バカとE組の暗殺教室   作:レール

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旅行の時間

殺せんせーの残留が決まった中間テスト終了後、僕らは学生生活における一大イベントの一つを間近に控えていた。

 

「来週の修学旅行って何処に行くんだったっけ?」

 

「京都だ。そんくらい覚えとけ」

 

「…………舞妓が俺達を待っている」

 

そう、その一大イベントとは修学旅行である。

新学期最初の山場である中間テストも終わったことだし、気分転換として少しの間だけ勉強のことは忘れよう。特に今回は事情もあって何時になく頑張ったからね。

 

「全く……三年生も始まったばかりのこの時期に総決算の修学旅行とは片腹痛い。先生あまり気乗りしません」

 

そう言う殺せんせーの横には人の身の丈を軽く超える巨大リュックに目一杯詰め込まれた荷物と、その巨大リュックにこれまた目一杯詰め込まれた状態で幾つものリュックが括り付けられていた。

 

「「「ウキウキじゃねーか‼︎」」」

 

本当にどんだけの荷物を持っていくつもりだ。

その荷物も遊び道具とかなら限度を無視すればまだ分かるんだけど、食材とか調理器具とか明らかに必要のないものまで入っている。たとえ無人島に行くことになったとしてもこれほど大荷物にはならないだろう。

 

「……バレましたか。正直先生、君達との旅行が楽しみで仕方ないです」

 

珍しく殺せんせーが照れたように告白してくる。

先生はマッハで何処にでも行けるけど、誰とでも行けるってわけじゃないからなぁ。国家機密の身で知り合いと旅行に行く機会なんてあるわけないだろうし、もしかしたら皆で旅行というのは初めてなのかもしれない。

もちろん僕だって修学旅行が楽しみじゃないって言ったら嘘になる。殺せんせーの気持ちも分からないでもないし、来週が待ち遠しいというのは先生と同じだった。

 

 

 

 

 

 

「知っての通り、来週から京都二泊三日の修学旅行だ。君らの楽しみを極力邪魔はしたくないが、()()()()()()

 

体育の授業後、いつもより早く授業を終えた烏間先生が残った時間で話を始めた。体育は殺せんせーの担当じゃないから、先生に知られたくない話をするには丁度良いのだろう。

 

「……てことは京都(あっち)でも暗殺?」

 

「その通り。京都の街は学校内とは段違いに広く複雑、狙撃手(スナイパー)を配置するには絶好の場所(ロケーション)だ。既に国は狙撃のプロ達を手配しているらしい」

 

岡野さんの疑問に烏間先生は詳細を教えてくれた。

そういえば前に雄二も暗殺を仕掛けるって言った時に、暗殺技術がなんとかとか学校内じゃどうのこうのって言ってた気がする。その問題点を解消した上で暗殺に臨めるというわけか。

 

「成功した場合、貢献度に応じて百億円から分配される。奴は二日目と三日目の班別行動時に君達と一緒に京都を回る予定だ。暗殺向けのコース選びをよろしく頼む」

 

ふむ、ただ好きに京都旅行の計画を立てるだけじゃ駄目ってことだな。京都の地理を踏まえた上で行きたい場所を選び、暗殺に組み込めそうな狙撃ポイントも考慮する必要がある。

……うん、僕は班員が行きたいって言うところに賛成しよう。友達を優先することって大事だよね‼︎

 

 

 

 

 

「ねぇ雄二、残りの班員はどうする?」

 

「普通に残った面子でいいんじゃないか?」

 

教室に戻ってから修学旅行の班員を決めることにする。まぁいつものメンバーということで僕、雄二、秀吉、ムッツリーニの四人はすぐに決まったから、あとは雄二の言う通り成り行きに任せよう。

 

「吉井ちゃん、良かったら一緒の班にならない?」

 

と思っていたら後ろから声を掛けられた。僕を“ちゃん”付けで呼ぶ人なんてE組には一人しかいない。というかE組以外では誰もいない。

……なのにどうしてだろう。今一瞬、三つ編みの女の子が悪寒とともに脳裏を過ぎったのは……変な電波でも受信しちゃったかな?

 

「うん、いいよ。僕らも人数が足りてなかったから歓迎するよ、倉橋さん」

 

「なんだ明久、お前倉橋と仲良かったのか?」

 

視線の先にいる、天真爛漫という言葉が似合うゆるふわ系の倉橋陽菜乃さんを見た雄二が問い掛けてくる。

他の皆もまだ班員が決まり切っていない中、わざわざ僕に声を掛けてきた倉橋さんとの関係を訝しんでいるようだ。E組で一緒に過ごしていることが多いにも関わらず交友関係を知らなかったことが疑問なんだろう。

 

「そうだね、偶に山の中で会った時とかよく話したりするかな」

 

「何故お主らは偶にとはいえ山の中で遭遇などするんじゃ……」

 

いやほら、この山って何気に食材の宝庫だからさ。今や僕の貴重な生命線の一つでもあるし……倉橋さんも生き物が好きってことで、山の中を散策してる途中にバッタリと会うことがあるんだよね。

まぁそういった事情は置いといて、今は修学旅行の班決めだよ。まずは一人追加だ。

 

「これでうちの班は五人か。六人班だからあと一人入ってもらわないと……」

 

「はいはーい、そんな感じがしてたから莉桜ちゃんも誘っといたよ〜」

 

「よーっす、よろしく問題児ども」

 

そう言う倉橋さんの後ろから顔を出してきたのは、金髪ロングでさばさばした振る舞いの中村莉桜さんだった。

特に拒否するような理由なんてないし、意外と難なく班編成は決まったな。声を掛けてくれた倉橋さんには感謝しないと。

……ただ中村さんに一言だけ物申しておきたい。それは雄二も一緒だったみたいで二人して口を開く。

 

「おい中村、一緒の班になるのは全然構わないが明久と一纏めにするな」

 

「そうだよ中村さん。問題を起こしてるのは雄二だけなんだから一緒くたにされるのは心外だな」

 

「いや、ワシらは四人で教室を水塗れにした前科があるじゃろうが……」

 

「…………否定できない」

 

そんなのは主犯格である雄二の責任に決まってるじゃないか。

僕らのやり取りを見て中村さんはまた快活に笑っていた。なんか彼女からはカルマ君とかと同じ波動を感じる。この話は引っ張るよりも次に進んだ方が僕の身のためだな。

 

「じゃあこれで班の人数は揃ったね。皆で何処を回るか決めていこうよ」

 

なので率先して皆に話を振っていくことにする。京都旅行は友達を優先するって決めてたからね。今回は身を引いて聞き役に徹しよう。

だからこの行動は決して暗殺計画を企てるのが面倒とかそんなんじゃない。協調性を重んじる僕にとっては当たり前の紳士的な行動だ。

 

「う〜ん……詳しくはないんだけど、京都って言ったら五社巡りとか有名じゃない?」

 

「そりゃ回ろうと思えば出来るだろうが、全部回ろうとしたらそれなりに移動時間で潰れるぞ?」

 

「比較的に近い八坂神社と平安神宮……あとは城南宮だけ回って、残りは近場とか好きなところに行くのが無難かねぇ」

 

「へー、そうなんだ〜。二人とも詳しいね〜」

 

倉橋さんと同じで僕も詳しくはないけど、五社(誤射)巡りってなんだか狙撃手の人に対する当て付けみたいな名前だなぁ。

どうやら日程に組み込むのは難しいみたいだし、縁起を担ぐって意味でも別のルートを回りたいところだ。

 

「……フン、皆ガキねぇ。世界中を飛び回った私には旅行なんて今更だわ」

 

和気藹々と旅行計画を立てている僕らを見て、教壇脇で壁に寄り掛かっていたイリーナ先生が鼻を鳴らしていた。

 

「じゃ、留守番しててよビッチ先生」

 

「花壇に水やっといて〜」

 

なんて雑な扱いなんだろう。だーれもイリーナ先生に顔すら向けてなかったよ。まぁ今のは先生の態度にも問題はあったと思うけどさ。

素っ気なくあしらわれたイリーナ先生は何も言えずに立ち尽くしていたが、皆の会話を聞いているうちに頰を膨らませたかと思うといきなり懐から小銃を抜いた。

 

「何よ‼︎ 私抜きで楽しそうな話してんじゃないわよ‼︎」

 

「あーもー‼︎ 行きたいのか行きたくないのかどっちなんだよ‼︎」

 

ホントそれね。というか相手にされないからって癇癪起こして銃を抜くのは止めてほしい、普通に危ないから。

そんなこんなで良くも悪くも色々と盛り上がっていたところに、教室のドアを開けて殺せんせーが入ってきた。その触手()には物凄く分厚い本が何冊も持たれている。

 

「一人一冊です」

 

そう言って渡された本は見た目通りの重量を発揮しており、抱えて持たなければならないほどの重さであった。

 

「殺せんせー、これ何ですか?こんなに分厚かったら枕にも使えませんよ」

 

「枕なんかにしたら駄目ですよ‼︎ 修学旅行のしおりなんですから‼︎」

 

「これを修学旅行に持ってけと⁉︎」

 

下手な罰ゲームよりもよっぽど面倒だ。何が悲しくてこんな重量物を旅行に持っていかなければならないのか。少なくとも僕は持っていくつもりはない。

 

「イラスト解説の全観光スポット、お土産人気トップ100、旅の護身術入門から応用まで、昨日徹夜で作りました。初回特典は組み立て紙工作金閣寺です」

 

しかもこの修学旅行のしおり、殺せんせーの力作らしく訊いてもいない内容を嬉々として語っていた。まぁどんだけ言われても持っていかないとは思うけどね。

修学旅行で一番盛り上がってるのって僕らじゃなくて殺せんせーではないだろうか。殺せんせーもイリーナ先生同様に世界中を文字通り飛び回ってるだろうに。

 

「そんなに張り切らなくても殺せんせーなら京都まで一分で行けるっしょ?」

 

そう思ったのは僕だけじゃなかったらしく、中村さんも同じような疑問を投げ掛けていた。

 

「もちろんです。ですが移動と旅行は違います。皆で楽しみ、皆でハプニングに遭う。先生はね、君達と一緒に旅できるのが嬉しいのです」

 

仮にも引率の先生がハプニングに遭うのを求めたら駄目でしょ。というツッコミは本当に楽しそうな殺せんせーの様子を見ていたら野暮に思えたので止めておいた。

ここで水を差すほど僕も空気が読めないわけではない。修学旅行が楽しみなんだったら思う存分楽しめばいいんだ。殺せんせーの言う通り、皆で行く初めての旅行だしね。

 

 

 

 

 

 

翌週の修学旅行当日。東京駅で僕らは新幹線へと乗り込むためにホームで集まっていた。

当然ながら学校行事なので本校舎の先生や生徒達もいるんだけど、彼らはE組とは離れた前の方の車両へと乗り込んでいる。

 

「うわ、A組からD組まではグリーン車だぜ」

 

E組(うちら)だけ普通車……いつもの感じね」

 

椚ヶ丘中学校ではいつも通りに学費の使用も本校舎の生徒達を優遇しているため、事ある毎にE組との格差を付けて優位性をアピールしてくる。っていうかそんなにE組を差別するために頑張ってたら逆に疲れない?

まぁぶっちゃけ新幹線なんて座れれば何でもいいけどね。広い座席でゆっくりするよりも皆で集まって騒がしくしてる方が性に合ってるし。

 

「ーーーご機嫌よう、生徒達」

 

そんな僕らの集まっている場所へと優雅に歩いてきたのはイリーナ先生……なんだけど、なんでこの先生は修学旅行にハリウッドセレブみたいな格好で来ているのだろうか。

 

「フッフッフッ、女を駆使する暗殺者としては当然の心得よ。良い女は旅ファッションにこそ気を遣わないと」

 

ということらしい。

馬鹿なの?ちょっとはTPOってもんを考えてよ。あまりの気合の入りっぷりに漏れなく皆も引いてるからね?

周りの反応など気にせず悦に浸っているイリーナ先生の元へと烏間先生が歩み寄ってくる。

 

「……目立ち過ぎだ、着替えろ。どう見ても引率の先生の格好じゃない」

 

烏間先生、御尤もな注意内容です。

しかし旅行でテンションが上がっているのか、イリーナ先生は烏間先生の注意を聞き流している。

 

「堅いこと言ってんじゃないわよ烏間‼︎ ガキ共に大人の旅のーーー」

 

「脱げ、着替えろ」

 

あ、これ注意じゃないな。警告だわ。下手に反論しようものなら烏間先生確実にキレるぞ。

イリーナ先生もそれを感じ取ったようで、(はしゃ)いでいたテンションを落とすと押し黙ったままトボトボと新幹線のトイレへと消えていった。

次にイリーナ先生が姿を現した時、ハリウッドセレブから一転して上下ジャージという一般庶民にランクダウンしていたのだった。

 

 

 

 

 

そうこうしている内に新幹線が出発する時間となっていた。

京都に着くまで大体二〜三時間、せっかくの旅行なんだから道中から楽しんでいかないと時間が勿体無い。移動じゃなくて旅行という道中を楽しみたいと殺せんせーが言っていたことだ。

 

「……あれ?電車出発したけど、そーいや殺せんせーは?」

 

杉野君の台詞で周りを見回したが、確かに殺せんせーの姿が見当たらない。あれだけ楽しみにしていた張本人がいったい何処へ行ったのだろうか?

 

「うわっ‼︎」

 

疑問に思っていた僕らの耳に渚君の驚く声が聞こえてきた。声に釣られて振り向くと、窓の外にベッタリと張り付く殺せんせーの姿が目に入る。

だからTPOってもんを考えてってば‼︎ 国家機密が何を堂々と新幹線の外に張り付いてんだよ‼︎ ここは学校の中じゃないんだからね⁉︎

渚君も慌てて殺せんせーの張り付いている窓へと駆け寄っていく。

 

「何で窓に張り付いてんだよ殺せんせー‼︎」

 

「いやぁ、駅中スウィーツを買ってたら乗り遅れまして……次の駅までこの状態で一緒に行きます。身体を保護色にしているので目撃者の心配には及びません。服と荷物が張り付いて見えるだけです」

 

「それはそれで不自然だよ‼︎」

 

それでも何とか次の駅までその状態でやり過ごした殺せんせーは、相変わらずの下手な変装で新幹線に乗り込んでいた。

これで一先ずは安心と言っていいだろう。出発したばかりだってのに僕は気苦労で座席に深く座り込んでしまう。

 

「はぁ……全く、殺せんせーは自分が国家機密だっていう自覚が足りないよね」

 

「意外……吉井って真面目なことも言うのね」

 

中村さん、それはいったいどういう意味かな?それじゃあまるで僕が普段から真面目じゃないみたいじゃないか。

 

「明久は普段から馬鹿な上に天然が入ってるから真面目には見えないだけだ。本人はいつだって至って真面目に馬鹿なことをやっている馬鹿なんだぞ」

 

雄二はそれでフォローしているつもりなのかな?それじゃあどう解釈しても僕が馬鹿ってことじゃないか。

 

「二人とも僕を馬鹿にし過ぎじゃない?」

 

「あはは、悪かったって。お詫びと言っちゃあなんだけど、私の持ってきたプチシューあげるからさ」

 

そう言って中村さんが鞄から取り出したのは、市販で売られている袋に入ったものではなく容器に入れられたプチシューだった。

 

「これ、もしかして中村さんの手作り?」

 

一番上の方にあるプチシューを手に取りながら質問する。パッと見ただけでも市販のものと遜色ないくらい美味しそうだ。

一口サイズのプチシューを噛み切ることなく丸々口の中へと放り込む。

 

「そうだよ、作るのに苦労したんだから。市販のプチシューの中身を判らないようにクリームからわさびに入れ替えたりさ」

 

「君は馬鹿かっ⁉︎」

 

辛ぁっ‼︎ これ物凄く辛ぁっ‼︎ もう鼻の奥がツーンなんてレベルじゃないよ⁉︎ っていうかそれは手作りって言わないから‼︎

 

「はい吉井、飲み物」

 

「ありがとう‼︎」

 

通路を挟んで隣の席に座っていたカルマ君から手渡された水筒のコップを一息に飲み干す。

やれやれ、中村さんの悪戯には困ったもーーー

 

「喉が焼けるように辛いぃぃぃぃっ‼︎」

 

「……カルマよ、いったい明久に何を飲ませたのじゃ?」

 

「え?タバスコの水割りだけど?」

 

そんなさも当然みたいな言い方をするな‼︎

くそぅ、幾ら辛さに悶えてたからってカルマ君から手渡されたものを無警戒に飲んでいいわけがなかった‼︎

 

「吉井ちゃん、これお茶ーーー」

 

倉橋さんが差し出してくれた蓋の開いたペットボトルを奪い取るようにして(あお)る。

救いの手を差し伸べてくれた彼女に対して物凄く失礼な気がするけど、今は辛さで礼儀に構っている余裕なんて僕にはなかった。

わさびとタバスコが合わさった尋常じゃない辛さを抑えるため、遠慮することなくお茶をゴクゴクと喉に流し込んでいく。

 

「明久、意識してねぇだろうがそれは倉橋との間接キスだぞ?」

 

「ブッ⁉︎ ゲホッゴホッゴホッ、オェェ……‼︎」

 

お茶が変なとこに入った……‼︎

なななな何を言ってるんだこの馬鹿雄二は‼︎ そそそそそんな間接キスくらいで僕が動揺するわけないことなくもないこともないわけないじゃないか‼︎

別に向かい側に座っている倉橋さんの唇が艶かしく感じるとか全然気になってなんかないんだからね⁉︎

 

「あ、私は飲んでないから気にする必要ないよ〜」

 

僕の胸のドキドキとお茶が気管に入った苦しみをどうしてくれるんだ。

まだ修学旅行が始まって目的地にすら着いていないのにこの疲労感……こういう時こそグリーン車の広い座席でゆっくりしたいと思ってしまうのだった。




次話
〜観光の時間〜
https://novel.syosetu.org/112657/12.html



中村「という感じで“旅の時間”は終了〜。君達は楽しんでくれたかね?」

カルマ「俺は別の意味で楽しかったよー」

雄二「俺も明久の苦しむ姿が見られて満足だ」

中村「うわぁお、下衆いねぇお二人さん。まぁ私も吉井で遊ぶのは楽しかったけどさ」

雄二「原作に比べたらこれまでは全然酷い目に遭ってなかったからな。酷い目に遭ってこその明久だろう」

カルマ「そして吉井を酷い目に遭わせてこその俺らだよねー」

中村「ちょっと、その言い方だとなんだか虐めみたいじゃん。せめて本人の許容量を超えた弄りって言ってよ」

雄二「それを世間一般では虐めと言うんだぞ。ただし明久は除く」

カルマ「虐めなんて酷いなー。俺は吉井の胃荒れを考慮してタバスコを水で割ってあげたんだよ?寧ろ感謝してほしいくらいだね」

中村「それで感謝する奴はよっぽどの馬鹿だわ。あ、じゃあ吉井は感謝するかな?」

雄二「いや、明久は小賢しいことに常識だけはまだ知っているからな。物事の善悪正誤くらいは理解できる範囲で判別できるだろう。それでも馬鹿だから判断を間違える可能性は否めないが」

カルマ「どちらかと言えば間違える可能性の方が高い気がする」

中村「吉井って悪運は強くても運は悪いもんねぇ。あのプチシュー、実は一番上の奴にしか細工してないから」

雄二「それを明久が取ると見越して一番上のプチシューだけに細工したんだろ?」

中村「まぁね〜、食べ物は粗末にしちゃいかんでしょ。残りは皆で美味しく頂きました」

カルマ「細工されたプチシューを取ったことじゃなくて、俺らに目を付けられたことが吉井の運が悪いところだよねー」

雄二「いや、そういうキャラ設定に作られたことから既に運が悪い」

中村「唐突なメタ発言キタコレ」

カルマ「あとは何があるかなー、吉井の駄目なところ」

雄二「んなもん大量にあるだろ。例えばだなー」

中村「ちょい待ち、そろそろ時間だよ」

雄二「ん?もうそんな時間か。じゃあそろそろお開きだな」

カルマ「えー、折角盛り上がってきたところじゃんか」

中村「まぁまぁ、そう文句を言いなさんな。それじゃあ次の話も楽しみにしといてねー」





明久「後書き丸々使って収まりきらないってどんだけ僕を馬鹿にしてるのさ⁉︎ 語り過ぎでしょ‼︎」

倉橋「皆、吉井ちゃんが好きなんだね〜」

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