真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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第二百八十三話

 

あれから数日経過したが、俺は相変わらず医務室で寝たきりだった。毎日、専属医師から診察を受けて、美羽から医療気功を受けてはいたが未だに起き上がる事も叶わない。いや、起き上がる事は出来んだけど総出で止められている。毎日監視が付く次第である。

 

 

俺を闇討ちした犯人は呉の先代当主である孫堅である可能性が高いと三国に御触れが出される事になった。

魏の兵士は俺を倒せる強さを持つ孫堅の強さに震え、呉の将や兵はある日を境に姿を消した先代が現れた事に嬉しさ半分悩み半分と言った所か。蜀は呉との交流はあったけど先代との交流はほぼ無かったから(黄忠とかは別として)いまいちピンと来ていない様子だ。

 

まあ、注意しろと言っても俺よりも強くなければ間違いなく返り討ちだろう。逃げるのも叶わないだろうし。

しかし、孫堅さんの狙いが分からない。今の平和になっている世の中が気に入らないのか?だったら何故、俺だけを狙った?一刀に被害が及ばなかったのは良かったが……祭さんや美羽の話じゃ強い奴との戦いが生甲斐みたいな事を言っていたらしいが逆に何故、恋や華雄、春蘭とかと戦いを挑みにしなかったのだろう。

 

 

「それに俺の技を完璧に避けた……いや、本能的に避けたと言うべきか?」

 

 

あの時、孫堅は俺が放った超魔光閃を突進しながら避けた。それこそ直撃する直前で僅かに体を反らして当たり前な様に避けた。危ないとか思わなかったんかな……下手すれば大怪我じゃ済まなかったのに、あんな戦い方するなんて。恋や春蘭でもしないぞ、あんな戦い方。

 

 

「副長の気功波を避けて即座に斬撃……私は勿論ですが恋や愛沙さんでも不可能だと思います。武に長けた者ならば副長の気功波に僅かでも萎縮する筈です。ですが、お話を聞く限りでは放たれた気功波を恐れるどころか僅かな隙を生み出さない為に寧ろ前に出たと言うべきなんでしょうか……」

「不思議な一族みたいな真似をしたって事か」

 

 

本日の監視役である凪の解説に俺は妙に納得してしまった。

目の前に迫るナイフから逃れる為に後ろを見せるのではなく敢えて前に出る様な事をしたって事だよな。

 

 

「副長がその状況に追い込まれと言う事は副長の技の隙を一瞬で見抜き、技の威力を加味して手加減をせずに戦ったという事なのでしょう。私でも副長の技の威力を知っていますから同じ事をしますよ」

「凪は長年、俺の事を知ってるからだろう。俺の強さは不意打ちってのが強さの一因となってるが……初見殺しも出来ずに手も足も出なかったな」

 

 

凪はフォローをしてくれたが、ここまで完膚無きまで叩きのめされると気持ちが沈むな。桂花もあれから見舞いに来なくなっちゃったし。

 

 

「はぁ、桂花を抱き……いや、会いたいなぁ」

「副長、本音が滲み出てます」

 

 

沈んだ俺の素直な気持ちが出たが凪が真顔でツッコミを入れた。孫堅さんの事を聞きに、呉の人達との会話が増えて孫策、周瑜からは真名を許されたし、仲良くなった。月や詠、華雄、斗詩、真桜、ねねが頻繁に見舞いに来てくれるが一番会いたい人が来てくれないのはツラいもんだ。と言うか、桂花に失言したのは俺じゃなくて雪蓮と祭さんなんだから俺にキツく当たるのは違うと思うんだけど。

 

 






『ジョジョ名言と行動 勇気シリーズ』
ジョジョの奇妙な冒険作中でキャラが覚悟を持って行動する時に出る名言と行動。
直前までの怯えや恐怖を乗り越え、ピンチをチャンスに変えるシーンに多く見受けられる。

ウィル・A・ツェペリ
「勇気とは怖さを知る事、恐怖を我が物とする事だ!」

岸辺露伴
「自分を乗り越える事さ。僕は自分の運をこれから乗り越える」

ジョルノ・ジョバーナ
「覚悟とは 暗闇の荒野を進み続ける事だ!」

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