付き合い出してからツインテールを止めてしまった愛姫は、政宗の熱烈なラブコールに、数年ぶりにツインテールになります。
そして交わされる――――?



政宗くんのリベンジの、二人が結婚した後のお話。

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懐かしのツインテール

「なあ愛姫、久々にツインテールにしてみてよ」

 

 政宗の一言に、私は野菜を切るために持った包丁を手にしたまま、くるっと振り返る。

 

「なんでまた急に?」

「んー、いや、久々に見てみたいなぁ、と思って。結婚してからしばらく見てないし。……ところでその手の包丁下ろそうか。怖いんですけど……」

 

 結婚してそろそろ1年になる。私は政宗と正式にお付き合いを始めた頃に、少し子供っぽい、という吉乃のアドバイスで、ツインテールだった髪を降ろし、今ではストレートにしているのだ。それからと言うものの、細かく髪型をいじってはいたけれど、そう言えばツインテールにはしていないかもしれない。

 

 初めて髪型を変えた時、すごい政宗に驚かれたけど、

『綺麗になって、もっと好きになった』

 って言われて、本当に嬉しくて舞い上がってしま――――

 

「――――こほん。……まあ、いいけれど。それならあなたも着替えなさいよ!」

「えっ? なんで?」

「つ、ツインテールにしてほしいって言ったのは政宗でしょう!? つまりあの頃の制服になって、ということでしょう?」

「…………。うん?」

「私だけ制服になるのは恥ずかしいじゃない! だからあなたも制服に着替えてって言ってるの!」

「……別に制服にまでならなくても、ただツインテールにしてくれれば嬉しいんだけど」

 

 …………。も、もしかして、また私、一人で勝手に妄想して……?

 

「ああああ、それなら早くそう言いなさいよ!」

「……別に俺、制服着てくれなんて一言も――――」

 

 シュッ!! ゴスッ!!

 

「は・や・く・い・い・な・さ・い・よ!!」

「――――ワカリマシタ、愛姫サマ」

「よろしい」

 

 私は、赤くなった顔を見られないように、小走りで壁に突き刺さった包丁を回収すると、軽く洗って料理を再開する。

 

 ……でもなんで急にツインテールにしてほしいって言い出したんだろう?

 

 

 

 

 

 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 やったぜ! ついに、ついに愛姫のツインテール姿を見られるんだ!

 

 ツインテールを止めてからはや数年…………。

 何度あの頃の愛姫を妄想して抱き締めたくなったことか……。

 

 ツインテールの日に、思い入れのあるツインテールを見ることが出来るなんて、本当に嬉しくて仕方がない。

 

 全く、デッド・オア・ラブ作戦なんてうじうじ続けてないで、早く愛姫の本当の魅力に気付けと、昔の俺に声を大にして言いたいね。

 

 ま、今は凄い幸せだからいいけれど。

 

 さーて、いつ来てくれるかな……?

 

 

 

 

 

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 久々に懐かしい制服に着替えようと思ったら、ちょっ……なによこれ!?

 

 む、胸のあたりが……すごくキツいんだけれど!

 

 どれだけ私の胸って小さかったのかしら……。

 やっぱり、政宗と付き合い初めてからよね、大きくなり始めたの。愛の力って偉大だわ。

 

 …………吉乃には敵わないけれども、少しは追い付いたんじゃないかしら?

 

 仕方がない。このまま行きましょう。

 政宗ならどんな格好でも褒めてくれると思うし。

 このツインテールだって……。

 

 

 

 

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 ガチャッ。

 

「お、おまたせ」

「おう、来た、か…………」

 

 俺は、顔を赤らめながら入ってきた愛姫を見て、言葉を失った。

 

「……ちょっと、何か言いなさいよ」

「…………」

「ねぇ、政宗。政宗っ!!」

「はっ!? す、すまん。つい見惚れてた」

「っ!? ほ、ほんとう?」

「ああ。本当に可愛いよ、愛姫」

 

 本当に見惚れてしまった。

 …………可愛すぎる。いや、可愛いだけでは言い表せない。天使、いや、女神だ!!

 

「きゃっ」

 

 つい近づいて抱き締める。

 

 ……この格好で抱き合うのは何年ぶりだろう。

 

「……本当に、最高に可愛いよ。愛姫、大好きだ」

「……分かってるわよ、それに、私の方が愛は強いんだから!」

「はいはい、そうですねー」

「ちょっと、誤魔化さないでよ!」

 

 抱き締めあったまま言い合う。

 これまでに、何回も、何十回も、何百回も同じように言い合っては、笑いあっていた。

 

「ふっ」

「くすっ」

 

 そして最後は決まって、これで終わる。

 

 

 

「「大好き。愛してる」」

 

 

 

 

 ちゅっ♪



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