FAIRY TAIL ~魔導騎士と星の姫~   作:ジャージ王子

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かなり時間がかかりましたが、この先の展開だったりそんなのをまとめて帰ってまいりました!


第13話 かかってこいやぁっ!

「次どっちだ!?」

 

「左に曲がって!っていうか左しか道ないでしょ!?」

 

只今アルトが魔導四輪に乗り込み鉄の森(アイゼンヴァルト)がいるとされるオシバナへと向かっている。

なお、運転手がアレなのでルーシィがカーナビゲーションシステムをしているのはお約束である。

 

「すまんな、アルト、ルーシィ…」

 

「気にしなくていい。魔力量なら俺の方が多いからな」

 

「そうか…」

 

先程の長距離かつハイスピードな運転でエルザも魔力を大量に消費した為、現在はアルトが運転をしているのだ。

 

(むっ)

 

そんな2人のやり取りを敏感に察知するルーシィ。

そして、そんなルーシィの反応を察知するグレイ。

 

「あのなぁ、あの2人はお前が思ってるような関係じゃねーぞ」

 

「べっ、別にそんな事思ってないわよ!何であたしに言うのよ」

 

「そりゃあ、お前が魔導騎士(エクィテス)様にホの字って事は妖精の尻尾(ウチ)じゃ有名だからな」

 

「んなっ…!?」

 

「気付いてないのなんて当の本人とここで酔ってるバカぐらいじゃねーか?」

 

その言葉に戦慄するルーシィは恐る恐るハッピーを見る。

 

「あい」

 

彼女にとって信じたくない答えが返ってきた。

 

(嘘でしょーっ!?)

 

しかし哀しいかな。その問いに彼女の求める返事などやってこなかった。

 

「ねぇねぇルーシィ」

 

「な、なによ」

 

「このまま進んでいいの?」

 

「へ?」

 

言われて辺りを見回すとあら不思議。町どころか建物1つ見当たらない森を走っていた。

 

「嘘…でしょ…?」

 

「あい、本当のことです」

 

しかし哀しいかな。その問いに最も求めていない返事がやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

✝✝✝✝✝

 

想定の内か外だったはともかく起きてしまったハプニングで時間をロスしてしまったが、幸いにも目的地からはそれほど遠ざかってはいなかったのでアルトには少々のお説教が入りながらも無事に目的地にたどり着くことが出来た。

曰く、ルーシィのお説教はエルザよりも効いたそうな。

 

〈只今、列車の脱線事故により運行の休止、及び駅への立ち入りを禁止しております〉

 

駅からのアナウンスを聞き流しながら一行は人混みをかき分けて駅の構内へと向かう。

途中、駅員に進入を止められたが緊急時につきエルザの頭突きによって無理矢理に突破した。

 

「「「!!!」」」

 

進んだ先には先程まで戦闘をしていたであろう軍の兵士達が倒れていた。

 

「やっぱり魔導士相手に軍じゃ勝負にはならないか…」

 

制裁の意味でも込めているのか兵士の中に死者はおらず、アルト達はそのままホームへと進んでいく。

 

「よぉ、待ってたぜ妖精の尻尾(フェアリーテイル)

 

ホームには数十人の男達が待ち構えていた。

 

「貴様がエリゴールか」

 

列車の上からこちらに話しかけてきた男にエルザが視線を向ける。

 

「何が目的でこんなことをしている」

 

「最近仕事がなくて暇でよ~、退屈しのぎに遊びてぇんだよ」

 

その言葉に周りの男達が笑い声をあげる。この反応を見る限り真意ではなくからかうつもりで言ったのだろう。

 

「で、結局は何がしたいんだお前らは」

 

ため息まじりに言うアルトに対し、若干のイラつきを感じながらもエリゴールは空中を自在に飛び、拡声器が付いている柱に近付く。

 

(…風の魔法による飛行か)

 

「今、俺達の手には死を呼ぶ笛、呪歌(ララバイ)がある。そして…」

 

コンコン、と軽く叩き拡声器の存在をアピールしてみせた。

 

「まさか…」

 

呪歌(ララバイ)を放送するつもりか!?」

 

その返答に満足とでもいったようにエリゴールは高笑いをあげる。

 

「駅の周りに野次馬が群がってるこの状況、放送したらどんくらいの人間がイッちまうんだろうなぁ?」

 

「そんな事して何の意味があるのよ!」

 

「意味とかそんなのはどうでもいいんだよ。この世界の不公平を知らず、権利に守られてのうのうと生きてる愚か者共に死をもって不公平を教えてやる、ただそれだけだ」

 

「いかれてるわよ、アンタ達…」

 

「お前に何が分かる!」

 

そう叫び、1人の男が地面に手を付けるとルーシィの目の前に影で作られた巨大な手が出現した。

 

「っ!」

 

咄嗟の事に目をつぶるしかできず、そのまま固まってしまう。

しかし、いつになっても衝撃がやってくることはなかった。

 

「…?」

 

目を開いた先には剣を振りかざしたアルトと、その剣によって両断された影の手があった。

 

「何っ!?」

 

「アルトッ!」

 

「お前らの事なんて分からねぇよ、けどお前らが間違ってるって事は分かる。それを俺達が教えてやる」

 

剣を突き出したアルトの言葉を聞いて、先程からウズウズして黙っていたナツが炎を吹きながら叫ぶ。

 

「かかってこいやぁっ!!!」

 

それを掛け声にほぼ全員が戦闘態勢に入る。

 

しかし、彼らは未だ死神の手のひらの上で踊らされている事など知る由もなかった。




かなり前ですが、前回に続き今回はアルトの魔法について

アルトの錬金魔法の能力は、彼自身が記憶喪失であるために本人を含めその全てを把握している者はいないのが現状。
今の時点で風、火、水、土の能力を操っている事から〈四大元素〉という名前で通している。

こんな感じでしょうか。あまり説明という説明ができてないような気がしますが…
とりあえず錬金魔法の説明は今回で一旦終了です。何か疑問点があれば感想欄にお願いします!

以上、ジャージ王子でした。明日も更新します!
ではでは( ・_・)ノシ

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