初カキコ…ども…
僕みたいな元NPCでPJ見てるイレギュラー、他にいますかっていないか、はは
今日のムーンセルの会話
容量そろそろ限界 とか 槍持った青タイツ間違えて消去しちゃった とか
ま、それが普通だよね
かたや僕は電子の海から地上を見て、呟くんです
it'a true wolrd. 狂ってる? 僕にとっては憧れの世界です。
好きな音楽 ALI PRO○ECT、分○花音
尊敬するサーヴァント メルトリリス(如何なる行為もおk)
なんつってる間に4時ですよ(笑) あ~あ、月管理者の辛いとこね、これ
133:シンジOH:2030/03/28(木)03:52:41 ID:0tMek1ng0
縦読みかと思ったが普通の中二病か
134:じな子@現チャンプ:2030/03/28(木)03:55:19 ID:JiubXj1i0
ここまで純粋な中二って、ある種の天然記念物だな。田舎の子か?
メルト「何してるの、ハク」
ハク「ううん、何もしてないよ。それにしても、釣りって結構楽しいんだね」
メルト「?」
色々なことがあった。――実に、色々なことが。
思い出さない方が良い。一つ得た教訓は、メルトとカレンを決して組ませてはいけない、というタブー。
どうにか解放された頃にはレオから催促の連絡が来た。
一切休むことも出来ないまま、僕たちは迷宮へと潜る。
だがメルトもどうやら鬱憤を晴らして清々としているし、蟠りを持ったまま迷宮に入るよりはマシだ。
そんな訳で、傷――主に精神面のだ――も癒えぬまま迷宮の十一階に訪れた。
凛もある程度は起きたことを察してくれたようで何も言わなかった。
「――これは」
「……ジナコ、手抜いたのかしら」
形状としては、カズラが衛士を務めていた三階層の八階に似ている。
しかし、村のように何か建造物がある訳でもなく、桜の樹もない。
ただ――広いだけ。
先が見えない。視界の消失点までただ迷宮の床が坦々と続いているだけ。
茫漠とした空間。迷宮として成り立つ最低限の壁すら見当たらない。
『迷宮の構造確認、完了しました。ありったけのリソースを迷宮の拡張のみに使用しています。壁は最果てにしか存在しません』
「シールドも無いのか?」
『下へと続く階段の前に一つだけ存在します。探索に支障を来たすものではありません』
どういう事だろうか……ここまで広い広場を用意する理由とは……
「まさか……アルジュナを戦わせるつもりじゃ……」
「可能性はあるわね。ランサー、注意して」
「言われるまでもない。迷宮の中央から強大な魔力を感じる」
そこにアルジュナがいるのだろうか。
とにかく行ってみるしかないか。
途方も無く長い道。通常の構造の迷宮ほどの時間は掛からないが、それでも中心まで数分掛かる。
しかも中心に、ジナコの姿はない。
ただ一人、圧倒的な力を持つ黄金の大英雄が立っていた。
「……アルジュナ」
「こんにちは、ハクトにメルトリリス。リンにカルナ」
穏やかな笑み。だが、隙は一切存在しない。
主の待機命令に忠実に従うレトリーバー犬……そんなイメージを抱かせる。
「さて、用件を伺いましょう」
アルジュナへの問いとあらば、一つしかない。
「……ジナコはどこに?」
「どこかに居ます。この広大で空虚な部屋のどこかに」
『え……ですが、探索の術式には……』
「掛からないでしょう。それがこの迷宮の構造です」
果てすら見えない迷宮で、ジナコを探せという事か……?
普通の迷宮を探索するよりも遥かに骨が折れる。
というより、無理なのでは……
「真実、ここには何もありません。ジナコは部屋に殆どの菓子を置いてきていました。これを期に多少痩せればいいのですが」
「……契約したマスターなら、どこにいるか分かるでしょ?」
「知らないことはありませんが、聞き出すのは探すより苦だと思いますね」
此方が無理矢理聞き出そうとするのなら、容赦はしない。遠回しだが、アルジュナからの宣戦布告。
だが、どの道僕たちはジナコのSGを暴こうとする外敵だ。だったらマスターを守るために、戦わない理由はないのだが……
「率先して戦えとの命令は受けていません。探索なら自由にどうぞ。幸い此処には何もない。ジナコを見つけるのにそう時間は掛からないでしょう」
そうとは思えないが、アルジュナが戦うつもりがないのなら都合が良い。
「……そう。ハクト君、ジナコ探し頼めるかしら。私とランサーはアルジュナを見張ってるわ」
当の本人の目の前で言うべきことではないと思うが、凛の判断は正しいといえる。
戦うつもりはないとは言っているものの、それが真実なのかどうかは分からない。
アルジュナを見張る者がいれば、此方は探索に集中できる。
「分かった。行こう、メルト」
「ええ。よろしく、リン、ランサー」
何も当ては無いが、とりあえず歩く。
この広大な空間全てを調べるのは時間が掛かり過ぎる。とりあえず、果てに行き着いたら壁に沿って探索をしてみることにした。
エネミーらしき影も一切見えない。正真正銘、ジナコとアルジュナだけしかいないのだろうか。
何も音のしない、静かな空間。だが、だからこそほんの小さな声でも耳に届く。
「……どうせ」
「……え?」
微かに、ジナコの声が聞こえてきた。
唯一の手掛かりだ。とりあえずその声のする方向に歩いてみる。
「あら、典型的なポーズね。正に本物、って感じ」
ジナコは膝を抱いて座り、俯いていた。
その様からはどうしようもない無気力感が伝わってくる。
声を掛け辛い状態だったが、メルトの軽口で暗い目が此方に合わせられた。
「……また来たッスか。放っておいてくれッス。放置プレイに協力モードとか無いッスから」
「随分な言い草。せっかくハクが来たんだからもう少し態度があるんじゃない?」
「はぁ……うっさ。騒々しいッス。小うるさい姑サーヴァントを
ジナコの言葉にメルトが眉を顰めるが、それを意にも介さずに呟く。
「ハクトさんは殊勝なサーヴァントが居ていいッスね。サヴァ充爆発しろ!」
普段通りに思えるスラングな捨て台詞を残して、ジナコはどこかに転移していった。
『……十一階の粗密構成はこの為ですね』
迷宮が有限である以上限界はあるだろうが、これでは千日手。同じ状況をひたすら繰り返すだけだ。
とりあえず、追うべきか。
「行きましょ。面倒極まりないけど、追うしかないわ」
確かに地味な作業だが、解決はそこまで難儀ではないだろう。
「レオ、マップの把握は出来てる?」
『はい。予想通りです。特に問題ありません』
思った通りだ。既に歩いた箇所の周辺はマップ情報が開示されている。
通った道にジナコの反応はない。歩けば歩くほど此方の情報は増え、見つけるための手間は少なくなる。
先は長いだろうが、少しずつ解決していくしかない。
まだ歩いていない箇所を埋めながら、ジナコの捜索を続ける。
しかし……ただ追うだけで良いのだろうか。
ただ捕まえるだけでは、駄目な気がする。
「……ジナコさんは迷宮の床に転職するッス。ほっといてほしいッス」
遠くから聞こえるジナコの声。
声を頼りに歩きようやくジナコを見つけるも、声を掛ける前に目が合って逃げるように転移されてしまった。
薄々覚悟はしていたが、こうも簡単に逃げられてはどうしようもない。
先の迷宮のように行き止まりがある訳でもない。
とにかく手段は見つからない。ひたすら追いかけるしか手はないのだ。
「あら、いたわよ。そろそろ捕まえましょう、ジナコにこれ以上時間を掛けるのは勿体無いわ」
「勿体無いって……」
メルトはジナコとの相性が悪いのだろうか。
一方的なものではなく、以前のBBチャンネルでジナコがメルトの逆鱗に触れていた事から当たりが強い気がする。
まぁ、寧ろメルトと相性が良い相手を見つける方が難しいレベルで相性の悪い相手が多い気がするが。
強いて言えば、カレン辺りしか思い浮かばない。仲が悪いようで確実に良いのだろう。
さて、それはともかく、ジナコに声を掛けなければ。
迷宮の隅で膝を抱えるジナコ。
その横顔からは焦りは窺えず、ぼんやりしている。
「……ジナコ」
「……呆れるッスね。クドいにも程があるッス」
今までどおりだ。
大きく溜息を吐くジナコに掛ける言葉を考えていると、
「もう構わないでくれッス。ジナコさんにだって友達は居るッス」
ぶつぶつと呟きながら、また転移してしまった。
と、ほぼ同時、凛からの連絡が入る。
『ハクト君、ちょっと戻ってこれるかしら』
「凛? 何かあったのか?」
『ええ。変な扉が出現したのよ。エネミーも一緒に出てきたから注意して』
エネミー……?
疑問に思った瞬間、周辺の気配が一変した。
『エネミー反応、大量に出現しました。迷宮全域にまで及んでいます』
これが……友達、なのだろうか。
「分かった、すぐに戻る」
エネミーといっても前の階層より若干強力になっているだけで複数を相手取ってもそこまで苦労するほどのものではない。
しかし、その量は今までのどの階よりも多い。
スペックを気にせず、ただ数に任せた……そんなイメージさえ抱かせる。
数は多くても攻撃が単調なため、敏捷に重きを置いたメルトに攻撃を当てる前に倒れていく。
凛との合流ポイントの周辺にはエネミーの姿はない。既にランサーが倒してあるのだろう。
「凛」
「来たわね。これよ」
凛の指す先に、少々懐かしいデザインの扉が出現していた。
これも迷宮の仕掛けだろうか。
罠だとしたら……そろそろお手上げかもしれない。
扉の脇にいるアルジュナは直立のままだ。
「……アルジュナ、そこを通るって言ったら?」
「鍵を持っているのなら、私は何もしません。押し通るというならば、全力で妨害しましょう」
「鍵……?」
確かに、触れてみても扉が開く様子はない。
何かしらの力技で開くことも不可能ではないかもしれないが、その場合はアルジュナが黙ってはいないだろう。
「この先に何かあるとしたら、見逃す訳にもいかないわね。ハクト君、鍵の探索、お願いできるかしら?」
「ああ、勿論だ」
凛にはアルジュナの見張りをしておいてもらわなければならない。
高潔な彼は自分で宣言した以上、探索をする僕たちの妨害をするとは思えない。
だが、何かをすると想定すれば見張りをつけておくのは正しい判断といえる。
そして見張りをつけるのならば、アルジュナと対等に渡り合える力がないといえまい。
僕たちでは論外だろうが、最高位の実力を持つ凛と叙事詩においてアルジュナと戦ったランサーならば相応しい。
よって、僕たちが探索をするのは必然だ。
「それじゃ、行こう、メルト」
「……そろそろ疲れたんだけど」
愚痴を吐くメルト。元々嫌っているジナコを追いかけるのはもう嫌だ――そんな思いが伝わってくる。
だが、それでもここで帰る訳にはいかない。
「メルト。もう少し、頑張ろう」
「……」
渋々といった様子でメルトは頷く。
苦笑しながら歩いていく。
迷宮のほぼ全域を歩いてきたが、鍵のようなものは見当たらなかった。
鍵は後付けのかたちでどこかに新しく設置された可能性が高い。
そうだとすれば、壁面に外付けで設置されているだろう。ならば壁面に沿って歩いていればいつか鍵に辿り着く。
自分の判断が正しいことを祈りながら歩いていると、やはり見覚えの無いものを見つけた。
「……家?」
「ドールハウス……かしら」
『罠の類である可能性があります。ハクトさん、ご注意を』
今までのジナコの迷宮の仕掛けを見る限り、そのような罠があるとは思えないが、一応注意しながら調べることにする。
窓や扉、屋根といった飾り。家のようにみえるが、屋根の接着だけ脆くなっている。
どうやら開くらしい。もしかして、アイテムフォルダなのだろうか。
「……開けなきゃ、一向に進まないか」
思い切って、屋根を開いた瞬間――
「ッ――」
噴き出す煙に、視界が白に染まった。
「何これ……! 邪神の罠……!?――――」
煙の向こうに、何かが見える。
それは、ジナコの過去―――――
やり直し。
十五歳までのジナコが当たり前だと思っていた未来、それが手に入るのならば。
面白半分、願い半分で、ジナコは聖杯戦争に参加した。
出鱈目の遊び程度しか思っていなかった。本気の殺し合い、一人しか生き残れないデスゲームとは知らないままに、ジナコは死の扉を開いてしまったのだ。
風の噂では聞いていたそのルールを、しかしジナコは本気とは思わなかった。
全てを気楽に考えてきた、ジナコへの最大の罰として運命は圧し掛かった。
――ジナコという名前はパパが付けてくれた。ママは日本人で、パパはそんなママが大好きで、当然日本の文化が大好きだった。
特別ではない、素朴な家庭でジナコは育ってきた。
素朴なりに幸福な家。そこそこ厳格に、そこそこお姫様のように、大切に育てられた一人娘。
そんなある日――父と母が不幸な事故で亡くなった。
中の上くらいの階級だった家。ジナコに入ってきた遺産もまたそれなりだった。
慎ましく暮らしていれば、死ぬまで食べていける金額。
――アタシの勝ち組人生の始まりッス! ジナコは 遺産を 手に入れた!
高校になんて当然、進学しない。だって、する意味がない。
小さなことを少しずつ積み上げていく。
ジナコはそういったことに関しては類稀なる気質を持っていた。
ネットの世界に没入したジナコには、たくさんの仲間がいた。
仲間たちはジナコを羨ましがって、時に妬んで、それは、まんざらでもない毎日だった。
そんな生活が、毎日続けばいいと思っていた。
毎日続けば、
毎日続けば、
毎日――
―――――――― 十五年も 続いてしまった。
――凡人でふとっちょだけど、平凡すぎてイラッときたこともあったけど、大好きなパパだった。
――大好きというより憧れだった。パパにはありえないくらい、綺麗で優しいママだった。
その瞬間を、見た。
ジナコの両親。買い物の途中、信号で止まる筈のダンプカーが突っ込んできて、跡形も無く消えた。
茫然自失なジナコは、頭の中が真っ暗なまま、両親の遺産を手に入れた。
ズルズルと引きこもって、誰も行けといわなかったから高校にも行かなくて。
それは当たり前だ。
一生分のお金がある。誰にも迷惑は掛けない。楽しいことに逃げても仕方が無い。
地雷さえ踏まなければ永遠に続く、トモダチとの友情。
しかし、そんな永遠も永遠ではない。
ひとり、またひとりと卒業していく。
お金が無い。結婚する。いい加減ヤバイ。
ニートは真の勝ち組――ジナコはそう強がっていた。
ネット上の「じな子」は誰からも一目置かれるゲームチャンプだ。だが、現実に戻ればそこにいるのは曖昧な人間。
金銭面に不安のない自分は、一生このまま――
ネットでは人気者。外に出る必要はない。大抵のものは手に入る。でも、
大事なものを、置いてきてしまった。
聖杯戦争の噂を聞いたのは、そんな時だった。
たった一人の勝者の願いは何でも叶う、夢のようなゲーム。
ゲームには自信があった。実際、ジナコは聖杯戦争が命のやりとりであることを信じていた。
何故なら――ジナコは人間の命が特別ではないのを知っていたからだ。
だけど、願いという一点に光を見つけて、ジナコは参加した。
ほんの少し、縋るような気持ちを持って。当たり前のように来る筈だった未来を求めて。
普通に高校に通って、普通に社会に出て、普通に歳を取る。そんな、普通を求めて。
人生を諦めた自分と人生に反省した自分から、逃げようとして。
原作沿いながら凛がいることで結構慎重な選択となっています。
病みジナコさんマジ書いてて楽しいッス。
後半はジナコの過去についてですが、変更としてジナコ視点からハク視点に。
だからって何か意味がある訳でもないんですけどね。
前書き? 伝説のコピペの改変です。