おたくなはやてちゃん   作:凍結する人

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コミケのために(その1)


そのご

 月日の経つのは早いもので、はやての元に守護騎士たちが現れてから、早くも一ヶ月が経過した。

 騎士たちは各々にこの生活を楽しんでいるようで、はやてがキッチンで料理をしていると、リビングからは喧々諤々としたざわめきが聞こえてくる。

 

「かっけええええええ! なにこれ! なにこれ!」

「ッ……これはッ………」

 

 ヴィータの叫びでかき消されながらも響く、テレビの音を聞くだけで、はやてはそれがどのアニメのどのシーンなのか分かってしまう。

 人呼んで、ロボットが戦わないで超人が戦うロボットアニメ。

 それは、ヒロイズムとロマンとケレン味を混ぜ込んで濃縮して30分にまとめたような、とにかく濃ゆいアニメーション。

 案の定、かっこいいもの好きのヴィータとシグナムの琴線に触れているようだ。

 二人のために、おすすめしたのははやて自身だが、こうもクリティカルに反応する所を見ると、変な笑いが出てきそうだった。

 

「悪漢共に御仏の慈悲は、無用!……あぁ、素晴らしい科白だ」

「なぁ、ザフィーラ! 今度さ、アタシを乗せてさ、ああいう風にバァーッて、ドギャーンって、やってやろうぜ!」

 

 ヴィータが今まで見た中でも、ひときわ高いレベルの作画と演出は、彼女にそう言わせるのに十分だった。

 どうして翔ぶのか、どうして科白を叫ぶのか、まるで理解は出来ない。

 ただ勢いだけと言われれば、否定はできない。

 しかし、このシーンにはどうしようもない熱さと、ケレン味があった。

 瞳をキラキラとを輝かせながら提案するヴィータだが、ザフィーラは冷静に否定した。

 

「無茶を言うな。我に幻術は使えん」

「なんだよ、つまんねーの! お前だってやりたいだろ、ほら、あー、天に十六、地に八方って」

「確かに、我も心を震わされていない、訳ではないがな」

 

 映像を見て、ザフィーラは嘆息していた。

 今、映像の中で行われていたことは、彼らが今までやってきた、魔法や戦闘と同じか、いや、それ以上に現実離れしている。

 思えば、ベルカの人間に、これだけの場面を想像する者がいたかどうか。

 ザフィーラは、否、と断定するしか無かった。

 日頃実際に、空を飛んで、魔法を放って戦闘をしているせいなのだろうか。

 ベルカの世に作られた、騎士物語、あるいは冒険譚は、その『現実』を一歩も離れることが出来なかった。

 だが、この世界の、飛べもせず、魔法を使えない人間は。

 彼らが行う大立ち回りを遥かに超えた、派手で面白い想像と妄想を、立ちどころに行なってみせるのである。

 

 

「ならば、そこはシャマルに手伝ってもらったら、どうだ?」

「……出来ないわけじゃないけど……なぁに、シグナム、貴方もやりたいの?」

「勿論だ」

 

 ぎゅっと拳を握って震わせながら、シグナムは堂々と言い放った。

 圧倒的な強者に対し、悪漢どもに目にもの見せてやる、という科白と覚悟が、シグナムの心を震わせていた。

 

「ヴィータならまだいい……だが、シグナム、お前は……」

 

 ザフィーラが、言いにくそうに否定すると、シャマルも、なにやら察したようで、シグナムから顔を背けた。

 奇妙に思ったシグナムは、比較されたヴィータへ目を向ける。

 シグナムより遥かに小さい体が、瞳孔に映った。

 遥かに小さい身体。

 

「……ザフィーラ? 私の体躯では不可能だというのか? お前はそんなにヤワな守護獣じゃあないだろう?」

「い、いや、そういう訳ではない、ないが」

「まさか……私が『重い』訳ではないだろうな?」

 

 声色を固くして、シグナムは問いかけた。

 確かにシグナムの身体は、ヴィータよりも成熟していて、大きい。

 しかし、日頃のトレーニングを欠かしたことはないし、時折模擬戦闘もしている。

 決して、まさか、もしや。

 『重い』と言われることなどない筈だ。

 もし、そうなら。

 シグナムは握り拳を、先ほどとは全く違う理由で、ぐいっと固めた。

 

「ちょ、シグナム落ち着いて! ザフィーラだってそんなつもりじゃない、無いはずだから!」

「ええい、うるさいっ!」

「シズマ……じゃなかった、シグナムを止めろぉ!」

 

 シグナムがザフィーラの首根っこを掴み、シャマルが必死にそれを抑える。

 ヴィータは我関せずといった態度で、ソファに座り、足をぶらぶら揺らしながら、食い入るように続きを見ていた。

 

「そこまで。みんなー、ご飯やよー」

 

 八神家の晩餐前は、このようなアニメ鑑賞会で過ぎていくのだ。

 

 

 

 

 

 

「ところでなぁ、皆」

 

 五人揃って卓につき、お腹いっぱい食べた後に、はやてはこう切り出した。

 

「皆が来てくれてから、私もだいぶ助かってるんやけど」

 

 騎士たちが召喚されてから、はやてはその恩恵を大く受けている。

 具体的には、日々の掃除や洗濯、そして外出などだ。

 朝起きたら、シグナムが抱えて車椅子に乗せてくれるし、どこかに出かけるときも、誰かが荷物を持ってくれたり、段差を超えさせてくれる。

 それだけでも、今まで一人で生活してきたはやてにとって、替えの効かない幸福だ。

 

「それでな。私が車椅子で行ける場所も、だいぶ広がったんよ」

 

 例えば、以前シャマルやヴィータと一緒に行った、市街地中心部のデパートがいい例だ。

 海鳴市も、他の地方都市と同じくらいにバリアフリーの設備が整ってはいる。

 しかし、それでも一人では越せない段差や、通れない道も多い。しかも、人混みの中で車椅子を使うというのはかなり苦労するものだ。

 誰かの助けがないと、はやてはあんな所に行く気にはなれなかった。

 

「でな。私、前々から一回、行きたい場所があるん、やけど……あ、いや、やっぱ駄目。ごめん、忘れて?」

 

 はっ、と気づき、慌てて撤回したはやてだったが、その程度の遠慮で止まる騎士たちではない。

 

「何処ですか? 私たちが助けられることなら、なんでもやりますよ! ね、皆?」

 

 シャマルが音頭を取ると、他の三人も全員首を縦に振った。

 元より拒否する理由など無い。例えそこがどんなに遠くても、転送魔法を使えばひとっ飛びだ。

 主は何処に行きたいの。都会か、田舎か、それとも外国か。

 ウズウズしながら答えを待ち構える四人に、はやてはこう答えた。

 

「ええと……コミケ、って知っとる?」

「コミケ……!?」

 

 騎士たちはそのプログラムに刻み込まれた知識を総動員したが、どうしても答えは出てこない。

 

「あの、コミックマーケット、の略でな。個人、もしくは団体が作る本、つまり、同人誌ってものを売り出すイベントなんやけど」

 

 はやての説明を聞いて、おぼろげながら四人の中で想像がついた。

 ようは、露店のようなものなのだろう。企業ではなく、個人で売り出すのだから、その規模も大したことはあるまい。

 問題は場所だが、これも転送魔法を使えばひとっ飛びだ。

 

「問題ありませんよ、主。我らの力をもってすれば、容易く」

「……えぇとな、シグナムが、そう言ってくれるのは嬉しいんやけど。でも、今回ばかりは、ちょっとなぁ」

 

 何かを遠慮するように、言いよどむはやて。

 その態度にいらつきを覚えたヴィータは、今更何を遠慮することがあるのか、ともどかしさを吐き出した。

 

「アタシら四人揃って、出来ないことなんてねぇよ、はやて!」

「ヴィータの言うとおりです。主! 何を遠慮していらっしゃるのかは分かりませんが、我らとて木偶の坊ではございませんよ」

 

 騎士たちの中でもきっての武闘派の二人が熱く語るも、それでもはやては根負けしない。

 コミケというイベントについて、この騎士たちはかなり勘違いをしている、と確信していたからだ。

 同人誌即売会の中でも、全国どころか、世界一位のコミックマーケット。

 その大規模さと恐ろしさを、騎士は未だ知らなかった。

 

「……私の説明が悪かったのかも知れへんな。現物を見てもらうのが一番や」

 

 はやては手元にあるリモコンを操作して、テレビに繋がっているハードディスクレコーダーを起動した。

 前もって、コミケについて取材した番組を録画しておいていたのだ。

 ニュース番組の一部分だけだが、騎士たちに大まかな情報を伝えるのには十分である。

 映像が始まって、騎士たちがまず最初に呑まれたのは、その規模の大きさだった。

 古城や要塞もかくやといった巨大な建物を前にして、ぞろぞろと、ぎゅうぎゅう詰めで、多くの人間が列をなしている。

 それは、恐らく一本の細く長い列なのだろうが、一定の長さで折り重なって、さながら一つの正方形のような形になっていた。

 所謂、待機列である。

 

「えっ……はやてちゃん、これ、全部人間なの!?」

 

 失礼な物言いだったが、シャマルがそう言って驚くのも無理ない話だ。

 なにせ、このイベントに参加している人間は、三日間でざっと50万人を超えるのだから。

 この蟻のような行列でさえも、そのほんの一部分にすぎないのである。

 

「そや。この人達はな、みぃんな、この日のために此処にきて、同人誌や、CD、抱き枕、ゲーム、その他色んな物を買うために、ここまで来てるんよ!」

 

 はやての語り口は熱く、激しかった。

 自分も、この中に入りたいという願望。

 そして、今まで行こうにも行けなかった無念さ。

 それらが濃い情念になって、はやての心で練り上げられ、息に混じって出て行くようだった。

 

 画面の中で、行列が動いた。

 しかしそれは、ゆっくり、ダラダラとした動きではない。

 列の一部分のみが、切り離されたかのように素早く動き始め、正方形の一部にぽかんと隙間ができる。

 それは、既存の列の移動によってすぐ埋められる。

 そして、新しい行列が何処からともなくやってきて、まるで前からそこにあったかのようにピタリとくっついて、また元の正方形に戻るのだ。

 

「凄い……!」

「うむ。ここまで統率のとれた戦列を見るのは、初めてだ」

「あはは……別に戦に行くわけやないんやけど」

 

 その乱れの無さに絶句するシグナムと、戦列歩兵か何かと勘違いしているザフィーラ。

 はやては間髪入れずツッコミを入れたが、ある意味においては、コミケというのは彼らの言うとおり、戦争なのかも知れなかった。

 カメラは、今度は外の広場に移っていく。

 すると、大きな広場で、多種多様の服装をした人々が、集まっていた。

 露出度の高い服装もあれば、きぐるみを着た者もいるし、何やら派手な小道具を持っている者もいた。

 コスプレエリアである。

 

「うわぁ……凄い、凄いわ! こんなの、どうやって作ったのかしら!」

 

 まず反応したのは、やはりシャマルだった。

 服飾に長け、日々はやてや騎士たちの新しい服装を妄想していた彼女にとって、ここはまるで天国だった。

 

「うわぁ、見ろよシグナム、あれ! ほら、今朝やってたヤツ!」

「本当だ……噂に聞くコスプレ、というやつか」

「うぅむ、ポーズといい、動きといい、よく再現しているものだな……」

 

 他の三人も、自分が見た作品のコスプレを見て、各々に盛り上がっていた。

 コスプレとはオタクが持つ拘り、憧れを体現したものである。

 オタク歴僅か一ヶ月の騎士たちにも、その強い個性と表現力、そして熱意が、画面越しに伝わってきたのだ。

 

 コーナーが終わり、次のニュースが流れた所で、はやては停止ボタンを押し、改めて騎士たちに問いかけた。

 

「さて、皆。コミケが行われるのは有明。此処からは結構遠い。それに、あんな人混みの中で、車椅子っちゅうのは中々難儀やと思う。皆に手伝ってもろても、行けるかどうか分からんのや」

 

 その一言に、揃ってしん、となる四人。

 確かに、あのような狭い場所に何万人も集まるのだ。

 夏の暑さと相まって、熱気はとてつもないことになるだろう。

 病気を持つひ弱な身で、それに耐えられるのか?

 騎士たちが手伝い、フォローするにしても、本人の体力が尽きるのでは意味が無いというものだ。

 

「しかし……」

「ううん、私みたいなのが行っても、皆に迷惑をかけるだけや」

「そんなっ、私たちは、はやてちゃんのためなら」

「皆、言うのは、ここにいる私らだけやない。コミケって、同人イベントなんや。会社や企業がやってるお店やあらへんのよ」

 

 シグナムとシャマルが、必死に否定するも、はやてはそれをばしっと切り捨てた。

 コミケというのは、サークルで同人誌を出している人達だけでなく、それを買う一般参加者もまとめて、一つの『参加者』なのだ。 だから、『お客様』として甘えて、迷惑をかける訳にはいかない。車椅子だから、子供だから、初参加だからと、甘える訳にはいかない。

 はやてはそう言って、騎士たちの主張をピシャリと退けた。

 

 最もその見方は、多少、考えすぎ、気にしすぎではあったのだが。

 

「せやから、忘れて? この足の病気が治って、ちゃんと歩けるようになったら。その時までは、辛抱や」

 

 寂しげな笑顔で、精一杯笑いながら、はやては言う。

 皆が来てくれたおかげで、はやての世界は大きく広がった。

 一人では行けない場所にも行けたし、皆で一緒に楽しんだりも出来た。

 だから、もうこれでいい。

 

 

 しかし。

 

 

 それは、本当に納得づくの笑いなのだろうか?

 心にくすぶる物を残した、諦めではないだろうか?

 

 

 そんな笑顔を放っておく事が、八神はやての騎士、ヴォルケンリッターのすべき事なのか?

 

 

「はやて……! 嘘、ついちゃダメだよ、はやて!」

 

 誰よりも最初にそう考えたのは、やはりヴィータだった。

 守護騎士の中でヴィータだけが持つ、混じりけのない純粋さ。

 それは、思考や葛藤といった過程を吹き飛ばして、ただ一直線に、真実へと至る道標だ。

 

「はやてはさ、コミケ、行きたいんだろ? どうして我慢しなきゃいけねーんだよ!」

「それはな、ヴィータ。私が車椅子で、体力もないし、きっと、誰かに迷惑をかけてまうから」

 

「それがどうした!」

 

 ヴィータは叫ぶ。どんな理屈もぶっ飛ばす、伊達と酔狂が放った、宇宙最強の台詞を。

 

「はやての気持ちは、あそこに居た、どんな奴らにも負けてない! そうだろ!?」

「……そやけど……」

 

 ヴィータの言うとおりだった。

 車椅子に座り、足の動かないはやてが持っている熱意は、五体満足の人間が持つそれ以上に強く、熱い物だった。

 はやては、下半身不随になってから、外に出たがろうとしなくなっていた。

 誰かに傷つけられるのが怖い、誰かに迷惑をかけるのが怖い。そんな暗い気持ちが、心の中を支配していたからだ。

 はやては、そんな気持ちをアニメと漫画で吹き飛ばし、生きる希望と勇気に変えた。

 そして、初めて『行きたい』と思った所が、コミケだったのだ。

 その意志は、オタクとして、ごく当たり前の物だった。

 

 しかし、いざそこに行くことを考えると、吹き飛ばしたはずの暗雲が戻ってきて、はやての心をまた覆ってしまう。

 自分なんか、どうせ。

 そんなネガティブな気持ちが蘇り、心が、魂が、不安と失意で曇ってしまう。

 小さいはやてにとって、海鳴市街よりも遠くに行くには、まだまだ勇気が足りなかった。

 大人びているはやてには珍しい、それは、子供の臆病さだった。

 

「だったら、どうして諦めなきゃならねーんだよ! そんなの、はやてらしくない!」

 

 ならば、再びやって来た暗雲を晴らし、心に一条の温かい光を当てる。

 それが、今ここにいる騎士たちが為すべきことだ。

 ヴィータは、そうと考えたわけではなかったが、無意識で感じ取り、はやてに向かい喝を浴びせたのだ。

 

「……主はやて。我らも、ヴィータと同じ考えです」

「そうよはやてちゃん! 何事も、やってみなきゃ分からないでしょ!」

 

 それに続いて、シグナムも、シャマルも激励する。

 彼女らにとって、『闇の書』の主八神はやてとは、思慮深く決断力があり、騎士たちを導く存在だった。

 だから、この程度のことで諦めるようでは、主らしくない、と考えたのだ。

 

「主。我らは主に、主の与えてくれたアニメや漫画に、様々なことを教わりました。そして、その中に『簡単に諦める』という教え

は無かったはずです。諦めずに、挑戦することこそが肝心。そうではありませんか?」

 

 ザフィーラも、彼にしては珍しく饒舌になって、主へ問いかける。

 騎士たちよりも、遥かに多くの作品をみたはやてなのだから、ザフィーラが気づいていることを、理解していないはずはない。

 只、少し勇気が足りないだけなのだ。だから、ザフィーラは改めて問いかけ、自覚させようとした。

 

「皆……」

「確かに、アタシらもコミケについては良く知らねーけど。勉強して、マナーとかルールとかちゃんと覚えたら、それで大丈夫だろ?」

「体力が無いのならば、鍛えましょう。よく食べて、良く運動すれば、きっと良き力が身体に宿ることでしょう」

「それでも辛いなら、治療魔法だってあるのよ? 緑の癒し手、甘く見ないでくださいね」

「我ら全員、主の望む事、したい事、その身を砕いても叶える所存です。どうか、一言、『頼む』と、そうおっしゃって頂きたいのです」

 

 はやての目から、一筋の涙が流れて、膝の上に落ちた。

 そうだ。これだけ優しく、強い騎士たちがいて、出来ないことなんてあるはずがない。

 何を落ち込んでいたのだろう。何を悲しんでいたのだろう。

 大げさに考えて、悲しんで、少し考えただけで諦めてしまうなんて。まるで馬鹿みたいだ。

 そんなの、オタクらしくない。

 自分のやりたい事には妥協しない。

 どんなものを使っても、這いつくばって息を絶やしても、必ず、必ず、欲しい物をこの手に掴み取る。

 それがオタクだ。はやてのなりたい、情熱と熱意に溢れた存在だ。

 

 そんな簡単なことを、自分よりもオタク歴の短い、騎士たちに気付かされてしまった。

 それが嬉しくて、ありがたくて、そして情けなくて。

 はやては、顔を両手で抑え、大泣きに泣いた。

 

「ぐすっ……ひっく……みんな、ごめん……ごめんな……わたし、わたしはぁ……かほうものやぁぁぁ」

「何を……おっしゃいますか……このように良き主を持った、我らこそっ……!」

 

 その涙につられ、シグナムも拳で顔を拭いながら、男泣き。

 シャマルも、ヴィータも涙を浮かべ、ザフィーラすら顔を俯かせた。

 

 

 

 

 

 

こうして、はやてと騎士たちによる、夏の祭典のための一大作戦が始まったのだ。

只今、七月の上旬。

決戦の日まで、後一ヶ月と、少し。

 




お疲れ様でした。
今回からはある程度続き物になります。
実際、車椅子でコミケに行っている方はいるようで。でも、九歳で外人っぽいの四人連れた車椅子の女の子となると、それ相応に話題になりそうな気が。

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