ある少女の斬魔大聖   作:アイオン

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第13話

 魔術。

 歴史の裏側、その闇に隠されていたソレは、新たなる錬金学の誕生により、表舞台に立たされる事と相成った。

 

 魔術とは、宇宙の総てに存在する“式”より解を求め、世界の在り方を変えるもの。

 宇宙の総てに存在する“式”。

 式とは……術式とは、それ自身が小宇宙なのだ。

 そしてその魔術を操る者―――魔術師とは、云わば宇宙(セカイ)を紡ぐ者である。

 

 魔術の真理は未だ魔術師―――闇の世界の住人にのみ与えられた特権であり、現代の科学と錬金学では魔術理論の総てを解明できてはいない。

 

 だが、その根本は別だ。

 “式”を構成する最小単位の情報。

 魔力とも呼ばれる、無より生まれるかのようなエネルギーの根源。

 マナ、エーテル、様々な呼称があるが、現代錬金学では一般的に“字祷子(アザトース)”と呼ぶ。

 つまり魔術師とは“字祷子(アザトース)”を観測、収束、演算、構成、その全てを行う者というわけだ。

 

 だが、如何に魔術師と云えど単身でソレを成すのは並大抵の事ではない。

 そこで、魔術師にとって必要不可欠な存在が出てくる。

 

 ―――魔導書。

 大十字九淨は、その魔導書を手にしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……ねえ、アル?」

 

 「どうした?」

 

 「……何で私はこんなところに立ってるのかしら?」

 

 「特訓の為に決まっておろう」

 

 特訓……特訓。

 まあ、当然ね。

 私が魔術師として未熟なのは自覚してるし、努力しなくちゃいけないのは分かる。

 けど、問題はそこじゃない。

 

 「……質問を変えるわ、何で()()()()()なのかしらっ!?」

 

 現在私たちが立っている場所。

 以前私が通っていたミスカトニック大学、その本校舎。

 通称“時計塔”。

 アーカムシティ最大の建造物であり、市街を見下ろす、この街のシンボル的存在だ。

 

 ……ここには少し苦い思い出があるので、なるべくなら関わりを持ちたくない場所なのだけれど。

 まあ、それは端っこに置いておく。

 今重要なのは―――

 

 この時計塔はこの街の高層ビルを追い抜くくらいに高くて、この街のあらゆる建造物より大きい―――そんな事実だ。

 

 つまり、ここから墜ちたら、間違いなく、死ぬ。

 そんな建物の頂上、強風に煽られながら墜落死一歩手前な私に対して、アルはあくまでマイペースだった。

 

 「魔術の知識は一朝一夕でどうにかなるものではないからな。幸い、基礎の基礎は既に識っておるようだから、至らぬ部分は妾がサポートする。その為のシステムが、マギウス・スタイルだ」

 

 「それと今の状況と何の関係が!?」

 

 「焦るでない。良いか、知識だけでは魔術は魔術足り得ない。それ以上に必要となるのが霊感力、直感力、意志力、創造力、存在力等々……霊的な位階を高める事だ。精神の強度を高め、外道の知識に耐え得る様、練磨されて初めて、汝は魔術師として彼奴等に対抗する力を得ることが出来るのだ」

 

 「結局、何が言いたいわけ!?」

 

 「つまり―――生と死の極限に追い詰めて、魔術師としての覚醒を無理矢理に促す」

 

 「ちょっと荒っぽ過ぎやしませんかね!?」

 

 「グダグダぬかすな、今のままではマスターテリオンは疎かブラックロッジと戦い抜くなど夢のまた夢。それとも、また昨日のような無様を曝したいのか?」

 

 「っ……」

 

 ……確かに、自分で選んだ道だ。

 アレを否定してみせなければ、私は前に進めない。

 立ち止まったまま残りの人生朽ちていくなんて真っ平御免だ。

 

 「はぁ……やってやるわよっ、こんちくしょーッ!」

 

 「ふっ、それでこそ妾が見込んだ女だ。その志は美しいぞ」

 

 (……嫌な奴ね、まったく)

 

 まあ、それはともかく。

 

 「もう1つ質問があるんだけど」

 

 「む、まだ何かあるのか? 汝も中々細かい奴だな」

 

 その……なんていうか。

 

 「……アル。あなた、その格好は何かしら?」

 

 「にゃ?」

 

 アルが着ているのは、白い体操着に、紺のブルマ。

 ご丁寧に体操着には“ある・あじふ”という名札までついている。

 この国ではまずお目にかからないであろう、一昔前の日本の女学生の運動スタイルだ。

 

 (随分とマニアックな……)

 

 「こういった状況でのお約束(ルール)ではなかったのか?」

 

 「どこのローカル・ルールよ、それ」

 

 そもそも、そんなものどっから調達してきたのかしら。

 

 「……妾の愛くるしい姿に見蕩れるのはわからんでもないが、欲情するなよ?」

 

 「しません。って、そーゆーものだって分かって着てるのね……また確信犯か」

 

 「変態」

 

 「あなたがね」

 

 なんとも緊張感の無い会話だけど、一歩足を踏み出せばそこは、地表から約300メートル。

 このまま無駄に時間を過ごすよりは、腹を括るべきね。

 

 「ふぅ……さあ、アル! 始めようかしらっ!」

 

 「うむ、その意気だ九淨! では早速始め……んむっ?」

 

 突然ピタリと、アルの動きが止まった。

 何か考え込むように俯いている。

 

 「どうしたの、アル?」

 

 「それだ」

 

 いきなり考え込んだかと思えば、今度は顔を上げて、私を真っ直ぐに見据えてくる。

 アルの表情に浮かんでいるのは、疑問と違和感。

 それと僅かな不快。

 

 「その……アル、というのは何なのだ?」

 

 「えっ? あなたの名前だけど」

 

 あっさりと答えてあげる。

 

 「勝手に略すな」

 

 ハッキリと不快を態度に表すアル。

 けど、これは私のささやかな復讐なのだ。

 甘んじて受け入れてもらおう。

 

 「一々アル・アジフっていうのも面倒でしょ? アルで充分。何の問題も無しっ。まあ、一般的に、アルだと男の名前だけどね。気にするほどの事でもないでしょ。運命ね。決定」

 

 「お、おのれ……っ」

 

 「まあいいじゃないそんなこと。それで、特訓って言っても、具体的には何をするの?」

 

 「ハァ……魔術の本質は実戦にこそある。故に」

 

 溜息を吐いたアルが掌を翳すと、魔導書のページが捲れ上がり、集まっていく。

 集まったページは、アルの上空で闇色を纏い……悪魔のような姿で実体化した。

 全身真っ黒で蝙蝠状の翼と鋭い尻尾。

 その悪魔はゆっくりと、時計塔の屋根に降りてきた。

 ソレを指差しながら、アルが告げる。

 

 「―――実戦を積んでもらう」

 

 「……その悪魔さんと戦えってことかしら?」

 

 「まあ、そういうことだ。これはナイトゴーントを模したものだ。夢魔の一種と思えばよい」

 

 「でも、こんな場所でどうしろっていうのよ?」

 

 「翔べ」

 

 「簡単に言ってくれるわね……」

 

 「前にも言った通り、マギウス・スタイル時の翼は飛行可能だ」

 

 「それは分かってるけど、いったいどうやって飛ぶのよアレ……」

 

 「……1つ言っておくが」

 

 「? 何よ」

 

 「もう始まっておるぞ」

 

 「ひゃわああああああっ!?」

 

 目の前をスレスレで、ナイトゴーントの爪が振るわれる。

 思わず大きく飛び退いて―――ここがどんな場所か思い出した。

 

 (え、コレって……)

 

 視線を下に向ける。

 当然の如く、足場なんて無かった。

 マギウス・スタイルでない今の私に、重力に逆らう事なんて出来ない。

 地球の重力は、それはもう情熱的だ。一方的な情熱(passion)は、ひどく暴力的だ。

 

 

 

 

 

 

 重力の方程式:F=mg

 

 

 

 

 「い―――――――やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!?」

 

 「あのうつけめ……まったく、世話を焼かす!」

 

 墜ちていく私に、アルが猛スピードで追いついた。

 私たちの身体が平行に並び、光が私たちを包み込んだ。

 地面が迫る中、私はマギウス・スタイルに変身した。

 

 「さあ、早く何とかするのだ!」

 

 「何とかって言われてもぉ!」

 

 瓦礫から身を守ったとき、爆風で投げ出されてバランスを取ったとき、翼を動かしたときの感覚を思い出そうとする。

 といっても、感覚というのは理屈じゃないのだ、どうにもならない。

 

 目前に迫っている地面。

 道路には車が行き交っている。

 通行人は、飛び降り自殺―――今の私―――に気付いて空を見上げていて、その内の1人と視線が合っていたりした。

 激突まで、もう何秒もない。

 この僅かな時間でそんなことを冷静に考えられる自分に少し驚く。

 

 (って、そんな場合じゃないわよね)

 

 何かもう、ヤケクソ気味に叫ぶ。

 

 「ああああもぉぉぉぉッ! 何でも良いから、上れぇぇぇぇ――――――ッッ!」

 

 身体の内側が燃え上がり、心の奥底から昂ぶるような感覚。

 それと同時に、脳裏を駆け巡る術式。

 1つの宇宙(セカイ)を紡ぐ。

 

 魔導書のページを束ねたような構造の黒翼が、大きく羽撃く。

 羽撃きは突風を起こし、それによって落下速度が弱まる。

 地面スレスレで、再びの羽撃き。

 生まれた不、自然な慣性と、浮力を得た私の身体は、一気に上空へと舞い上がる。

 地面の人々のざわめきを置き去りに、私は空を翔んでいた。

 

 「やった! 翔んだ! 翔べたわよ、アル!」

 

 「喜ぶのは構わんが、肝心な事を忘れるなよ」

 

 「へ? ……ッ!」

 

 咄嗟に後ろを振り返る、するとそこには、ナイトゴーントが迫っていた。

 

 (すっかり忘れてたわね)

 

 すぐさま反転……しようとして、突然バランスが崩れる。

 理由を探し―――すぐに見つかった。

 背中の片翼が実体を失い、紙片に還っていこうとしていた。

 

 「えっ、ちょっ、なんでっ!?」

 

 「集中力が足りなかったようだな」

 

 「そんな他人事みたいにっ!」

 

 そんな状況の私に、振り下ろされるナイトゴーントの爪。

 

 (ヤバっ……!)

 

 回避のしようがないソレに、咄嗟にクロスカウンター気味の蹴りを繰り出す。

 メチャクチャな姿勢と狙いだった蹴りは、奇跡的に成功した。

 爪より先に命中した蹴りが、ナイトゴーントを吹き飛ばす。

 が、私もそれによって完全にバランスを失い、墜落していく。

 

 「っあぁぁぁぁぁぁ!」

 

 残っている片翼で、自らを保護する。

 

 そのままビルの屋上に激突。

 けど勢いは止まらず、コンクリートを貫き、ビルの中に突入してしまった。

 どこかのオフィスだったらしいそこで、私は地面に倒れ伏していた。

 砕けたコンクリートの砂埃や、書類が舞い散り、会社員の視線を一身に集めていた。

 

 (……とりあえず)

 

 「……Excuse me(失礼しました)

 

 立ち上がって挨拶する。

 ―――そこに、ナイトゴーントが真上から一直線に、オフィスへと飛び込んできた。

 

 「くっ……!?」

 

 慌てて飛び退くも、ナイトゴーントが振るった翼が身体を掠めた。

 腹部のボディスーツが斜めに裂かれ、傷口から、血が流れる。

 

 さっきまで私が立っていた場所に、ナイトゴーントが立っていた。

 ナイトゴーントは私を見据えると、人差し指を動かしまるで、かかって来いとばかりに挑発してきた。

 私の怒りのボルテージが上る。

 

 「こ、こんのぉぉぉぉぉ! そのふざけた態度! すぐに改めさせてやるわぁぁぁぁぁ!」

 

 「……頭に血の昇り易い奴だな、汝は。あと、そのナイトゴーントは改まったりはせんぞ」

 

 胴体目がけて右ストレートを放つ。

 後ろに下がり、あっさりとそれを回避するナイトゴーント。

 続けて、腕を振るった勢いそのままに身体を回転させ、回し蹴りを見舞う。

 足の軌道上には、ナイトゴーントの頭。

 が、それは左掌に受け止められた。

 勢いをつけて離される足、私は思わず踏鞴を踏む。

 とにかく体勢を整えようとし―――そんな時間は無かった。

 

 僅かな時間で懐に入られた。

 既に構えられたナイトゴーントの拳が放たれ、私の胸を強打する。

 あまりの衝撃に、一瞬身体が浮き上がる。

 そして―――

 

 「かはっっっ――――ッッ!?」

 

 窓ガラスを粉砕し、外へと投げ出される。

 そのまま重力に引かれ―――墜落。

 自由落下により地面に強く叩きつけられ、私は意識を手離した。

 

 

 

 

 「起きろ、九淨」

 

 「ぷはっ! な、何?」

 

 水を顔面一杯に浴びせられ、私は目を覚ました。

 バケツ片手に私を見下ろすアルが、視界に映る。

 

 身を起こそうとして、思うように動けないことに気付く。

 ……どうやら落下の衝撃で、コンクリートの地面に減り込んでしまったみたいだ。

 

 (まるで漫画(カートゥーン)の1コマね)

 

 遠巻きに私達を囲むギャラリーは置いておいて、何とか起き上がる。

 

 自分の格好を見て今更ながらに気づいたけど、マギウス・スタイルは解けて、普通の格好に戻っていた。

 

 (良かった……あの痴女スーツで人前なんて御免だし)

 

 既にあのオフィスで晒してしまっているのだけど、それは考えないことにする。

 

 「ナイトゴーントは?」

 

 「もう消した。これ以上やっても今日は成果が出ないだろう」

 

 確かに、今日はもうボロボロだ。

 

 「……やはり、汝は精神的に未熟だな。もう少し冷静に動けるようになれ。すぐにカッカするようでは、折角の資質が台無しだぞ」

 

 「しょうがないでしょ、そういう性格なんだから」

 

 「熱い性格が悪いと言っているわけではない。マスターテリオンも言っていただろう。魔術とは、昂ぶる魂を魔力に融合させ、精錬、練磨するものだと。今の汝に必要なのは、そう云った事だ」

 

 「……分かったわ。とりあえず、ここから離れましょうか」

 

 地面に減り込んでいた女に、ブルマっ娘。

 良い晒し者だ。

 さて、お暇しようというところで、治安警察の装甲車がサイレンを鳴らしながら駆けつけて来た。

 

 (……何か厄介なことになりそうね)

 

 「通報があったのは此処のようでありますが……いったい何が?」

 

 装甲車から警官たちが降りてくる。

 

 その内の1人と、()()()()()()()()()()()()とで、ばっちり目が合ってしまった。

 

 「其処の方、これはどういう状況なのかご説明いただけますか?」

 

 警官がこちらへと近づいてくる。

 

 「あ、あははははは、こ、これはですね……」

 

 特訓の末オフィス1つを滅茶苦茶にした挙句、窓ガラスを突き破って転落した結果なんですよあははは。

 

 (……ダメね)

 

 過程も結果もヤバイので、どう言い繕っても署までご同行願われちゃう場面しか想像出来ない。

 

 (こういうときは……)

 

 素早くアルを抱える。

 

 「うにゃ?」

 

 「し、失礼しまーす!」

 

 三十六計逃げるが勝ち―――というわけで全力で逃走する。

 

 「あ、こら! 待ちなさい!」

 

 さっきまでの特訓でボロボロになっている私の身体だったが、そうとは思えないスピードを出してくれる。

 

 「待て―――ッ! 止まらんと撃つぞッ!」

 

 発砲音が周囲に響く。

 

 「撃ちながら言うんじゃないわよ、この暴力警官! 何であんなのに治安任せてるのよっ!」

 

 「こ、こら九淨っ! ど、どこを触って……ひゃぅんっ!」

 

 アルが何やら声を上げているけど、そんなことは知らない。

 

 「あーもぉ―――っ! どうしてこんなことになるのぉぉぉぉぉ――――――――っっっっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さて以前にも説明したが、現在の妾はページの一部を失っており、完全ではない。現状では汝も、そしてデモンベインも、総てを出し切る事は出来ぬ。故に、妾の断片を取り戻す必要があるのだ。今からその事について詳しく説明しよう」

 

 警官たちを振り切り事務所に帰宅した私は、帰るなり、アルの講釈を聴かされることになった。

 さっきのアレが実戦なら、今は理論の時間ということだろうか。

 

 ……ちなみにアルは体操着から一転、白衣に大学帽、インテリ眼鏡を装備し、宛ら学者スタイルになっている。

 

 (……ホントどっから調達してきたのかしら)

 

 「汝が現在魔術師として行使出来る力には、制限がかかっている。だが、断片を取り戻し、妾が完全に近づいていけば、その制限はなくなっていくというわけだ」

 

 「ふーん……けど、この広いアーカムシティの中から紙片を一枚一枚捜すって無茶過ぎない?」

 

 「そこは問題ない。断片とはいえ、妾の一部なのだ。魔力を秘めたソレは、周囲に何らかの魔術的怪異を生じさせるだろう」

 

 「つまり、街中で起こる奇妙な事件を追っていけば、断片に遭遇する可能性が高いってワケね」

 

 「そういう事だ」

 

 魔導探偵・大十字九淨ってところかしら?

 

 (……アリね)

 

 「だが、それ単体でも強い魔力を秘めておる。一筋縄ではいかんだろう。速やかに回収する為にも、汝には速く、魔術師として覚醒して貰わねば」

 

 「結局はそこに行き着くのね」

 

 「明日からは更に厳しく行くぞ、覚悟しておけ。それに並行して、魔術理論についても妾が講義してやる」

 

 (……気が遠くなりそうだわ)

 

 しかし、これも奴等を打倒する為だ。頑張らないと。

 

 「そういえば、あなたの断片が起こす怪異ってどんなのかしら?」

 

 「……さあ、分からんよ。妾という自我を失っている以上、断片は周囲から強い影響を受ける。どんな容で具現化するかは、妾でも想像は難しい」

 

 「おっかない話ね、まったく……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜。

 虚構の光が照らす、アーカムシティの夜。

 人造の光に追われた、夜の闇。

 けど、それは確かに存在しているのだ。

 

 ほんの僅かな歪みから、世界を侵食する闇。

 世界の歪みは何処にでも存在し、夜の闇が消え失せる事は無い。

 それを忘れてしまった人間は、闇に喰われてしまうだろう。

 

 ―――汝、夜の闇を忘れることなかれ。


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