皆さん、温かい目で見守ってもらえると嬉しいです。
「ふっ!ふっ!」
誰もいない静かな道場で自分は一人木刀を振っていた。
素振りをして、数時間が経って気付くと夕暮れになっていた。
「・・・やばい。すぐに帰らないと」
自分はすぐに汗まみれになった道場の服を着替え、高校の制服に着替えた。
道場を出て、自転車に乗り道場から2キロ位にある自宅へと向かった。
自宅に戻ると、居間で父親の丹羽昌重が待っていた。
ただいまと声をかけると、父は小さな声でお帰りと言うだけであった。
「今日の仕事は楽だったのか?」
仏頂面の父にうんざりしながらも、わざと気さくに声をかけた。
しかし、父はまたも小さく返事をするだけであった。
この仏頂面の父、丹羽昌重から生まれたのが自分、丹羽昌秀である。
丹羽と名乗ってはいるが、本当に丹羽家の末裔なのかは定かではない。
家計図もないし、これといって家宝と呼べる物も無い。ごく普通の一般家庭だった。
母は自分が生まれてすぐに亡くなってしまい、それから父と二人で生活していた。
その日は、夕飯を取りすぐに風呂に入って部屋に入った。
「はぁ・・・」
部屋のベッドに腰をかけると思わず溜め息が出た。
毎日毎日このやり取りの繰り返しである、溜め息が出るのは仕方ないことだった。
しかも、父は何故か剣術や槍術などを自分に無理矢理習わせていた。
「まったく、何で今の時代に剣なんか習わせんだよ・・・」
自分は父に対して愚痴りながら、歴史小説を開いた。
歴史自体は嫌いではない、むしろ好きなほうだ。
ただ、やりたくも無い事をやらせ、無愛想な父親が嫌いだった。
「そういえば、明日良晴に借りてた太閤立志伝返さないとな・・・」
良晴と言うのは、自分の友人の相良良晴のことである。
高校で歴史の話をしてすっかり意気投合して仲良くなった。
小説を閉じベッドに横になるとすぐに眠気が全身を襲って来た。
「今日は何故か疲れたな・・・いつもなら、こんな事で疲れないのに」
翌日も何時もどおりの生活だった。
朝食をとり、学校に行き、剣の稽古をして、自宅に帰る。
それが自分の、いや俺の生活だった。
しかし、その次の日は違った。
その日は友人の相良良晴が学校に来なかった。
それだけならよいが、帰り道に妙な噂を聞いた。何と良晴が家に帰っていないとのことだった。
少し不安になり、電話をかけてみたがつながらなかった。
「まさか、さらわれた何て事はないよな?」
少し沈黙し、まさかな・・・と鼻で笑って帰宅した。
自宅に帰ると、父はまだ帰っていなかった。
風呂に入り、髪を拭きながら居間に入るとはじめて見る手帳が一冊とオンボロの布切れが一枚あった。
「・・・何だこれ?」
それらを手にとり、まずオンボロの布切れを広げた。
すると、予想以上に布切れはでかく広げた後、俺は絶句した。
「これ・・・家の家紋だ」
そこには、丹羽長秀の家紋でもある丸にバッテンがついた、丹羽直違と呼ばれる家紋がついていた。
しかも、かなり古いらしくサイズを見るに旗のようだった。
俺は、動揺しながらそれらを持って部屋に駆け込んだ。
「な、何で・・・今さらこんな物が?」
今まで、父は家宝などない、期待しても無駄だと言って俺に家の物を一切見せようとはしなかった。
そんな父が、これらを忘れて居間において置くというのはあまりに不自然で気持ち悪かった。
「・・・駄目だ。今日は早く寝よう」
父の事を考えて気分が悪くなった俺はベッドに横になり眠った。
翌朝、何時もどおりに起床して学校に向かっている所だった。
「いっつ・・・・・!!」
急に頭に激痛が走った。
痛みで呼吸もままならなくなり、意識が朦朧としてきた。
「ぐぅ・・・・」
朦朧としていく意識の中で、見たものは先程までにはなかった神社が目の前に立っていた事だった。
「神社・・・・?」
そして、とうとう俺の視界は真っ黒に染まった。
どうも武士道です。
駄文でスイマセン・・・・
これから、精進して行きたいと思っておりますのでよろしくお願いします!!