バカとE組の暗殺教室   作:レール

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プロの時間

翌日の英語の時間。

昨日と同じようにイリーナ先生は教卓の椅子に腰掛けてタブレットを弄っているけど、昨日とは違って笑みなどなく苛ついた様子でタブレットを操作していた。

 

「あはぁ、必死だねビッチ姉さん。あんなことされちゃ、プライドはズタズタだろうね〜」

 

そのイリーナ先生の姿を見てカルマ君が可笑しそうに呟く。

まぁあれだけプロであることを強調しておいて、暗殺を失敗した挙句にコスプレ体操服を着せられて骨抜きにされたら誰だって屈辱的だろう。

今は新しい暗殺計画を別に練り直しているみたいだけど、冷静さを失っている今の先生にはとてもじゃないが殺せるとは思えない。

 

「雄二、イリーナ先生に殺せると思う?」

 

「んぁ?んなもん無理に決まってんだろ」

 

机に顔を伏せて寝る姿勢を取っていた雄二の考えも聞いてみようと話し掛けると、雄二は全身からダルいオーラを発しながらそう評価した。

眠気で声を抑える気もなく言ったため、雄二の声は静かな教室によく響く。イリーナ先生にも聞こえたようでタブレットを操作していた指がピタリと止まった。

そんな先生の様子は全く目に入っていないようで、雄二は声の調子を変えずに言葉を続ける。

 

「わざわざ渚の奴から情報を聞き出しておいてそれを全く活用しない、対人暗殺のセオリーに嵌ってる殺し屋が超生物を殺せるわけねぇ」

 

「うるさいわね‼︎ 黙って自習でもしてなさい‼︎」

 

「へーい」

 

怒鳴り散らしたイリーナ先生のことなど何処吹く風で、適当に返事を返した雄二は再び机に突っ伏して眠りについた。 当然ながら雄二に自習する気は微塵も感じられない。まぁそれは雄二に限らず僕もそうなんだけど。

 

「先生」

 

再びタブレットを弄りだしたイリーナ先生に、最前列に座っている磯貝君が声を掛けた。

今度は普通に声を掛けられただけであるため、先生は怒鳴り散らすことなく訝しみながらも普通に対応する。

 

「……何よ」

 

「授業してくれないなら殺せんせーと交代してくれませんか?一応俺ら、今年受験なんで……」

 

椚ヶ丘学園は中高一貫教育で中等部から高等部への内部進学が許可されているけど、その制度は三年E組の生徒には適応されないのだ。

僕らは本校舎の生徒達とは違って受験に向けての勉強もしなければならない。自習しかしないならば殺せんせーと交代してほしいというのも当然の要求だろう。

しかしそれを聞いたイリーナ先生は教卓にタブレットを放り捨てて嘲笑を浮かべた。

 

「はん‼︎ あの凶悪生物に教わりたいの?地球の危機に受験なんて……ガキは平和でいいわね〜」

 

確かにそう言われたらその通りなんだけど、僕らとしては地球の危機が去った後のことも考えなければならないわけで……

 

「それにあんた達って落ちこぼれだそうじゃない。勉強なんて今更しても意味ないでしょ」

 

おぉっとぉ‼︎ なんだか教室全体が一瞬で殺気立ちましたよぉ?イリーナ先生、見事にE組の地雷を踏み抜いたなぁ。

それでも喧嘩腰で喋り続けている先生はクラスの変化に気づいていないようで、

 

「そうだ‼︎ じゃあこうしましょ。私が暗殺に成功したら五百万円ずつ分けてあげる‼︎ 無駄な勉強するよりずっと有益ーーー」

 

ビシッ、と何処からか消しゴムが飛んできて黒板に跳ね返った。それによってそれまで饒舌に喋っていたイリーナ先生の言葉が途切れる。

っていうか百億のうちの五百万って少ないな。えーと、E組(うち)は三十人だから……全員の金額を合わせても十五億か。一人で八十五億って先生欲張り過ぎでしょ。

 

※ 五百万 × 三十人 = 一億五千万(暗算ミス)

 

「……出てけよ」

 

誰かがボソッと呟いたことで先生も皆の変化に気づいたようだけど……もう手遅れみたいだ。

 

「出てけクソビッチ‼︎」

 

「殺せんせーと代わってよ‼︎」

 

「なっ、何よあんた達その態度っ‼︎ 殺すわよ⁉︎」

 

「上等だよ殺ってみろコラァ‼︎」

 

「返り討ちしてやんよっ‼︎」

 

ワーワーギャーギャーと、皆の嵐のような怒号にイリーナ先生も怯みまくっていた。“殺す”という言葉にも昨日のような威圧感などなく、売り言葉に買い言葉で更に皆をヒートアップさせるだけである。

 

「そーだそーだ‼︎ 巨乳なんていらない‼︎」

 

なんか私怨塗れの抗議も渚君の左隣りから怒号に混じって聞こえてきたけど、皆と一緒に怒っていることには変わらないから気にしないでおこう。

で、廊下の窓際で学級崩壊並みの抗議を眺めていたから気づいたけど、窓の外に頭を押さえて悩ましそうにしている烏間先生の姿があった。

烏間先生も苦労が絶えませんね。まともな同僚がいない中、いつもご苦労様です。

 

 

 

 

 

 

〜side イリーナ〜

 

クラスのガキ共から暴動レベルのブーイングを受けた後、あのタコやガキ共の在り方を烏間に見せられて言われたことを思い出す。

 

暗殺対象(ターゲット)と教師。暗殺者(アサシン)と生徒。あの怪物のせいで生まれたこの奇妙な教室では、誰もが二つの立場を両立している。暗殺者と教師を両立できないというなら、お前は此処ではプロとして最も劣るということだ。……暗殺を続けたいのならば彼らに謝ってこい。生徒を見下した目で見ず対等に接しろ》

 

私はプロの殺し屋。しかし地球の危機とはいえ殺し屋を学校で雇うのは問題だから、表向きは教師の仕事もするように言われていたけど……当然ながら先生なんて経験したことはない。

でも授業なんてやる間も無く終わらせるつもりだったから、深く考えずにその条件を了承した。だから磯貝が言っていたような受験に必要な勉強なんて私は全く知らない。

暗殺を続けるためにはどうしたらいいのか、校舎脇で立ち尽くしたまま烏間に言われたことを噛み締めて考える。

 

「ーーーそんなところで何をしておるのじゃ?イェラビッチ殿」

 

そんな私に声を掛けてきたのは、初見では男か女か判別しにくい翁言葉を使う男子ーーー木下秀吉だった。

 

「……木下、あんたこそこんなところに何の用よ?一人なんて珍しいんじゃない?」

 

「少し教員室に用があっての。誰もおらんかったから帰ろうとしたんじゃが、何やら消沈しておるような姿を見掛けたので気になり声を掛けただけじゃ」

 

「烏間ならもう教員室にいると思うわよ」

 

「うむ、先程すれ違ったのでもう用は済んでおる」

 

暗に“帰れ”という意味を込めて突き放すように言ったのだけど、木下は気づいていないのか気づいて無視しているのかそのまま近くまで歩いてくる。

っていうか至近距離で見てもやっぱり男には見えないわね。ハニートラップで暗殺をしてきた仕事柄、世界中の男や女を見てきたけど……その辺の下手な女子よりも普通に可愛いんじゃないの?

 

「……今、何か不名誉な評価を下さんかったか?」

 

「気のせいでしょ」

 

「むぅ……そうじゃろうか」

 

こういうところで勘が鋭いのも女の特徴だと思うけど……面倒だから黙っておきましょ。

 

「……それにしても、やはりイェラビッチ殿はプロじゃの」

 

何の脈絡もなく言われた木下の感心するような言葉に、私は自分でも驚くくらいネガティヴな感情しか湧いてこなかった。

昨日までのーーー烏間に説教じみたことを言われる前までの私なら、プロであることを指摘されて優越感に浸ることはあっても気分が落ち込むなんてことは絶対になかったでしょうね。

私は自分から湧き出た感情を誤魔化すように木下を睨みつける。

 

「……嫌味のつもりかしら?」

 

「そんなことは言わん。潜入するために生徒の名前や行動など、最低限の事前情報はしっかりと記憶しておるようなので素直に感心しておった」

 

そんな私の子供みたいな反応など気にした様子もなく、本当に邪気の欠片も感じられない木下の言葉に呆気に取られてしまった。

暗殺で潜入する際、潜入する環境について下調べをするのは当然のことだ。特にハニートラップを仕掛けるためには、暗殺対象だけでなく周囲の人物が重要になってくることも多い。何故なら相手次第では周囲の人物に疑われたり嫌われたりするだけで、それが暗殺対象に伝わって警戒されることもあるのだから。

だからこそあのタコについて詳しいっていう潮田渚のことも知っていたし、目の前の男子が木下秀吉であるということも四人グループで一緒にいることが多いということも知っていた。他の生徒についても簡単なE組内での情報であれば調べてある。まぁ今回は速攻で決着(ケリ)をつけるつもりだったからガキ共の前では取り繕わなかったけど。

木下は更に続けて昨日の暗殺についても言及してくる。

 

「確かに雄二の言う通りなのではあろうが、対人暗殺を想定した行動として考えればハニートラップからの暗殺は見事な流れだったのではないかの?個人的には演技がやや過剰ではないかと思ったくらいじゃな」

 

そう、坂本の言っていたことは不本意ながら客観的に見て正しい。暗殺を失敗した私に対してあのタコからも“暗殺の常識に捕らわれすぎ”との指摘を受けていた。

相手は月をも破壊する超生物。常識外の怪物に対して常識に照らし合わせた暗殺方法が通じるわけがなかったのだ。

しかし自分の非を認めたところで、教室で盛大にやらかしてしまった私が戻りづらいというのもまた事実なわけで、

 

「……あんたは私のこと嫌ってないの?」

 

目の前で普通に接してくる木下に、私のことをどう思っているのか訊いてみたくなるのは仕方ないことなのよ。

 

「む?なんじゃ、そのようなことを気にしておったのか?残念ながら“殺し屋”としてのお主しか知らんので好き嫌いなど判断できん。今朝の嘲笑的な態度も苛ついていた故のものじゃろうと思っとる」

 

「……それは好意的な解釈をどーも」

 

確かにあのタコの前では“惚れている先生”を演じていたし、それ以外では“殺し屋”として動いていたけれど……これまでの私の態度から考えたら好き嫌いで言えば普通は嫌いになると思うのよね。

どうも木下の他人に対する評価というか感じ方というか、多感な時期の年頃にしては客観的で感情的に反論する余地がないわ。だからこそ嘘は言っていないってことが分かる。

 

「しかしワシらがお主の事を知らんように、お主もワシらの事は情報でしか知らんじゃろう?もしまだE組に残るつもりでいるならば、少しくらい歩み寄ってみるのもいいのではないかの?」

 

“ではワシはそろそろ失礼する。お節介かもしれんとは思うが、授業をするならば赴任時に言われておった本場の外国語を教えてくれると有難い”

そう言って立ち去っていく木下の後ろ姿を見送り、完全に姿が見えなくなったところで私は大きく息を吐いた。

 

「……はぁ、これじゃどっちが大人か分かったもんじゃないわね。中学生にしては達観しすぎでしょ」

 

さっきまでプライドが邪魔して失敗を認めたくなかったけど、大人としてこのまま逃げ帰るわけにはいかない。

ここまで言われて謝ることもせず暗殺を失敗したまま帰ったら、私は自分すら律することができずに癇癪を起こしただけの子供だわ。というかそんなことしたら師匠(センセイ)に殺される。深く考えるまでもなくそっちの方がヤバかったわ。

……中学生に諭されたようで少し癪だけれど、私も今回の暗殺場(仕事場)に合わせて態度を改める必要があるみたいね。

 

 

 

 

 

 

〜side 明久〜

 

昼休みが終わる頃、残り少ない休み時間を教室で駄弁っていた時にガララッと大きな音を立ててドアが開かれた。

その音で皆が会話を中断してドアの方へと目を向けると、毅然とした様子で教室に入ってくるイリーナ先生の姿があった。朝の学級崩壊並みの抗議はそれとして、もうすぐ授業の開始時間でもあることだし皆も一応自分の席に戻る。

先生はこれまで教室に持ち込んでいたタブレットなどを手に持っておらず、教卓の椅子にも座らず教壇に立ったかと思うとチョークを手に持って黒板に英文を書き始めた。

 

You're(ユア) incredible(インクレディブル) in(イン) bed(ベッド) ‼︎ 言って(リピート)‼︎」

 

今朝までとは全く違うイリーナ先生の態度にクラス全員が呆然としていると、先生が復唱するように促してきたので戸惑いながら皆も書かれた英文を復唱する。

 

「アメリカでとあるVIPを暗殺した時、まずはそいつのボディガードに色仕掛けで接近したわ。その時に彼が言った言葉よ。意味は“ベッドでの君は凄いよ……♡”」

 

この先生、中学生になんて文章を読ませてるのさ⁉︎

しかし今回は自習ではなく本当に授業をしてくれるようで、イリーナ先生の話は続く。

 

「外国語を短い時間で習得するには、その国の恋人を作るのが手っ取り早いと言われているわ。相手の気持ちをよく知りたいから、必死で言葉を理解しようとするのよね」

 

あ、それは何となく分かる気がする。外国人に限らず、誰かと仲良くしようと思ったらまずは相手のことを知らないと駄目だもんね。

 

「だから私の授業では外人の口説き方を教えてあげる。受験に必要な勉強なんてあのタコに教わりなさい。私が教えられるのは実践的な会話術だけ」

 

そこまで毅然として言い切ったイリーナ先生の目線が少し泳ぎ、両手を身体の前で合わせてモジモジとしながら今度は小さい声で、

 

「……もしそれでもあんた達が私を先生と思えなかったら、その時は暗殺を諦めて大人しくE組(此処)から出ていくわ。……そ、それなら文句ないでしょ?……あと、悪かったわよ。色々と」

 

僕らの反応を窺うようにして弱々しく謝ってきたイリーナ先生に、皆はまたしても呆然としていた。もちろん僕も皆と同じ反応だ。

判決を待っている被告人のように縮こまっている先生を見て、それぞれ近くの席の人と顔を見合わせている。

 

「何ビクビクしてんだよ。さっきまで殺すとか言ってたくせに」

 

そんなイリーナ先生を皆は笑顔で受け入れた。

クラスから笑い声が上がった瞬間に先生はビクッて身体を震わせていたし、余程緊張して話していたんだろうことが分かる。

その反応を見てまたクラスに笑い声が上がった。

 

「なんか普通の先生になっちゃったな」

 

「もう“ビッチ姉さん”なんて呼べないね」

 

前原君と岡野さんの会話を聞き、イリーナ先生が態度を改めてきたことで皆も意識が変わったようだ。これまでの先生に対する呼び方を振り返り、反省している様子が色々なところで見て取れる。

イリーナ先生も皆が受け入れてくれたことに感動しているようで、緊張が解けて安堵したような表情とともに涙を流していた。

 

「考えてみりゃ、先生に向かって失礼な呼び方だったよね」

 

「うん、呼び方変えないとね」

 

 

 

「「「じゃ、ビッチ先生で」」」

 

 

 

あ、先生の涙が一瞬にして枯れ果てた。

 

「えっ……と。ねぇ、君達。せっかくだからビッチから離れてみない?気安くファーストネームでも構わないのよ?」

 

顔を引き攣らせながらも笑顔を浮かべて呼び名変更を求めるイリーナ先生。昨日はファーストネームで呼ぶなって言っていたのに……

それでも皆は呼び方を変える気はないらしく、

 

「でもなぁ、もうすっかりビッチで固定されちゃったし」

 

「うん、イリーナ先生よりもビッチ先生の方がしっくりくるよ」

 

「そんなわけでよろしく、ビッチ先生」

 

二人の会話から始まり決定した呼び方で、イリーナ先生に向けて皆が“ビッチ先生”と連呼しまくる。仲直りしたところで皆が先生を“ビッチ”呼ばわりすることに変わりはないのね。

 

「キーッ‼︎ やっぱり嫌いよ、あんた達‼︎」

 

ワーワーギャーギャーと、デジャブのように教室内が騒がしくなる。イリーナ先生がキレているところも同じだけど、今朝みたいに皆から怒号が飛び交ったりすることはなかった。

クラスの状況を見ていた雄二が不可解といった様子で呟く。

 

「あの高慢女が、いったいどうなってんだ?」

 

「さぁ?何か心境の変化でもあったんじゃない?」

 

僕らの知らないところで烏間先生に説教でもされたのだろうか?教育のことで言えば殺せんせーの可能性もあるけど、今朝のイリーナ先生の様子じゃ暗殺対象に何かを言われて変わるとは思えないし。

 

「そうじゃのう……心境が変わった理由は分からんが、少なくとも今の()()()()()()は嫌いではないぞい」

 

雄二の後ろからそんな秀吉の評価が聞こえてくる。

確かにイリーナ先生が怒鳴り散らしていても嫌な空気は漂っていないし、笑いに溢れている今の教室を見れば僕も秀吉と同じ意見かな。

こうしてイリーナ先生とも和解し、本当の意味でE組の先生がまた一人増えたのだった。




次話
〜集会の時間〜
https://novel.syosetu.org/112657/8.html



磯貝「これで“プロの時間”は終わりだ。皆、楽しんでくれたか?」

片岡「後書きでは今回の話を振り返ったりして話を進めていくわよ」

明久「うん、後書きを始めるのはいいんだけど……磯貝君、片岡さん」

磯貝・片岡「「何だ?/何かしら?」」

明久「どうして僕はダブル委員長に挟まれながら、小学校高学年レベルの計算問題をさせられているのかな?」

磯貝「そりゃあ、暗算とはいえあのレベルの計算を間違われたら同級生として心配になるだろ?」

明久「あ、あれは違うよ‼︎ 暗算だから間違えただけで、問題として出てきたらきちんと解けるーーー」

片岡「はいはい、それを証明するためにも計算問題を解いてね。後書きはこっちで進めておくから」

明久「うぅ、了解しました……」

磯貝「それにしてもビッチ先生、客観的に見たら本当に午前と午後で態度が激変してるよな」

片岡「確かにね。まぁ烏間先生に言われたっていうのは原作通りだけど、そこで木下君からもあんな風に言われたら誰だって態度を改めるでしょ」

磯貝「良い点と悪い点を指摘して、悩んでいる所にアドバイスを入れる。ビッチ先生のことを嫌ってたあの時の俺達には出来ないことだよな」

片岡「えぇ、ああいうところは木下君を見習わないとって私も思ったわ」

明久「……はい、出来たよ」

片岡「あら、思っていたよりも早いのね。ちょっと待ってて、チェックするから。……うん。少しのケアレスミスはあるけど、概ね正解よ」

明久「ね?だから言ったでしょ。流石に僕だって小学校レベルの四則演算くらい問題で出てきたら解けるから」

磯貝・片岡((四則演算なんて言い方を知っていたのか、という反応は控えておこう/おきましょう))

磯貝「これなら単純な計算問題は心配する必要ないか」

片岡「そうね。じゃあ√計算とかは分かる?今度の中間テストにも出てくると思うけど……」

明久「それくらい分かるさ。スタートからゴールまでの道が何本あるか考えればいいんでしょ?」

磯貝「……あぁ、順路(ルート)と√を勘違いしてるんだな」

片岡「順路問題も確かに計算だけど、その勘違いが出てくるのはちょっと問題ね……√を意識してないってことだし」

吉井「え?何々?なんか違った?」

磯貝「……取り敢えず今から殺せんせーのところに行ってみるか?」

片岡「……そうしましょうか。それじゃあ今回の後書きはここまで‼︎ 次回も楽しみにしててくれると嬉しいわ‼︎」

明久「え、僕全然喋ってない……あ、ちょっと待って。僕の両脇を抱えていったい何処に連れていくつもりーーー」





殺せんせー「ヌルフフフフ、皆さんに合わせて開催している“放課後ヌルヌル強化学習”……盛況みたいで先生も嬉しいですよ。ねぇ、土屋君?」

土屋「…………そうだ。俺は勉強をしに来ただけであって、決して“ヌルヌル”という言葉に惹かれたわけじゃない」

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