赤蜥蜴と黒髪姫   作:夏期の種

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第13話「勝利の代価」

 問題。どんな怪我からもあっさり復活する化け物を、どう倒せばいいのでしょうか?

 回答。蘇生する暇も与えず一撃で全殺し。

 

 実効性についてはレイヴェルで証明済み。どこからも文句の出ない正解です。

 でも、他にも正解は無いのかな? それを今から確かめてみましょう。

 

「いぎゃぁぁぁぁっ!?」

「そーれ、もういっぱーつ」

 

 聞く所に寄れば、フェニックスの不死性は精神と密接に関係しているらしい。

 苦手だな、勝てないな、と認めてしまうだけで弱体化するとかしないとか。

 つまり精神力をゴリっと削れば倒せるのでは、と思った私です。

 試しに選んだ手段は痛覚の刺激。以前にお爺様の知人から習った、鞭で打つと書いて”べんだ”を大絶賛実行中だったりします。

 これは全身を水の様に扱うことで、驚異的なしなりを発生。本物の鞭のような打撃を発生させる技術でして、私の得意とする内部破壊と真逆の皮膚を狙い打つ表層攻撃です。

 私も後学の為に食らった事がありますけど、とにかく人の限界を超えて痛い。

 脳に直接響くようなソレは、痛みに反して皮膚が弾ける程度のダメージ。

 私の愛する一撃必殺には程遠い、敵を弄ぶ時にしか使えないニッチさ。

 でも、使いどころを間違えなければ有効でして―――

 

「ちなみに再起不能な腕のお陰で、普段よりも痛み増量中。折れた骨で支点が増えている分、超しなってます。多分これが生涯最高の技の冴えでしょう」

「やめてやめてやめてっ!?」

「いやいや、折れた腕を振り回すのは辛い事なんですよ? 見てくださいこの脂汗、普通の女子供なら発狂するレベルみたいな?」

「先に俺が発狂する!」

「するかどうか実験して見ましょう。よいしょー」

「ひぎぃぃぃぃ!?」

 

 お坊ちゃん育ちで根性の据わっていないライザーは床で丸まり、乾いた音が響く度に悲鳴を上げる愉快なオブジェにビフォーアフター。

 開幕の一発を浴びて心が折れたのか、壁際まで逃げ出し丸くなる始末です。

 痛いよねー、辛いよねー。

 でもね、強い人は余裕で耐えて反撃してくるんだよ。

 女子供にしか効かないお遊戯に怯るとか、情けないと思いません?

 

「魔王様、これって私の勝ちですよね?」

「……いいんじゃないかな?」

「いやいやいや、お待ちを! 愚息はまだ戦えますとも!」

「しかしだねえ」

「ライザー、お前もフェニックスの男ならば戦え! このまま無様な姿を晒すようであれば勘当するぞ!」

「そ、それだけは勘弁下さい。今までのは演技、そう演技です! これより本気を―――」

「せーい」

「ギャーッ!?」

 

 フェニックス親子の会話が癪に障ったので、話の腰を折ろうと一発お見舞い。

 私としてもね、ひっぱたく手も痛いし止めたいんだよ。

 見て下さい、この鬱血して凄い色の腕を。

 深刻なダメージを蓄積しているのはこっちですよ?

 

「はぁ、一度仕切りなおしましょうか」

「ほ、本当か?」

「ええ。またぐだぐだになっても困るので、鞭打も使わないと約束します。だからそちらも、距離をとってチクチク炎攻撃みたいな真似はしないと誓ってください。仮にも魔王様やら親の前。男らしくステゴロの殴り合いで決着をつけないとマズイのでは?」

「その通りだライザー。半死半生の小娘に、これ以上の侮蔑を許すな! 貴様に男の矜恃が少しでも残っているなら、正々堂々と同じ土俵で勝負して勝て!」

「は、はぃぃっ! 小娘―――」

「あ?」

「ココノ様、その提案受けようではないか!」

「下手に出たいのか、上から目線で居たいのか、はっきりしてくれませんか?」

「俺なりの葛藤があるんだよ! とにかくケリをつけるぞ人げ……ココノ!」

 

 うわー、とてもじゃないけど名門貴族のセリフじゃないね。

 お爺様と魔王様なんて、笑いをこらえる作業に手一杯ですよ。

 このコント、傍観者の立場でなら見たかったな……

 

「ふはは、貴様のことは調査済み。レイヴェル戦の力は想定外だがなぁ」

「はぁ」

「ココノの能力は格闘、それも投げに傾倒していることは調査済み。片腕を封じられては、能力を生かせまい。自ら不利な状況を作り上げるた迂闊を呪え!」

「あの」

「何だ」

「レイヴェルを倒したのは何でした?」

「……拳だな」

「左でも同じ技を使える可能性を、考慮した上での発言ですよね?」

「と、当然だろう。時にこれは興味本位だが……実際はどうなのだ?」

「ほらほら、決着を先延ばさないで始めましょうか。行きますよー?」

 

 どうしてこれから戦う相手に、手札を晒してくれと頼めるのか理解に苦しみます。

 頭の痛くなるような事ばかり言う鳥頭に辟易した私は、一方的に始める事にする。

 掛け値なしに私の体の限界は近い。

 全身には一つとして無事な部位はなく、鞭打の多用で悪化した右腕はピクリとも動かない。

 でも、一番困るのが足首。奥義を放つ時にミスったせいで捻挫しちゃったのが痛い。

 それでも顔は平静を保ちながら最後の弾をライザーの胸に押し当てると、イッセー君に負けた記憶がフラッシュバックしたのだと思う。

 炎を宿した拳で叩き落そうと必死に反応するも、それは私の筋書き通り。

 兄弟揃って沈んだ技のモーションを見せれば、必ずそう来ると思っていましたよ。

 

「残念、左では奥義を打てない未熟者でした。貴方のデータ通り、キッチリ投げ技でゲームセット!」

「謀られただと!?」

「何処に嘘の要素が!?」

 

 伸びてきた腕に左腕を巻きつけて間接を極め、手が足りない所は口で代用。

 ライザーの襟元に噛み付いて固定し、勢いを殺さず後方への投げを敢行する。

 同じ手は貰わないと、なけなしの神気で炎を相殺。空中に居る間に体制を整えて、着地と同時に残りかすの気を込めた膝を落せば手ごたえあり。

 投げて、極めて、打つ三拍子の前に、弱っていた不死鳥は羽ばたく事を止める。

 

「少量の気しか使えずともこの通り。仮に炎を用いた防御が上回っていても、結果は同じだったでしょう。どちらが上か理解できましたか? これでも全力には程遠いんですよ?」

 

 考える事を止めたライザーを見下ろす私は、反応出来ないと分かっていても勝利宣言を続ける。聞かせているのは観客、特にフェニックス親なので問題ありません。

 

「フェニックスの偉い人、彼が目覚めたら伝えて下さい。不服があるなら万全の状態での再戦も受ける。但し次は加減無しで殺す、その事を忘れるな……と」

「よかろう」

「それでは限界なので帰ります。お爺様、エスコートをお願いできますか?」

 

 今の攻撃で全てを出し尽くした。もう、幾ら絞っても一滴の雫すら出てきません。

 立っているのも無理な私の現状を見抜いたのか、言い終えるよりも先にお爺様が私を抱きとめてくれている。

 うん、十分頑張った。だから、少しくらい甘えても許されるよね。

 そう思った瞬間、張り詰めた糸がぶっつり切れた。

 そこから先の記憶は無い。

 

 

 

 

 

 第十三話「勝利の代償」

 

 

 

 

 

 目が覚めると、そこは何処かの病室だった。

 異様に重たい体を起こそうとしてみれば、全身の筋肉が萎縮して思うように動かない。

 首を回せばバキバキと鳴るし、まるで他人の体の様に感じる。

 

「これは……アーシアが治してくれたのかな?」

 

 点滴の針が抜けないように右手を動かしてみれば、幸いなことに若干の違和感を感じるものの概ね思い通りに動いてくれる。

 他の怪我も同様で、外から見える範囲の怪我は全て完治。

 何とも言えない各所の硬さは、おそらく再生魔法の後遺症じゃないかな。

 同じ素材の部品を組み込んでも、馴染むまでギアは綺麗に回らない。

 元の感覚を取り戻す為には、慣らし運転が必要なんだと思う。

 そんな事を考えながらふとカレンダーを見ると、今日はライザー戦からぴったり一週間後。

 随分と長いこと眠っていたらしい。

 何処の茨姫ですかと自虐していると、ドアノブが動く気配を感じた。

 つい反射的に覚醒前と同じ姿勢に戻して目を閉じるのと同時、誰かが病室に入ってくる。

 

「爰乃さん、まだ意識を取り戻してないんですね」

「アーシアのせいじゃないって」

「でも、でも……」

「こうやって毎日毎日、神器を使いに通ってるんだ。そのうち平気な顔で、ひょっこり起き上がるさ。もしかすると、それは今かもしれないぜ?」

 

 その声はイッセー君にアーシア。何ですかそのシリアスなムードは。

 これじゃ、目を開けるわけにも行かないじゃないですか!?

 

「うううう、爰乃さん、爰乃さんっ! 私の力が足りずに御免なさいっ!」

 

 やばいやばいやばい、とっくに目覚めていると知られるわけには行かない状況ですよ。

 本気で泣いてるアーシアとか無敵にも程があります。

 

「ん?」

「どうしましたか?」

「気のせいかもだけど、爰乃が顔を背けたような……」

「人は意識が無くても動きますし、寝返りくらいは普通です」

「それにさ、露骨に冷や汗かいてね?」

「お部屋が暑いんですね。私、ハンカチを濡らしてきます!」

「お、おう」

 

 疑うことを知らないアーシアが居なくなると、妙な沈黙が生まれる。

 ま、まだ慌てる時間じゃありません。そうですよね、安西先生!

 

「おいコラ。狸寝入りとか止めて、さっさとこっち向けよ」

「にゃむにゃむ」

「……ほう」

「すぴー」

「舐めとんのかぁ!?」

「もう食べられませんー」

「ま、まだ認めねぇ……それならこっちにも考えがあるぞ?」

「すかー」

「今のお前は病院着一枚、この意味が分かるか?」

「!?」

「ぐへへ、まさか反撃しないよなぁ? て、手始めにおっぱいでも揉もうかな!」

「く、ぐーっ!」

 

 嘘を貫くにはリスキー。かと言って言い負かされるのも悔しい!

 本当にエロに関することだけは頭が回る……どうする、私。

 即効で決断しないとほら、もうシーツが重みで沈み込んだ。

 うわー、確実にそこまで来てますよ!?

 危機感を感じた私は、上半身を起こして枕を抱きしめながら言う。

 

「ああもう、分かりましたよ! ええそうですよ、ついさっき起きましたよ! 何か文句でもありますか? あるなら毒リンゴを食べたお姫様の様に、王子様が来るまで惰眠を貪りますが!?」

「逆ギレ!?」

「どうせチキンなイッセー君は、口だけと確信してますけどね、だけど私も乙女なんです。その脅迫は卑怯じゃないでしょうか!」

「ごめん―――ちげぇよ! 何時の間に俺が悪い流れになってんだよ!」

「では間を取って喧嘩両成敗。互いに非は無かった、そうですね?」

「もう、それでいいよ……俺としてはお前が元気一杯なだけで満足だ」

 

 いやその、そこで真面目に応えられると困るというか……

 

「とりあえず、私が眠っている間の話を聞かせて」

「任せろ。お前も気になってるだろう部長だが―――」

 

 彼の口から語られたのは、半ば予想通りの結末だった。

 部長は晴れて自由の身となり、今では兵藤家にアーシア共々居候を開始。

 ファーストキスを貰った、寝る時はいつの間にか裸で潜り込んでくる、等とドヤ顔で口にした件は驚きましたが、アレだけ情熱的な告白をされてグラっと来ない女の子もいない。

 やったねイッセー君、ハーレムメンバー二人目確保だよ!

 ちなみに私とライザーの私闘については、あったことすら知らないらしい。

 このグレモリー資本の人外用病院に運び込まれた経緯も、レイヴェル戦の後遺症と言うことになっているからびっくり。

 

「なるほど」

「ってわけで、我が世の春が来たって感じだ! 部長ってば洋食専門かと思ってたら、味噌汁が旨いの何の。才色兼備で家庭的、マジでライザーに渡さなくてホッとしてる」

「私の親友は?」

「アーシアはアーシアで超可愛い。部長に張り合おうとして、健気に努力する姿は正当派美少女! こう、俺の服をぎゅっと掴んで上目遣いとか最高です。妹が居たらこんなかなーとか毎日思ってるな」

「しかも義理ですらない妹!」

「い、言われて見れば確かに。アーシアは嫁にやらんとか考えてたが、兄じゃないんだよな俺。ハーレムに入ってくれるように頼んでも許されるんじゃね!?」

「でもその発想。ネタにしても、実の妹をハーレムに組み込んだライザーと完全に一致だね」

「……ぐはっ」

「勘違いして欲しくなのは、責めてるんじゃないって事。向こうが下僕に注ぐ愛着なら、こっちは純粋な愛情でしょ?」

「いやその、確かにアーシアは大事だけど面と言われると恥かしいんだが……」

 

 ちょっと落ち着きなさいハーレム王。

 この程度で狼狽するなら、落せる女の子はベリーイージな私の天使くらい。

 部長の様な強制イベントはそう発生しないんだし、先行きが暗すぎませんか?

 

「よし、とりあえずアーシアに告白しちゃいますか」

「!?」

「常日頃からハーレム願望を語っているんだし、OKを貰った後に他の女の子へ手を出しても許されると思う。あ、部長が先の方がいい?」

「ぶ、部長はペットとしての俺を愛でてるだけだし……」

「へたれ」

「ぐ」

 

 こ、ここまで内弁慶だったとはさすがの私も予想外。

 夢が届くところまで来ていると言うのに、この男は何なのだろうか。

 あまりの不甲斐なさに呆れて溜息を吐いた時だった。

 

「……誰も居ないから言うけどさ、お前だから打ち明けるけどさ」

「急に改まって何ですか」

「俺は女の子と仲良くなるのが正直怖い。薄っぺらな関係ならいんだけど、それ以上となると震えが止まらねぇ。もしも拒否されて馬鹿にされたら、態度が急変して離れていったらと思うと、動けなくなっちまう」

「え、何ですかそれ」

「笑えよ、これが普段はハーレムハーレム騒いでる奴の正体さ」

 

 イッセー君は、そんなに弱いキャラじゃなかった。

 どれだけふられても、軽蔑されても、起き上がりこぼしのように無限に立ち上がる男の子だった筈。

 原因は……何だろう。

 

「前に彼女が出来たって、騒いだことがあっただろ?」

「はい」

「その時の彼女はそりゃいい子だった。初デートなんて徹夜でどうするか考えて、面白い話が出来るように無駄に本も読み漁った。その甲斐あって、むちゃくちゃ喜んでくれたんだぜ? そりゃもう浮かれたよ、将来の事すら考えるくらいに」

「続けて」

「でも彼女、夕麻ちゃんは堕天使だった。俺に告って来たのも神器狙い、しまいにゃデート帰りにさっくり殺しに来る始末。その時にさ”おままごとは楽しかった? とてもつまらない時間をありがとう”って言われたんだ」

「その彼女は?」

「死んだよ。俺がアーシアを助ける時に部長が殺した。後一発まで追い込んだら、命乞いして来たんだぜ? アレは冗談だった、貴方のことが大好き、愛しているから助けてって」

 

 いつぞやの件に、こんな裏側があったとは知りませんでした。

 私が見たのは、過程をすっ飛ばしたワンカットだった様です。

 

「……トラウマになったんだね」

「部長も、アーシアも、朱乃さんも、小猫ちゃんも皆好きだ。でも、だからこそ距離を縮められない。このメンバーに裏切られたら自殺しかねないと思う。なぁ、俺はどうすればいい? 教えてくれよ……マジで」

「本当ならカウンセリング行け、と放置するんだけど……仕方がないね。その頑丈そうな心の壁に小さくても風穴を開けてあげましょう」

「で、出来るのか?」

「癒しがアーシアの担当なら、壊す方はこの私の得意分野。任せなさい」

 

 大見得を貼ったはいいけど、これは賭けだ。

 前提条件が成立していなかったらお手上げなのだから。

 

「ねえ、イッセー君。どうしてこの話を私にしたの?」

「他の誰でもない、お前だからとしか」

「私なら裏切らないって確信していると?」

「お前に裏切られてどうにかなるなら、それはこっちに問題があったって事だ。爰乃は正義じゃないが、嘘はつかねぇし仁義は守る。そこに疑う余地はねぇからな」

「つまり、私が確信を持って断言した事象は真実。暴論ですが、この論法に間違いは無い?」

「おう」

「ならば神託を与えましょう。私が近くで見てきた女の子、少なくともアーシアはイッセー君に魂を捧げるレベルの好意を抱いています。もしもふられたら責任を持って……ええと、どうしよう? 何かナイスな案あります?」

「アドリブ効かないな!」

「あーもう、駄目だったら私が彼女になってあげますよ! 何か不服は!?」

「おまっ!?」

「異論はありませんね!?」

「ありません、むしろそれはそれで大歓迎です!」

 

 あれー、私は何を口走ったのかな?

 100%勝てる勝負にベットしたにしろ、掛け金があまりにもアレな気が。

 これではまるで、私がイッセー君に恋心を抱いているような言い方では!?

 

「ってわけで、夏休み前までには告りなさい。OKさえ出れば、トラウマも被害妄想と切り捨てられる位には回復すると思う」

「た、確かに成功体験があれば、悪夢を消し去れるかも!」

 

 よし、流された。

 さすがは望まれて花嫁泥棒をしながら、下僕だから当然みたいな判断をする鈍感男です。

 私がヒロインならイラっときて殴ってますよ。

 

「分かったなら離れなさい。いつまで私の手を握っているつもり?」

「お、悪い。すぐに離れ―――」

 

 感極まったのか、私の手を両手で握ってありがとうを連呼するイッセー君。

 ここまで感謝されると逆にウザく、嗜めた瞬間だった。

 

「イ、イッセーさん……? 何をされているんですか?」

 

 おはよう、アーシア。

 ピンポイントで誤解されそうな場面に入ってこなくてもいいんじゃないかな。

 角度的にはハグに見えるかもしれないけど、事実は違うんだよ?

 

「ア、アーシア、これには事情が」

「ううう、愛の力が奇跡を起こして爰乃さんを起こしたんですね……ああ、神様痛っつ」

「悪魔が神に祈るのは止めなさい」

「って爰乃さん、大丈夫ですかっ!?」

「お陰様で何とか。悪いけど、先生を呼んでくれるかな? すっかり元気だから退院の手続きをしたいんだよね」

「えと、ナースコールを使われては?」

 

 これは盲点。アーシアに座布団一枚進呈です。

 

「ぽちっとな」

 

 私は事をうやむやにすべく、看護師さんを召還するのだった。

 後のことは知りません、フォロー頑張れ赤龍帝さん。


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