真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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第二百十六話

 

 

 

 

◆◇side大河◆◇

 

 

 

自分は師匠や華雄さん達と離れて単独行動をしていたッス。

血風連の皆さんと一緒だったけど、途中で胡軫さんと遭遇して戦う事になったッス。

 

 

「あの若造の弟子か……ならば容赦はせんぞ!」

「自分は未熟ッスけど、負ける気は無いッス!」

 

 

 

相手は汜水関と魏の領土で師匠と二度も戦った胡軫将軍……自分が敵う相手とは思わないけど退く訳にはいかないッス!

 

 

「せりゃあ!」

「ぬっ……速いな!」

 

 

自分の飛び蹴りを胡軫さんは棍で防ぐ。不意を突いたつもりだったけどアッサリと見切られたッス。

 

 

「フン!」

「ちょわっ……魔閃光!」

 

 

胡軫さんの棍を避けながら魔閃光を放つ。これは当たるだろうと思った魔閃光。でも胡軫さんは持っていた棍を自身の目の前でヒュンヒュンと回すと、なんと魔閃光を弾き飛ばした。

 

 

「あの若造の気弾対策に覚えた技だが、どうやら通用する様だな。お主の技は試金石とさせてもらったぞ」

「そ、そんな……ぎゃう!?」

 

 

自分は最近、自信を持ち始めていた気弾を弾き飛ばされて呆然としてしまって……迫り来る胡軫さんの一撃を避ける事が出来なかったッス……咄嗟に左腕で防いだけど……完全に折れたッス……

 

 

「咄嗟にあの若造と同じ防ぎ方をしおったか。師弟揃って似た防御をしおる」

 

 

胡軫さんは自分がもう戦えないと考えてるのか構えを解いてゆっくりと歩いてきてるッス。

 

 

「女子供に手を掛けるのは気が引けるが……む、来たか」

「俺の弟子をいたぶるのはそこまでにしてもらおうか」

「師匠!」

 

 

胡軫さんは自分に向けていた棍を自分の後ろに突き付ける。振り返ると、なんちゃってしるばーすきんを脱いだ師匠が走って来てくれたッス。

 

 

「大丈夫か、大河……って腕が折れてるじゃないか!?明らかに折れてる腫れ方だぞ、それ!?」

「い、痛いけど……師匠が来てくれたから大丈夫ッス……」

 

 

師匠は真っ先に自分の心配をしてくれたッス。普段は桂花さんや詠さんに叱られてるけど、こういう時は優しく頼りになる師匠ッスね!

 

 

「ならば、その不出来な弟子を庇いながら戦って見せろ!」

「師匠、自分は大丈夫ッスから気にせずに戦ってくださいッス!」

 

 

胡軫さんが棍を振り回しながら師匠に迫る。自分は師匠にこっちは心配しないでと叫ぶと師匠はニヤリと笑みを浮かべたッス。

 

 

「大丈夫か……なら大河、一肌脱いでもらうぞ」

「え、一肌って……にゃあっ!?」

 

 

何故か、師匠は自分の上着を捲り上げて胸を晒すように胡軫さんに見せ付けたッス。

 

 

「き、貴様!オナゴの胸を晒すとは何を考えている!?」

「な……自分は男ッスよ!?」

 

 

まはかとは思ってたけど、やっぱり胡軫さんも自分を女と勘違いしてたッスね!

 

 

「スキモノ!じゃなかった、隙アリ!」

「ぬぐおっ!?」

 

 

胡軫さんが動揺した隙に師匠は素早く跳躍し、胡軫さんの腹に突き刺す様な蹴りを放っていたッス。

 

 

「いっぱい……と言うか、おっぱい食わされた気分はドーヨ?」

「おのれ……ふざけた真似をしおって……」

 

 

師匠の勝ち誇った顔に胡軫さんは腹を押さえながら立ち上がる。自分は脱がされた服を元に戻しながら師匠と胡軫さんの戦いを見詰めていたッス。

 

 

「さっき甘寧と戦った時もそうだけど俺は正面から戦えば負けちまうからな……なら頭を使って戦うさ」

「貴様に誇りは無いのか!?」

 

 

師匠の発言に胡軫さんが叫ぶけど何故か、その叫びが何処か小さく見えたッス。

 

 

「俺の誇りなんざ大将や俺の守るべき者の為には不要だ……って言うか今さら俺の評価が下がるとは思えないしな」

 

師匠の呟きに自分は何故か、哀愁と言うか……切なさを感じたッス……多分、普段から種馬と呼ばれてるのを気にしてるんだと思うッス……

師匠は会話の最中で然り気無く、全身に気を張り巡らせているのが分かったッス。

 

 

「おのれ、やはり汜水関でトドメを刺しておくべきだったか!」

「今さらだったな……超光波!」

 

 

迫り来る胡軫さんに師匠は全身に張り巡らせていた気を右腕に集中すると腰を落として構えると一気に解き放った。すると師匠の右手から凄まじい威力の気攻波が放たれたッス。

その威力に砂塵が舞い上がり、地面が少し抉られていたッス。

 

 

「痛ててっ……上手くいったけど、やっぱ新技は影響が出るな……」

 

 

 

師匠の方は技を放った右腕がボロボロになってたッス。それと同時に砂塵の奥から全身がボロボロになった胡軫さんが現れたッス。今の技ををマトモに浴びたのに立ち上がれたんスか!?

 

 

「ワシは……負けん!ワシが負ければ董卓様の時の様に泣く者が現れる!ワシは膝を折る訳にはいかんのだ!」

「し、師匠……」

「………大河、片手でも構わないから、かめはめ波は撃てるか?」

 

 

本来なら動かないであろう体に鞭を打って胡軫さんが此方に突進してくる。その最中、師匠は自分にかめはめ波が撃てるか聞いてくるけど、なんで隠れて特訓したの知っているんスか!?

 

 

「お前が俺に黙って、かめはめ波を凪に学んでたのは知ってるよ。それよりも今は胡軫を倒す事を考えろ。大将の願いを叶えるには……ああいった奴を踏み越えていくしかない」

「師匠……押忍!」

 

 

師匠の言葉に左腕の痛みに耐えながら右手でかめはめ波を撃つ為に構える。

 

 

「ヌオオォォォォォォォォォォォッ!」

「悪いな、アンタも色々と背負ってんだろうけど……こっちも色々と背負ってるんだよ……大河!」

「はい、かめはめ……波っ!」

 

 

目の前まで迫ってきた胡軫さんに自分は片手でかめはめ波を放つ。でも自分のかめはめ波は気の量が少ない事もあり、威力が足りないみたいで胡軫さんは耐えてるみたいッス……

 

 

「ぬ、ぐぅぅぅぅぅぅっ!この程度……っ!」

「大河、そのまま撃ち続けろ!かめはめ……波っ!」

「し、師匠っ!?」

 

 

自分のかめはめ波に耐えてる胡軫さんに師匠はかめはめ波を重ねて放つ。自分の後ろから、かめはめ波を放った師匠に驚きながらも自分もかめはめ波を放ち続ける。

自分と師匠のかめはめ波に耐えきれなくなった胡軫さんはかめはめ波に飲み込まれていく。

 

 

「ば、馬鹿な……ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

「ぜ……は……」

「流石に……もう気が無いな……」

 

 

胡軫さんを倒した自分と師匠だけど自分はその場に倒れて、師匠も自分の隣に座り込んだッス。

 

 

「強かった……ッス……」

「ああ……でも、もう立ち上がれないだろうよ。良く頑張ったな、大河」

 

 

息も途絶え途絶えの自分に師匠は頭を撫でて労ってくれたッス……そんな時、自分の耳に聞こえたのは大将と劉備さんの決闘だったッス。

 

 

 




『スペシウム超光波』

闘士ウルトラマンがマザロン戦で初使用した強化版スペシウムアタック。メフィラス大魔王曰く『星の2つや3つは破壊しかねない威力』との事。


『親子かめはめ波』

悟飯が、悟空の仇をとる為にセルに放った片手かめはめ波。かめはめ波を放つ悟飯の背後で悟空の幻影が浮かび上がる。

親子かめはめ波と名前になっているが実質は悟飯一人のかめはめ波である。

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