赤蜥蜴と黒髪姫   作:夏期の種

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第38話「恋の味」

「伝統に対してとやかく言いませんけど、本当に顔見せだけって……」

「旧家、名門がのさばる世界は古いしきたりが横行するもの。人も華族が似たような行為を好んで行っていたと記憶しております」

「社交界への顔繋ぎと考えれば、無駄ではないと言う事ですか」

「で、御座います」

 

 オペラハウスを思わせるホールの高みに設けられた個室から見下ろす先、そこには名門貴族の子弟が冥界の重鎮達の値踏みを受けている様子が見て取れる。

 彼らは大きく分けて6勢力。

 一つ目は、特に語るべきこともない無い部長と愉快な仲間達。

 二つ目は、見るからに邪悪そうな格好の魔物やら悪魔を従えたチンピラ軍団。

 例えるなら世紀末にヒャッハーするのが生き甲斐って所でしょうか。

 三つ目は、直立不動で居並ぶ人型で統一された一団。

 眼鏡のフレームをくいっと持ち上げて委員長オーラを全開で醸し出す少女が長らしく、規律に優れたチームであることは一目瞭然。

 四つ目は……よく分からない。

 インチキ臭い作り笑いを浮かべる優男を囲むのは、全身をローブとフードで覆い隠した正体不明の何者か。ゲームに備えて余計な情報を与えたくない気持ちは分かるけど、魔王様を含めて多くのお偉いさんを前にしてあまりに失礼。

 後で怒られないのか不安でなりません。

 五つ目は、これまた知った顔。

 って、学校行事で嫌でも顔を合わせる駒王学園生徒会ご一行様じゃないですか。

 ぶっちゃけ女王ですら木場君に劣る弱いチームですし、興味はありませんね。

 会長達に目を向ける暇があるなら、彼を眺めているほうが有意義というもの。

 

「やはり、姫様が注目するのもあの男ですか」

「彼からは、私と同じ匂いを感じます」

 

 私が他の誰よりも目を引かれたのは、黒髪短髪の野生的な容貌の青年だった。

 修練により作り込まれた鋼の肉体、漲る自信から来る安定感と風格は努力の賜物。

 あれは間違いなく私の同類。才能の有無なんて関係なく、どんな無理難題も出来るまでやり続けられる頭のおかしい人種です。

 お供の悪魔も種族も性別もばらばらながら、瞳の色は弦さんと同じ盲信に近いもの。

 何処までも似た境遇が気になって仕方がない。

 アレと戦いたい、戦って勝ちたい。

 一目惚れにも似た感情を抱くのは、本当に久しぶり。

 

「資料によりますと、名はサイラオーグ。バアルなる家の出で、若手最強の称号を持ちながらも魔力をほぼ持たない異端児との事」

「魔力無しで最強?」

「はい、おそらく史上初となる近接格闘のみでのし上がった武人で御座います。しかも悪魔の身でありながら闘気なる力を有しているらしく、魔力を持たないお屋形さまの劣化版と表現するのが妥当かと」

「……所詮は部長程度の集まりと侮っていたら、掃き溜めにも鶴が居るじゃないですか。弦さん、予定を変更します。他の五人は捨て置いて結構、狙うはサイラオーグの首一つ」

「御意」

 

 後で政治の出来るレイヴェルにアポを取って貰おう。

 私の見立てに間違いが無ければ、彼もまた純粋な戦いを欲している。

 多少スケジュールに無理があっても、挑戦があれば嬉々として受けてくれるでしょう。

 

「お父様の話が長くて遅くなりまし―――って、その凶悪な笑みは何ですの?」

「笑ってましたか?」

「無自覚ですのね……」

「実はレイヴェルにお願いが」

「承りますわ、マイロード」

 

 悪魔達が続ける自己紹介と初心表明は最早私には聞こえない。

 時折上がる嘲笑と罵声、驚きの声も他人事と興味を失っていた。

 アザゼル先生にも相談すべきと判断した私は、臣下を連れてその場を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 第三十八話「恋の味」

 

 

 

 

 

「貴様が爰乃の選んだ僧侶か。足だけは引っ張るなよ?」

「当然ですわ」

 

 何時も通り、上から目線でヴァーリに認められ。

 

「とりさんもとりさん?」

「フェニックスも鳥……ですの?」

「姫さまのためにがんばろうね! うらぎったらドカーンだからね!」

「イ、イエス、マイクイーン」

 

 眼中に有るのか無いのか、アンに釘を刺される。

 

「我、不死鳥食した事無し。足一本、味見了承?」

「だめ、だめですわっ!」

「残念、コンゴトモヨロシク」

「宜しくですの……」

 

 食材として見る鬼灯の舌なめずりに怯えつつ。

 

「私とゼノヴィアの紹介は不要ですね?」

「ええ」

「ならば割愛、姫様の家臣に恥じない働きに期待します」

「フェニックスの名に賭けて、失望させない事をお約束しますわ」

 

 最後に事実上のリーダ格に認められて、レイヴェルが心情的にも正式加入。

 再び訪れた先日と同じ試験会場の控え室。そこには私の眷属がついに勢揃い。

 何故こうも合流に時間がかかったと理由を尋ねると、入国はともかく各々が相当する駒の価値を判定するのに時間がかかったとのこと。

 いかんせん過去に例の無い行為だった為、レーティングゲームの基礎を構築した何とかと言う魔王が直接鑑定しなければならなかったとか。

 ちなみに下された判定は―――

 

 アン    → 女王×1

 鬼灯    → 戦車×1

 ゼノヴィア → 戦車×1

 レイヴェル → 僧侶(判定間に合わずの暫定処置)×2

 弦     → 騎士×1

 ヴァーリ  → 兵士×1(変異の駒)

 

 運良く兵士の駒に誰であろうと問答無用で消費一で済む変異の駒が交じっていたらしく、予想外に駒が余ってしまった不思議。

 レイヴェルのコストも正確に計測すれば一個で済みそうですし、これで手持ちの残りは僧侶×1、騎士×1、兵士×7ですか。

 今後出会う有望株が、このコストの範疇に収まることを祈りましょう。

 

「全員注目、今回のゲームについて姫様よりお言葉を賜ります」

 

 さすがアドラメレク眷属元リーダー。

 手馴れた様子で場を仕切ってくれて大助かりです。

 

「はい、皆さんの新米王様を勤める爰乃です。残念ながら私達は、仲間のスペックも正確に把握出来ていない個の集団でしかありません。無理に連携を考えてぎくしゃくする位なら、今回に限り各個人の判断で好きに動いて結構。但し私が落とされる危険性を考慮して、直掩にバランス型のレイヴェルを残します。おーけー?」

「妥当だな」

「それなら私にも出来る」

「はーい!」

「了承」

 

 チーム唯我独尊が頷いて―――

 

「さすが姫様、適切な判断に感服で御座います」

「そのフリーダムな決断で、何とかなってしまいそうなのが怖いですの」

 

 頭脳担当も問題無しと判断。

 今後もこの路線が続く気がしますが、先の事を今考えても始まらない。

 そもそも実際に動かさないと、どんな不協和音が生じるか分からないからね。

 先ずはやってみよう。

 チームのカラーを決めるのは、それからでも遅くない。

 

「姫様、そろそろお時間です」

「いざ出陣!」

 

 掛け声一つ。

 ゲームフィールドへと繋がる魔法陣に、私達は足を踏み入れるのだった。

 

 

 

 

 

「……こうも露骨にハンデをつけて、プライドが無いのかしら」

「レイヴェル様、それは視点の相違と言うもの。私に言わせれば我々の戦力を正しく理解しないが故のボーナスステージとお見受けします」

「あのガチガチに対魔・対物の結界に守られた城を落す事がですの?」

「一分ですね」

「はい?」

「相手の情報が無いので憶測では有りますが、おそらく開幕で終わります。まぁ、百聞は一見にしかず。姫様のようにどっしり構えて頂きたく」

「そ、そうしますわ」

 

 知恵袋二人が噛み合わない会話を続けながら目を向ける先。そこには徹底的に守りを固められた、入り口の一つしかない城がでんと聳え立っている。

 私達が転移した先は遮蔽物の無い草原なのに、相手は一戸建て付きとはこれ如何に。

 ちなみに私に与えられた試験内容は単純明快でして、対戦相手を規定時間内に撃破しろと言うもの。つまり、タイムアップもしくは私が落とされると敗北となります。

 普通に考えれると、攻略の鍵は如何に早く進入を果たすか。

 嫌らしいのは、相手が何処に潜んでいるか明示されていない事ですね。

 仮に力で押し負けても逃げ回って勝たせない、そんな意図が透けて見えます。

 しかし残念、正攻法で攻めて来ると思い込んだのが運の尽きですよ。

 

「姫様。我、やる。他不要」

「確かに鬼灯の全力どころか全体像も見た事がありませんね……ここなら周囲への被害とかも無視出来ますし、日本が誇る龍の力を披露して貰いましょうか」

「赤と鋼、選ぶ」

「よく分かりませんが赤で」

「了承」

 

 私の腕に絡み付いていた鬼灯がしゅるりと離れ、体をくねらせながら一気に質量を増していく姿をぼんやり眺める。

 さすがファンタジーの住人、質量保存の法則をガン無視です。

 魔法はインチキ、そう改めて実感しているとスカートを引っ張られる感覚が。

 

「アンもおっきくなっていい?」

「アンはギャスパーとの一戦で十分活躍したから、今回は鬼灯に花を持たせよっか。鬼灯がもういいよーって言うまでステイです」

「うん!」

 

 本当はアンとヴァーリに大きいのを連打して貰う作戦を、少しばかり変更。

 

「と言うわけで、前衛ズも待機」

「騎士は王の命令に逆らわないもの。待機命令、確かに受領した」

「いやいや、ゼノヴィアは戦車だから」

「ぐすん」

 

 我が親友は、まだ騎士に未練があるんですね……

 何らかの信念やら意図があるなら役割を変えてもいいけど、ゼノヴィアが戦車よりも騎士を強請る理由は語感が格好良いってだけでしょ。

 駒の価値としては戦車の方が高いんだから、光栄と思って諦めなさい。

 

「ヴァーリも分かった?」

「ああ、俺も五大竜王に勝るとも劣らぬと聞く龍の力に興味がある。何より穴倉に篭らねば戦う事も出来ない雑魚如きに俺が出る必要も無いだろう。打ち漏らしはゼノヴィアにでも任せて高みの見物さ」

「それは同感。とりあえずお手並み拝見しますか」

 

 これこそ腕自慢の猛者達の強み。未だ相手の戦力も分からないのに、誰一人として余裕の表情を崩さず負ける未来を想像していない。

 雰囲気的に今回は私の出番が無いと思う。

 だけど前線で轡を並べるだけが王じゃない、拳を振るう代わりに見届けよう。

 そして時は来た。開始のアナウンスと同時、神話の魔物に相応しい巨躯で大地を揺らす龍種が八又の首の内、七本でターゲットをロック。

 残る首が見つめるのは彼の信奉する王の姿。

 

「姫様―――」

 

 弦さんが口を開きかけたのを手で静止して、小さく頷きを返す。

 彼の意図は言われずとも分かる。

 チームとしての初陣、その栄えある一番槍にお墨付きを与えて欲しいんだよね。

 しかし言葉だけを返すのも無粋、そこで五本の指で天を指して目配せを一つ。

 

「香千屋爰乃が命じます、我が敵を殲滅せよ!」

「「「「「「「「了承」」」」」」」」

 

 向きを一つに揃えた八本の顎に集うのは、足元に居ても暑さを感じる膨大な熱量。

 球形に収束されたソレを例えるなら、万物を溶かす溶鉱炉でしょうか。

 そんな小型の太陽が、私の振り下ろした手に合せて八連射って。

 しかもどんなからくりなのやら、射出速度が音の壁を突き破るインチキさって何です?

 

『DIVIDE!』

「ばりやー」

 

 どっかんどっかんと一発一発が核を思わせる破壊力で蹂躙した結果、余波で鼓膜を破りそうな爆裂音と熱風がこちらにも吹き荒れそうになるも、最初からこの事態を想定していたらしきアンの大気制御とヴァーリが咄嗟に放った半減がそよ風すら届かせない。

 一瞬で焼け野原になった草原を見るに、防御していなければ全身火傷を負っていたんじゃないでしょうか。

 

『アシュタロン・ヴァサーゴ様の死亡を確認。ココノ・アドラメレク様の勝利です……が、審議中ですので少々お待ち下さい』

 

 背後で大騒ぎしている声がだだ漏れのアナウンスは曖昧ですが、勝利確定だと思う。

 建物と言うか地形ごと根こそぎ消し飛ばした以上、何に対してクレームをつけられるのか私にはさっぱり分からない。

 文句があるなら再戦も受け付けますよ? NRX-0013っぽい悪魔が無事ならですが。

 

「アルビオン」

『何だね』

「我の火山弾、昔弱かった。改良、こうなる。覇龍頼る、駄目。何となく力使う、駄目。仕組みを理解する、大事。人の知恵、有用」

『アプローチの方法を模索しろと?』

「肯定。柔軟、大事。固定観念、捨てる」

『検討に値する助言に感謝する』

「アドラメレク眷属の強さ、そこ。アルビオンも要努力」

『確かにドライグとの戦いも、どちらが如何に早く覇龍に目覚めるかだけを競うレースだったか。ヴァーリよ、覇を捨てる道を選んだお前の正しさが第三者視点でも証明されたな』

「当然だ。過去の白龍皇が敷いたレールを俺は歩まない。俺は俺の道を行く」

 

 そして予想外の収穫は、特に交流も無かった眷属の打ち解けた姿を拝めた事かな。

 馴れ合う必要は感じませんが、互いを認め合って欲しいと思う私です。

 その点他の眷属と比べて力の差が歴然なのに、一翼を任せて貰えるゼノヴィアは凄い。

 精神年齢が同レベルのアンと仲が良いのは分かりますけど、あのプライドの高いヴァーリが露払いであれ任せると言うんですよ?

 一定以上の信頼が無ければ、有り得ない発言だと思いませんか?

 

『し、審査の結果をお伝えします。もう一戦、もう一戦追加です!』

「なら、面倒なのでこのまま続行で」

『では次のフィールドへ―――』

「あまり訳の分からない要求を続けるなら、サーゼクス様に密告しますよ?」

『少々お待ちをーっ!」

 

 結局要求は受け入れられ、すぐさまこの場に新たなチームが投入される事になるのですが、ヴァーリが手慰みに放った範囲型の半減で弱った所に神鳥の姿を取り戻したアンが引き起こした雷の嵐を浴びたと言えば結果はお察しでしょう。

 

「……予想以上に圧倒的で、することがありませんでしたの」

「そう思うなら、私が逢瀬を交わしたい殿方とのセッティングを出来るだけ早くをお願いします。可能ならこの後でも構いませんよ?」

「既に一報いれてありますの。確認を取りますので、少々お待ちを。弦、総督様にも連絡を取ります。わたくしに付いてきてくれるかしら」

「姫様、少々席を外しても宜しいでしょうか?」

「構いませんよ」

「では、また後ほど。吉報をお待ち下さい」

 

 そんなこんなで、試験官に物凄い睨まれながらも合格を掴み取った私達。

 今はちょっとした祝勝会として、レイヴェルが手配したレストランでお食事中です。

 働けなかった分ご馳走してくれるとの事ですが、貧乏な王様で申し訳ない。

 せめて高校を卒業するまでは、多目に見てくれると助かります。

 

「貴様ぁ、何故に俺のフリッターを奪う!」

「のこすともったいない」

「最後に食べるべく温存していたんだが?」

「しーらない」

「よし、兵藤の前に貴様を叩き潰してやろう。表へ出ろ」

「アンはじょうおうだから、よわい仲間をまもるのがおしごと。いじめはだめなの」

「……確かに今はお前の方が実力面でも上位者か」

「うん、なかよくしよ?」

「そうだな。おいウエイター、同じものをもう一皿だ」

 

 仲良き事は美しきかな。

 表面上の小競り合いなら、幾らでもやればいい。

 気の置けない友人関係に遠慮は不要なのです。

 私を中心に左のテーブルがこんな風なので、次に右を向いてみる。

 

「これは何点?」

「70点、岡星レベル。仲間に紹介問題無し」

「私的には十分旨いのに、鬼灯は辛口だな」

「30点以下、女将を呼ぶ。10点以下、我、超激怒。店滅ぼす」

「妥協しない事で」

 

 鬼灯さん、貴方は何処の海の原の雄大な山ですか……って、例の倶楽部を略すと美食倶楽部! なるほど、納得しました。二度ととやかく言わないので、美食道を駆け抜けて下さい。

 でも、私の料理は採点甘めでお願いしますよ……?

 そんな事を考えながら、白身魚のコンソメ仕立てをぱくり。

 もう一戦あるかもしれないので、お酒を飲めないのが実に残念です。

 冥界の白ワインはどんな味や……お、騎士と僧侶が手招きを。

 

「マイロード、朗報です。サイラオーグが晩餐会名目で会っても良いとの事」

「必ず応じると思っていました」

「ですが、さすがに全員で乗り込むのも失礼。わたくしが責任を持って案内を務めますから、他の眷属は帰すのが道理かと」

「護衛に私を同行させないと?」

「格としてはアドラメレク家より遥かに上の大王家ですのよ? 護衛が必要と考えただけで無礼。何よりアザゼル様も同席なさいますし、公式の招待である事をお忘れなく」

「主家の顔に泥を塗る訳には……参りませんね」

「万に一つも有り得ませんが、何らかの事件に巻き込まれたなら命に代えてもわたくしが爰乃を守りますわ。少しは同僚を信じて欲しいですの」

「……分かりました。残りの眷属を引き連れてお帰りを待つ事にしましょう」

「しかしながら、マイロードはサイラオーグと遊ぶ御積り。無傷で返せなくてもお恨みにならないで下さいませ」

「それで構いません。後は任せましたよ、レイヴェル・フェニックス」

 

 意外と物分りの良い弦さんだった。

 もっと粘るのかの思っていましたが、お爺様への迷惑は譲れない一線なんですね。

 さすがストーカー気味と言うかヤンデレでも常識人(謎)、今後もギリギリのラインで踏み止まってくれる事を切に祈ります。

 

「移動時間を考えると、あまり時間がありませんの。さくっと行きますわよ」

「腕が鳴るね」

「先ずは着替えの調達から」

「え」

「わたくしの行きつけがあります。お店はお任せ下さいませ」

「制服じゃ駄目なの?」

「正式な晩餐会ですのよ? ドレスコードは守って頂きませんと困りますわ」

「……全部任せました」

「うふふ、得意分野ですの!」

 

 面倒だなと思う反面、それを上回る期待に顔がにやけてしまうのを止められない。

 アンやゼノヴィアを子供と笑ったけど、私もやっぱり同レベルですね。

 殴り合いでどちらが強いか、それしか頭に無い事を思えばそれ以下かも?

 眷属達が騒ぐテーブルを静かに後にした私は、無意識に拳を握り締めるのだった。


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