戦国生活日記   作:武士道

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こんばんわ、武士道です。
誤字、脱字が多いですがよろしくお願いします。


昌秀 長門家の面々に会う

 津川城・・・近江と美濃の国境を繋ぐ重要拠点である。城の後方は高い山々に囲まれ、城の前方には二重の堀が巡らされており、土塁も積まれ敵の矢玉を防ぐ設計になっていた。また、湧き水も豊富で城のあちこちに井戸が存在する。かの斉藤道三も、この城を『稲葉山城の次に堅固な城』と言わしめた。

 

 「すっげぇ・・・初めて生の城を見た」

 

人生初の生城観賞にひたっていると、長門重秀が笑いながら声をかける。

 

 「何じゃ? 城は初めてか?」

 「あ、あぁ・・・こんなに綺麗な状態の城ははじめて見た」

 「綺麗な状態? ガッハッハ!! 面白いことを言う奴じゃのう。この程度の城ならどこにでもあるわい!!」

 「この程度って・・・」

 

俺はそういいながら城を見上げた。

二重の堀と土塁が置かれ、二の丸には櫓が四つ確認出来た。また、現在目の前にある三の丸の防御もそれなりである。これを力攻めで落とすとなると、かなりの損害が予想できた。

 

 城の中に入ると、二人の若武者が姿を現した。

片方は、まさに武人と呼べる体つきをしており、もう片方は武将と呼ぶには少し頼り無さそうな感じである。

 

 「父上!! 浅井の様子はいかかでしたか?」

 「話にならんのう。わしが槍を二振りしただけで、敵は尻尾をまいて逃げおったわい」

 「逃げたのはよろしいですが。父上は大将なのですから、もう少し自重していただかないと・・」

 「ガハハ!! 固い事を申すでない。義重!!」

 

どうやら、頼り無さそうな方は義重と言うらしい。

何と言うか・・・こう、三国志で言う文官みたいな感じだな。

 

 「それより父上。そこに担いでいる面妖な格好をした者は誰ですか?」

 「おう、そうじゃった!!」

 

重秀はそう言うと俺を持ち上げ、二人の前に投げた。

俺は受身もとれず、もろに地面に叩きつけられた。

 

 「痛っつぅ・・・・」

 「永重、義重!! こやつはお主達の新しい弟じゃ!!」

 「はぁ!? 待て、何勝手に決めて・・・・」

 

突然の弟宣言に反論を言おうとするが・・・

 

 「新しい弟ですと? まぁ、父上が決めた事なら従いますが・・・」

 「諦めよ義重、父上はこういうお方じゃ」

 

重秀の息子二人は、これといった反発はしないようである。

こいつらは大丈夫なのであろうかと不安になると、義兄二人に両腕を掴まれた。

 

 「へ・・・??」

 「ほれ立たんか。それでは我等の弟は務まらぬぞ?」

 「いやいやいやいや!! 何で俺がお前らの弟なんぞに、ゴッフゥ!!」

 

その瞬間、永重の拳が俺の鳩尾にストライク。

余りの衝撃と、激痛に気絶する俺。

 

 「仲良くなりそうで良かったのう。さて、これからの事もある。早速、軍儀じゃ!! 義重、皆を集めよ!!」

 「はっ!!」

 

 

 

 

 

 

 「うっ、ここは・・・」

 「気付いたか?」

 「うぉ!? あんたは確か・・・」

 「む? あぁ、ちゃんとした自己紹介がまだだったのう。わしは長門陸奥守永重。長門重秀の長男じゃ。おぬしの名前は?」

 「俺は、丹羽昌秀」

 「丹羽・・・もしや、尾張の丹羽長秀殿と関係があるのか?」

 「まぁ、無くはないかな」

 「何じゃ、はっきりせん奴じゃのう」

 

俺は重い体を持ち上げて、改めて周りを見渡した。

六畳位の部屋で、隅っこには机が置かれておりいろんな書物が確認出来た。

永重はと言うと、俺の様子を見て笑いながら刀の刃こぼれを確認していた。

 

 「それよりお主、面妖な格好をしておるのう。もしや尾張ではそういう格好が流行っておるのか?」 

 「いや、この服装は流行ってないと思うぞ。」

 「そうなのか? じゃあお主はいったいどこから来たのじゃ? 丹羽殿の知り合いという事は、尾張から来たのであろう?」

 「いや、尾張じゃない・・・」

 「じゃあ何処から来たのじゃ?」

 

俺は、言った方が良いのかどうか迷ったがどちみちばれる事だと思い、話すことにした。

 

 「未来から来た・・・・」

 「はっ? 何じゃと?」

 「だから、未来から来たんだよ!!」

 

そういうと、永重はしばしの沈黙の後、ぷっと口を膨らますと大笑いをし始めた。

 

 「あはははは!! 未来から来たじゃと!? いや~面白い面白い!! こりゃ傑作じゃ!!」

 「嘘だと思うなら証拠を見せてやろうか?」

 「ああいいぞ! どんな事でもやって見るがいい」

 

俺はニヤリと笑い、自分のカバンをあさり始めた。

 

 「おい、その袋は何じゃ?」

 「これは、カバンって言ってな。未来の道具入れみたいなもんだ。えぇと、確かこの辺りに・・・お、あった!」

 「何じゃそれ?」

 

俺が取り出したのは携帯電話。これなら、俺を紛れもなく未来人として認めざるをえまい。

 

 「いいか、絶対そこを動くなよ!!」

 「お、おお・・・」

 

俺は、携帯の写真機能を出して永重をフラッシュ付きでパシャリと撮った。

案の定、永重はいきなりの奇怪な音と、謎の光に驚き尻餅をついていた。

 

 「どうだっ!? これが未来の力だ!!」

 

俺は、自慢げに先程とった写真を永重に見せた。

 

 「こ、これは・・・・!? わしがこの絵の中におるではないか!? き、貴様・・・まさか妖怪の類か!?」

 「違う違う違う!! これは、れっきとした未来の技術の結晶であって・・・っておい! その物騒な物をしまえ!!」

 

永重はしぶしぶ刀を納めたが、まだ疑っているようだった。

そこで俺は1つの事を思いついた。

 

 「な、なぁ? 今川義元ってまだ生きてるか?」

 「何じゃ突然? 今川義元は、現在尾張に向けて進行中じゃ。あれだけの大軍で攻められたら、織田も終わりじゃろうな。」

 「そうか、今川はまだ滅んでいないか・・・」

 「一体何なのじゃ? そんな事を聞いて・・・」

 

俺は、それを聞いて思わずふふふと笑ってしまった。

それを見た永重は、首を傾げる。

 

 「よし、俺が未来を予知してあげよう」

 「ほう・・・言ってみい」

 「此度の戦、織田が大勝利する。そして、今川は滅ぶ事になるだろう」

 「馬鹿なっ!? 今川は二万近くの大軍じゃぞ! 何処に負ける要素があると言うのだ!?」

 「まぁ、報せを待つんだな。その時、俺が未来人だって嫌でも認めるさ」

 「むぅ・・・」

 

永重はどうも腑に落ちない顔をしていたが、やる事があるのか部屋を後にした。

俺には、

 

『そろそろ父上が会いに来る筈だ。その時にこれからの事を話すので今しばらく待っていろ』

 

との事だった。そして、数時間経った頃、部屋の戸が勢い良く開かれた。

 

 




駄文でスイマセン。
次回は、主人公の修行場面を書きたいと思ってます。

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