(というよりメルトの行動が早すぎるため)が、いざとなれば向こう見ずに突っ込んでいく危険な気質。
その行動力は、無意識に人を惹きつける。凛のテンプレーションよりよっぽどコイツの方がテンプレートである。
しかしながらメルトに対してひた向きで、強い言い方をすれば他者に一切恋愛感情を持たない。
好意こそ持てど浮つくことがなく、異常とも言える精神の頑強さは主にメルト絡みで発揮される。
本来の記憶が戻った後は戦闘能力が大幅上昇。決着術式『道は遥か恋するオデット』により、EXTRA編以上にぶっ飛ばしている。
ただしこの術式で宝具等を使えると言っても、身体能力は上がる訳ではない。
憑依経験染みたことも出来ないため、強化魔術を用いてもその性能は低級サーヴァント以下。
作中でも、エリザベート戦では不意打ち、キアラ戦では相手にとっては戯れだった、とまともに戦ってはいない。
あまり誰かに対して嫌悪感を向けることはなく、怒りを持つことも少ないが、キアラに対してのみ、その両方を最大限に向けている。
例えば今後、何らかの出来事でキアラと出会うことになっても――CCCを知らぬキアラであったとしても――頑なに協力しようとは思わないだろう。
事件の収束後は、程なくして白融を完成させる。
また、幻想であったマスターたちを、有り得る並行世界に帰還させ、せめてもの迷惑の詫びとした。
自身たちの子供として設定されたカレン・ハクユウは月の問題児の一人となるも、憎めない困った存在。
次から次へと発生する問題に追われながらも、その騒がしい平和を存分に楽しんでいる。
『ジナコ=カリギリ』【マスター】
アルジュナのマスター。キャラクター詳細については割愛する。
CCC編からの登場。アルジュナの口煩さに辟易しつつ、引きこもり生活を送っている。
協力したことは少ないが、原作通りラニの迷宮では重い腰を上げている。
三階層攻略後、BBによって記憶を返還され、その結末に絶望して衛士に起用される。
十二階でアルジュナとガトーにより死の呪いを払拭するが、直後にアルジュナが消滅。
それでも自分なりに吹っ切れて、フランと再契約している。
フランの会話能力を補助するために令呪を使ったり、アルジュナの補助、更には術式化等令呪の効果は低いまでも広く応用している。
最終決戦では令呪を利用して作った決着術式を用いて凛をサポート。
その後、全てが終わり、凛と共に同じ世界へと帰っていった。
状況はほぼ変わっていなくとも、頼りになるリア友という大きな味方を得た。
少なくとも、今後ジナコは今までのような怠惰な生活とは異なる日常を過ごしていくことだろう。
『切り裂きジャック』【サーヴァント】
ジャック・ザ・リッパー。BBの手駒として登場したサーヴァント。クラスはアサシン。
聖杯戦争に参加したとあるマスターと契約していたが、月の裏側に来るまでに死亡している。
一応、記録としては三回戦で敗退。マスターとは非常に相性が良く、「おかあさん」と呼び慕っていた。
恋仲だった男子と二回戦で当たってしまい精神が半ば崩壊、戦う意思だけは持っていたが冷静さを失うあまりアサシンをして真っ向勝負を挑んでしまった。
言わずもがな、通称ハニー。聖杯戦争序盤でなんかリア充してたら見事に爆発した女の方。あ、こいつらいつか当たるな、って思ったのはけっぺんだけじゃない筈。
およそ百五十年前と割と近代の神秘であり、正確には英霊ではなく「必要とされなかった」子供たちの魂の集合体。
当時英国はイーストエンドにいた娼婦が不要とした子供たちは川に流され、一種の怨霊となってジャックのかたちをとった。
その性質から呪いへの絶対的な耐性を持っているが聖杯戦争においてかなり不利であるサーヴァント。
休憩の必要もあって夜に探索を行うマスターはあまりおらず、決戦は夜だが真正面からの戦い。
よって奇襲や宝具の一撃も全力を出せず、三騎士相手では手も足も出ないステータスと完全にムーンセルの聖杯戦争向きではない。
ながら三回戦まで勝ち進めたのは組んだ男子マスターの手助けによるもの。
二回戦は彼と当たり、彼女を生かすために自害という結果で終わったため、手助けを得られなくなり三回戦で敗退した。
マスターとして優秀とは程遠いが、ジャックは彼女を敬愛していた。そしてBBに捕えられてからも彼女は生きていると信じていた。
基本的にはローズマリーの配下であり、彼女の命令に従うサーヴァント。
「紫藤 白斗を連れてくればマスターを返す」という契約の下、如何なる命令にも従っていた。
無論、不要と判断したマスターをBBが残しておくわけがない。それを知ったジャックは、BBを離反しラニと契約した。その後は生徒会及び白斗、メルトとは和解している。
ラニと契約してからはラニを「おかあさん」としている。これはマスター変えの影響ではなく、ジャックが個人ではなく集合体で、ラニを母と認める魂が多かったため。
常にジャックは多数決で物事を判断している。多数決というよりは無意識に総意を反映しているだけだが、それが正しくジャックの選択となっている。
+
CCC編の途中から唐突に登場が決定したサーヴァント。外典ではぶっちゃけ不遇じゃない。
というより、外典からのゲストサーヴァントを決めていた際、最終選考まで残りながらも「味方にできない」として没にしたものをやっぱり勿体無いし使っちゃおうという安直な考えで登場が決定した。
さて問題はどう救いを与えるか。四巻であんな退場してしまったため尚更迷う結果となった。書く前に決定していなかった重要事項の代表でもある。
アタランテが登場している時点で彼女と関わらせることは決定していたのだが迷いに迷った挙句、やっぱり外典と同じ結末となった。この迷った期間、占めて二時間くらいだったと思う。
もう一つの問題は宝具『
ノート説、カズラ説が有力だったが結果はキングプロテア。あまりにも巨大な内臓ぽーん(意訳)は驚いていただけたと思う。また、ラニを「おかあさん」と呼ぶようになったのは感想で頂いたものの反映だったりする。
外典では救われてない感がやばかったため、同様の最後にして真逆の状況――仲間、そして母を助けての消滅という割と幸福な最後とした。
FGOではまさかのSSR枠として登場。Qチェインなんざやろうものならスターを溢れるほど生み出す高い性能を持ったアサシンである。
『神話礼装』【その他】
サーヴァントに備わる原初の力。その解放により装備が可能になる礼装。
本作の――メルトリリスの場合、女神の権能の集合体という形。
解放には各神格の認可が必要だが、女神三柱の権能に勝る力を用意するのは困難を極める。
最終章にてキアラとの決戦に向けて獲得。
キアラでさえ足元にも及ばない力を発揮し、月の異変を終わらせた。
+
初期案では神話礼装は三つ存在し、権能を獲得するものを二つ、原作通りの性能のものを一つ手に入れる予定だった。
メルト以外に解放する者は、まずはリップ。
そしてもう一人はエリザベート。
最終的に、メルトの主役感が薄れるという理由で没になった。
『殺生院 キアラ』【ラスボス】
Fate/EXTRA CCCにおける全ての黒幕であり裏ラスボス。桜を狂わせた張本人。
本名、殺生院
本作CCC編においても元凶として登場。
ムーンセルの記述に存在していたCCCの記憶を桜が開き、キアラが目覚めたことで物語が開始した。
メルトリリスが中心であることを把握してからは、慎重に動く。
出来る限り刺激しないよう協力的な立場を取り、メルトの知らないイレギュラーであるローズマリーの手によって舞台から姿を消した。
CCCでの敗北を活かし、キアラはイレギュラーを用意した。
それがアルターエゴ。メルトやリップの知らない五体の姉妹たちである。
しかしながら、その全てがキアラの予想外に動いた。
最後まで操り人形だと思っていたノートでさえ、離反して破滅の一端を担った。
前回の反省を元に、より強い力を以て大願に手を伸ばす。
今度こそ成就される。その確信は、しかし月の管理者によって一片残らず融かされた。
何一つ、不思議なことはない。
アルターエゴの抵抗によって、キアラは敗れる。
CCCの記述に則って、その結末が再現されただけだったのだ。
『宝石剣』【術式】
ゼルレッチ。
凛の決着術式。遠坂本家に伝わる魔術礼装をコードキャスト用に改造したもの……の設計図。
必要物資と難解すぎる術式の為、月に行くまでに完成できなかった。
凛曰く、オリジナルの設計図を見たことがあるらしくそれを元に設計図を自作したらしい。凛さんマジ五大属性。
ムーンセル内での使用に特化した術式であり、ムーンセルが観測する並行世界から無尽の魔力を引き出すことが出来る。
作中で存在が判明した時点で二割程度は完成している。これは地上で作ったもので、これだけでも並行世界からある程度魔力の引き出しが可能であり、EXTRA編六回戦でのランサーへの魔力供給の疑問の回答となっている。
完成品になると使用の代償として、一度振るうごとに体を構成する霊子を数ドットずつ崩していく。
消費量は規模関係なくランダムだが、コードキャストとして起こす結果を見れば破格といえる。
宝具と遜色ない能力を持ち、その性能は魔術を超える魔法の域にある。
物語終盤、白斗への協力の代償としてムーンセル権限を使用して完成。
無限の影相手に圧倒するという活躍を見せた。
このシーンは言わずもがな、原作HFルートの黒桜との戦いの系譜となっている。
『ダン・ブラックモア』【マスター】
最高齢のマスター。生徒会での役職は顧問。
アーチャーのマスターだが、騎士道精神に則るダンの戦法と噛み合わず相性は悪い。
CCC編では初期から生徒会の一員として参加。
白斗が攻略した迷宮をユリウスと共にもう一度潜入し、何かないか確認する等活躍している。
記憶が戻っても、動じることはなかった。
老成し、落ち着いていたため。また、自身が教えを授けた者が勝ち進み、精神的に成長していたことは喜ばしいことだったためだ。
一方でTUNDEREやスイーツ等のスラングを理解していないなど、時折天然さを見せる。
最終決戦ではユリウスやアーチャー二人と共に三階層の発生源破壊の役割を担う。
暴走したアタランテを相手取るアーチャーを援護し、勝利に導いた。
事件収束後は偶然にもレオ、ユリウスと同じ世界に帰還。
ユリウスの死を作中で知ることはないものの、数日後、レオより連絡を受けることになる。
イギリスに戻った後は再び隠居し、余生を静かに暮らしている。
『遠坂 凛』【マスター】
MPSの人。
ランサーのマスター。生徒会での役職は副会長。
CCC編では一階層の衛士として登場。色々やらかして黒歴史を生んでいった。
ラニがサブヒロインだったEXTRA編に対して、CCC編は凛に比較的強くスポットが当たっている。
ジナコの階層で白斗に同行しており、インド兄弟を従えた者同士で奇妙な縁がある。
記憶が戻った時、白羽やシンジに次いで傷心していた。
だがすぐに冷静になり、今後の展開を想定して聖杯戦争中に完成していなかった礼装を裏側で幾つか作り上げている。
レオから決勝戦の顛末を聞いてからは白斗が事件の中心であると確信し、BBとの決戦に向けて宝石剣の本格的な作成に取り掛かる。
並行世界へのアクセス制限の関係で行き詰っていたのだが、白斗の協力もあってようやく完成。
また、鳥籠型の礼装でヴァイオレットを匿い、命を救うなど諸所で貢献している。
マスターとしての能力は非常に高く、全てのマスターの中でも群を抜いている。しかしそれでもカルナの運用には魔力が足りず、全力を出させることが出来ないでいた。
最終決戦においては完成した宝石剣を使い、事実上無限の魔力でカルナの全力を発揮させた。
宝石剣の使用代償で崩壊する体を気にもせず、旧校舎に襲い来る影の群れの九割方を相手取った。
決戦後、カルナが受けたアルジュナの頼みを聞き届け、ジナコと自身をカルナの鎧で包み同じ世界へと帰っていった。
カルナとの相性はあまり良くはなくとも、最終的に信頼し合う相棒となっていた。
事件終了後は、レジスタンスから足を洗って平穏な日常に戻った。
……と思いきや日本に移住し、知己のレジスタンスに各種援助を行っているようだ。
『夢見る子供の物語』【宝具】
ドリームランド・オブ・アリス。
ルイス・キャロルが持つ二つ目の宝具であり、彼が作り出した物語が「キャロルの作品の結晶」として昇華した宝具。
本来の能力は物語の再現。だが作中では影の群れと戦うための駒を作り出すために使用した。
召喚されたのはジャバウォック、「鏡の国のアリス」に縁の深いチェスの駒。
+
EXTRA編用語集に記したキャロルの攻撃能力。
これはEXTRA編の登場時から設定されていた宝具。ただし使う予定は無かった。
CCC編をやると決めた際、遂に出番が生まれた。良かったね。
『ノート』【アルターエゴ】
秘密のアルターエゴ。アルターエゴ-N。Nはnight、nobleなどを意味する。
BBがヴァイオレットと同等に信頼するエゴであり、最強の戦闘能力を持つ秘密兵器。
夜を連想させる黒いドレスを着込んだ、白色のサクラ。雰囲気的には、Fate/EXTRA materialに掲載されていたBBの没案に似ている。
お嬢様気質。特殊な性癖は持っていないが異常なまでの宝への執着を示す。ただしこれはBBの定めた戦力増強の一端である。
序盤から白斗とメルトに干渉し、「黒幕にはまだ手を出すべきではない」と告げていた。
女神アルルの泥の概念創造により、旧校舎に入り込むことが出来る。
聖杯戦争に参加したサーヴァントたちの宝具情報を取得し、その戦闘能力に拍車を掛けていた。
大英雄にも勝るステータスと戦闘力を有しており、バーサーカーを打ち倒しメルトとランサーの二人を相手取り優勢に戦っている。
生徒会はBBに次いで危険視しており、早めの排除を望んでいた。
四階層での戦いでアルジュナの介入により敗北しており、四階層攻略後、復讐としてアルジュナを打ち倒している。
倒したサーヴァントを捕え、泥によって黒化させ手駒としている。
それらも彼女にとっては宝であり、他人に譲渡することを嫌う。貸し出したヴァイオレットがアサシンを消滅させた際には、彼女に致命傷を与えることで報復としている。
八階層にて衛士のキングプロテアの守護と称して生徒会との全面対決に挑む。
多くの犠牲を払い、セイバーの捨て身の特攻により、ノートは撃破される。
そうして間もなく、真実が明かされる。
ノートはBBのために動いているようでいて、キアラに操られていた。
上述の、ヴァイオレットに致命傷を与え、弱らせたのもキアラが取り込むために差し向けたものである。
ただし、無意識に抗おうとしていたのか、殺し切ることなく生徒会に逃がしている。
真実を知った後、キアラによって囚われ、神々への供物にされる。
地獄以外の何物でもない凌辱の中で、しかし瞬間的な隙を突いて脱出。
死に瀕していながらもフンババを倒し、形状を傘に変えていた自身の宝具で神々をキアラから切り離し白斗の絶対的不利を覆した。
その正体は、BBによって最初に作られたアルタ―エゴ。
BBの罪悪感の具現。故にこそ、BBを正しい道に戻そうとした。
この事件を――夜を嫌う昏き少女。
アルターエゴ・サクラ・ノート。事件の象徴たる少女は事件の外に出られる筈もなく、しかしBBを救うことは叶ったのだった。
+
序盤から終盤まで、宿敵として登場したアルターエゴ。
初期案では生存ルートもなくはなかったローズと違い、死が確定していた。
また、id_esは初期案ではサーヴァントセル・オートマトンではなく、ソロモンセル・オートマトンという名称だった。
ソロモン七十二柱の悪魔たちの因子を身に宿し、変化するスキルである。
それぞれの悪魔の特性を考えるのが面倒過ぎたため変更。
GOのサーヴァントでソロモンが登場したため、結果的には良かったかもしれない。
『バーサーカー(赤)』【サーヴァント】
ラニ=Ⅷと契約したサーヴァント。
真名は呂布奉先。三国志における最強の武将。
CCC編では契約を切られながらもラニに従うサーヴァントとして登場。
ラニへの忠誠心は健在であり、エリザベートのことを好ましく思っていなかった。
ラニが衛士から解き放たれた後、ノートによって月の裏側における最初の脱落者となった。
……と思いきや、ノートに捕えられ黒化して登場。
既に死に瀕していたためか、それとも何処かでラニを想う理性が残っていたのか。
誰も殺すことなく、アタランテの矢によって消滅した。
『白衣』【宝具】
主に医療や科学において着用される白色の外衣。
定義の上では白衣は必ずしも白色である必要はない。色つきの白衣も存在しており、これは着用者が医師ではないことを意味する際などに使われる。死刑執行用の黒い白衣も存在するらしい。
小学校などで給食当番の際に使用する給食着も白衣に該当する。衛生面や災害予防に効果があり、基本的には汚れを防いだり洗濯で皺になりにくいポリエステル製だが薬品や火への対策に重きを置いた綿製のものも存在する。
丈の長いコート型のものが一般的であり、ラボ・コートと呼ばれる。組織においては制服の扱いを受ける。
本作では聖杯戦争二回戦にて毒矢に倒れた白斗を看病するためにメルトが何故か着用していた。桜は健康管理AIとしてデフォルトで着用している。
メルトの私服の一つ。手は袖から見えておらず下には制服を着ている。所謂桜スタイル。脚具を外しているとまんまロリ桜。重ねて言うが、これは私服。
中枢でも着用頻度はそこまで高くない。気が向いたときに袖を通すくらいのものであり、いつでも桜の心の如く真っ白である。
桜の白衣を基に作成したもので、メルトは白斗に白衣属性があると思っている。それをひた隠しにしており、しかしその鼻を明かそうとこの格好で言い寄るみたいな展開があったら良いなと思っている。
一応メルトも大本は健康管理AIなのでやろうと思えば健康管理の真似事くらいならできる。素人知識であっても加虐体質持ちの子に少し弄られながらも診察されるという永遠の理想郷が、そこにはある。
「とりあえず首筋に一本、注射打っておきましょう。ほら、逃げない。観念して大人しくしなさい。別に叫んでもいいけれど、喉が震えるからおすすめしないわ。そうなったらなったで、また面白そうだけど――」
どうよ。喉が震えると首に注射打つ際問題が起きるのかは専門ではないので知らないが、こんな展開もあるかもしれない。
ムーンセルによって作られた白衣は礼装に分類され、これを着用しているとHP回復の術式を使用する際、回復量が増加する。
ここから先が本題になるが、作者が白衣属性を持っているという勘違いが出回っていると思うのでここで弁解させてもらう。
そもそも二回戦で白衣が登場したのは思いつきであり、その前辺りの後書きだか前書きだかであったようにKとの会話でなんとなく出て採用したものである。
たったそれだけであり、EXTRA編ではそれ以降の登場はない。これが作者が白衣属性を持っていないことの何よりの証明になっている。
CCC編で出たのは何より、読者方の要望が多かったと判断したため。それ以外の理由は断じてなく、作者が清廉潔白な白衣に劣情を催す人間だという訳ではない。
強いて言うならばメルトの私服案考えていたときに「あ、白衣って結構似合うじゃん」とか「お、本気でかわいい」とか「やっぱり制服とのコンビだね。これぞ王道にして最強」とか思ってただけだ。
尚、白衣属性がない読者方には個別授業を承っている。清く正しい服装から滲む魅力に関心を持ちたい方は是非とも連絡願いたい。週二回二時間レッスンで初回一週間の料金は無料である。
『白融』【術式】
はくゆう。型式番号はWM-1。
白斗とメルトが共同で作り出した、ムーンセルを管理する最重要プログラム。
バックアップも兼ねて二つで一つ。両方とも番号は同じで、同一存在であることを意味している。
片方はムーンセル中枢の最後の壁として二人が許可した者以外の進入を一切許容しない防衛プログラム。
もう片方はNPCとも人間とも違う擬似生命。非常に複雑であり事件が起きるまで完成しなかった。
白斗とメルトの子供として設定された。霊子体では子供が成せないとか、まぁ、その他色々な倫理とかそんなこんなが関係している。
二つの術式はそれぞれ、カレンとノートが所持していた。
ノートはBBに渡され、最強の壁として白斗をBBに辿り着かせないため。
カレンは月の裏側に送られるにおいて観測者の側面であるAI以上の存在を必要としたため。
当然カレンのそれは未完成であり、未完成であるからこそ令呪の使用に危険が伴い、そもそもの事件の発端となった。
二つで一つという事は中枢の防壁だけでは不完全。白融が完成していれば、サクラは中枢に辿り着けなかった。
+
オリキャラの「人」にカウントされるのはこっちだ。
最終話のカレンもこれとしてカウントされている。無茶苦茶? 知りません。
やっぱ子供欲しがると思うんですよ。だけどメルト子供成せないんですよ。
だったら作っちまえ。多分不可能じゃないから。そんな理由で誕生した。
『パッションリップ』【サーヴァント】
愛憎のアルターエゴ。アルターエゴ-M。本作のBBから出でたアルターエゴではないため分類はサーヴァントとする。
黄崎 白羽のサーヴァントであり、真としてメルトリリスの姉妹。
EXTRA編の用語集では本編で共闘までしたのに
型月最大のバストサイズを持つ。その数値破格の160。尚、キングプロテアは色々反則なので除外。
月の裏側の事件において、最初から黒幕は分かっていた。それは生前のループであるため当たり前なのだがキアラを殺せなかったのは令呪による命令のため。
表の聖杯戦争で白羽はリップに対して「アリーナか決戦場以外での殺傷禁止」と命じている。
それゆえにキアラを殺そうにも殺せず、非常にもどかしい思いをしていた。
白斗に対して、特別な感情を抱いている。メルトとは違い、岸波 白野に良く似た雰囲気を持つ白斗に一目惚れ。
とはいえこれが第二の生であり、第二の恋愛であることは自覚しているため、今度こそといった意気込みを持っていた。
表の聖杯戦争ではどちらかの死が確定されているため恋の成就は無理と分かっていたが、裏側なら別、と関わりは少ないまでも一途な感情を向けている。
最大の敵は言わずもがなだがメルト。というか、勝ち目はほぼ無し。記憶を取り戻す前にアタックしまくってればワンチャンあった。
ユリウスのサーヴァントであるアサシンを師匠と仰いでいる。これは座右の銘が「一撃必殺」だった事から。アサシンのそれが空手ではなく八極拳だという事には気付いていない。
アサシンの消滅により教えは終わってしまったが鍛錬は続けており、力任せではない、武の合理を会得した。
ヴァイオレットとの決戦でアサシンと戦うことになった際、その片鱗を見せる。
アサシンが負傷していたとはいえ、師を倒すことによって免許皆伝と相成った。
最終決戦ではキアラ・エゴと戦う。
白羽の決着術式によって一時的に取り戻したトラッシュ&クラッシュでエゴを圧し潰し、勝利を収めた。
その後は地上に戻れない白羽と共に月の世界に残る。
白斗に未だ想いを寄せつつ、いつかメルトから略奪しようと策を練っている……なんてことがなければ良いな。
『バッドエンド案』【没案】
ま た お 前 か 。
そう言わんばかりに、CCC編にもバッドエンド案が存在する。
やはりこちらも、バッドというよりノーマルエンドと言った方が正しいか。
EXTRA編ほどアレな展開ではない。原作のCCCルートのような、白斗自身の脱出劇である。
キアラの死によって、彼女によって細工されていたムーンセルに異常が発生。
帰還命令を取り違え、消滅の波が出現。白斗はマスターを帰還、桜たちを安全区域まで退避させるも、自分たちが避難する前に裏側が命令を受け付けない空間に変化。
唯一の例外である旧校舎に「十分後、表側にこの領域を引き戻すべし」と設定し、サクラ迷宮からの脱出が始まる。
ライカの宝具によって炎上し、崩壊していく迷宮。後ろから迫るデッドエンド。
辛くも逃げ切ったが――その犠牲は最愛のサーヴァントだった。
とまあ、正しくCCCルート、といった結末。しかし違いはこの後。
意気消沈、白斗だけでなく月全体が暗い雰囲気のまま数日が経過した頃。
突然中枢の機能が謎の命令を受諾、何事かと向かってみると、そこには月の心の姿。
彼女は月の裏側に降りるに際して、自らのバックアップを取っていたのだ――――
この結末の伏線は中盤、『Word Of Logos.-2』にある。
「ハクの記憶の封印、それによって私の宝具は間接的に凍結されたわ。けれどそんな大切なもの、バックアップを取っておかない訳ないでしょ」
これが伏線になる筈だったものの、没になったのは「なんかご都合主義が過ぎる」っぽく思われそうなため。
『BB』【NPC】
黒い方。皆大好きBBちゃん。CCCのキーパーソン。
本作CCC編では誕生の経緯が原作と全く違っており、サクラがキアラによる浸食をバックアップに移動させたことで変異して目覚めた。
キアラに定められた制限時間を唯一把握しており、その間白斗とメルトを中枢に到着させないことを目的としていた。
サクラ迷宮も生み出したアルターエゴも間に合わせないために用意したもの。
どんな手段を講じても、どれだけ嫌われても良い。時間が過ぎれば、どうにでもなる。
黒く染まったサクラは、月を汚させぬために奮闘していた。
非情に徹していただけでアルターエゴらへの真っ当な情は所持している。
彼女が根底から嫌っているのは事件の元になったサクラのみである。
そんなサクラとも黒幕が判明してからは和解し、健康管理AIの機能を分担して効率を高めている。
八章にて、キアラに取り込まれかけたところをノートにより救われる。
キアラが消滅する時間より前に進攻してくることを宣言すると、神話礼装を解放したメルトと白斗に全てを託した。
最終決戦では面々の観測をしている者の守護を担当。
高い戦闘能力は保持したままであったため、完全に守り切った。
事件が収束した後は、サクラ同様月の観測作業の一部を担っている。
原初の権能は破棄したために戦闘能力は既にない。
外見が同じのサクラとの差別化として、服装は事件当時のまま。
自身が赦されたことに複雑な気持ちを抱きつつ、時に苦労人組として今日も事件対処に追われ、時に問題児組として事件を起こしている。
『藤村 大河』【SSF】
※います。
全世界が認める冬木の
ムーンセルのNPCであり役割は教師。担当科目は英語。
CCC編プロローグや誕生日茶番で名前が出ただけで一切の出番はなし。不遇ここに極まれり。
まぁ、居たってタイガークエスト寄越してくるだけだし。本編の流れにまったく関係ないので出番丸ごと抹消した。
中枢では言峰に次ぐ
パラメータは平均的だが幸運だけ振り切ってる。ドレイクの姉御にも匹敵するレベル。
主である白斗に教師として接するのは彼を主として認めているということに他ならない。だからこそ、その役割をまっとうし白斗の補佐をしようとしているのだ。
だがまあ、中枢の制御少し乗っ取って水筒型の聖杯作ったりと茶目っ気は抜けない。そこまでにしておけよ藤村。
最終話では月の存亡に関わるやたら厄介なプログラムを作り出し、総動員で解決に動くという事態に陥った。
あろうことか、これが本編最後の事件である。そこまでにしておけよ藤村。
多分、彼女なりに何かしらの役に立てようと思ったのだろう。そこまでにしておけよ藤村。
+
月の裏側に落ちてたら最終決戦に妖刀・虎竹刀持って参戦していた。
そしてその幸運が見事に発揮されて何故か生き残ってたと思う。
『フランケンシュタイン』【サーヴァント】
BBの手駒として登場したサーヴァント。正確には、フランケンシュタインが作り出した無銘の怪物。クラスはバーサーカー。
聖杯戦争に参加したとあるマスターと契約していたが、月の裏側に来るまでに死亡している。
一応、記録としては一回戦で敗退。曰くマスターが宝具の効果を把握せずに令呪で強制してしまったとか。
その際の対戦相手は屈指の魔術師だったらしい。本気で百度挑んでも勝てる見込みはなかったという。
一回戦の頃2-Aにいた男子生徒がマスター。対戦相手は遠坂 凛だった。
最初に登場した外典勢。言語能力は無いが、呻り声一つ一つに意味がある。頑張れば意思疎通くらいなら出来る。
比較的弱いサーヴァントの理性と引き換えにステータスを強化するのがバーサーカークラスの特徴だが、フランケンシュタインは狂化した状態でも非常に高い知能を持ち合わせている。
その代わりステータスは控えめで、宝具もあって燃費は良いがそれでも精々Cランクサーヴァントという域は抜けない。
本来のマスターとは反りが合わず自滅というかたちで敗退しており、そこには絆も信頼もなかった。
だからこそ、警戒して然るべきの状況で白斗に助けられたことに恩義を感じており、彼をマスター同然としてみている。
CCC編後半ではアルジュナに代わってジナコと契約。ジナコの自立を促し、バーサーカーなりに頑張っていた。
まあ、それでも基本的にはパシリ扱いされていた。しかし努力の甲斐あって、ジナコは確かに成長した。
自分にまったく関係のない事件に関しても、「しょうがないから付き合ってやるッス」と自身のサーヴァントを遣すくらいには。
+
外典勢の中で最初に登場が決定したサーヴァント。審議の余地なく無条件で決定した特別枠。言わば作者推薦。
実はアルターエゴを除く純正のサーヴァントで一番好き。
最初に登場して味方になって、最初に脱落した。
尚、宝具で白斗が復活したのは刺し傷、切り傷の根を焼き切ったため。確率とかじゃなくて眠った(死んだ)理由の大本を断っただけ。
『病める瞬間も』『健やかなる瞬間も』があの性能でなければ運ゲーだった。
FGOではまさかのSR枠として登場。その入手難度に主に作者が絶望した。
『白源令呪』【術式、事柄】
ホワイトアウト・ムーンコマンド。
サクラ迷宮三階、遠坂 凛の心の深層にて紫藤 白斗に発現した三画の令呪。
通常の令呪の代わりという訳ではなく、ムーンセルの運営をしていた白斗が自力で令呪を作成しようとした際に偶然生まれたもの。
メルトリリスは聖杯戦争に勝利しムーンセルに辿り着いてから先、CCCが起きるまでの記憶を所持しているため、これの存在を知っていた。
使用すれば一画につき一度、メルト以外のサーヴァントとの擬似的な契約が可能。
そのサーヴァントに他の契約者が居た場合、それを一時的にカットして此方が優先される。
二重契約が可能なのはムーンセル内で白斗だけであり、サーヴァントにも例外はない。
しかも時間にして百八十秒。中枢の力を使えば簡単に補填できるのだが、裏側ではそれは不可能である。
メタ的な登場理由は、序盤、ハクもメルトも未熟な頃に詰まないため。
最後の一画は、アルテミスへの供物として捧げられた。
事件の収束後、白斗は本来の令呪を再び三画補填している。
『間桐 シンジ』【マスター】
ライダーのマスター。ちょっぴり高飛車な八歳児。
名前は慎二とシンジで表記揺れがあるがマテリアルによればシンジ。
マスターとしての実力は高いのだが、精神的な幼さがある。
生徒会には終始参加することはなかった。実際は参加したかったのだが、そのプライドの高さから言い出せなかった。
しかし度々協力し、そのゲームチャンプたる実力を発揮している。
ライダーに対しても強く当たっているが、ライダーが姉貴肌で扱いに慣れている節があり、シンジも彼女を強く信頼している。
白斗とは友人同士。シンジは見下した態度を取っているものの、実力は認めておりまた唯一無二の友人としてかけがえのないものとして見ている。
七階層ではローズマリーに囚われた白斗を助け出すために迷宮に赴いてもいる。
記憶が戻ると、死の結末を前に取り乱したが、ライダーがいたこともあって比較的早く復帰。
今の自分に出来ることをしようと思いながらも、しかし恐怖を拭うことは出来なかった。
前述の七階層の一件で吹っ切れたようで、最終決戦にも参加。
迷宮三階で影の群れの相手を引き受け、生徒会の一行を見送った。
そこでライダーの奮戦の一方で何も出来ない己の無力さを痛感するが、ライダーの思い切りの良さにあてられたのか令呪を全て使用という形で、マスターにしかできない援助を成した。
決戦後は死に瀕したライダーと別れ、あまりにも大きな成長を遂げて地上へと帰っていった。
帰還した八年後、渡英してロンドンのとある組織に参加する。
研鑽を積みつつも、月への再訪を目指している。
ゲームにはもう手を出していないが、未練はあるようで時々ランキングを覗いたりしているようだ。
『大黒よ、天に座せ』【宝具】
マハーカーラ・ガーンディーヴァ。アルジュナの宝具。
シヴァ神がアルジュナに授けた強弓で、放った矢は「一段階強く引き絞られた」という結果によって威力が高まる。
また、真名開放によって天に昇った弓は空に展開し、アルジュナの意思で敵を穿つ砲台となる。
アルジュナの主武装であり、通常時は弦がない。両端に刃のある薙刀染みた近接武器としての使用が可能。弦はそこから魔力で編まれる。
アルジュナを起用するに当たって宝具設定で最も悩んだのがこの宝具。
他の弓では出来ないような規格外の効果を付加してやろうと思い至った結果が天空砲台である。
空から落ちてくる流星の如き矢はクルクシェートラの戦いにおいても紛れもなく戦場の華であった。
カルナがCCCで『梵天よ、我を呪え』を使用する際の台詞「アルジュナの真似事ではないがな」からの着想。
FGOにおいては『
その名の通り、ガーンディーヴァは炎神アグニより借り受けたという話も存在する。
本作ではアルジュナを雷神の子としての側面を強く押し出しキャラ付けしたため、炎ではなく破壊の属性を有するシヴァから貰い受けたという逸話を採用した。
――なお、本作のアルジュナの没宝具の中には第二の弓『
アグニより借り受けた、万象に遍在し悉くを灼き払う烈火の弓である。
『大黒よ、地に刻め』【宝具】
マハーカーラ・パーシュパタ。アルジュナの宝具。種別は対界、および対国。
シヴァ神がアルジュナに授けた究極の奥義。天に展開した『大黒よ、天に座せ』から射出される破壊の矢。
百を超える鏃を備えた矢であり、一つ一つが破壊の概念に満ちたシヴァ神の権能にも等しい塊。
全て解放した場合、その場所の果てまで全域を粛正範囲として最大三度の破壊衝撃を発生。生死問わずあらゆる存在を消滅させる。
こと威力においてこの宝具より上を行くものは数えるほどしかない。
本編では四階層最後の階、十二階でノートとの戦いの最中に使用。
上下の階と切り離して十二階そのものを消失させ、暫くの間ノートを隔離した。
なおこの宝具、近接武器として使用することも可能。
形状を変化させ、全ての鏃の破壊概念を穂先に集中させた槍を顕現。一刺において全てを対象一人にぶち込むのである。
これはパーシュパタが鏃のほか、槍としても語り継がれていることが由縁。
アーチャークラスであるアルジュナだが、多芸を修めた彼は槍の扱いにおいても並みのランサークラスを凌駕する。
FGOにおいては『
『眼鏡』【宝具】
一部の男子にも絶大なる支持を誇る聖なるアイテム。
小宇宙という表現は決して誇大ではなく正に世界を動かす対界宝具。
世間一般では眼鏡を着用するキャラを「眼鏡キャラ」というが、この世界は非常に広く、明確な基準が存在しない。
よって、常に眼鏡を着用しているキャラ、普段かけていないキャラに着用させる、伊達であってはならない、伊達でも構わないと対立が多くこれによって定義は大きく変わってくる。
眼鏡という一つのアイテムから展開される妄想には際限が無い。
常識として、常に眼鏡を着用するキャラがその眼鏡を外すときはファーストインパクト、普段眼鏡をかけないキャラが眼鏡をかける時はセカンドインパクト、普段眼鏡をかけないキャラがかけた眼鏡を外す時はサードインパクトと称される。
眼鏡は知的というイメージを連想させ、威圧感や優位の誇示といった印象を与える。これによってサディストキャラとの相性は抜群。
この「眼鏡」という属性・ジャンルが萌え要素として確立したのは二十世紀末と言われている。
しかし、この頃は「外す」行為が普段見せない一面を見せ、それによって他者との関わりに変化を齎すという展開が主流だった。
外すことが前提でなくなったのは更に後。尚、明治時代では眼鏡は流行の最先端であり、憧れの的だったらしい。
前述の通り、サディストとの相性は抜群だが、他に相性の良い属性はクール、転じて寡黙、のんびり天然などがある。
『メルトハウス(仮)』【ロケーション】
メルトによって変革したムーンセルにおいて、白斗とメルトが住んでいた家。
その外見は白斗が聖杯戦争においてメルトに買い与えたドールハウスだが、屋内は広大な屋敷になっている。内部拡張ならこの程度造作も無いらしい。
部屋数は二桁にもなり、様々な用途に使用している。
事件終息後、戻ってきたらとんでもなく荒れていたらしい。
きっとどこぞのアルタ―エゴ辺りが遠慮なく使っていたのだろう。
『メルトリリス』【メインヒロイン】
快楽のアルターエゴ。アルターエゴ-S。ムーンセルの管理者としての異名は月の心。
紫藤 白斗と契約したサーヴァントであり、ムーンセルそのもの。
CCC編では既にムーンセルと同化した後であるため、ムーンセル最強の存在。
事件の一部始終を知っており、しかしながら月の裏側には干渉しきれなかったため、霊子階梯を一時的に下げてダイブした。
事件へと発展したのはキアラの影響だが、当然ながらムーンセルへの干渉は出来ない。
故にメルトの記憶は無くならず、ただ一人、全ての真実を知る者として再びマスターを救うために立ち上がった。
裏側ではとにかく、白斗を守りつつ表側、即ち自身の権能を取り戻せる領域に帰還することを目的とする。
他のサーヴァントに対しては「幻」である事を知っているため割と扱いが雑。しかし、マスターに対しては白斗が望むならば生存の未来があるため多少良い扱いをしている。
カレンについて知らなかったのは彼女が管理していた中でカレンが活動したことがなかったため。柳洞 一成の独断によるAIの生成についてはさすがに頭が回らなかった。
事件の経緯からBBには原作以上の敵意を持っており、また、基の桜に対してもあまり良い感情は持っていない。
殺すつもりはないが表に帰ったらお仕置き確定。それも十倍増し。……というくらい。戦闘能力無し幸運Eの桜なら死にかねないレベルである。
新規にBBが作り出したアルターエゴに関しては無知で憐れな人形というイメージを抱いている。その内カズラとの関係だけは「まぁ……良好に見えなくもないかなぁ」と白斗が思う程度には良いらしい。
ノートを危険視しているのは真実を知った風だったのと、自身の女神より上位の存在だから。
結局真実とは裏腹の、キアラの策に見事に引っかかっておりそれにメルトも気付かなかったため最後までキアラを生かしておいてしまった。
属性は秩序・善。ムーンセルと同化しているため、ルールに肯定的というより自分自身がルールになっている。
マスターであり、ムーンセルにおいて最重要存在の一角である白斗を守るという姿勢は二つの属性に一致する。聖人君子? 知らんがな。
終盤、神話礼装を解放し女神の権能にその手を届かせたが、事件終了後における戦闘力の総量は変化していない。
ムーンセルと一体である事実は変わりなく、女神の権能もその記述の一端であるためだ。
しかし、メルトと言えどその総量全てを発揮できる訳ではない。
権能に手が届いた分、振るえる力の多様性は大幅に増している。
最終決戦では黒幕であるキアラと対峙。戦闘開始直後にキアラによって宇宙の果ての果てに放逐されるが、冷静に状況を分析し神話礼装を解放。
懸念はただ一つ、ムーンセルに辿り着くまでに白斗が死なないか。死んでいなければ、その時点で勝利は確定する。
果たしてマスターは耐え凌いだ。
なれば次はサーヴァントの番。
マスターを死の直前にまで追い込み、
収束後は白融を完成させ、月の管理に戻っている。
新たな住民の奔放さに辟易しながら、今日も苦労人として己の中で発生する事件の対処に追われている。
カレン・ハクユウに対してはやや複雑ながら、愛を持って接している。
自分が同時に“二人”に愛を向けるなど、こういう奇妙な結果もあるのか――己の性質との相違を自嘲しつつも、満更でもない少女であった。
『モードレッド』【サーヴァント】
騎士王アーサーの息子。何も間違いはない。
夜のキャメロット城の窓ガラスを壊して回り、盗んだ名馬で走り出し、騎士王がこっそりマーリンから永遠に借りていった砂糖菓子のつまみ食いまでやらかし、挙句の果てに「この支配から卒業する」と言い出して叛逆した尾崎チックな問題児。
父上に対して憎悪を抱いていたが、なんか似ても似つかない人形を見つけたり父上が水着グラビア飾ってたり「赤うぜえ」とか言っちゃったり腹ペコキャラになってたりしてた事から半ば呆れもあって割とどうでも良くなったらしい。
王位簒奪のため、ランスロットとギネヴィアの不貞を流布し円卓崩壊の発端となった。
傷を負ったガウェインにとどめを刺す、アーサー王に致命傷を負わせるなど、Fateシリーズお馴染みの円卓集団を破滅へと追いやった張本人。
アーサー王の姉モルガンが王位を狙うため王を一時的に男性に変え魔術で手篭めにして授かった子供、という型月世界でもトップクラスにカオスな経歴を持ちその経歴から宝具『
まさかの外典五枠目の登場。正確には四枠目(順番的に)。ただし茶番専用である。
短編やら茶番に数回出たことがきっかけで夢の対決の相手に抜擢。
BBによって父上と共に長らく放置され、挙句冷たく突き放されるという不憫な役回りだった。
『ユリウス・B・ハーウェイ』【マスター】
多分友達増えたよ! やったね兄さん!
アサシンのマスター。生徒会での役職は書記。
遂にカレーを作った人。シエル先輩こっちです。
CCC編では完全に味方として登場。今わの際の心の大きな変化をBBが理解できなかったため、そこを突いて二重スパイとなっていた。
後半はセイバーのマスターとなる。当然ながら戦闘的相性は悪いが、両者の奉仕気質が噛み合い、それなりの仲にはなった。
最終決戦ではダン・ブラックモアと共にアーチャー二名の補佐につく。
暴走するアタランテを止めようとするロビンフッドを援け、最後の戦いを終えた。
その後、地上に魂が帰還することはなかった。
既に肉体は限界を迎えており、延命の見込みはない。
それを知っていたユリウスは兄として、最後のメッセージをレオに届けた後、肉体とのリンクを切りその短い生涯に幕を下ろした。
『欲の影』【ラスボス】
キアラの使役する欲望を主な要素とした使い魔。
欲の塊であるキアラの礼装から無尽蔵に溢れ出て、キアラの目的を達成せんと旧校舎にゆっくり進行する。
単体の戦闘能力は大したことはないが、その数は強力な対軍宝具があっても一筋縄ではいかず、一旦排除しても程なくしてまた囲まれ、消耗した相手を容赦なく呑み込む。
この無尽蔵性に拍車をかけるため、キアラは更に迷宮の複数地点に影の発生源を配置した。
これらを潰さない限り、旧校舎に襲い来る影は無くならないため、生徒会はこれの根絶を最終決戦の目標の一つとした。
無限なる欲望を相手に、ある者は気紛れで刃を向け、ある者は切り札たる礼装を振るい、ある者は最初で最後の戦場に立ち――全力を以て戦った。
『ライカ』【サーヴァント】
カレンが戦闘能力を必要とし、それに際して存在を合一させたサーヴァント。
クラスはライダー。スキルはクラススキルの対魔力E、騎乗Eのほか、宇宙の英雄譚、星の開拓者、心眼(偽)を所持。ランクはカレンにそのまま引き継がれている。
ライカは実在した犬。ソ連の宇宙船・スプートニク2号に乗せられ、地球軌道を周回した最初の動物である。
地球を外から見つめ続けた最初の
西欧財閥によって宇宙開発が禁止されているEXTRA世界だが、ライカが打ち上げられたのは1957年。禁止されるより昔である。
何故このサーヴァントがカレンに合一されるサーヴァントとなったかは、宇宙へ行ったという逸話そのものにある。
月の裏側にカレンが現界するにおいて、合一されるサーヴァントは地球ではなくその外――宇宙の属性を持っていた方が都合が良かった。
更に性別や有効的なスキルからライカが選別された。結局戦闘力を求めたのにほぼ皆無である。
人型のAIに合一されるという状況のため、仮の人格を与えられている。
それによって、カレンの性格には変化が生じている。これは観測の域を超えて破滅を齎すのではとムーンセルが危険視したため、メタ的な理由をぶっちゃけると当時作者がhollow未プレイだったために「何か違う」といった疑問への言い訳に使うためである。危険視するならそもそも使いを送らない。
宝具は『遥か果てに生きる者』と『帰還せし魂』。そもそも自爆する以外に攻撃手段はない。ある意味ではアンデルセン以上に無理ゲーである。
……まぁ、噛み付いたりすれば文系サーヴァントの一人や二人、もしかしたら勝てるかもしれないが。犬は結構強い。
+
「人」じゃなくて「匹」だしオリキャラの「人数」には含まれねえ、という屁理屈。どうだ気付かなかっただろう。
『ライダー』【サーヴァント】
間桐 シンジと契約したサーヴァント。
真名フランシス・ドレイク。初めて生きたまま世界一周を成し遂げた人物である。
月の裏側においてはシンジに従いつつ、購買で購入した酒に溺れていた。
シンジの保護者のような立ち位置で、世話を焼きつつ特に動じず異常を自分なりに楽しむ。
あまり出番はなかったが、理由としては星の開拓者がチート過ぎて活躍し過ぎてしまうため。
よって戦闘は、ローズマリー戦と最終決戦の二回きりとなった。
思い切りの良い性格を好み、白斗の救出を決意した白羽を気に入って力を貸している。
最終決戦ではシンジと共に迷宮三階の影の発生源破壊を担当。
シンジを守り切りつつ、限界を超えて戦い続け、炎の海を越えてシンジの死の結末を覆し消滅した。
『ラニ=Ⅷ』【マスター】
はかせないの人。
バーサーカーのマスター。生徒会での役職は会計。
サブヒロインであったEXTRA編とは違い、凛と同じ立ち位置に戻った。
二階層の衛士として登場。未来に生きた世界救世論を説き、白斗にトラウマを植え付けた。
後半はアサシン――ジャックと契約する。彼女たちに母と慕われ、最初こそ戸惑ったものの、最後にはかけがえのない存在となった。
子からの愛を受け、親としての愛を捧げ、精神的に大きく成長した。
事前にサーヴァントを失っていたため、最終決戦では戦闘に参加せず面々の観測に尽力した。
事件の収束後、拠点にしていたカルデアという施設での活動を再開する。
ムーンセルとの接続による眠りから覚めた他のマスターたちとは違い、一夜の夢のような感覚になっている。
これは聖杯戦争で、ラニだけが例外的に地上に帰ったため。
夢でありながら確かに在った出来事。そんな不思議な体験は、ラニの大きな思い出となった。
『ランサー(青)』【サーヴァント】
「ああ!」「ランサーが死んだ!」「この人でなし!」
原作EXTRAで遠坂 凛と契約したサーヴァント。
大本はstay nightのランサーであり、真名はアイルランドの光の御子クーフーリン。
本作では凛のサーヴァントは別のランサーであるため、本編での登場はない。
しかし戦闘続行スキルと四枝の浅瀬の力で虚数の海から這い上がり、茶番劇場に迷い込んだ。
以降は登場するたびに死ぬ。例外は無く示唆のみであってもその後死んでいる。CCC編序盤~中盤頃時々あった感想返信での登場でも必ず死ぬ。それもこれも幸運Eゆえである。
物語終了後、夢の対決にて遂に登場し、クランの猛犬としての本領を発揮した。ただし槍は当たらない。
――――という予定だったが、対戦枠をブリテン親子に食われ没。
正直ここまで不遇な存在になるとは当初予想しえなかった。割と本気ですまない。
噂では現在、アイドルグループを結成しているとかなんとか。
『ランサー(赤)』【サーヴァント】
今作で遠坂 凛と契約したサーヴァント。
真名はカルナ。マハーバーラタの大英雄であり施しの英雄という名の何でも屋。
あらゆるものを特別視できないため、主観が客観的、客観が主観的になる傾向にある。
実力はサーヴァントの中でもトップクラスであり、槍と膨大な魔力を使いこなす。
凛の出力であればガウェインとも優勢以上に戦える。聖者の数字が働く状況であっても、勝敗は最後まで分からないだろう。
しかしCCC編において、全力で戦えたのは最後のみである。
アルジュナとの戦いでは彼とて本気を出したかった。しかしそれがなせない以上仕方ないと片付けている。
これがカルナとアルジュナの違い。同等であり完全に相反した二人の運命を隔てたのはマスターであり、主観という存在だった。
求められたら応じるという価値観の下、カルナはアルジュナの願いであった「ジナコを救ってくれ」を叶えることを凛の生存の次点とする。
この順位付けこそが「何かを特別に感じる」という事だと――カルナは最後まで、気付くことはなかった。
最後の戦いでは旧校舎の守護を担当。
CCC編では彼は不死の鎧『日輪よ、具足となれ』を纏っていない。
それは、カルナは月の裏側での事件の真相を薄々感付いていたからだ。
中心人物が紫藤 白斗と桜であり、BBの正体もキアラが黒幕である事も全て知った上で、語らずに黙してきた。
ある意味では、そんな中心に最も近い部外者だろう。
そんな聖杯戦争とは関係ない戦いの場で自らが消える運命にあった時、凛を万全な鎧で守れるようにと考えたのだ。
全てが終わった後――カルナは求められた二つの願いに応じ、役目を終えた。
「ジナコを救ってほしい」「凛とジナコを同じ世界へ」。
聖杯を勝ち取ることもなく、聖杯への道半ばで果てることもなく、ちょっとした、一瞬の回り道で躓いて。
望まれた願いとはまったく違うが、それも一つの答えだったのだろう。
噂では現在、アイドルグループを(ry
『ランサー(黒)』【サーヴァント】
ランルー君と契約したサーヴァント。
真名はヴラド三世。護国の公爵ではなく血の串刺公として召喚された。
高すぎる信仰の加護により他者の思考が内在できない。
ランルー君の在り方に愛を見て、彼女を妻と呼び尽くしている。
苛烈だが人格者であり、精神は破綻しているが時折見せる風格は貴族そのもの。
CCC編ではランルー君が倒れたことで冷静になり、しっかりと物事を分析している。
他者の言葉を自身の思考で判断するのがヴラドであり、冷静になることで会話は割と成立している。
己のマスターを第一に考え、傍を離れようとはしない。
ランルー君との契約破棄を促したBBとエリザベートには嫌悪感を抱いているが、エリザベートに対してはマスターのいないサーヴァントという境遇に憐れみもあった。
彼の宝具は己の領地を定めるものであり、カズラと非常に相性が良く、三階層では返礼として白斗たちの窮地を救った。
記憶が戻ったランルー君が何も気にしていないため、白斗や白羽に恨みはない。
マスターが生きて地上に戻れる可能性を知ると、そのために命を捧げることを決意。
奮闘するエリザベートのもとに現れ、秘めていた宝具『鮮血の伝承』を解放。
二人でキアラ・エゴを打ち倒した後、ランルー君に別れを告げて消滅した。
死の際の彼の言葉はランルー君に希望を与え、先を生き続ける活力となっただろう。
噂では現在、アイドル(ry
『ランルー君』【マスター】
ヴラドのマスター。女性。
BBによって捕えられ、エリザベートのマスターとして起用されようとしていた。
だがランルー君はそれを拒否し、ヴラドと共に逃亡。
しかし追手によって負傷し、旧校舎に逃げ込んでも暫くは眠っていた。
目覚めると、状況把握の後迷宮に再び潜り、白斗の手助けをして恩返しとした。
その後は長らく生徒会と関わらなかった。曰くありすらと遊んでいたらしい。大変危ない図である。
エリザベートとの契約は断ったが、マスターのいないサーヴァントとして気に掛けており、五階層潜入時には心配する様子も見せた。
記憶が戻っても動揺はなかった。ヴラドという心の拠り所があったためだろう。
最終決戦ではエリザベートの戦いに馳せ参じ、キアラ・エゴと戦う。
変貌するヴラドと死力を尽くして戦うエリザベートの戦いを見届け、月を去った。
ヴラドは自身の心の支えとなってくれた頼もしき父。
彼と別れ、地上に戻った彼女は、拒食症の回復に努めている。
『柳洞 一成』【NPC】
上級AIの一人であり、予選では生徒会長を担当。
ムーンセルが変異した後も白斗の親友的立場であり、実質的にムーンセル内のナンバー3。そのスペックは他の上級AIたちとも一線を画している。
与えられた最大の責務は白斗とメルトが有事の際のムーンセル通常運営。それゆえに月の裏側には落ちていなかった。
彼自身は事件について感知しており、しかし責務から離れる事は出来ないため動けない。
助けを出すべく未知なる月の裏側に緊急NPCのカレンにサーヴァント情報を付加して送り込んだ。
尚、桜が事件を起こした事は理解しているがキアラについては「誰かがアクセスを試みた」程度しか把握していない。
月の裏側の事件も起きた事だけで、内容は知らない。彼はあくまでも責務をまっとうするまでである。
普段はNPCの模範的存在であり堅苦しいのだが、メルトが知る限り最高の
肉を食べたとき、それが発露する。NPCの分際でとか言わない。
『レヴィアタン』【女神】
メルトに組み込まれた女神の一柱。
旧約聖書における海の女神。
実際の記述においてはレヴィアタンは怪物であり、女神の権能を所持している訳ではない。
多分、ベヒモスに対して世界における最強生物の雌個体という記述からの解釈だろう。
無垢心理領域での試練は「絆の裁定」。
サラスヴァティーによって方向性を示された白斗が解放した決着術式の精度を認め、力を貸すことを決定した。
何者よりも強くあらねばならないという権能により、戦闘能力を数値化すれば、世界の全ての上に立つ。
『レオナルド・B・ハーウェイ』【マスター】
セイバーのマスター。西欧財閥の次期当主であり、約束された世界の王。
生徒会での役職は会長。全体の指揮を執るリーダー。
全てのパラメーターが最高クラスの、最強のマスター。凛とラニが共闘しても及ばないという。
CCC編ではリミッターを外し、年相応のはつらつさを存分に発揮している。
サーヴァント共々生徒会の切り札であり、迷宮に赴いたのは三度の重要な戦いのみ。
聖杯戦争にて敗北をしった身のため、王として真実完成されている。
とは言え、これはいつ消えるかもわからない泡沫の夢。しかしもし、目覚めることがあれば――そんな淡い願望は、月の勝利者によって叶えられることになる。
事件の収束後、西欧財閥の反発者は減少し、より完全な世界のために奔走している。
現当主に決して劣らない逸材として、世界の希望を一身に受ける幼い身に、しかし萎縮した様子はない。
以後レオは、完全なる王として新たな世界を見つめていくことだろう。
『鮮血の伝承』【宝具】
レジェンド・オブ・ドラキュリア。吸血鬼としての真の力を解放するヴラド三世の最終宝具。
後世に伝えられてきたドラキュラ像を具現化し、自身に降臨させる。
ヴラドはスキル『無辜の怪物』によって怪物化し、ドラキュラとなってはいるがその力は発揮されていない。
この宝具の使用によって『無辜の怪物』を真として解放するものでありドラキュラとしてのヴラド・ツェペシュは完成される。
使用すると全てのステータスが2ランク上昇し精神干渉系の効果をA+ランクまで無効化。
スキル『信仰の加護』は消滅。ランサークラスとしての補正で持っていた槍のスキルも失い、力任せに振るうだけになる。
その在り方はバーサーカーに近く、ほぼ理性を失くした怪物。
姿にも翼が生える、目が黒く染まるなど変化が生じる。
飛行が可能になるが、利点ばかりではない。太陽属性への弱化など、一般的なドラキュラの弱点を背負ってしまう。
『串刺城塞』も暴走し体内に侵食。体中から槍や杭が突き出るような異変が発生。時間が経てば経つほど、自ら甚大なダメージを負っていく。
一度使えば解除は不可能であり、実質破滅への一手と言ってもいい。
月の聖杯戦争においてはほぼ決勝戦限定の切り札。
一応『信仰の加護』によって身体及び精神の絶対性を持っており、これによって普段は自然と封じられている宝具。
『無辜の怪物』はこの宝具の一端ともいえる。ぶっちゃければ、三割くらい侵食されているのが普段のヴラドって設定。
言わばこれを発動した状態こそ『無辜の怪物』100%。主と彼女が住む世界を守るべく、ヴラドは自らの怪物を認めたのだった。
+
言わずもがな、本来は外典のヴラド三世の宝具。
外典のヴラドのように使用を拒絶したりしないのは、既に『無辜の怪物』によって変貌しているため。
『ローズマリー』【アルターエゴ】
情愛のアルターエゴ。アルターエゴ-E。Eはexcess、embraceなどを意味する。
BBの最大の失敗作。愛憎反転の属性を過剰に取得してしまったゆえに行き過ぎた愛情を持ってしまった。
本作オリジナルのアルターエゴの一人。コンセプトは「王道ヤンデレ」。
一癖二癖あるヤンデレより王道を突き進む。そんな気概で望んだ挙句、ヤンデレってだけで癖ありすぎという事に気付かずやっぱり癖の強いキャラになった。
ローズは自身が
特に羞恥心は殆ど皆無に近く、羞恥から繋がる秘密――SGも存在せず姿格好も気にしていない。
他の女という存在を極度に嫌悪しており、自身に組み込まれた女神の要素も弾き出して宝具としている。
盲目的に白斗に愛を向けるアルタ―エゴ。
その愛は純粋ゆえに狂気的。白斗以外には容赦はしないが白斗に対しては献身的。
羞恥の機能は白斗にのみ、多少働いている。捕えた彼に行動を起こさなかったのはその所以。
アルターエゴなだけあって戦闘センスは相応に高い。女神の因子を操って複数のサーヴァントを相手取り、有利に立ち回っている。
しかし最終的には隠れ潜んでいたアーチャーの存在もあって敗北。
フランの宝具によって回復した白斗の言葉で独りよがりを自覚し、己の境遇を自嘲しつつ最期を迎えた。
そのリソースはキアラに回収されたが、それがキアラの災いとなり強力な自我によってキアラの内部から脱出。
白斗の勝利に一役買い、今度こそ彼の手によって滅ぼされた。
彼女は純粋だった。白斗を疑うことを知らず、迷宮に取り残された白斗の説得によっては改心していただろう。
そんな可能性はないまでも――事件の中で生まれていなければ、ただの問題児で済んだかもしれない。
+
没案の中に、白羽と仲良くなる話があった。
自室から動けず暇を持て余していたローズが適当に術式を組んでいたら、id_esによって術式に観測不可な異常が発生し白羽の個室と通信が繋がった。
敵同士でありながら白羽ののんびりとした性格に、少しずつ警戒を解いていく。
しかしある程度親密になったところで、本編通り七章に突入。
唯一の友人であっても、白斗の障害ならば仕方ない。そう切り捨てて、ローズは白羽に刃を向けるのだった――。
没になった理由はなんか胸糞悪いから。友情を引き裂きあまつさえその先でキアラに食われるなんて展開が嫌だったためである。
お疲れ様でした。そして、こんなふざけた用語集にまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
良くも悪くも、Fateにのめり込むきっかけとなった作品でした。
なんかもう、言ってる事がコロコロ変わるような作者ですが、やっぱり本作は続いていきます。
未来を取り戻す旅路。メルトと白斗は、心強い味方をつけて、新たなる事件へと赴きます。
私に何かなければ、きっと完結まで持っていきます。これからも付き合っていただけるという方は、どうぞよろしくお願いします。
それでは、Fate/Meltout CCCはこれにて幕とさせていただきます。
本当にありがとうございました!