Fate/Meltout   作:けっぺん

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2016年→
←十九世紀イギリス

今回は章末茶番になります。
なんだかんだ、とんでもなく長くなりました。
最初に言っておくと二万と四千字です。よろしければどうぞ。


Last chapter/my room.-3

 

 

章末茶番『教えて! アンデル先生!』

 

先生「Fate/Grand Order(以下、FGO)が配信されて三ヶ月を超えたが、如何お過ごしだろうか」

メルト「最後の茶番で最初の言葉がそれってどうなのよ」

ハク「まあ、作者も楽しんでるみたいだし」

先生「メルトリリスやパッションリップの登場を待ち続けているらしい。フォウと種火の貯蔵は十分だとか」

ハク「まだ出ることすら確定してないのにね」

先生「さて……それはそれとして。本作もとうとう完結した。実に感無量とのことだ」

メルト「二年半、ね。長くなったものだわ」

ハク「ちなみに内訳は?」

先生「ふむ、では振り返ってみるとするか」

 

EXTRA編:2013年6/8~12/22(用語集:2014年1/1)

 

先生「本編は六ヶ月半。七回戦の前半以外はそれなりに更新時期が安定しているな」

ハク「四回戦くらいまではかなり書き溜めもあったしね」

メルト「半年と少しで正史が終わったってのもなんか変な話ね」

先生「さて、その『半年と少し』でEXTRA編が終わったことを前提として見ていこう」

ハク「ここからCCC編開始までに二ヶ月ほど期間が空いた、と」

メルト「その期間で作者がとあるトラウマを負ったとか」

先生「もう払拭されたようだから蒸し返すな」

 

CCC編:2014年2/1~2015年11/13

 

ハク「長っ」

メルト「そして2014年の更新分が大体五章の終了までよ」

ハク「エリザベートの階層だね」

 

六章~七章:2014年12/30~2015年3/25

 

先生「およそ四ヶ月だな」

メルト「なんでここで区切るのかしら」

先生「これを見てみろ」

 

八章~完結:2015年4/5~11/13

 

ハク「長っ」

メルト「CCC編の三分の一がこの二章にあるのね」

先生「この二章分にEXTRA編以上の期間を掛けていたことになるな」

メルト「ちなみに八章と最終章、何話あるのかしら」

先生「六十話だ。最終章だけで四十二話ある。CCC編の四分の一が最終章だな」

ハク「視点がかなり変わってたし、あちこちで戦闘があったから必然的に長くもなるんだけど」

先生「その、一番長かった最終章について語っていく」

ハク「気のせいか、アンデルセンが割とやる気を出している気がする」

先生「長いんだ。さっさと終わらせたい。というか、全部用語集に丸投げしたい」

メルト「最後だから色々な何かがやりたい放題していくのが目に見えているわ」

ハク「何その地味に怖い予言」

 

Anima Ataraxia.

 

先生「最終章の入りだ。二話構成だな」

メルト「遂にキアラの目的が判明したわね」

ハク「世界全てを己の手中に入れる――これは原作通りだね」

先生「ただし、それはあくまでも譲歩した条件に過ぎない。キアラはお前たちが断ることを承知の上で、条件を提示してきた」

メルト「ちなみに、その譲歩とやらに従ったらどうなるのかしら」

先生「それはそれで納得できていただろうよ。もっとも、満足できずに更にやらかす可能性もなくはないが」

ハク「所謂、バッドエンドってところかな」

メルト「まあ……トゥルーエンドを前提とすれば明らかにバッドね」

先生「トゥルーエンドに極めて近いバッドエンドだな。何しろ、大してその未来に変化がない」

メルト「結局あの性悪のことよ。絶対それじゃ終わらないわ」

先生「そうだろうな。……で、俺はこの回においてどうにも気になることがあるのだが」

ハク「何が?」

先生「パッションリップがどうやって白衣を着たのか」

ハク「……ああ」

メルト「……」

先生「む、メルトリリスならばその回答を得られるかと思ったが、見当違いだったか――」

BB「そんなの、この最強無敵でかわいいかわいいBBちゃんがこう、チョイチョイっとしてあげたんですよ」

リップ「き、気付いたら……あんな風に……」

メルト「」

ハク「」

先生「最後なんだろう。呼んでみた」

白羽「ああ、私もいるよ」

メルト「よ、余計なことを……」

BB「余計? センパイ、どう思います?」

ハク「え……? ああー……」

BB「どうして言い淀むんです!? センパイ! 私BBチャンネルで司会進行慣れてますよ!?」

ハク「あ……BBチャンネルといえば、SGの最後の記述――」

BB「わーわー! 知ーりーまーせーんーっ!」

白羽「何度も放映されたBBチャンネルは彼女なりの熱烈な――」

BB「読み上げなくていいんです!」

メルト「で……貴女たち、何しに来たのよ」

リップ「だ、だから……一緒に進行を」

先生「ちなみに今回はエゴ一同+αでやっていく。全員一度に来ては収拾がつかないからな、何人かずつだが」

白羽「もう若干怪しいけどね」

ハク「+αって……」

先生「いつも通り脱落勢を……」

メルト「サーヴァントほぼ全員じゃないの!?」

先生「まあ冗談だが。作者のノリでやっていくそうだ」

BB「もっと心配なんですが!?」

 

Inner Core Harmonics

 

サラ子「四話構成。皆大好きサラ子ちゃんの登場回だよー」

ハク「」

メルト「」

サラ子「……あれ? あれあれ? どうしたのかな?」

リップ「誰……?」

BB「私も見たことないんですけど……」

サラ子「あ、パールちゃんにドゥーちゃん? それから後一柱は……アプサラスのおチビちゃんたちに似てるけど」

リップ「え? ……え!?」

サラ子「で、そっちは? なんか見る限り、変なのいっぱい詰め込んでるねー」

BB「へ……? あ、あの、センパイ? この人は……人?」

サラ子「そっちの子は……ご主人様に近いね。元は同じなのに、目覚め方が違うんだ」

白羽「う、ん……? ハクト君、この人は?」

ハク「えっと……サラスヴァティーだ」

先生「ご存知、メルトリリスを構成する女神の一柱サラスヴァティー。神域空間での案内役として現れたな」

ヴァイオレット「……私、あの方はどうにもにが――」

サラ子「ん? 何? どうしたのバイオレットちゃん?」

ヴァイオレット「ヴァイオレットで――」

サラ子「んん?」

ヴァイオレット「……いえ。なんでもありません」

先生「これでどうしてヴァイオレットの天敵にサラスヴァティーの名がないのだかな」

メルト「私よりよっぽど天敵じゃないの、これ」

サラ子「いやいや、私も含めての貴女じゃないの。ねー、ご主人様?」

ハク「あ、ああ……うん。まあ、そうだね」

サラ子「煮え切らないなあ……アルトちゃんがゾッコンのオリオン君みたいにハキハキとするべきだよ」

メルト「それは駄目よ。……今の状態でも十分問題なのに」

白羽「これ以上ハッスルするんだったら、私たちも黙ってないよ? ね、リップ」

リップ「は、はい。こう、クシャッと……しちゃうかも、です」

ハク「な、何の話を……」

ヴァイオレット「分からないなら、尚更危険ですね」

BB「少し、閉じ込めておきましょうか。犬空間改良型、試してみたいんです」

先生「当たり前のように理不尽に帰結したな」

サラ子「ふふん、凄いでしょ、私の権能」

ハク「な、何かやらかしたのか……?」

サラ子「別に何も。じゃ、解説を始めようか。アンデルセンせんせー」

先生「……ふむ。確かに調子が狂うな。まあいい。神話礼装解放のための試練の話だ。メルトリリスに代わってヴァイオレットが追従したな」

ヴァイオレット「ええ、貴重な経験でした。サラスヴァティー様との出会いは別として」

サラ子「ん?」

ヴァイオレット「……いえ……」

BB「ヴァイオレットが圧されてる……」

ハク「様って……」

メルト「仕方ないわ。力量でいえば他の登場人物たちと比べるべくもないもの」

白羽「表に帰ったメルトちゃんと比べると?」

先生「ムーンセルによって再現されたものであればレベル兆を超えたメルトリリスは女神にも勝るだろうな」

ハク「でも、あの空間は少し事情が違うんだよね」

サラ子「んー、そだね。あそこはムーンセルそのものより階梯は高いよ。ムーンセルじゃ再現しきれない場所だからね」

リップ「つまり……一番強いのは」

先生「結局、女神たちということになる。月の裏側の再構が終わり、其方にまでメルトリリスの支配が入れば、その限りではなくなるかもしれんが」

ヴァイオレット「シラハ、すぐに再構を終わらせましょう。サボっている暇はないですよ」

白羽「へ? ちょ、待っ――」

リップ「あ……」

先生「……間引いたな。入れ替わりが多い最後となりそうだ」

メルト「まあ、私のレベルが上がっても今後あの空間自体に入ることがないから、殆ど関係ないのだけど」

サラ子「よっぽど嫌いなんだねー」

ハク「それと……ノートから借り受けた宝具が出てきたね」

BB「ノート……こんなところで、センパイの力になっていたんですね」

先生「ちなみに、コイツが真名解放できるのはノートの泥によるもの。サーヴァントセル・オートマトンの性質が泥にそのまま残っているためだ」

BB「この回で出てきたのは『外殻殺し(エッケザックス)』『輝ける凱歌の詩(オハン)』『蒼空裂く星の穂先(ディアトレコーン・アステール・ロンケーイ)』の三つです」

メルト「それぞれ、本来の使用者はディートリヒ、クルフーア、ヘクトールだけど……」

リップ「出てきましたね……ヘクトールさん」

BB「そんなワケで、ヘクトールさんは公式でFGOに登場しました。宝具については外典マテリアルでも少し語られましたね」

ハク「まさかのジェット噴射投擲」

先生「あれは最初見たとき驚いたらしいぞ。宝具の真名はともかく効果が似通ってて」

BB「それぞれの宝具詳細はこんな感じです」

 

外殻殺し(エッケザックス)

 ランクA 対防御宝具

 三メートルを超える大剣。

 あらゆる防御を打ち崩す能力を持ち、真名開放を伴えば問答無用で破壊する。

 非常に巨大かつ重量のため、純粋な攻撃力も高い(振り回せるとは言ってない)。

 

輝ける凱歌の詩(オハン)

 ランクB+ 防御宝具

 四つの牙を持つ黄金の盾。

 攻撃の性質を記憶する力を持ち、三度までならば如何に威力を上げようとも受けきる。

 その能力の正体は独自の魔力炉。受けた攻撃に対応する防御性質の魔力を自動的に生み出すのだ。

 真名開放により、それを万能的な防御に変換し、巨大な盾として展開する。

 

蒼空裂く星の穂先(ディアトレコーン・アステール・ロンケーイ)

 ランクB+ 対軍宝具

 ヘクトールの特殊な投擲方法。

 槍を握る拳に込めた魔力を槍の後方から噴射し、威力を飛躍的に上昇させる。

 余った魔力は多分着弾地点で爆発する。

 

メルト「まさか宝具一つ一つ、全部やってくつもり?」

先生「言っただろう。長くなると」

サラ子「頑張ってねー、ご主人様」

ハク「……うん」

 

Break Down is Nigh.

 

先生「五話構成……女神は、いないな?」

サラ子「呼んだ?」

先生「ええい帰れ。更に振り回されてたまるか」

ハク「あ、肩竦めて帰ってった」

メルト「良いわよ。どうせここからまたどんどん出てくるんだから」

先生「ああ、ちなみに言い忘れていたが、七章章末でヴァイオレットが出てこなかったのは今回出すためだ」

リップ「そもそも、退場していなかったし……」

BB「一回しか出れないなんて制約あったんです?」

ローズ「いや、別にそんなのないと思うけど」

ハク「どうせ茶番だし、細かいこと気にするのも野暮ってことで」

メルト「結局ヴァイオレット=不遇の方程式が成り立った気がするわ」

先生「……なんだろうか。退場済みのエゴがさらっと再登場して会話に混ざっていた気がしたのだが」

ローズ「気のせいじゃないかな? さ、センパイ!」

ハク「へ?」

ローズ「ちょっとアッチ行こう! ふ・た・り・で!」

メルト「な、ちょ、待ちなさい!」

先生「……」

BB「……」

リップ「……」

先生「減りすぎだろう」

リップ「こ、これ……原型(レギュラー)がアンデルセンさんしかいないんだけど……」

BB「進行は早くなりそうですけど、色々駄目でしょう」

先生「ふむ……では誰か呼ぶか」

エリザ「来たわ!」

BB「>何度も出てきて」

リップ「恥ずかしくないんですか?」

エリザ「コンビネーション!? っていうか、もうそのお約束良いわよ!」

先生「定番は尽くしてこその定番だ。お前も少しくらいは想像できていただろう」

エリザ「う……で、でも! 私章末に出てくるのは初めてじゃない!」

BB「もう、いいから続けましょう……センパイもいないとなると割とやる気もないんです」

先生「ああ。本筋から離れすぎだしな」

リップ「今までにない、ぐだぐだ感……」

先生「さて、この話は生徒会外のマスターたちに地上への帰還が可能ということを知らせにいくことが主題となっている」

BB「だけど、別に語ることなくないですか? 特に何か隠れたものがある訳でもなし」

先生「この茶番を全否定するんじゃない。今までだって大体そういうもので構成されてたんだ」

エリザ「ちょっと! 後半二話! 私については!?」

リップ「え、エリさんっていうよりシラハさんメインなんじゃ……」

白羽「――なら戻ってくるけど」

先生「なんだ。今回はこの唐突すぎる入れ替わりを通していくのか」

BB「途中で誰か消えても気付かなさそうですね」

先生「……仕方ないから説明しよう。この物語において、キアラが中盤まで味方として成立していた要因の一つがパッションリップと黄崎 白羽の存在だ」

白羽「令呪の命令、だよね?」

リップ「『アリーナと決戦場以外での殺傷禁止』……この命令が、月の裏側でも効いてました」

先生「そもそもこれまで一切説明していなかったが、本作CCC編は前提としてEXTRA編の続きだ。今回の事件たるCCCを構成する要素は幾つかある」

BB「それが『生前のメルトの記憶』『メルトとセンパイの聖杯戦争』『キアラの介入』の三つですね」

先生「これらが綯交ぜになって事件は構成されている」

白羽「えっと……メインは当然一つ目。新しいアルタ―エゴとかの登場は三つ目かな」

先生「その通り。そして、巻き込まれたマスターの状態は二つ目の要素となっている」

リップ「契約サーヴァント……巻き込まれたマスターの人数、それから……」

白羽「令呪の状況――画数はEXTRA編から引き継ぎなんだよね」

先生「これは描写から気付いた読者諸君もいるかもしれない。令呪の使用描写の際、画数に差があったのは表側で使っていたからだ」

BB「――ちなみに、令呪はメタ的な意味でEXTRA編の描写外における使用はないものとします。そんなのあったら何でもアリになりますからね」

先生「そしてもう一つ。サーヴァントを失う、ないし他のサーヴァントと再契約したとて令呪の喪失、再分配は行われない。これは月の聖杯戦争において令呪は参加権であるからだ」

白羽「四回戦の私と白斗君みたいに例外的に令呪を貰ったり、原作EXTRAのユリウス君みたいに反則を行ったりしない限り、令呪は使ったらそのままってことだね」

先生「プロローグにおいて令呪が全て失われたのも、EXTRA編において全て消費したからだと思ってくれればいい」

リップ「久しぶりに……まともな解説」

先生「で――件の命令があってパッションリップはキアラを殺せず、かといって真実を聞かされたマスターたる黄崎 白羽は疑念を確信にまで持っていけずに殺せず仕舞い。さて、ここがEXTRA編のコイツらとの違いだな」

BB「EXTRA編ではシラハさんは『生きるため』にランルーさんとの戦闘を肯定しています。これは死を恐れ、生き足掻くゆえですね」

先生「そしてCCC編。全てがキアラの手の上であるならば、余計な手出しをすれば死に直結しかねない。死ぬのは恐い、死にたくない――そんな恐怖と逃避が変化したのは、聖杯戦争の記憶が戻ったときだ」

BB「四章はじめですね。ここで記憶を取り戻したことで、自身の死を自覚します。それでいっそ吹っ切れたのでしょう」

先生「内容はともかくとして、ここでは紫藤 白斗によってキアラから引き離されている。これは真実を知る人形がそれを操るキアラから離れ自立したことの暗喩。そして、一章『Backyard of Eden-4』の――」

 

  ――人形であればそれを愛でる者がいる。糸から離れた手足を動かす馬鹿者がついていたか。

 

先生「この台詞と対応している。この『人形』は紫藤 白斗と黄崎 白羽に共通する比喩だ。ただし前者については『愛でる者』『馬鹿者』どちらもメルトリリス、後者は『愛でる者』がキアラ、『馬鹿者』が紫藤 白斗となっている」

BB「勿論、この時アンデルセンさんが意識していた訳ではないんですよね?」

先生「当たり前だ。あくまでも描写、表現上作者が意識した程度のものと留めてくれればいい」

白羽「なんか、ここまで真面目に自分たちのこと語られると反応に困るね」

リップ「は、はい……口を挟めない、というか……」

先生「ああ、なんだ。消えていなかったのか。やけに静かだったからいないと思っていたぞ」

白羽「目の前にいるじゃん」

BB「すみません。この茶番地の文ないですから、状況分からないんですよ」

白羽「最後の最後にそんなことぶっちゃけるの!?」

先生「現に、ほら見ろ。そこに空気アイドルがいるだろう」

リップ「あ……エリさん」

エリザ「へ? …………あ! そ、そうよ! なんで私を脇役どころか空気にしてるのよ!」

先生「いや、正直お前について語ることも大してないのでな」

エリザ「なんで!? 私の決意とか他色々とかその辺は!?」

BB「自分でも固まってないじゃないですか」

先生「まあ……なんだ。エリザベートはこの時点で自身が生き残れないことを分かっていた。というより、コイツなりの贖罪だな。最後の決戦を通し、少しでも力になれればと思ったのだろう」

白羽「贖罪……」

先生「EXTRAマテリアルに書かれている通り、エリザベートが人類の救済に関与したとて罪の重さは変わらない。しかしそこは数字が全てのムーンセル、『エリザベートが生前殺した人数よりもエリザベートによって救われた人数の方が多くなった』という事実に基づいて、罪を償うのに必要な時間はある程度減っただろうな」

エリザ「原作とは違う結末になったから、監禁もないのだけど」

リップ「じゃあ……この話をした意味……」

先生「まったくない。本筋に絡まないその後のことなんざ考えてられるか」

白羽「本筋に絡まない雑談がメインレベルのコーナーで今更何を」

 

Last Battle on Mooncell.

 

ヴァイオレット「七話構成です。この物語の最後の一日。最終決戦の始まりです」

先生「戻ってきたのか。お前たちも」

ハク「ああ、うん……どうにか」

メルト「あの女、しつこすぎよ……ストーキングスキルでもついてるんじゃないかしら」

先生「七章より前にGOが配信されていたら、間違いなく追加されていたな」

BB「ところで、シラハさんとリップはどうしたんです?」

ヴァイオレット「勝手に此方にやってきたようなので、連れ戻しました」

先生「随分と語りやすくなったな。さて、まずはじめに最終決戦の状況を纏めていこう」

BB「次の話も跨ぐので、その分も入れていきましょう」

 

桜、BB、カレン、ラニ、ありす:生徒会室

マスター及びサーヴァントの意味消失を防ぐための観測作業。

また、BBは生徒会室の護衛も兼務。

 

凛、ジナコ:校庭

迷宮から溢れてきた影と対峙。

 

言峰:旧校舎一階廊下

凛の倒しそびれた影と対峙。

 

慎二:三階

影の発生源破壊を担当。

 

ダン、ユリウス、アタランテ:八階

影の発生源破壊を担当。

 

キャスター:一階

捨て身の特攻。影と対峙。

 

エリザベート、ランルー君:十五階

キアラ・エゴと対峙。

 

レオ:十八階

キアラ・エゴと対峙。

 

白羽、ガトー、アルターエゴズ:二十四階

キアラ・エゴと対峙。

 

ハク:ムーンセル中枢

最終決戦。

 

先生「この通り、十に分かれて戦いが繰り広げられた。キアラが生み出した影の群れやSGを基盤に作り上げた分体(エゴ)を相手に、全員が信念をかけて戦った」

BB「黒幕のサーヴァントがこれを話していると、どうも微妙な心境になります」

メルト「弁解があれば聞くけれど」

先生「迷惑をかけた」

ヴァイオレット「潔いですね」

先生「余計な口を聞いて長くなっても面倒だからな」

ハク「切実だ」

先生「さて、この回からそれぞれの戦いが始まるため、ここで語るべきことは少ない」

BB「まず初めに……リンさんの決着術式ですか?」

先生「そうだな。ゼルレッチ――並行世界に接続し、魔力を拝借する決着術式。元ネタは言うまでもないが、stay nightに登場した同名の魔術礼装だ」

メルト「能力に結構アレンジが入っているわね」

BB「EXTRA編のリンさんがランサーさんの魔力供給を滞りなく行えていた理由の答えともなっています」

ヴァイオレット「後付け設定も良いところです」

ハク「そもそもCCC編に入ってからの設定なような」

先生「CCC編で新たに考えた設定も幾つかあるからな」

メルト「EXTRA編の頃はどうやって供給を行ってたつもりだったのかしら」

先生「なんかこう……宝石で工面してたんじゃないか?」

BB「――と、作者はこのくらい大雑把です」

ハク「逆にEXTRA編の頃から設定があったのが、キャスターの宝具だよね」

先生「その通り。『夢見る子供の物語(ドリームランド・オブ・アリス)』はEXTRA編で没になった宝具だ。CCC編で遂にお披露目が叶ったな」

メルト「結局のところ、強い宝具なのかしら」

先生「兵士の量産が出来るという点では強力な対軍宝具を持たないサーヴァントに対しては優秀だろう。ジャバウォックでごり押しも出来るだろうしな」

BB「ただ、魔力消費は激しそうですねー」

ヴァイオレット「あの本は魔力炉ではありませんからね。キャスター自身、或いはマスターの魔力負担は使い魔が増えるにつれて重いものとなるでしょう」

ハク「ジャバウォック一体だけでも、バーサーカーを追加で一体従えるくらいの消費はあるだろうね。読者からの魔力のバックアップがあるといっても、使い魔を御せるほどじゃないし」

先生「扱えるのは規格外なマスターのみ。数人のサーヴァントの魔力を一度に賄えるマスターならば相応に強力といえよう」

メルト「でもそんなマスターなら最初からヘラクレスやらアキレウスやら召喚した方が良いんじゃないかしら」

先生「――と、こういう結論に至る。ようするに微妙なサーヴァントということだ」

BB「作家系サーヴァントという括りで見れば、戦闘能力を持つ結構レアなサーヴァントなんですけどね」

先生「……まあ、俺やシェイクスピアは作家ゆえの特殊能力に特化しているからな」

メルト「他の作家サーヴァントと違って月の聖杯戦争に呼ばれてもワンチャンなくもないってくらいかしら」

ハク「宝具といえば、他にもアタランテとヴラドが新たな宝具を使用したね」

先生「『神罰の野猪(アグリオス・メタモローゼ)』と『鮮血の伝承(レジェンド・オブ・ドラキュリア)』。どちらもとっておきに相応しい、姿を変貌させる宝具だな」

ヴァイオレット「両者とも自壊を覚悟の上で使用したものだけあって、その能力は非常に強力です。ただ力押しなだけでなくトリッキーな一面も持ち合わせた性質があります」

メルト「まあ、どちらも聖杯戦争を勝ち抜くのには向いてないわよね」

BB「両方とも負担の大きい宝具、かつ自壊の可能性も考えるとかなり使いどころは選びますね」

ハク「で、次は――」

エリザ「ストーップ! 私の活躍は!? コウモリ男が出てきたなら、当然私についても語るべきでしょ!?」

先生「なんだ、いたのか」

エリザ「ずっと! 前から! いたわよ!」

先生「お前について語れと言われても……なあ。本編で書いてある通りなんだが」

BB「強いて言えば、鮮血魔嬢(バートリ・エルジェーベト)の自身に対する効果が薄れたことくらいでしょうか」

ハク「これは、エリザベートの罪の意識によるものだよね」

ヴァイオレット「精神性に変化が生じたことで宝具の効果適応対象としての性質が薄れ、それまでとは違うように感じている、ということです」

エリザ「あるじゃないの。そうよ、そういう感じでドンドン私について――」

先生「さて、他の者たちについては語ることもない。次の項で扱うとしよう」

エリザ「……」

 

Desire of The World.

 

先生「十二話構成。本作で最も長いタイトルとなったな。それぞれの激戦を描いた回だ」

メルト「遂にキアラの目的が判明したけど……」

ハク「……」

BB「ああ……ええと……」

先生「なんというか、色々すまない。あそこまでだとは俺も正直思わなかった」

ヴァイオレット「でも目的について、知らされていたのでしょう?」

先生「当たり前だ。そうでもなければ最初から物語を書き始めてなどいない」

BB「この馬鹿げた望みを聞いて、センパイはようやく彼女を『倒すべき外敵』と判断したんですね」

先生「その通り。敬称を捨てて『キアラ』と呼ぶようになったのは決意の証だな」

BB「本編の通り、最終決戦はサーヴァントではなく、マスター同士の戦いが主となっています」

メルト「神話礼装の解放に手間取らなければ、もう少し早く辿り着けたのだけど」

ハク「解放から中枢まで、どのくらい掛かったんだ?」

メルト「十分も掛からなかったわよ?」

先生「どこまでも規格外だな、神霊の力は」

カズラ「そんな神霊たちの力と、ハクトさんは応戦してたのですね」

プロテア「せんぱい、じんがい?」

先生「何処から湧いたお前ら」

ハク「人外って……」

ヴァイオレット「近からず遠からずでは」

BB「生身でキアラ(アレ)と競り合えたってのが」

ハク「あれはまあ……身体強化もあったし」

カズラ「それはあの人も同じだったと思いますが……」

先生「とはいえ、ある程度キアラが舐めて掛かっていたというのもあるがな。本気で殺すつもりならさっさとそうしている」

メルト「まーたアレは舐めプが敗因になったのね」

先生「見ろ。メルトリリスのあのしたり顔を。加虐体質万々歳だな」

プロテア「わるいせーかく」

メルト「戦いが終わった以上、何を言ってもアレは言い返せないわ。恨みつらみなんて何時間費やしても言い足りないし」

BB「……えと、最終決戦は神霊宝具とセンパイがノートから譲り受けた宝具のぶつかり合いが主となっています」

カズラ「まず、ハクトさんが使ったのは以下の宝具です」

 

禁忌なる秘匿の箱(ピュクシス・カタストロフェ)

ランクC 結界宝具

パンドラの箱。手の平に乗る程度の小さな箱。

収納した力を徐々に増幅させていく宝具。

再び開くと、増幅させた状態を自身の攻撃方法として使用できる。

実は収容する際の防御能力は結構高い。

 

妄信勇譚(ヘラクレス)

ランクD++ 対人宝具

棍棒に類似した無骨なグラディウス。

真名解放によって霊格をヘラクレスに匹敵させ、自身を凌駕する身体能力の発揮を可能とする。

信仰心の強さによって発動時間は決定する。奥義『射殺す百頭(ナインライブズ)』の使用も可能。

発動出来ないのは「ヘラクレスを知らない存在」か「ヘラクレスより上の実力を持つと自負している存在」。

また、ヘラクレスより高い身体能力と技量を持つ者が使うと寧ろ弱くなる。いないと思うけど。

 

粛正見届けし方舟(ノアズ・アーク)

ランクA 対粛正宝具

ノアの方舟。輝くガーネットで装飾された、船体らしい形状を持たない船。

粛正の大洪水を防いだ逸話から対軍以上の攻撃に対して高い防御能力を発揮する。

魔力消費は非常に激しいが最高速度は高い。

 

ハク「元の所有者は順にパンドラ、コンモドゥス、ノアだね」

カズラ「『粛正見届けし方舟(ノアズ・アーク)』は次の話に登場する宝具ですが、面倒なためここで一括して紹介します」

先生「そして、戦闘中一つ真名の出ていない宝具があったな。決して毀れぬ剣と表現していた」

BB「ランスロットさんの宝具じゃないんですか?」

プロテア「あろんだいとー」

先生「まあ、間違ってないな。元を辿ればあの剣は『無毀なる湖光(アロンダイト)』に至る。以下が詳細だ」

 

いと高き純潔の剣(アルタキアラ)

ランクA 対人宝具

決して毀れることのない剣。

所持するとステータスがワンランク上昇し、ST判定の成功率が二倍になる。

竜殺しの力はないが、独自の性質として戦闘で敵を倒せば倒す程に上記の効果の上昇幅を広げていくという対軍寄りの効果を持つ。

 

先生「より知られているだろう名前はオートクレール。シャルルマーニュ十二勇士が一人オリヴィエの持つ剣だ」

BB「アストルフォさんの同僚ですね」

メルト「この名前……」

先生「ああ、それな。実は戦いの終盤、もう一度登場させて真名を出し、キアラへの反撃の始点とするつもりだったんだ」

ヴァイオレット「それで、これ以後登場がなかったのは」

先生「忘れていた」

メルト「伏線管理の手抜きっぷりが如実に出てるわね」

BB「まあこれも言葉遊びの一環ですし、なかったところで大して意味もないんですけど」

カズラ「そして、此方はキアラの使用した宝具です」

プロテア「かみのほうぐー」

 

荒れよ狂飆、蛇討つ為に(イルルヤンカシュ)

ランクA+ 対神宝具

数十メートルはあろうかという巨大な蛇竜。

幻獣だが神獣にも匹敵する力を持ち、神性に対して高い攻撃力を発揮する。

牙や鱗は非常に尖っており、先端に触れれば問答無用で追加ダメージが発生する。

 

万障森羅(フンババ)

ランクA 対人宝具

枯れ木を思わせる様相の巨人。

口から吐き出される毒の息と炎は神性によって効力を削減できる。

噛ませ犬にも等しかったが普通に強い。相手が悪かった。

 

必勝誓う鬼祓の剣(アパラージタ)

ランクB+ 対軍宝具

インドの伝承に登場する無敵の剣。

攻勢において切れ味と持ち主の筋力を増し、防御において耐久性を上昇させる。

真名解放による斬撃はバルムンクと同系統の、半円状に広がるもの。

 

天星失墜し(ヌディ・ムバ)

ランクB 対人宝具

中国の民族伝承に登場する太陽と月を射貫くために作られた矢。

発動からタイムラグなしで敵を穿ち、着弾と同時にBランク相当の固定ダメージを与える。

読みは「ほしおとし」のつもり。

 

移ろわぬ神威の守護(アイギス)

ランクA+ 結界宝具

最強の盾も名高い女神アテナの大盾。

盾の内部に存在する空間は神性による防御概念に満ちており、それを展開することで盤石な守りとなる。

対軍だろうと対城宝具だろうと、対界対星でも防ぎきる可能性を持つが性質から守りを突き崩す概念には弱い。

エッケザックスには勝てなかったよ……。ペルセウス? レーダー? 知らん。

 

生誕れよ刻銘め、無間なるや祖の炎(ラハット・ハヘレヴ・ハミトゥハペヘット)

ランクEX 対界宝具

旧約聖書に登場する炎の剣。アダムとイヴがいなくなった後、命の木を守るべくエデンに置かれた剣。

致死性の陽炎の揺らめきが世界全体を覆う程に広がり、焼き尽くす。

斬撃ではなく暴風として顕現する。

 

ハク「アパラージタ、ヌディ・ムバなんか普通に聞いたことないと思う」

先生「被りが出ないようマイナーどころを掘ってきたからな」

メルト「その割にアイギスとか出てきてるけど」

ヴァイオレット「大方、マイナーどころの盾が見つからなかったんでしょう。ガラティーンを防ぐほどの盾でなければなりませんし」

先生「さて、そしてコイツら以外にも、各面々は前回から続いて戦いを繰り広げている」

メルト「まず初めに、神父とキャスターが退場したわね」

ヴァイオレット「どちらもこの最後の戦いに赴くに相応しい戦闘能力を持っていませんでした。当然の結果と言えましょう」

カズラ「後特筆すべきは……リンさんの宝石剣についてですか」

プロテア「ぜるれっち……?」

BB「並行世界から魔力の融通を可能とする決着術式です。ただし、代償は――」

ハク「体を構成する霊子を少しずつ崩していく。それも……一回ごとに」

先生「得られる力と比べれば破格だが、数百使えば話は別だ。痛覚は消え、最後には何をしているかすら分からなくなるだろうな」

カズラ「そこに至る前に終わったのは僥倖でしたか」

先生「で、次は……」

メルト「あら、ジナコの決着術式について話はしないのかしら」

先生「あんなネーミングセンスの欠片もない術式の話で尺を伸ばしていられるか」

ヴァイオレット「ぶっちゃけますね」

先生「特筆すべき点だけを語っていっている以上、どうにも切り捨てなければならない点はあるからな」

BB「まあ、用語集でどうとでもできますからねー」

ハク「最初から全部用語集で語れば良かったんじゃ……」

先生「コーナー自体を全否定するんじゃない。さて、シンジとライダーだが、令呪使用のシーンはZeroにおけるライダー陣営を元にしている」

カズラ「一見無意味な命令で三画全てを使用するというシーンですね」

メルト「結果としてはライダーの魔力増強――あの後の経戦を可能としたわ」

先生「CCC編で最も成長したマスターの称号をほしいままにしているな」

BB「実際、才能も伸びしろもありましたから。それにライダー、ドレイクさんの不可能突破の性質が合わさった結果相乗効果が発生しています」

ヴァイオレット「……ちなみに、FGO三章(オケアノス)後にこれを書いていたらどうなりましたか」

先生「一話丸々使っていたんじゃないか?」

ハク「ライダーの株は作者の中でストップ高らしいね」

BB「元々作者はライダークラスがバーサーカークラスに次いで好きらしいですから、脳内補正も掛かってるのかと」

カズラ「ヴラドさんやアタランテさんがやたらバーサーカー染みてるのもその影響ですか」

メルト「で、そのヴラドだけど――」

エリザ「コウモリが出たなら私の出番も同然ね!」

ヴァイオレット「>何度も出てきて恥ずかしくないんですか?」

エリザ「だからずっといたわよっ!」

先生「エリザベートはこういう扱いだと作者の中で確定しているんだな」

エリザ「屈指の名場面じゃない! コウモリより私について語るべきでしょ!?」

先生「まあ……ヴラドより先に消滅すると予想していた読者は少数だったんじゃないか」

ハク「あからさまにやる気のなさそうな声色だ……」

エリザ「そんな予想いらないから! 所謂衝撃の展開なのよ!?」

BB「でも当初のプロットから結構カットになる不遇な一面が」

エリザ「え、何それ聞いてないわよ?」

メルト「という訳で最たるもののお披露目よ。実はこのエリザベート、オリジナルの宝具を一つ追加する予定だったわ」

ヴァイオレット「そして、その宝具の詳細が以下のものです」

 

天嬢天歌(バートリ・エルジェーベト)

ランクE+ 種別:対人宝具

「自分のため」でなく「他人のため」に歌うエリザベートの絶世の歌声。

指向性の音響攻撃であり、エリザベートが敵と定めた存在にのみ『竜鳴雷声(キレンツ・サカーニィ)』を上回る威力を発揮する。

また、敵以外――味方と定めた存在にはHP回復やバッドステータス解除などの効果を発揮する美声となる。

 

エリザ「こんなのあったなら使いなさいよ!」

先生「まあ、なんだかんだで没になった。何より回復効果があったらヴラドが死なない」

カズラ「消滅する必要性があったかどうかも微妙なところですけどね」

メルト「そもそもエゴ自体死に掛けだし、わざわざ新しい宝具なんて出さずともどうにかなるのよね」

エリザ「最後の見せ場だったのに……!」

ハク「えっと……うん、これまでが優遇されてたし」

エリザ「それ慰め!?」

先生「さあ、終わりだ終わり。最後に黄崎 白羽たちの戦いだ」

白羽「そんな訳で戻ってきたよ」

リップ「ま、また、こんにちはです」

先生「人数が多いとカオスになるからな、一旦本人たち以外は退場相成ろう」

カズラ「あ……令呪でも使ったみたいに跡形もなく……」

ヴァイオレット「控え室に強制転移されたようです」

プロテア「せんぱい……?」

先生「さあセンパイコンプレックスはそこまでだ。語っていくぞ」

白羽「まあ、一話だけだしそんなに語ることもないんだけどねー」

リップ「出鼻を挫いてるんじゃ……」

カズラ「え、えと、ガトーさんが妙に活躍してましたが?」

先生「良い軌道修正だ。まあ、実はキアラはガトーを苦手意識している。そのことからこの決戦においてエゴとの戦いに同行させた」

ヴァイオレット「実質、彼がいて……助かったとも言えますか」

リップ「す、少しくらいなら……」

先生「令呪を使ったとはいえ、真言の応用でエゴの拘束を破り、洗練された格闘を躱し、あろうことかぶん殴る。一体何者なんだあの男は」

プロテア「いのししー」

白羽「それ、エリちゃん特有の呼称だから」

ヴァイオレット「しかも、その予想外な行動が勝利への一歩目となるとは」

カズラ「感謝すべきですね。彼がいないと、全員無事での勝利はなかったでしょうから」

先生「ああ、そうそう――この戦いだが、一名消滅の予定だったと後書きに書いただろう」

リップ「バラすんですか?」

先生「詳しくは用語集に書くが。ここで誰か、だけ発表しよう。実は」

プロテア「わたし」

先生「……。その通り。キングプロテアは今回で消滅予定だった」

白羽「ちなみに尺の関係で没になったっていう、結構ある没展開の中で最もくだらない理由だね」

ヴァイオレット「『別にいらない』という理由で宝具剥奪されたエリザベートと比べてしまうと、待遇の差が窺えますね」

カズラ「単純化のために宝具剥奪、尺のために消滅回避……転がる方向もまた真逆ですね」

先生「妙な詮索をするんじゃない。次行くぞ、次。メンバー入れ替えだ」

ハク「段々と交代も雑になってきたね」

メルト「もう誰がいるのかも分からないんじゃないかしら」

BB「最初の嫌な予言が当たる結果になりましたね」

先生「この三人と共に語っていこう。まずはカレンについてだ」

メルト「組み込まれていたサーヴァントは最後の最後に判明したわね」

先生「ライカ。ソ連の宇宙犬。初めて地球軌道を周回した動物だな」

ハク「英霊としてはかなり特殊――ムーンセルと契約して死後を使役されている存在か」

BB「ちなみに、伏線はそれなりに張ってたりしますよ」

先生「まず、二章~四章の二話-1の最初のモノローグはライカの視点だな。それぞれ時期としては生前、死後、カレンとの同化後となっている」

メルト「三章のものは死後といっても、カレンとの同化がムーンセルによって確定した頃ね」

先生「そして四章のものは同化してるため、カレン及び白融の性質を色濃く所有している」

ハク「あの伏字部分は?」

先生「そうだな、明かしてしまうとしよう」

 

Branches in the Blur.-1

■■→契約 ■■■→観測者

 

Memory.-1

――――と――――を――――――ならない

 →お父さまとお母さまを守らなければならない

■■■→観測者

 

先生「ちなみにこのMemory.-1のモノローグだが、『人形』『剣』はそれぞれマスター、サーヴァントを指している」

メルト「自立を赦された人形がいないというのは、自由の可能性があるマスターが存在しないということね。一際輝く白い欠片~はハクを指しているわ」

ハク「箱庭――つまり、ムーンセルから出れないってことだね」

BB「そして終わりにある多くの『剣』についてですが、これはぶっちゃけるとサーヴァントたちの最後を表しています」

先生「順に呂布とアルジュナ、ドレイク、ロビン、キャロル、アリス、ヴラドとエリザ、書文、フラン、ジーク、ジャック、アタランテ、ガウェインとカルナだな」

ハク「最後の欠片もマスターを指していて、箱庭――ムーンセルから脱出するまで消滅しなかったサーヴァント二人が該当しているってことになるな」

先生「さあ、こんなところか」

ノート「えっ」

BB「いつの間に!?」

ノート「私の話題になるまで待機していたのですが……」

先生「別に言うほど語ることもないからな……」

メルト「泥から脱出して、宝具使って消えただけね」

BB「え、えっと……多分何かしら……」

ノート「……」

先生「ふむ、それならあの泥の中での出来事を詳しくだな」

ノート「消えなさいセクハラサーヴァント――!」

ハク「あ、影に呑まれてアンデルセンが消えた……」

メルト「まあ、本編の描写通りと……」

ノート「……貴女も消して差し上げましょうか」

メルト「あら、来るの? 私とてレベル兆超えのサーヴァントよ?」

BB(あ、その状態での登場って設定なのね)

ハク(何気に初耳かもしれない)

BB「……二人が戦いだしましたけど、センパイ、どうします?」

ハク「あー……じゃあ、次行こうか。そうすればどうせまた色々リセットされるだろうし」

BB(センパイも適当になってきましたね)

 

Meltlilith.

 

サラ子「っはーい! 三話構成、遂に遂に、あの阿婆擦れに裁きがくだったよー!」

ハク「」

メルト「」

先生「またお前か」

BB「もう本当に何でもアリですね」

サラ子「いやだって、私たちの力使う回でしょ? だったら出てくるほかないじゃん」

メルト「私がいるからいいじゃないの……」

サラ子「いやいや、私がいてこそだよ。……でさ」

ハク「ん?」

サラ子「バイオレットちゃんは?」

先生「少し前に退場させたが」

サラ子「ふーん……えい」

ヴァイオレット「……へ?」

BB「なんか色々超越した不条理な感じで転移してきた!?」

サラ子「会いたかったよ、バイオレットちゃん」

ヴァイオレット「ヴァイオレットで――は?」

サラ子「はぁい」

ヴァイオレット「……」

ハク「目から光が消えつつ無言で崩れ落ちた!?」

メルト「そこまで苦手なのね……」

サラ子「あははははっ! いやー、バイオレットちゃんは面白いねー」

先生「性格悪いな、この女神」

サラ子「いや女神なんて得てしてそんなモンだし。同郷の神格の中じゃ割とまともだと思うけど」

BB「それはインドがぶっ飛びすぎなんじゃ……」

サラ子「否定できないね。あんまし言うと私も消されかねないから言わないけどさ」

先生「そんな規格外インド女神に加えてほか二柱の権能を得たメルトリリスによる蹂躙劇となった今回だが」

BB「これまで苦戦三昧だったのに、最後の最後でこれですか」

メルト「至極当然よ。キアラは神霊の力を失った状態だし」

ヴァイオレット「しょ……少々、遊びも過ぎましたが、ゆえにこその貴女らしさ、ですか」

ハク「あ、復活した」

メルト「復活といえるのかしら。顔、青ざめてるわよ」

サラ子「あれあれ? どうしたのバイオレットちゃん」

ヴァイオレット「……なんでもないです」

先生「そんな訳で、この神話礼装の権能は三つ。レヴィアタン、アルテミス、サラスヴァティーのそれだ」

BB「その場の誰よりも強くて、触れたら毒に感染して、俺ルールを確たるものにする――ひどいってレベルじゃないですね」

ハク「まあ……メルトらしいといえばらしいよね」

メルト「ちなみに毒は間接的に相手に届けることもできるわ。時間は掛かるけど」

ヴァイオレット「あらかじめ味方に付着させておき、その味方が相手と接触することで相手に付着、相手にのみ毒を与えることも可能だとか」

先生「およそ毒の扱いにおいてこの権能の上をいく力はない。まあもっとも――この権能を扱う者が毒の知識、扱いに長けていればの話だが」

ハク「ヒュドラと戦っていたのが功を奏したね」

ヴァイオレット「ヒュドラを毒したのは後にも先にも貴女だけでしょうね……」

サラ子「メルトウイルスのスキルもあって、毒のエキスパートでもあるしねー」

メルト「まあ、ヒュドラの毒がなかったらなかったで、どうとでもしようがあったわね」

先生「……例えば?」

メルト「知る限りの毒を全部打ち込むとか」

BB「なんでそれ本編でやらなかったんです?」

メルト「ヒュドラの毒だけで痛覚は限界でしょう? それ以上なんてただの力の無駄遣いだもの」

先生「――このように、キアラを相手に力を無駄と考えられるような奴だ。あいつも勝てる訳がなかったな」

ヴァイオレット「おや。サーヴァントとして、この場で語るべきことはないのですか?」

先生「語ってどうなる。俺がキアラについて語るべきことは語り尽くした。キアラの物語は、あそこで真実完結だ」

BB「あのモノローグが全てだった、ってことですね」

先生「バチが当たったんだ。お前たちは『ラスボス倒せて生き残れた。ラッキー』とでも思っていればそれでいい。大衆娯楽において悪というのは滅びるためにあるのだからな」

 

Escape From Mooncell.

 

先生「四話構成。決戦の後だ。タイトルは一章の『Escape From New Moon.』と対応しているな」

ハク「それぞれのマスターたちの脱出。そしてサーヴァントとの別れ。言わば、彼ら彼女らの『Fate』の終わりだね」

メルト「消滅したり、或いは生き延びたり――サーヴァントたちの最後の魅せ場となったわ」

BB「さて、特に語るべき部分もありませんが……強いて言えばリンさんとジナコさんについてですか?」

先生「そうだな。ランサー――カルナの鎧で帰還術式の干渉を調整するという荒業をやってのけた」

BB「まずここに来て彼の前提をお話ししますが、そもそもカルナさんはこの事件の経緯の察しがついています」

先生「その上で何も物言わず、マスターに余計な危害が加わらず無事に帰還できるよう黙過してきた訳だ」

メルト「ここまでランサーが鎧を纏っていなかったのはいざという時にムーンセルの干渉からリンを護るためよ」

ハク「結果として、あんな風に使うとは思ってもみなかったけど」

先生「二人に送られた帰還術式のうち、鎧の内部で片方を受理することで同じ世界に帰還する。そういう使い道もあったとは」

BB「流石はリンさん、といったところですか」

先生「そして最後のカルナとの別離シーンだが、なんとなくUBWの遠坂 凛とアーチャーの別離をイメージしている」

ハク「開始当初からこれと決めていた別離の一つだね」

メルト「最初から決まっていたのはリンとシンジのシーンよ」

BB「シンジさんについては令呪のシーンは後付けなんですけどね」

先生「まあ、そもそも『凛とカルナは最後散々ぶっぱしまくってジナコと一緒に退場、慎二は炎の中でライダーと別れ』くらいしか考えていなかったがな」

ハク「最初から決めていたからこそ、凛と慎二のシーンは特に力を入れて書けたとか」

メルト「最終章のシンジの株の上がり具合は振り返ってみてもおかしいわ」

先生「なに、彼の株がCCCで上がるのは原作も変わりない」

BB「理由になっていないんじゃ……」

先生「作者はZeroのウェイバー陣営が好きだからな。こういう成長譚はたまらないらしい」

メルト「対して、最後に結末が決まったのは……」

先生「アタランテとロビンフッドだな。決まった、というより大きく変わったか」

BB「当初から一番設定が変わったのが赤リンゴさんですからね」

ハク「久しぶりに聞いたな、その名前……」

メルト「ジャックを追加するに際して設定が大幅に追加されたせいね」

先生「最早ジャック絶対守るガールになったがな」

BB「その結果が、マスター空気のサーヴァント同士の語らいになった訳ですか」

先生「マスターがあまり関わらず、サーヴァント視点で語られた分、他の消滅シーンとは違う雰囲気になったと思う」

ハク「最後の酒器が落ちるシーンは外典の“赤”のセイバー陣営のイメージだね」

メルト「あのマスターの戦死は本当に予想がったらしいわ」

BB「外典で安定感のある主従堂々の第一位(BBちゃん調べ)ですからねー」

先生「決戦における令呪の使い道は痺れたそうだ」

ハク「外典五巻でカウレスの台詞の次に好きな台詞だとかなんとか」

先生「さて――こうしてサーヴァントの面々は舞台から降りた。いよいよマスターたちの最後の描写となるエピローグに繋がる」

 

EPILOGUE

 

先生「三話構成。本編でナンバリングの付いた最後の回だな」

ハク「最終回の一歩手前。マスターたちのその後というか、少し未来を描写しているね」

メルト「経過した年月はラニが二年後、リン、ジナコが数日経過、シンジが八年後、ランルー、ガトーが一ヶ月後くらい、レオ、ダンが二日後よ」

BB「最後だからとばかりにゲストキャラが大勢登場しましたね」

先生「まずはラニから。彼女は人理保障機関カルデアを拠点とし、月を目指している」

BB「カルデアというのはFGOで主人公さんが所属する組織です。人類の存続を保障することを目的としています」

ハク「ラニは……この場所で月を目指して活動しているのか」

メルト「EXTRA編の用語集で目標の達成を確約されているから安心ね」

先生「身も蓋もないことを言うんじゃない。面白みもクソもなくなるだろう」

ハク「この、オルガマリー所長というのは……」

BB「言わないお約束ですよ、センパイ。それに、この世界の彼女がどうなるかなんて分からない(かんがえてない)ですし」

メルト「ラニはジャックとの触れ合いを通じて、心の側面で大きく成長したわね」

先生「ちなみに、一つ謎を解明させておこう。ラニの聖杯戦争の記憶についてだ」

ハク「そういえば、記憶が戻らなかったんだよね」

先生「これはCCC編のテーマである『心』に関係している。そもそもCCCは桜が心を求めて発生させた一件だが――」

BB「それが元になったせいで、本来のCCCのように戻るべき記憶がロストしてしまったんです」

メルト「心の成長や大きな変化をCCCという事件そのものが理解できなかったのよ」

先生「犬空間においてユリウスの最後の心の変化をBBが理解できなかったのも、ここに起因しているな」

BB「…………さ、さあ、次に行きましょう!」

ハク「あ、ああ。次は凛だね」

メルト「リンはテロリストから足を洗ったようだけど」

先生「まあ、ある程度収入のアテはあるのだろうな。そしてゲストとして登場したのが――」

BB「少年Eさんです」

先生「あたかも犯罪者のように言うんじゃない」

メルト「当たらずとも遠からずじゃないかしら……」

ハク「彼とは既知の間柄だったらしいけど」

メルト「リンはこの後、ジナコと適当に仲良くやっていくんでしょうね」

先生「相性が良いとはいえないが、それゆえの凸凹コンビか。それが年月が経過し――」

BB「おっと、その話は次のシンジさんのものと一緒にですよ」

先生「そうだな。さてその慎二だが。CCCから最も長い年月が経過している」

ハク「十六歳。何処かの組織に入った直後みたいだね」

先生「組織については大して語りもしないが、英国に拠点を置く魔術組織だな。時計塔の後釜のようなものだ」

メルト「シンジは八年間研鑽を怠らず、その結果としてそこに呼ばれた訳ね」

ハク「そして、登場したのはロード・エルメロイ二世だけど」

BB「ぶっちゃけ説明はいりませんね。登場する作品群も増えて、あろうことか主人公にまでなってしまったので」

先生「この出来事の二年後に――並行世界全てに関わる事件が発生する」

BB「所謂、Grand Order編の示唆ですね」

ハク「書くの?」

先生「断言する。書かない。後書きの通り、『これからも彼らの物語は続いていく』というくらいに思っていてほしい」

メルト「とはいっても、ちょっとしたおまけがあるけど」

BB「その件は、この茶番の一番最後でもう一度お話ししましょう」

先生「なので、次に行こう。ランルーだが、これはおよそ一月後くらいのイメージで書いている」

メルト「事件を通して、拒食症は克服できたのかしら」

先生「さあな。少なくとも、ほんの少しならば肉を口に出来るようになったようだ」

ハク「言葉をかみしめるように繰り返すのは、人として当然の感情を痛烈に感じれたことを表現しているとか」

BB「ようやくピエロさんは人に戻れた――それを表すために唯一完全な日常となりました」

先生「ちなみにこのランルー、素顔がマテリアルに載っている」

BB「BBちゃんには遠く及びませんが、普通に美人さんなので一見の価値はありますよー」

ハク「そしてガトーは……相変わらずだったね、本当に」

メルト「モノローグも何言ってるか分からないわ」

先生「まあ要するに、これから先も修練を続け、女神なる存在を探し続けるということだな」

BB「最後のゲストさんは、眼鏡の少年Tですね」

ハク「これもまた運命……ってやつなのかな?」

メルト「縁があるのかないのか、微妙なところね……」

先生「ラストになるが、レオ、ダン、ユリウスだ。彼らは同じ世界に帰還したな」

ハク「この世界では、聖杯戦争は主に西欧財閥と英国に大きな影響を及ぼしたみたいだね」

メルト「聖杯はどちらも手に入れられず痛み分け。どうにも締まらない結果だけど」

BB「これが『お前が言うな』って奴ですね」

先生「この後あの世界がどう動いていくか。全てが納得する形にはならないだろうが、本来の西欧財閥の方針とは変わってくるかもしれないな」

メルト「強いて言えば、あの世界が最も『通常通りに進んだ世界』でしょうね」

ハク「聖杯を手に入れずとも、西欧財閥が世界のトップである事実は変わらない。聖杯の存在が知られなかったら、何をせずともこうした未来になった可能性が高いだろうね」

BB「ユリウスさんは……」

ハク「……うん。最初から決まっていたなら仕方ない」

先生「寿命の限界は既に訪れていた。やるべきことは成したから、最早未練はなかっただろう」

メルト「サイバーゴーストになって化けて出ないかしら」

BB「可能性はありますよ。まあ未練はないらしいですし、すぐに自然消失するでしょう」

先生「そして、このユリウスの死とガウェインの別れをもって、レオを支えていた登場人物はいなくなった。レオは自立し、より完成された王として今後を生きていくことだろう」

ハク「きっとレオなら、良い執政をしてくれる筈だ」

 

Fate/Meltout CCC

 

先生「さて――」

メルト「最終話ね。本編の中で最も長い一話となったわ」

ハク「地上の皆のエピローグは終わって、月の世界のその後だったね」

BB「事件の後処理を終えて、通常の職務へ戻る皆さんの話です」

ハク「まずは桜の視点から。CCCの記述を抹消するという指示を実行したところか」

先生「これはメルトリリスの指示だな。記憶が原因となって事件が起きた以上、また同じことは繰り返させないと」

メルト「ええ。これでムーンセルそのものはCCCを知らず、知っているのは内部の僅かな端末のみとなったわ」

BB「センパイ、メルト、リップ、エゴの三人、シラハさん、そしてありすさん、アリスさんですね」

先生「それらの記憶も消さなかったのは甘いのか信頼か。まあ、あれだけの事件だ。再び起こすような愚か者はいないだろうよ」

BB「ちなみに最初の、いつぞやの使いまわし文ですが――」

ハク「使いまわして」

BB「嘘ではありませんよ。で、ここのパスワードが一つ増えていたのはパスを発行しうる最上位存在が一人増えたことを表しています」

メルト「つまり――」

カレン「わたしですね」

先生「という訳で最後に出てきた登場人物、カレン・ハクユウだ」

BB「三章だったかで『登場人物はこれで終わり』とか言ってませんでした?」

先生「その随分前に言ったように、カレンは『半オリキャラ』という名目だ。カレン、ライカ、白融の三つを内包した彼女は既に出ていたから問題ない」

メルト「エピローグのゲストキャラは色々例外だからノーカンよ、ノーカン」

カレン「そして、シラハとヴァイオレットは月の裏側の再構を行っていましたね」

BB「ヴァイオレット一人が行っていれば、一日二日で終わっていたんですけど」

ハク「白羽さんも、術式の鍛錬をしてるんだ。少し遅れても問題はないし」

メルト「プロテアが癇癪起こしたりしないと良いのだけど」

先生「そういうお前たちは、何をしていたんだか」

ハク「……藤村先生がちょっと、やらかして」

メルト「あれほどのことやらかすとは思ってなかったわ」

カレン「あの次の日から暫くタイガを見なかったのですが」

BB「お仕置きルームが三日ほど埋まっていましたよ」

先生「何故いつまで経っても学習しないというか、反省しないAIが二名もいるんだ」

ハク「僕たちに聞かれても困る」

BB(そこに一人増えそうなのが……)

カレン「ん? なんです?」

BB「いえなんでも。まだ実害も出てませんし」

カレン「?」

先生「そして、カレン・ハクユウについてだが。簡単に言ってしまえばお前たちの娘として設定された存在だな」

ハク「そうだね。AIではなく、かといって人でもない。僕たちに現状出来る最精密術式だ」

メルト「容姿はAIだったカレンと同じものよ」

カレン「娘より背が低いのはどんな気持ちでしょう?」

メルト「……やっぱり貴女、コトミネと隔離した方が良いわね」

先生「このような問題児が新たに加わった月の世界。これからも彼らは地上数人しか知らぬ霊子世界で生き続ける。その果ては一体訪れるのか。これは語られることはないが、始まったものには終わりが付き纏うものだ」

BB「不吉なことは禁句ですよ。綺麗に纏めたつもりでしょうけど」

 

 

先生「これにて全て語り終わった。後は用語集で補完するつもりだが――」

ハク「その前に、短編だね」

メルト「最後の題目はこれよ」

 

『Fate/Meltout After -Loading Grand Order-』

『アンデル先生出張講義 サーヴァントの事聞いてみた』

『夢の対決三本勝負』

『Fate/Meltout Grand Order編嘘予告』

『CCC編用語集』

 

BB「多いですね」

先生「多分最初の二つで一話、夢の対決で各一話ずつ、嘘予告で一話、用語集で一話分の計六話でお送りすることになるだろう」

ハク「用語集が更新されるのは一体いつになるやら」

メルト「少なくとも一月中に上がることはないわね」

先生「さて、GO編についてだが。原作GOとはまた異なる形でのストーリーとなる。嘘予告は要所要所しか書かないので、その合間にどういったストーリーがあるかは各自想像してほしい」

ハク「丸投げの極みを見た」

メルト「無茶振りにも程があるわね」

先生「仕方ないだろう。ここからGO編書くとしたらまた百話くらい使うことになる」

BB「流石に長すぎますからねー。多分途中でダレます」

先生「さて、そんな既にぐだぐだ感のひどいGO編だが、原作から一つ増えた八つの特異点を旅することになる」

ハク「最初の短編は、それまでの前日譚のようなものかな?」

先生「そんなところだ。特異点は一つ――三章を除きオリジナル。オケアノス以外は原作とは異なる特異点を舞台に戦うことになる」

ハク「詳細は嘘予告本編(?)で発表するけど、今少しだけヒントを出せるとかなんとか」

メルト「という訳で、以下のヒントを元に色々推理してくれると、作者が喜ぶわ」

BB「では、どうぞ。此方が旅する特異点です」

 

 

『第一の聖杯 栄光の騎士王

 AD.05■ 絢爛■■円卓 キャメロット

 人理定礎値:C』

 

 

『第二の聖杯 王の軍勢

 BC.0323 覇王降臨■■ バビロニア

 人理定礎値:A-』

 

 

『第三の聖杯 嵐の航海者

 AD.1573 封鎖終局四海 オケアノス

 人理定礎値:A』

 

 

『第四の聖杯 第六天魔王波旬

 AD.1582 ■■■■■■ 京都

 人理定礎値:B』

 

 

『第五の聖杯 神話碩学アナテマ

 AD.1956 根源最終海嘯 ■■■■■■■■

 人理定礎値:A+』

 

 

『第六の聖杯 ■■■■の勇者

 BC.■■ 未踏英雄戦線 テッサリア

 人理定礎値:B+』

 

 

『第七の聖杯 旅立ちの模範解答

 AD.■■ 第四末端世界 ■■■■■

 人理定礎値:EX』

 

 

『第八の聖杯 永久なる■■■■■■■■■

 AD.■04/2042 ■■■■■■/焼却終点区域 ■■/■■■■■

 人理定礎値:?』

 

 

先生「黒塗りの箇所は嘘予告本編(?)で明らかになるだろう」

BB「さっきからその嘘予告本編(?)ってなんなんですか?」

メルト「本編は本編なんだから、しょうがないわ」

先生「そういうことだ。さあ、次からは短編だ。興味がない者はここで――というより、もう本編は完結しているからそれでも良いのだが」

ハク「寧ろここまで読んでいただきありがとう、だからね」

メルト「まあ、興味のあるところだけ読んでいただければ幸いよ」




これをもって今年最後の更新とさせていただきます。
短編も遅れるとは思いますが、少しずつ書いていこうと思います。

さて、GO編嘘予告ですが、あくまで一つの短編という形です。
アンデルセンの言う通り、続けて書くことはないのでご了承を。
ではでは皆様、良いお年を。来年もどうぞよろしくお願いします。

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