真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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第二百十三話

 

 

◇◆side馬超◇◆

 

 

魏の軍隊が蜀の城目前まで来て、遂に最終決戦となった。私は蒲公英と騎馬隊を引き連れ、奴等を迎え撃とうと出陣したら……私にとって会いたくて……それでいて会いたくない奴が待ち構えていた。

 

 

「馬超と馬岱か。つくづく因縁があるな」

 

 

全身を多い尽くす格好をした男……だけど声で天の御使いの片割れ『秋月純一』だと気付く。私にとっては母様の敵である魏の将でありながら母様を看取って遺言を託された人物。

 

 

「まったく、こうも予想通りになるとはな」

「私達がお前達の思い通りになるなんて思うなよ!此所でお前を討つ!」

 

 

秋月はため息混じりの声で呟く。まさか、コイツは私が此処に来る事を予想していたのか!?星や思春が侮れないと言っていた意味が分かった気がする。私は気を引き締めて槍を握り直した。そして私が突撃しようとすると、蒲公英が秋月の横に回り込んで不意打ちをしようとしているのが視界の端に捉えた。あの間だ、避けられないと思った。これで秋月は重傷になるだろうから保護して母様の話を聞かせてもらおうと思った……しかし、事態は私の予想していた以上の結果となってしまう。

 

 

「なっ!避けられた!?」

「危ないな」

 

 

秋月は蒲公英の槍を予想していたかの様に体を捻って避け、蒲公英の槍を掴み、蒲公英を自分の方に引き寄せ、あっと言う間に蒲公英の自由を奪っていた。

 

 

「いったたたっ!?」

「はい、没収な」

 

 

秋月に腕を捻り上げられ、つま先立ちにさせられた蒲公英の槍を素早く取り上げ、槍を遠くに放り投げる。なんて素早い動きだ。まるで私達の行動を全て予想しているかのようだ。そして思い出したのは秋月が『天の種馬兄弟』と呼ばれている事。体の自由を奪われている蒲公英を見て私は思わず叫んだ。

 

 

「蒲公英をどうするつもりだ、この種馬!」

「え、蒲公英汚されちゃうの!?」

「何処まで行ってもこの扱いか」

 

 

私は思わず叫んだ発言に蒲公英は驚きながらも頬を僅かに染め、秋月は何処かで呆れた様子で呟いた。

 

 

 

 

 

◇◆side馬超・end◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さぁ……始めようか』なんて決めてみたけど早くも後悔していた。戦いを始めようとしたら騎馬隊が突っ込んできた。しかも騎馬隊の戦闘は馬超と馬岱。

 

 

「馬超と馬岱か。つくづく因縁があるな」

 

 

馬超と馬岱は西涼、赤壁、定軍山と散々戦ってきた相手だ。しかも馬岱の話じゃ馬超は俺を目の敵にしてるって言うし。出来りゃ会いたくなかったが俺はこういう時は大抵、武将との遭遇率が高いのだ。まあ、そんな訳で誰かしらに遭遇すると予想はしていたんだ。

 

 

「まったく、こうも予想通りになるとはな」

「私達がお前達の思い通りになるなんて思うなよ!此所でお前を討つ!」

 

 

そう言って馬超は槍を握り締め、突撃してきた。ヤバい、ヤバい!俺は咄嗟に横に避ける。すると横から忍び寄っていた馬岱が突きに来ていた。あっぶねぇ!

 

 

「なっ!避けられた!?」

「危ないな」

 

 

俺は偶然避ける事が出来た馬岱の槍を掴み、馬岱を自分の方に引き寄せ、自身の右腕で馬岱の左腕の関節を背中に回し、関節技に極め、立ち上げる。上手く行って良かった!かなりギリギリだったからね!

 

 

「いったたたっ!?」

「はい、没収な」

 

 

左腕の関節を極められた上につま先立ちにさせられた馬岱の槍を素早く取り上げ、槍を遠くに放り投げる。ふー、焦ったわ。

 

 

「蒲公英をどうするつもりだ、この種馬!」

「え、蒲公英汚されちゃうの!?」

「何処まで行ってもこの扱いか」

 

 

馬岱の動きを封じたら馬超から怒られた。真面目に戦ってもこの評価である。解せぬ。

 

俺はこの調子だがはぐれた大河や華雄達はどうしてるだろう。


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