ある少女の斬魔大聖   作:アイオン

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見事に一週間をオーバーしてしまいました、誠に申し訳ありません。
しかもその割りに、内容が薄っぺらい(というかヒドイ)です―――読み飛ばしても良いレベル。

完全に責任転嫁ですが、これも全部教習所って奴の所為なんです。


第36.5話―アーカムの休日・後―

 「お、お嬢様!?」

 

 突然顔を真っ赤にしたと思ったら、可愛らしい声と共にお嬢様は気絶してしまった。

 原因は良く分からないけど、このままの体勢というのは辛いだろう。

 何処かに寝かせてあげたいんだけど……そう都合の良い場所というのは、中々無い。

 

 (このままベンチで寝かせるのは、直射日光が当たって暑いだろうし……仕方ない)

 

 已む無く、近くの木陰に寝かせることにした。

 枕に関しては他に選択肢が無いので、私の膝で我慢してもらおう。

 決して寝心地が良いとは言えないだろうけど、少なくとも地べたよりはマシのはず。

 私はそう結論付け、お嬢様を横抱きでそっと抱き上げた。

 

 あまり揺らさない様に、優しく木陰まで運ぶ。

 木に背中を預けて座り、お嬢様を下ろして寝かせる―――頭は膝の上に。

 お嬢様を寝かせる体勢は、こんなところだろうか。

 

 (んー……)

 

 しかし、どうして急に気絶してしまったのだろうか。

 病気や発作―――それにしては特に苦しそうにしている様子は無いし、そもそもお嬢様が何かを患っているという話は聞いたことが無い。

 熱中症―――有り得そうだけど、そこまで長時間太陽光に晒されていた訳じゃない。

 だとすると、一番考えられそうなのは……

 

 (過労……かしらね?)

 

 溜まっていた日頃の疲れが、久々の休みに出てしまったというところだろうか。

 

 かかっている髪を手で除けてあげながら、お嬢様の顔を見つめる。

 まだ若干顔が赤いけど、その寝顔はとても穏やかなものだった。

 

 「…………」

 

 何となく手持無沙汰になってしまい、お嬢様の髪を手櫛で梳いてみる。

 

 (おー、凄くサラサラしてるわね)

 

 繊細で柔らかで指通りが良くて……きっとこんな風に滑らかな髪を、絹糸の様だと表現するのだろう。

 なんて云うか、いつまでも触っていたくなる感触だ。

 

 「ん……ふぁ……」

 

 そうしてのんびりとした時間を過ごしていると、ふと欠伸が出た。

 まあお昼を食べた後だし、座ってお嬢様の寝顔を眺めているだけだから当然かもしれないけど。

 

 (お嬢様もしばらく起きなさそうだし……私も少し寝ようかしら)

 

 他にすることもないし。

 そう結論付けて、私は目を閉じた。

 

 

 

 

 

 ―――博士と愉快なアンドロイド。

 

 「ロボ?」

 

 「ん? どうしたであるか、エルザ」

 

 「ダーリンと覇道瑠璃ロボ」

 

 「なんとォォォ!?」

 

 驚いてエルザの指差す方向を見るドクター・ウェスト。

 そちらには、木陰で何故か覇道瑠璃に膝枕をしながら眠る宿敵・大十字九淨の姿があった。

 

 「此処で逢ったがお久し振り! 偶然の遭遇ではあるが、我等が出逢えば直ちに戦闘・即開戦! エルザ、往くのである!」

 

 「でもアル・アジフが居ないロボ」

 

 「おう? ……ふむ、言われてみればそうであるな」

 

 確かにエルザの言う通り、いつも大十字九淨と一緒に居るはずのアル・アジフの姿が見えなかった。

 

 「ううむ……マギウスでない状態の大十字九淨を倒したところで、何の意味も無いのである。全力の彼奴を倒してこそ故。そんなワケで、今日のところは見逃してやるのであーるっ!」

 

 「うわ、博士が何かライバルっぽい事言ってるロボ」

 

 「ぽいではなく、実際ライバルなのである! それは喩えるなら、強敵と書いて友と読む様な熱い絆で結ばれた『俺の背中はお前に預けたぜッ!』的な感じなのである」

 

 「エルザだったら博士がウザ過ぎて、確実にその背中ザックリ行くロボ。とりあえず戦わないなら、ダーリンと遊んでくるロボ」

 

 エルザの毒舌は今に始まった事ではないから別に良い。

 しかし、大十字九淨と遊ぶと云うのはいただけない。

 

 「エルザ! 戦闘ならともかく、迂闊に近寄ってはいかんのである! 彼奴はアル・アジフだけでは飽き足らず、覇道瑠璃にも手を出す様な性悪女なのであるぞ!? そんな奴に寄って行こうものなら、あっという間に口説き落とされて都合の良い女にされた挙句散々使い倒されて襤褸雑巾の様に捨てられてしまうのである!」

 

 膝枕などしているのは、恐らくそういう事なのだろう。

 ドクター・ウェストは、なんとか愛しのエルザを止めようとするが……

 

 「エルザは寛容ロボ。愛してくれるなら一向に気にしないロボ」

 

 「なん……だと……」

 

 一体誰がこんな自律思考型アンドロイドを作った!?

 ……自分だった。

 

 崩れ落ちるドクター・ウェストを尻目に、エルザは大十字九淨のところへ駆けて行った。

 

 「エ、エルザ! 待つのである、エルザーッ!」

 

 

 

 

 

 「ダーリン、良く寝てるロボ」

 

 九淨の傍にしゃがみ、その寝顔を見つめるエルザ。

 覇道瑠璃がいるために二人きりではないが、それは良しとしよう。

 

 「…………」

 

 小さな寝息を立て、穏やかに眠る九淨。

 エルザはふと、その柔らかそうな頬を突いてみたい衝動に駆られた。

 

 「ロボ~……」

 

 指を伸ばし、そっと突く。

 

 「んっ……」

 

 僅かに反応を返す九淨。

 その頬はスベスベのモチモチで、想像以上の感触だった。

 

 「ロボ!」

 

 その感触に気を良くしたエルザは、更につんつんぷにぷにと頬を突いた。

 寝ている九淨はそれに対し、擽ったそうにしている。

 

 段々とエスカレートしていくエルザの指。

 それをどう思ったかは定かではないが、寝ている九淨は寝返りの様に顔の向きを変え―――

 

 「ロボ!?」

 

 エルザの指を、ぱくっと口に含んだ。

 

 「だ、ダーリン?」

 

 寝ている九淨はエルザの呼び掛けには答えず、口に含んだ指を弄り始めた。

 

 「きゃう!? ダ、ダーリン!///」

 

 唾液でぬらぬらと、艶かしく濡れた舌を絡めて

 

 「っ///」

 

 舐めて

 

 「あっ、んぅっ///」

 

 しゃぶって

 

 「ひゃう!?///」

 

 吸って

 

 「ダ、ダーリン……!///」

 

 啜って

 

 「そんなに激しくされたら、エルザ……!///」

 

 最後に、甘噛み。

 

 「――――――――――――ッ!///」

 

 九淨から齎された快感に、体を大きく震わせるエルザ。

 ややあって脱力し、荒い息を吐く。

 

 「はぁ……はぁ……エルザ、壊れちゃうロボ……///」

 

 オーバーヒート的な意味で。

 

 そこへ、放置してきたドクター・ウェストがやってきた。

 

 「エ、エルザッ! いったいどうしたのであるか!?」

 

 上気した頬に荒い息―――エルザの様子を見たドクター・ウェストは問い質す。

 訊かれたエルザはと云うと、頬に手を当て体をくねらせながら何とも誤解を招きそうな答えを返した。

 

 「ダーリン(の舌使い)がとっても激しかったロボ……///」

 

 「な、ななな、なんですとォォォ――――――!?」

 

 冷静に考えれば九淨は寝ているのだから、その発言は何かおかしいと気付きそうなものだが……ドクター・ウェストは混乱の極みにあった。

 

 「お、おのれ大十字九淨! マイ・ラブリーエンジェルエルザに手を出すとは……ゆ゛る゛ざん゛! 全力の貴様とか、もはや知った事ではないわッ! レッツ・プレイ! 我輩の怒りを思い知れぇぇぇぇィ!」

 

 ドクター・ウェストは大十字九淨に飛び掛った!

 

 

 

 

 

 さて、気絶している覇道瑠璃はともかく。

 ただ寝ていただけの九淨が、これだけ近くで騒がれて起きないはずもなく……

 

 

 

 

 

 「んっ……うるさいわね……って!?」

 

 目を覚ました私の視界に飛び込んできたのは、顔芸を披露しながら自分に襲い掛かってくる白衣の変質者(ドクター・ウェスト)だった。

 突然の事態に混乱するものの、今までの戦いの中で培われてきた経験から、身体はスムーズに動いた。

 拳を握り締め、軽く上体だけを捻って構える―――そして

 

 「―――ふんっ!」

 

 近づいてきたドクター・ウェストの顔、その横っ面に拳を叩き込んだ。

 

 「ヌヴォワァァァ――――――ッ!?」

 

 ドクター・ウェストにそれを防ぐ手段は存在せず、見事に決まった拳によって軌道をずらされ、九淨たちの横合いを顔面スライディングしていった。

 

 「いきなり何すんのよ、この変態ッ!」

 

 女性の寝込みを襲おうとした変質者を罵倒する。

 ○○○○から婦女暴行犯にクラスチェンジしたのだろうかと、半ば本気で疑った。

 

 そこに、第三者の声が掛かる。

 

 「ダーリン、おはようロボ……///」

 

 「ん? ああ、エルザ。一体何なのよ、アンタのトコのドクターは? と云うか、何でアンタ達が此処に居るのよ?」

 

 ドクター・ウェストよりは会話になるだろうと、エルザに問い掛ける。

 しかしエルザは顔を赤くして、何処かポーっとした感じで話を聞いていない様子だった―――心なしか、瞳が潤んでいる様にも見える。

 

 ……お嬢様といいエルザといい、風邪でも流行っているのだろうか?

 いやいやお嬢様はともかく、エルザはアンドロイドなんだから風邪は引かないだろうに。

 ……あれ? じゃあ結局どういう事なんだろう?

 そんな風に考えていると、膝枕に寝かせていたお嬢様が身じろぎをした。

 

 「ん……ぅ……」

 

 「あ、お嬢様」

 

 とりあえずお嬢様には起きてもらって、この状況をどうにかしよう。

 私はお嬢様の肩を軽く揺すった。

 

 「起きて、お嬢様」

 

 「んにゅ……あと5分……」

 

 しかしお嬢様は、なんともベタな台詞と共に寝返りをうってしまった。

 可愛らしくて和むのは良いけど、今はそんな場面じゃない。

 今度は、少し強めに肩を揺する。

 

 「ほら、お嬢様! 起きてってば!」

 

 「うぅ……いったいなんですの……?」

 

 お嬢様はようやく、眠たげに目を擦りながら身を起こした。

 キョロキョロと辺りを見回して、最後に私を見る。

 

 「あら? 大十字さん……わたくし、なんでこんなところに?」

 

 「憶えてないの? お嬢様ってば、お昼食べ終わった後に突然顔真っ赤にして気絶しちゃったのよ。それでこの木陰まで運んで寝かせてたってワケ」

 

 「お昼の後……あぁっ!?///」

 

 どうやら思い出したみたいだ。

 お嬢様の顔は、見る見る内に赤く染まり……って!?

 

 「お嬢様、しっかり! また気絶しちゃ駄目っ!」

 

 再び別の世界へ旅立ってしまいそうになるお嬢様を呼び止める。

 

 ……どうやらギリギリ間に合ったみたいだ。

 私の声にお嬢様は頭を大きく振るい、何度も深呼吸をした。

 顔はやっぱり若干赤いものの、少しは落ち着いた様子。

 

 「すみません、大十字さん。ご迷惑をお掛けしてしまったみたいで……///」

 

 「気にしないで。お嬢様が何ともなければ、それで良いわ」

 

 「はい……。ところで、どうしてブラックロッジの科学者と機械人形が此処に?」

 

 平常に戻ったお嬢様は、至極最もな疑問を抱いたようだ。

 私も教えて欲しいぐらいだし。

 

 「私にもさっぱりなのよね。とりあえず、本人達に聞いてみましょう」

 

 

 

 

 

 「……つまり、偶々見かけたから挨拶の一つでもってノリだったワケね。この婦女暴行犯」

 

 「その通りロボ、博士は思い込みが激しいロボ。この婦女暴行犯」

 

 「やはりブラックロッジはブラックロッジという訳ですか。この婦女暴行犯」

 

 「我輩の扱い酷過ぎィ!? それとまだ未遂である! 断固抗議の上、訂正かやり直しを要求するのである!」

 

 「あ、おまわりさーん! ここに性犯罪者が―――」

 

 「ノオォォォォォ――――――!?」

 

 訊いてみた結果、どうやら襲撃とかそういう事ではないらしい。

 何でもエルザ曰く

 

 「ダーリンと遊ぼうと思ったロボ」

 

 とのことだ。

 ……それで良いのかしら、ブラックロッジ。

 

 まあ、今はアルが居ないから戦えないので助かるといえば助かるけども。

 

 「お詫びに博士が、あっちで売ってるアイスを買って来るロボ!」

 

 そう言ったエルザが指差した先には、アイスクリームを売る移動販売車が停まっていた。

 結構な行列が出来ている。

 

 「ダーリンと―――ついでに覇道瑠璃。なんのアイスが良いロボ?」

 

 「じゃあ、私抹茶で。お嬢様は?」

 

 「えっと、わたくしはその……」

 

 口籠るお嬢様―――あれ、そういえば……

 

 「ああ。買い食いとかした事ないんだっけ?」

 

 「はい。ですので、どのような物があるか良く知らないのです」

 

 お昼の時に、そんな感じの事を言っていたっけ。

 そっか、それなら―――

 

 「エルザ、お嬢様にはフレーバー全種乗せね。あと、使い捨てスプーン一つ」

 

 「了解ロボ! そういう訳で博士、アイス買って来いロボ。十分以内だロボ」

 

 「な、何故我輩がパシリ君の様なマネをしなければならんのであ―――」

 

 「さっさと買ってこないと、これから一生婦女暴行犯って呼ぶロボ」

 

 「……はい」

 

 見事な恐喝(説得)だと関心するけど、別におかしいところはない―――実際、自業自得だし。

 そうして、アイスを買いに走るドクター・ウェストを見送った。

 

 

 

 

 

 「か、買ってきたのである……」

 

 「九分五十八秒ロボね。ギリギリ間に合ったロボ」

 

 ドクター・ウェストは息を切らせながら戻ってきた。

 奴の手からアイスを受け取る。

 

 「あ、あの……大十字さん」

 

 「ん? どうしたの、お嬢様?」

 

 「これはちょっと、大きすぎではないでしょうか……?」

 

 そういうお嬢様の手には、巨大なコーン。

 そして、その上に積まれたアイスクリームの山脈。

 確かに、これを一人で食べきるのは辛いだろう―――私でもそんな事はしたくない。

 ならどうして注文したのかと云うと……買い食いは今日初めてなお嬢様に、色々な味を食べさせてあげたかったからだ。

 しかし、理由はどうであれ一人で食べるには多い量なのに変わりはない。

 そこで―――

 

 「大丈夫、そのための使い捨てスプーンよ」

 

 持ってこさせた使い捨てスプーンの出番だ。

 私はスプーンを持ち、山脈の一角を切り崩して口に運ぶ。

 

 「んっ……美味しい」

 

 要するに、一人で厳しいなら二人で攻略すれば良いという訳だ。

 

 「私も手伝うから、安心して」

 

 「あ、そういう事でしたのね。分かりましたわ」

 

 私の言葉に納得した様子のお嬢様は、早速アイスの攻略に取り掛かった。

 舌をそっと伸ばし、アイスクリームを舐め取る。

 

 「……とっても甘くて、美味しいですわ」

 

 そう言って微笑むお嬢様。

 お昼の時の様子からして、もっと戸惑うかと思ったけど……お昼の時ので少し慣れたのだろうか。

 美味しそうにアイスを食べる姿は、まるで子犬の様に可愛らしかった。

 

 「エルザもアイス食べたいロボ……」

 

 そんな感じでアイスを食べ進めていると、エルザが物欲しそうにこちらを見ながら言った。

 

 「私の抹茶味で良ければ一口あげるけど……あなた、アンドロイドでしょ? 飲食は……」

 

 「そう、出来ないんだロボ! こんなボディに造りやがって……博士、マジ使えねぇロボ」

 

 「つ、使えない……大天才である我輩が、最高傑作に使えない呼ばわり……い、いや待つのである! この程度で諦めてどうするのであるか我輩! 使えねぇと言われたならば、この黄金色に輝く頭脳をフル稼働させて使える物を作るまで! そう、スタンドアップである我輩!」

 

 「流石博士ロボ。(何度罵倒されても)何ともないロボ」

 

 「毎度毎度良く飽きないわね、アンタたち……」

 

 いつものコントを見ながら、時間は緩やかに過ぎていった。

 

 

 

 

 

 「んっ、美味しかった」

 

 残ったコーンも食べ終わり、唇を軽く舐める。

 

 「はい! ……買い食いというのも、案外良いものですね」

 

 お嬢様も満足そうだ。

 その頬には白いクリームが―――って

 

 「ふふっ」

 

 「? あの、わたくしの顔に何か?」

 

 「ええ……とっても、美味しそうなアイスが」

 

 思わず笑ってしまう。

 一方のお嬢様はと云うと、顔を赤くして慌て出した。

 

 「わ、わたくしったら……! 嗚呼、恥ずかしい……!///」

 

 ハンカチーフを取り出そうとするも、慌てている所為か上手く行かないみたいだ。

 

 「ん、ちょっとじっとしててね……」

 

 見かねた私は、代わりに拭いてあげることにした。

 といってもハンカチではなく、指でだけども。

 

 「……よし、取れたわ」

 

 人差し指で拭い取ったクリームを、お嬢様に見せる。

 

 (えーと……このまま近くの水道で洗い流しちゃうのも、何か勿体無いわよね)

 

 そんなに多い量のクリームではなかったけど、私の貧乏人精神が発揮された。

 ちょっとだけ考えた後、人差し指をそのまま口に含む。

 

 「んちゅっ……ちゅぷっ……れろっ……ぷあっ」

 

 綺麗に舐め取り、一言。

 

 「んっ、御馳走様」

 

 「――――――――――――」

 

 「あら? お嬢様?」

 

 ふとお嬢様を見遣ると、顔をこれ以上ないってくらい真っ赤にして―――って、このパターンは。

 

 「……きゅう」

 

 案の定、お嬢様はまた気絶してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこから先は、色々大変だった。

 一緒に居たエルザが

 

 「も、もう我慢出来ないロボ! ダーリン! 今すぐエルザと、アイスクリームみたいに濃厚な愛を交わすロボ!///」

 

 とか言って飛び掛かってきたり。

 

 これまた一緒に居たドクター・ウェストが

 

 「お、恐るべし大十字九淨! これでは正義の味方ならぬ、性技の味方ではないかッ!? けしからん! 全く以てけしからんのである! そんな乱れた大人、我輩が修正してやるのであぁぁぁるッ!」

 

 とかなんとか意味の分からない事を言って、襲い掛かってきたり。

 

 そんな二人から、気絶したお嬢様を抱えて街中を逃げ回ったりでとにかく大変だった。

 最終的には、何故か現れたアルと執事さん―――どうやら私とお嬢様を見守っ(尾行し)ていたらしい―――に助けてもらったけど。

 

 結局お嬢様は気絶したままだったので、今日はそこまでと云う事になった。

 夜に予約していたらしいレストランはキャンセルになってしまったけど、お嬢様の体の方が大事なのでゆっくりと休んでほしいと思う。

 

 ただ心残りなのは、碌にエスコート出来なかった事だ―――実質、映画を見てお昼と間食しただけだし。

 もし次の機会があれば、今度はちゃんとエスコートしてあげたいと思う。




つまらないオチで申し訳ありません。
あと、指ちゅぱでエルザ感じ過ぎじゃね? というのはあまり深く考えないでください。

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